記憶共有的異世界物語
第98話:全てを解決する隠し事
ノルヴァ家の感覚を感じないと思ったらそういうことだったのか...。
クソ、どのタイミングで盗られてどうやって戻されたのかサッパリ検討すら付かない...。
あの距離と状況でどうやってその仕事をやって....。
まさか、時止めか?
僕だって静止した時間にアクセスすることは出来る。
だがその更に先の静止した時間が存在すると言うなら、もう僕等に勝ち目はない。
ミレイ・ノルヴァですらアクセス出来ない領域って事だろ...?
シュンヤと融合して、圧倒的な力と自信を手に入れた僕が...。
いや、違う。それは無い。
シュンの限界....と言うと語弊はあるのだろうが、僕は彼の力のほとんどをあの激昂の中で見た。
彼にこれ以上の能力は無い。
という事はシュンヤが殺される前か....。だとしたら納得できない訳ではない。
あの時は止まった時に入るのが精々で他の事に意識を向けている余裕はなかった。
「そうか」
僕はそれだけ言って、水晶玉を木っ端微塵に消し飛ばした。
「貴方何やってるの!」
「悪いなミレイ。シュンとの契約に上書きされてる以上壊す以外の手段が思いつかなかった」
「ひどいなぁ~まるで俺が病原菌みたいな言い草じゃぁないかぁ~」
どこか妙に上機嫌なシュンがニヤニヤ笑いながらそう言う。
この笑顔が憎い。
この声が憎い。
この喋り方が憎い。
そんな憎悪が体の中を巡るのと同時に、僕は不思議な幻影を見た。
阿修羅の様な神秘的なものが脳内で動く。
万物を見渡せる目。瞑想する極行僧。そして何処からかやってくる神秘の光。
「なんだこれ....」
激しい頭痛に見舞われ、思わず膝をついてしまった。
「神の試練が始まったのよ、俊介。貴方は神になる資格を使ってしまった。神への反逆を求める強者は、神への反逆の意思を見せた時点で試練に参加する....。あの水晶はノルヴァ家のモノ。それを壊したのが反逆の意思だと天界に認識されたのよ」
「へぇ~そりゃぁいいじゃないかぁ~....良かったな、俊介ッ!」
そう言うシュンの目に殺意が篭る。
手刀で僕の首を飛ばそうとしてきた。
立った瞬間立ちくらみのようなものが起こり、シュンのその一撃をふらつきで回避した。
凄いぞ、見える。
シュンの動きが。行動が。
残像がスローモーションの様に超スローに見える。
そしてそのスローの空間を動き回ることも出来る....。
一歩先の攻撃までもが見える。
シュンがジャンプで距離を取り、僕に向かって突進してくる。
読めるぞ。
【ウッドソード】
地面から飛び出した刺がシュンを貫く。
穴の空いたシュンの腹から大量の血が噴き出す。
「ウゲッ」
「凄いぞ、今の僕ならお前だって簡単に倒せそうだ」
「フフ....それは天界に【選ばれた】からか?」
「ち、違うわ。貴方のその力は天界からのものじゃない」
「どういうことだ?」
「説明してやるよぉ~....お前は俺と同じ【死神】になるのさぁ....」
僕の刺に串刺しになったシュンが不敵な微笑みで喋る。
「死....神?」
「あぁ、死神さ。汚く下劣な世界の力....」
「俺がお前と接触してからお前の成長がバカみたいに早いと思ったらそれが理由かぁ....」
「何を言ってる....」
「俺は【死神】だよぉ....?その力がお前にも作用してるんだよ。俺の動きから才能から何から何までを再現しているんだよ、無意識下で」
「そして俺を超えた成長を見せる....か。君もシュンヤも、どうして俺を超える可能性を持つ生物って俺と分かり合えないんだろうなぁ~」
そう言うとシュンは地面に溶け出した。
(また会えることを期待してるよ)
地面と同化したシュンは、風の音の様にその言葉を残して消えていった。
後には赤い霧の漏れ続ける教会と、シュンを串刺した棘のみが残った。
「神の試練を始めてしまったなら、もう止まることは出来ない。貴方死までのカウントダウンを初めてしまったのよ」
「死へのカウントダウン?」
「えぇ。持って数時間と言った所かしら」
「回避する方法は無いのか....?」
「あるわ....あるにはあるんだけど....」
「神の試練を突破すればいいのよ....だけど」
「それは神を殺すことを意味するわ」
「神を...殺す?」
「別に【消滅】はさせなくていいの。ただ【殺さないと】行けない」
ここに来てミレイ・ノルヴァは何かを考えてる様な仕草を取った。
そして俯く。
ミレイ・ノルヴァは何かを【隠している】。
それがなんなのかは分からない、聞いてみるのも悪くないかもしれないな。
「なぁ、ミレイ。お前何か隠してないか?」
ミレイ・ノルヴァが顔を上げない。
悩みに悩んでる様子だが、一体何を考えてるんだ?
