記憶共有的異世界物語
第59話:大罪の女
俊介の部屋の前でハッ!とした。
シュンヤの説明に動かされた?
違う。
純粋に心配を煽られたのだ。
俊介の精神状態が不安定と聞いて安心できる方がおかしい。
「なぁ純也...お前なんであの時ステンエギジス使わなかったんだよ....」
「なんでいっつも無視すんだよ...」
「おい!純也!聞いてんだろオォ!」
「おい!」
壁越しに聞こえる俊介の苦しそうな嗚咽。
純也に対して問いかけているが、反応がないせいで完全な独り言になっている。
シュンヤの言った通り、彼は【孤独】を感じているのだろう。
彼の嗚咽を聞いて耐えかねた私は俊介の部屋に入った。
はずだった。
気付くと私は落下していた。
真っ暗な暗闇の中に落下していった。
目を閉じた状態に落下の感覚が永遠に続くようなそんな感覚。
その感覚は純粋に【恐怖】のみを感じる感覚で、私は声すら上げられなかった。
やばい――――死ぬ。
ゴスッ...と鈍く鋭い音がトンネルの様に響いた。
生き...てる?
「ハ~ァイ☆奈恵ちゃん生っきてる~?」
ハイテンションで頭に響く声が聞こえた。
あたりは真っ暗な暗闇だったが、地面にはスポットライトが当てられたような光の円が展開されていた。
上に光は見えない。
しかし地面の円に私の影が写っている。
不思議な空間に迷い込んだ場合の対処なんて一生で考えることはまず無い....なんでこうなるのほんと。
「貴方は?」
「私ぃ~?私は【マヨイ・ヴァレン】。【大罪を司る女神】...って言ってもピンと来ないよね」
そう言ってマヨイ・ヴァレンと名乗ったその女神は私に手をかざした。
【ウッドソード】
彼女が唱えたその能力に驚きを隠せなくなるのと同時に、歪に曲げられた私の腕が痛み出した。
「っつ...」
「【人の能力を丸々コピーする能力】...どう?最っ高に罪深いでしょ♪」
「貴方をこのままいじめてみるのもいいんだけどぉ...今日の要件はそれじゃ無いの」
さっきから腕に治癒魔法をかけているが全然その効果を見せない。
この女コピーする能力以外にも何かを隠しているようだ。
なんてこった....私にはこの女を相手をする事は出来ない。【不可能】だ。
「そんな怯えなくてもいいのよ♪貴方は何も考えずに私の話を聞いてくれればそれでいいの...」
マヨイ・ヴァレンと名乗ったその女神は不気味な笑みを見せた。
「ホントは俊介君を呼びたかったんだけどねぇ...?ご生憎様あの調子だからさ♪」
「あな...」
グシャッ――――
鳴ってはいけない音が鳴るのと同時に、私の腕は引きちぎれてるんじゃないかと思える程に曲がった。
「あああああっ......」
腕に走る激痛。
腕がねじれるなんて経験をしたのはこれが生まれて初めてだ。
「黙って聞きなって...なぁ?」
マヨイ・ヴァレンは顔を0距離まで近づけてきてそう言った。
ブルってる...最高にブルってしまってる...。
正直もう気を失いそうだ。
痛みもそうだが、それ以上に精神にかかる負荷が尋常じゃない。
「ミレイ・ノルヴァいるじゃない?ほら。ノルヴァ家の長やってるあの娘」
「あの娘がここ最近調べてる男いるでしょ?アレについて貴方達何か知らない?」
ミレイ・ノルヴァが調べてる男?
そのそもミレイ・ノルヴァとそんな関わりが無いのにそんな事知っているわけがない。
この女の言いたいことが分からない。
「あらそう...知らないの...」
女が残念そうに俯いたかと思うと、すぐに気色悪い笑みを浮かべた。
「覚えておきなさいね♪その男の名前は【シュン】。きっと貴方達を殺しに来るわ」
「そうなったらいくらノルヴァ家の加護があっても、ヴァレン家が協力してあげても貴方達を助けることは出来ない」
私たちを助ける?
どういう事だ?
「私達をどうす...」
「ハーイ没収~♪」
彼女がそういうのと同時に、私の腕は吹っ飛んだ。
腕の傷口は数秒もしないうちに埋まった。
女は私の腕を掴むと、満足げに笑った。
その様に耐え切れず、私は気を失ってしまった。
▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓
「なんで無視するんだ!聞こえてるんだろ!なぁ!」
あぁ...本当に気が荒れている。
僕だってもう気づいているさ。
純也が僕の中から消えている。
どこに行ったのかは分からない。
いつの間にか消えていたのだ。
僕は彼の加護に甘えすぎていたのかもしれない。
その怠惰さで馬場さんを殺した。
バリッシュさんを仲間から失わせた。
神の力は本当に絶大だった。
初めてグリシアに会った時、僕は彼女を秒で圧倒できた。
でも今回はどうだ?
苦戦、苦闘。挙句敗北。
前回との違いはなんだ?って聞かれたら当然純也の加護があるかないかの違いだ。
クソッタレ...。
神の力が無いと神に対抗することも出来ない。
人間なんて所詮非力。なんて言うグリシアの高笑いが聞こえてくるようだ...。
被害妄想はやめよう。
ここでウジウジ考えてたって進まない。
神の加護の力がそんなに偉大なら、それを越えればいいだけの話。
シュンヤが見つけてくれた能力【ウッドソード】。
これさえあれば僕は神を超えられる。
ドサッ....
突然奈恵が落ちてきた。
奈恵の腕は一本消えており、そこには気絶した奈恵がいた。
「奈恵?」
体を揺らして見たが起きる様子は無かった。
【ウッドソード】
奈恵の腕をとりあえずで修復した。
機能面はこれで問題はないだろう。
奈恵に一体何があったって言うんだ...。
シュンヤの説明に動かされた?
