記憶共有的異世界物語
第80話:現れた【死神】
静止した時の空間の中、僕とシュンは異様な雰囲気に包まれていた。
僕はその迫力に、指一本動かせなかった。
「君の【時】は止めてないはずなんだけどなぁ.....まぁ....君がァ...?止まってたいなら....それもそれでいいんだけどねぇ.....」
シュンは右手をシュンヤの方に向けた。
【ウッドソード】
瞬間―――
シュンヤの心臓に深い穴が空いた。
ガッポリ深々と穴が空いた。
「お前....何を」
「見ての通りさぁ....シュンヤはねぇ....死んだんだよなぁ!」
「お前....お前えええ!」
待て、落ち着け。
時間は止まっている。
【ウッドソード】
シュンヤにガッポリと空いた穴は塞がった。
しかし、その穴がふさがると同時に、シュンヤの体は大爆発を起こした。
その爆風に飛ばされ、僕は教会の壁に強く打ち付けられた。
「あ~あ....シュンヤ殺しちゃったねぇ....俊介ぇ......」
「僕の【ウッドソード】はねぇ?キミのそれとはちょっと違ってね....【能力】を付与させることもできるんだ」
そう言ってシュンは一つの懐中時計を見せてきた。
シュンが蓋の空いた懐中時計の蓋を閉めると同時に、時は動き出した。
僕が投げた石は爆風の衝撃で粉微塵になり、シュンヤの血が教会の机にベットリと付着した。
「あ...あぁ....」
今僕の目の前で起こった現象を僕自身が理解する....。
理解したくない、目を背けたくなるようなクソみたいな現実を....。
「時を止める時計。時空を超えるドア.....そして【修復をスイッチにした爆弾】なんてのも作れちゃうんだよねぇ.....」
「キミは不用意にスイッチを押したんだぁ.....そう!君が!殺したんだよ!」
シュンのこの人を追い込む言い方に、僕の内心は激昂を通り越して居た。
恐怖の感情は過去に感じたことのないほどに膨大なものだったが、それ以上の怒りが僕の体の中を走り回る。
【ウッドソード】
地面を盛り上げ、シュンを潰そうとした。
【ウッドソード】
盛り上げシュンを圧迫しようとした地面はシュンをすり抜けた。
地面がすり抜けるのと同時に、その物体が水晶玉に変化した。
その美しく輝く水晶玉はプカプカと宙に浮き、シュンの目の前で停止した。
その水晶玉には奈恵達が写っていた。
「はは~。君たちチュラル村に向かったのかぁ....あの空間に入ってくれるだろうかぁ...?」
あの空間....あの歪み。
そうだ。シュンは今あの歪みの【外】に居る。
なのに何故記憶が僕の元に届かないんだ。
「お前の...記憶は....僕が....」
シュンがこちらをギョロリと睨む。
口元がニヤリと笑い、シュンは心なしか嬉しそうな表情を見せた。
「てことは彼女達をあの歪みに行くように指示したのはキミかぁ....」
「僕の作った作り話ィ....どうだい?クオリティ高かっただろう?」
「作り話...?」
「あららぁ~?もしかしてクオリティ高すぎて完全に実話だと思っちゃったぁ~?」
おい...待て....まさか。
「君に届けてた記憶はねぇ....全部僕が【作った】ものなんだよぉ~?」
「僕は【万物を司る神】...記憶だってお手のものさ」
「じゃぁ僕の未来を完璧に予知していたのは....」
「それも僕の捏造....君の未来を見たのさ....【コイツ】で」
シュンは懐から一冊の厚い本を取り出した。
「君がずうううっと探してた本....【エルフの禁忌の書】だよ」
シュンは残虐な笑みを見せた。
「エルフもマメだよねぇ....魔法で書いてるから効率は良いけど、キミの言動を一字一句そのまま正確に書き写してるんだから....」
シュンが手をずらすと、複数の禁忌の書が顔を出した。
その本は黒の革表紙で、金字でそれぞれの名前が書かれいていた。
俊介。奈恵。冬弥。和也。ラロイ。トウ。と僕がこの一件で関わった全ての人間の名前が掘られていた。
「なぁ...お前何者なんだ...?あの記憶が捏造だって言うなら【ループ】の話も嘘なんだろ?一体お前は....」
「だから何度も言ってるじゃないか....僕は【万物を司る神】シュン。ミレイ・ノルヴァの失敗が産んだ.....【死神】だよ」
「僕とお前は何なんだ。なんでお前は僕の【ウッドソード】を使えるんだ」
「質問が多いなぁ....君が持ってるその記憶...全部がフィクションってわけじゃないんだよぉ....」
死神シュン.....。
彼の言動の一つ一つにビクビクさせられている。
シュンヤを僕に殺させ、禁忌の書を見せつける。
そして僕より遥かに凄まじい【ウッドソード】を見せつける。
彼は僕をいつでも殺せる。
彼は僕を殺しに来たのだと思っていた。
しかしその記憶そのものが偽物だった。
これは一体どういう事だ。
理解不能を通り越してもはや脳が働かない。
クソ....。
なんなんだ。