「神の試練を突破して、尚且つ奈恵達を救う方法があるわ」
クソ、どのタイミングで盗られてどうやって戻されたのかサッパリ検討すら付かない...。
あの距離と状況でどうやってその仕事をやって....。
まさか、時止めか?
僕だって静止した時間にアクセスすることは出来る。
だがその更に先の静止した時間が存在すると言うなら、もう僕等に勝ち目はない。
ミレイ・ノルヴァですらアクセス出来ない領域って事だろ...?
シュンヤと融合して、圧倒的な力と自信を手に入れた僕が...。
いや、違う。それは無い。
シュンの限界....と言うと語弊はあるのだろうが、僕は彼の力のほとんどをあの激昂の中で見た。
彼にこれ以上の能力は無い。
という事はシュンヤが殺される前か....。だとしたら納得できない訳ではない。
あの時は止まった時に入るのが精々で他の事に意識を向けている余裕はなかった。
「そうか」
僕はそれだけ言って、水晶玉を木っ端微塵に消し飛ばした。
「貴方何やってるの!」
「悪いなミレイ。シュンとの契約に上書きされてる以上壊す以外の手段が思いつかなかった」
「ひどいなぁ~まるで俺が病原菌みたいな言い草じゃぁないかぁ~」
どこか妙に上機嫌なシュンがニヤニヤ笑いながらそう言う。
この笑顔が憎い。
この声が憎い。
この喋り方が憎い。
そんな憎悪が体の中を巡るのと同時に、僕は不思議な幻影を見た。
阿修羅の様な神秘的なものが脳内で動く。
万物を見渡せる目。瞑想する極行僧。そして何処からかやってくる神秘の光。
「なんだこれ....」
激しい頭痛に見舞われ、思わず膝をついてしまった。
「神の試練が始まったのよ、俊介。貴方は神になる資格を使ってしまった。神への反逆を求める強者は、神への反逆の意思を見せた時点で試練に参加する....。あの水晶はノルヴァ家のモノ。それを壊したのが反逆の意思だと天界に認識されたのよ」
「へぇ~そりゃぁいいじゃないかぁ~....良かったな、俊介ッ!」
そう言うシュンの目に殺意が篭る。
手刀で僕の首を飛ばそうとしてきた。
立った瞬間立ちくらみのようなものが起こり、シュンのその一撃をふらつきで回避した。
凄いぞ、見える。
シュンの動きが。行動が。
残像がスローモーションの様に超スローに見える。
そしてそのスローの空間を動き回ることも出来る....。
一歩先の攻撃までもが見える。
シュンがジャンプで距離を取り、僕に向かって突進してくる。
読めるぞ。
【ウッドソード】
地面から飛び出した刺がシュンを貫く。
穴の空いたシュンの腹から大量の血が噴き出す。
「ウゲッ」
「凄いぞ、今の僕ならお前だって簡単に倒せそうだ」
「フフ....それは天界に【選ばれた】からか?」
「ち、違うわ。貴方のその力は天界からのものじゃない」
「どういうことだ?」
「説明してやるよぉ~....お前は俺と同じ【死神】になるのさぁ....」
僕の刺に串刺しになったシュンが不敵な微笑みで喋る。
「死....神?」
「あぁ、死神さ。汚く下劣な世界の力....」
「俺がお前と接触してからお前の成長がバカみたいに早いと思ったらそれが理由かぁ....」
「何を言ってる....」
「俺は【死神】だよぉ....?その力がお前にも作用してるんだよ。俺の動きから才能から何から何までを再現しているんだよ、無意識下で」
「そして俺を超えた成長を見せる....か。君もシュンヤも、どうして俺を超える可能性を持つ生物って俺と分かり合えないんだろうなぁ~」
そう言うとシュンは地面に溶け出した。
(また会えることを期待してるよ)
地面と同化したシュンは、風の音の様にその言葉を残して消えていった。
後には赤い霧の漏れ続ける教会と、シュンを串刺した棘のみが残った。
「神の試練を始めてしまったなら、もう止まることは出来ない。貴方死までのカウントダウンを初めてしまったのよ」
「死へのカウントダウン?」
「えぇ。持って数時間と言った所かしら」
「回避する方法は無いのか....?」
「あるわ....あるにはあるんだけど....」
「神の試練を突破すればいいのよ....だけど」
「それは神を殺すことを意味するわ」
「神を...殺す?」
「別に【消滅】はさせなくていいの。ただ【殺さないと】行けない」
ここに来てミレイ・ノルヴァは何かを考えてる様な仕草を取った。
そして俯く。
ミレイ・ノルヴァは何かを【隠している】。
それがなんなのかは分からない、聞いてみるのも悪くないかもしれないな。
「なぁ、ミレイ。お前何か隠してないか?」
ミレイ・ノルヴァが顔を上げない。
悩みに悩んでる様子だが、一体何を考えてるんだ?
「神の試練を突破して、尚且つ奈恵達を救う方法があるわ」
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