違う。
純粋に心配を煽られたのだ。
俊介の精神状態が不安定と聞いて安心できる方がおかしい。
「なぁ純也...お前なんであの時ステンエギジス使わなかったんだよ....」
「なんでいっつも無視すんだよ...」
「おい!純也!聞いてんだろオォ!」
「おい!」
壁越しに聞こえる俊介の苦しそうな嗚咽。
純也に対して問いかけているが、反応がないせいで完全な独り言になっている。
シュンヤの言った通り、彼は【孤独】を感じているのだろう。
彼の嗚咽を聞いて耐えかねた私は俊介の部屋に入った。
はずだった。
気付くと私は落下していた。
真っ暗な暗闇の中に落下していった。
目を閉じた状態に落下の感覚が永遠に続くようなそんな感覚。
その感覚は純粋に【恐怖】のみを感じる感覚で、私は声すら上げられなかった。
やばい――――死ぬ。
ゴスッ...と鈍く鋭い音がトンネルの様に響いた。
生き...てる?
「ハ~ァイ☆奈恵ちゃん生っきてる~?」
ハイテンションで頭に響く声が聞こえた。
あたりは真っ暗な暗闇だったが、地面にはスポットライトが当てられたような光の円が展開されていた。
上に光は見えない。
しかし地面の円に私の影が写っている。
不思議な空間に迷い込んだ場合の対処なんて一生で考えることはまず無い....なんでこうなるのほんと。
「貴方は?」
「私ぃ~?私は【マヨイ・ヴァレン】。【大罪を司る女神】...って言ってもピンと来ないよね」
そう言ってマヨイ・ヴァレンと名乗ったその女神は私に手をかざした。
【ウッドソード】
彼女が唱えたその能力に驚きを隠せなくなるのと同時に、歪に曲げられた私の腕が痛み出した。
「っつ...」
「【人の能力を丸々コピーする能力】...どう?最っ高に罪深いでしょ♪」
「貴方をこのままいじめてみるのもいいんだけどぉ...今日の要件はそれじゃ無いの」
さっきから腕に治癒魔法をかけているが全然その効果を見せない。
この女コピーする能力以外にも何かを隠しているようだ。
なんてこった....私にはこの女を相手をする事は出来ない。【不可能】だ。
「そんな怯えなくてもいいのよ♪貴方は何も考えずに私の話を聞いてくれればそれでいいの...」
マヨイ・ヴァレンと名乗ったその女神は不気味な笑みを見せた。
「ホントは俊介君を呼びたかったんだけどねぇ...?ご生憎様あの調子だからさ♪」
「あな...」
グシャッ――――
鳴ってはいけない音が鳴るのと同時に、私の腕は引きちぎれてるんじゃないかと思える程に曲がった。
「あああああっ......」
腕に走る激痛。
腕がねじれるなんて経験をしたのはこれが生まれて初めてだ。
「黙って聞きなって...なぁ?」
マヨイ・ヴァレンは顔を0距離まで近づけてきてそう言った。
ブルってる...最高にブルってしまってる...。
正直もう気を失いそうだ。
痛みもそうだが、それ以上に精神にかかる負荷が尋常じゃない。
「ミレイ・ノルヴァいるじゃない?ほら。ノルヴァ家の長やってるあの娘」
「あの娘がここ最近調べてる男いるでしょ?アレについて貴方達何か知らない?」
ミレイ・ノルヴァが調べてる男?
そのそもミレイ・ノルヴァとそんな関わりが無いのにそんな事知っているわけがない。
この女の言いたいことが分からない。
「あらそう...知らないの...」
女が残念そうに俯いたかと思うと、すぐに気色悪い笑みを浮かべた。
「覚えておきなさいね♪その男の名前は【シュン】。きっと貴方達を殺しに来るわ」
「そうなったらいくらノルヴァ家の加護があっても、ヴァレン家が協力してあげても貴方達を助けることは出来ない」
私たちを助ける?
どういう事だ?
「私達をどうす...」
「ハーイ没収~♪」
彼女がそういうのと同時に、私の腕は吹っ飛んだ。
腕の傷口は数秒もしないうちに埋まった。
女は私の腕を掴むと、満足げに笑った。
その様に耐え切れず、私は気を失ってしまった。
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「なんで無視するんだ!聞こえてるんだろ!なぁ!」
あぁ...本当に気が荒れている。
僕だってもう気づいているさ。
純也が僕の中から消えている。
どこに行ったのかは分からない。
いつの間にか消えていたのだ。
僕は彼の加護に甘えすぎていたのかもしれない。
その怠惰さで馬場さんを殺した。
バリッシュさんを仲間から失わせた。
神の力は本当に絶大だった。
初めてグリシアに会った時、僕は彼女を秒で圧倒できた。
でも今回はどうだ?
苦戦、苦闘。挙句敗北。
前回との違いはなんだ?って聞かれたら当然純也の加護があるかないかの違いだ。
クソッタレ...。
神の力が無いと神に対抗することも出来ない。
人間なんて所詮非力。なんて言うグリシアの高笑いが聞こえてくるようだ...。
被害妄想はやめよう。
ここでウジウジ考えてたって進まない。
神の加護の力がそんなに偉大なら、それを越えればいいだけの話。
シュンヤが見つけてくれた能力【ウッドソード】。
これさえあれば僕は神を超えられる。
ドサッ....
突然奈恵が落ちてきた。
奈恵の腕は一本消えており、そこには気絶した奈恵がいた。
「奈恵?」
体を揺らして見たが起きる様子は無かった。
【ウッドソード】
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機能面はこれで問題はないだろう。
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