僕はその迫力に、指一本動かせなかった。
「君の【時】は止めてないはずなんだけどなぁ.....まぁ....君がァ...?止まってたいなら....それもそれでいいんだけどねぇ.....」
シュンは右手をシュンヤの方に向けた。
【ウッドソード】
瞬間―――
シュンヤの心臓に深い穴が空いた。
ガッポリ深々と穴が空いた。
「お前....何を」
「見ての通りさぁ....シュンヤはねぇ....死んだんだよなぁ!」
「お前....お前えええ!」
待て、落ち着け。
時間は止まっている。
【ウッドソード】
シュンヤにガッポリと空いた穴は塞がった。
しかし、その穴がふさがると同時に、シュンヤの体は大爆発を起こした。
その爆風に飛ばされ、僕は教会の壁に強く打ち付けられた。
「あ~あ....シュンヤ殺しちゃったねぇ....俊介ぇ......」
「僕の【ウッドソード】はねぇ?キミのそれとはちょっと違ってね....【能力】を付与させることもできるんだ」
そう言ってシュンは一つの懐中時計を見せてきた。
シュンが蓋の空いた懐中時計の蓋を閉めると同時に、時は動き出した。
僕が投げた石は爆風の衝撃で粉微塵になり、シュンヤの血が教会の机にベットリと付着した。
「あ...あぁ....」
今僕の目の前で起こった現象を僕自身が理解する....。
理解したくない、目を背けたくなるようなクソみたいな現実を....。
「時を止める時計。時空を超えるドア.....そして【修復をスイッチにした爆弾】なんてのも作れちゃうんだよねぇ.....」
「キミは不用意にスイッチを押したんだぁ.....そう!君が!殺したんだよ!」
シュンのこの人を追い込む言い方に、僕の内心は激昂を通り越して居た。
恐怖の感情は過去に感じたことのないほどに膨大なものだったが、それ以上の怒りが僕の体の中を走り回る。
【ウッドソード】
地面を盛り上げ、シュンを潰そうとした。
【ウッドソード】
盛り上げシュンを圧迫しようとした地面はシュンをすり抜けた。
地面がすり抜けるのと同時に、その物体が水晶玉に変化した。
その美しく輝く水晶玉はプカプカと宙に浮き、シュンの目の前で停止した。
その水晶玉には奈恵達が写っていた。
「はは~。君たちチュラル村に向かったのかぁ....あの空間に入ってくれるだろうかぁ...?」
あの空間....あの歪み。
そうだ。シュンは今あの歪みの【外】に居る。
なのに何故記憶が僕の元に届かないんだ。
「お前の...記憶は....僕が....」
シュンがこちらをギョロリと睨む。
口元がニヤリと笑い、シュンは心なしか嬉しそうな表情を見せた。
「てことは彼女達をあの歪みに行くように指示したのはキミかぁ....」
「僕の作った作り話ィ....どうだい?クオリティ高かっただろう?」
「作り話...?」
「あららぁ~?もしかしてクオリティ高すぎて完全に実話だと思っちゃったぁ~?」
おい...待て....まさか。
「君に届けてた記憶はねぇ....全部僕が【作った】ものなんだよぉ~?」
「僕は【万物を司る神】...記憶だってお手のものさ」
「じゃぁ僕の未来を完璧に予知していたのは....」
「それも僕の捏造....君の未来を見たのさ....【コイツ】で」
シュンは懐から一冊の厚い本を取り出した。
「君がずうううっと探してた本....【エルフの禁忌の書】だよ」
シュンは残虐な笑みを見せた。
「エルフもマメだよねぇ....魔法で書いてるから効率は良いけど、キミの言動を一字一句そのまま正確に書き写してるんだから....」
シュンが手をずらすと、複数の禁忌の書が顔を出した。
その本は黒の革表紙で、金字でそれぞれの名前が書かれいていた。
俊介。奈恵。冬弥。和也。ラロイ。トウ。と僕がこの一件で関わった全ての人間の名前が掘られていた。
「なぁ...お前何者なんだ...?あの記憶が捏造だって言うなら【ループ】の話も嘘なんだろ?一体お前は....」
「だから何度も言ってるじゃないか....僕は【万物を司る神】シュン。ミレイ・ノルヴァの失敗が産んだ.....【死神】だよ」
「僕とお前は何なんだ。なんでお前は僕の【ウッドソード】を使えるんだ」
「質問が多いなぁ....君が持ってるその記憶...全部がフィクションってわけじゃないんだよぉ....」
死神シュン.....。
彼の言動の一つ一つにビクビクさせられている。
シュンヤを僕に殺させ、禁忌の書を見せつける。
そして僕より遥かに凄まじい【ウッドソード】を見せつける。
彼は僕をいつでも殺せる。
彼は僕を殺しに来たのだと思っていた。
しかしその記憶そのものが偽物だった。
これは一体どういう事だ。
理解不能を通り越してもはや脳が働かない。
クソ....。
なんなんだ。
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