異世界召喚された俺は、チャットアプリを求めた

山田 武

スレ09 虚無の無は無限の無



 前回のあらすじ
 草刈り鎌を創った
 素振りをした
 壁が消滅した……どういうことだ」

 誰も見ていない所で安心だ……なんて言ってる場合じゃ無い!
 とりあえずこの状況は写真に撮ってあるから、後でみんなに相談することもできる。
 それより今は、この壁をどうにかしないとヤバい!
 MPは……あれ? もう回復してる。
 でも、理由を考えてる暇は無い!
 誰だか知らないけど、回復してくれてありがとう!

 混乱しながらも、無のイメージで壁をどうにかできないかを考えてみる。

「無、無……無し、チャラ、リセット……そうだ! ――"原点回帰リセット"」

 何かに引っ張られるように頭に浮かんだその名を唱えると、再び体から何かが減った感覚に襲われる。
 ……うん、二回目だからはっきり分かる。これが魔力なのか。
 きっと他の召喚者達は、こんな気持ち悪さを味わわなくても理解できるんだろうな~。

 俺のMPをごっそり使った魔法は、発動してくれたみたいだ。
 目の前から消え失せた壁が光出し、それが治まる頃には……鎌を振る前に存在してた壁が在った。
 ……ん? 前よりも新しくなっている気がするんだが……ま、それは別に問題無いか。

「とりあえず――これならどれだけ失敗しても大丈夫そうだな!」

 ただでさえ平均以下なんだ、少しでも体に動きを染み込ませないとな。


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自室(仮)


「いや~、色々とできたな。途中から頭痛も感じなくなったし、何か良い称号でもゲットできたのかな?」

 それなら嬉しいんだが、本当に綺麗に感じなくなったからな……原因が気になる。

「まぁ、確認が大切だな――ステータスオープン!」


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ステータス
名前:アサマサ・ワタリ (男) 
種族:異世界人Lv3 職業:【■■使い】Lv1

 HP:100/100
 MP:100/100 
 AP:100/100

 ATK:10
 DEF:10
 AGI:10
 DEX:10
 INT:10
 MIN:10
 LUC:0

通常スキル
(言語理解)(鑑定)(無魔法)

固有
【■■使い】

祝福
(地球神の加護)

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 あれ、何も変化が無い?
 おかしいなー、確かに何かを掴めた気がしたんだけど……。
 俺、本当に変われないな。

「でも、確かに疲れなくなったんだよな。どれだけ使っても」

 この場で"虚無鎌"を出したり消したりしているのだが、虚脱感や頭痛に苛まれることは無い。
 魔法では無いがMPを体外に放出するようなイメージを行っても、MPの数値が段々と減っていくだけで全く体調は変わらない。

「……あとでハルカかナツキにでも訊いてみようかな? 簡単に教えてくれそうな魔法の上手い奴って、アイツらとかを除くとあの二人だしな」

 頭の中で高笑いしているアイツらにツッコミを入れるイメージをしてから、今日はもう寝ることにした。

 ……いや、もう遅いし、夜更かしは女性の敵だってお袋も言ってたしな。
 こんな時間に連絡をしてももう寝てるか。
 だから前の時もアキに連絡したんだし。

「それじゃあお休み~」


 自身のステータスが偽装されたことなど露知らずな朝政は、明日のことを思いながら夢の世界へと旅立った。


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参加者:アサマサ以外


ハルカ:……色々と、ヤバいです

フユツグ:おい、何かあったのか!?

ナツキ:す、直ぐに召喚魔法陣を!

アキ:おいおい、落ち着けって
本当にヤバいことが起きてたなら、もう賢者様がどうにかしているだろ
……そういえば、侍と暗殺者は?

ハルカ:二人は予習復習に励んでいますのでお休みです
それより、今は朝政さんのステータスについてですよ


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ステータス
名前:アサマサ・ワタリ (男) 
種族:異世界人Lv3 職業:【神器使い】Lv1

状態異常: :絶対不変:・魔素同調

 HP:100/100
 MP:∞
 AP:100/100

 ATK:10
 DEF:10
 AGI:10
 DEX:10
 INT:10
 MIN:10
 LUC:0

通常スキル
(言語理解)(鑑定)(虚無魔法)(器用貧乏)
(愚者)(魔素同調)(意思喪失)(存在希薄)
(虚無適性・極)(虚無耐性・極)(限界突破)

魔法リスト
(虚無魔法)
\"虚無◯":鎌……
\"原点回帰"……

固有
【神器使い】:絶対不変:

祝福
(地球神の加護)
(異世界勇者の慈愛)(覇道魔王の慈愛)

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アキ:MP:∞って……おいおい
それに魔素同調って、確かなった奴が必ず死ぬっていう外法だよな

ナツキ:えぇ、確か大量の魔素を体に取り込もうとした人が、逆に魔素に取り込まれてなる現象の筈だけど

フユツグ:怖ッ! 魔法使いってそんな死と隣り合わせのことをやってたのかよ

ハルカ:朝政さんはそれを、魔素枯渇状態から一気に補填することで、MPが少量の状態で可能としました
本来そのようなことは不可能ですが、こちらの人間はMPが枯渇しても動けてしまいますのでできてしまいます

そして魔素同調という症状
称号の方を確認しましたが、それの実態は意識と存在を忘却してしまうことによる自我の喪失にありました
普通の人ならそこで暴走や消滅で終わるんですが……朝政さんには:絶対不変:がありますので、(魔素同調)を称号のスキルとして入手して完全に適合しました

フユツグ:おぉ、遂に朝政にチートが来た!

ナツキ:……元々(虚無魔法)なんてMP100で収まるような代物じゃ無いじゃない
それを発動する為、無理矢理体外から魔素を用意した……そんなところね

アキ:魔法も色々あるな
なんだよこの"原点回帰"って
聞いたこと無いな

ハルカ:あ、それは朝政さんのオリジナルの魔法ですね

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 この後は、朝政の創り出した魔法で盛り上がっていった。

 ――オリジナルの魔法は創造者のイメージで名前が付く。

 つまりは……そういう意味での盛り上がりであった。


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