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約束〜必ずもう一度君に〜

矢崎未峻

認めよう、ここは異世界だ

 そうだ、俺は、自分から飛ばされたんだ。
 あれから、目を開けた矢先にドラゴンに追いかけられて、今に至る。
 そういえば、小動物が消えたな・・・ん?なんか、ついさっき聞いた恐ろしい声が聞こえた気が・・・。
 恐る恐る振り返ると、ドラゴンが再び追いかけてきていた。
 おい待てコラッ!おかしいだろ、どう考えても!
 ついさっき追いかけるのやめたじゃねぇか!お願いだから来んな!!
 願いは虚しく砕け散り、どんどん近づく巨体。ほんの一瞬恨みの目を巨体に向け、すぐさま背を向けて全力疾走。

「くそっ!なんだって俺ばっか狙ってくるんだよ!?」

 よく考えればわかるだろう。標的になるような動物が俺しかいないからだ。・・・なんてこった!
 ん?隊長!前方が開けた土地になっています。あれはまさか・・・

「この森の出口だ~~!!」

 しかし隊長!もしかすると出口ではないかもしれませんよ?

「信じて突っ走れ~!!!うおおおおぉぉぉぉ・・・りゃ!」 

 隊長、やりました!森を抜けました!ドラゴンも追ってきていません!

「森を抜ければ追ってこないと俺には分かっていたよ・・・・って、俺はなにをやってんだよ!?何が隊長だ!ふざけんなよ恥ずかしい!!」

 もうやだ間違いなく黒歴史になったよ今の。
 思う存分落ち込んでから気持ちを切り替え、周囲を見渡してみる。すると思っていたよりもずっと近くに街を見つけた。

「まぁ、近くっつてもかなり距離あるんだけどね・・・やばい挫けそう」

 しかも道中に森と戦闘跡っぽいのあるし。森のほうはダンジョンっぽい雰囲気あるし。
 今度こそ死ぬ。これ確信。だって丸腰だよ?無防備なんだよ?生まれてから今まで殴り合いすらしたことないんだよ?武道だって授業でやったぐらいのもんだし・・・。

「どうしろってんだよ・・・・・・」

 まぁつべこべ言っても仕方ないし、とりあえず森よりも近くにある戦闘跡地に行ってみるか。もしかしたら武器が転がってるかもしれないしな。
 あれ?死人の武器なんか勝手に使ったらダメじゃね?・・・そんなこと言ってられないか。もしあったら精一杯感謝して使わせてもらおう。

「跡地に着いたはいい。それはいいんだけど・・・生々しい!腐敗臭半端ない!直視できねぇよ・・・」

 そう、死体の処理はされていなかったのだ。ひどくても血だまりが残ってる程度だろうと腹をくくっていたのだが、血だまりどころか何から何までそのままだったのだ。
 まぁおかげさまで武器は大量にあるけどね。きれいに原形とどめてるやつとかないに等しいけど。
 原形が残っているものは例外なく触れた途端にボロボロになり、跡形もなく消えてしまう。

「だから、折れた剣とか槍とか斧とかしかつかえそうなのないんだよな~」

 さらにこの中で経験のない俺でもある程度扱えそうなのは、剣ぐらいだよな。てなわけで、剣という剣は集め回っているんだが・・・

「使えそうなの少な!仕方ない、もう少し範囲を広げて集めていくか」

 あっちのほうはあんまり見てないよな・・・っと、発見。これは使えないな。お、あっちにも見つけた。これならまだ使えんじゃね?あ、無理だ。耐久力クソだ。一振りで壊れるな。
 試しに一回振ってみる。

「ほら、壊れた。ってあれ?俺いつから耐久力とかわかるようになったんだ?ま、いっか!」

 気を取り直して・・・お、みつけ・・・た・・・けど、これは・・・。

「あきらかに高級品っていうかゲームで言うレア武器だよな?しかもクッソきれい。つっても、今の俺じゃ扱えないか・・・」

 この先扱えるようになるとは限らないけど。まぁ、とりあえず持っとくか。
 さらにしばらく探してみたけど結局きれいなのはこの一振りだけだった。でも、折れてるとは言えいいものは見つかったし、俺でも扱えそうだし、良いとしよう。
 つかえそうな折れた剣を3本選び、そのうち2本を両腰に、残り1本はレア武器と一緒に背負った。できれば防具やこの世界の服がほしかったが血まみれのしかなかったので諦めた。
 これでここに来た目的は果たせた。さて、今度は森か。

「ほんとは心の底から行きたくないが、仕方ないよな。よし、行こう!」

 俺は森への一歩を踏み出し、転んだ。
 剣って重いな!折れてるの合わせて4本も持ってたら当たり前だけどね!おかげで転んだよ!?
 ていうか森遠いな!体感で数時間歩いてるけど入口にすら辿り着けてない。マジで何の仕打ちだよ。ピンポイントで俺の心抉ってくるなよ。俺のメンタル豆腐になっちゃうよ!?

「あぁ、挫けそう。腹減った~。何も食ってないもんな~。うさぎでもいればな~」

 あ、仮に殺せても捌けないな。・・・適当にやりゃ食えるようになるだろ。うさぎ~、うさぎ~、いないかなぁ?食えそうな動物でも良いからさ~。
ガサガサッ。
 あっはは!食料かな?
ガサガサッ。ピョン!
 うさぎだ~~~~!!!!!

「待てコラ~!俺の食料~~!!」

 左腰の剣(折れてる)を抜き、うさぎに斬りかかる。・・避けられた。
 その後数回のチャレンジの末、討伐に成功。文字通り適当に捌いている途中なのだが、

「そういや、火がない。どうしよう・・・昔の人のやり方で火を起こそう」

 捌くのが終わった後、手ごろな木を集め、摩擦で頑張ってみる。十数分の格闘の結果、無理だった。正確に言おう、疲れたので諦めた。
 俺ってこんなダメダメだっけ?

「こうなったら、生で・・・は無理!くっそ~チキン野郎め!」

 日が落ちてきたな。もうすぐ夜だ。なおのこと火がほしい。
 項垂れていると視界の端で一瞬、何かが光るのが見えた。そして俺の予想が正しければあれは炎の光だった。すぐさま光のほうへ視線を向けると、火を吐くとかげ?が見えた。
 どうやら定期的に火を吐いている様子だったので、棒を持ってそっと近づき、とかげ?が火を吐いた瞬間に棒に火をつけた。
 それに気付いたとかげ?が襲ってきたので、あらかじめ抜いておいた刃折れの剣で斬る。一発で倒せたので機嫌が良くなり、とかげ?の死体も一緒に捌いたうさぎのところに戻った。
 集めていた木に火を移し、うさぎの肉を焼いていく。
 待っている間ひまだったのでとかげ?を解体していく。すると体内からやたら熱い光る袋を見つけ、直接触れないようにようにしながら押さえてみる。

ボッ!

「うぉわ!?・・・火が出た・・・」

 直接触れたらいいなと思い、軽く触ってみる。・・・全然熱くない!というわけで、袋を傷つけないようにしながら丁寧に取り出して行く。無事に取り出せたところで肉のことを思い出した。

「やっべ!・・・ってあれ?良い焼き具合だ」

 焦げてると思い込んでいたため、うれしく思いながら食べ始める。・・・いける!意外とうまい!
 肉はすぐになくなり、とかげ?の解体に戻った。しかし、もう使えそうなところがなく、食べられそうにもなかったから、燃やした。
 あらかた処理が終わると眠気が襲ってきたので、安全そうな岩のに寄りかかって、意識を手放した。

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