記憶共有的異世界物語
第3話:闘士
マズイ...。
こればっかりはマジでマズイ。
着地地点をさらえる程の知能がこいつらに備わってると思っていなかった。
慢心とは本当に恐ろしいもので、自業自得の死がそこに待っている気分がここまで辛いモノだとは想像すらしていなかった。
恐ろしい程の苦痛と共に、圧倒的な絶望感が僕を包み込む。
不快感と恐怖に挟まれ意識や感覚が薄れていく...。
【レラロイド】
誰かの声だった。
誰かがそう唱えた。
眩しい光に包まれて、僕を喰わんとしていた化物がすべて消えた。
宙吊りにされていた僕は地面に叩きつけられる形になったのだが、助かったと理解しても足が動いてくれなかった。
立てなかったのだ。
足がすくんだ。
力が入らなかった。
突然の出来事に意識もだんだんと薄らいで...。
==========================
気付くと昼食時間になっていた。
視線を落とすとそこには弁当があった。
一体誰がこれを用意したのだろうか?
自分だ。
自分で用意した。
恐怖を通り越した気色悪さは、シュンヤや異世界の存在を認めても尚続く。
これ以上ないほどの気色悪さに精神が蝕まれそうになるが、なんとかこらえている。
「なぁ冬弥、この弁当誰が用意した?」
帰ってくる答えは目に見えていたが聞かずにはいれなかった。
「いや、自分で用意してたじゃん....今日のお前本当に変だよ?大丈夫?」
だろうな。
記憶にないがあるのだから。
僕がやった記憶は無い。でも用意した記憶がある。
僕があの世界でモンスターに喰われそうになっている間、こっちではシュンヤが僕を演じているという事か?
本当に気色悪い。
記憶の中に別の人間の記憶が入っているだけに留まらず、自分の無意識下で別の【誰か】が自分を演じるのだ。
精神が壊れそうになってきている。
よくもまぁ耐えれてるなぁ...と自分でも思っている。
これで耐えれる方が異常だ。
昼食の弁当を食べる気になれなかった。
気色悪さのせいで食べたくなくなった。
自分の偽物が用意した弁当が怖くて食べられなかった。
シュンヤの目的も分からない。
僕が向こうの世界に行くとあれほどまでに困惑するというのに....。
何故シュンヤはこちらの世界にこうもあっさり馴染めるのだ。
それも【演技】か?
馴染めてるように思わせる為の【演技】なのか?
畜生。
だったらなんでこうも違和感なく【演じる】事が出来るんだ。
不可能に近い。
仮に僕の記憶がシュンヤにも【共有】されてるとして、その断片的な記憶のみでどうして違和感なく演じられるのだ。
謎でしかない。
一応これでもここは学校だ。
こちらの学問が向こうの世界と完全一致しているとは思えない。
似ているかもしれないが、どこかでずれるだろう。
なにせ向こうには【魔法】という概念がある。
だったらその狂気的なまでの【演技力】は魔法によるものか?
シュンヤは魔法使いで、それこそホログラムの上位互換の様なもので過去の僕を再現したのか?
いや、それこそありえない。
そんなことしたら絶対浮く。
圧倒的な違和感が生まれる。
向こうの世界のその後の記憶がものすごく曖昧になっている。
僕が何者かに助けられた後の記憶が無い。
普段ならこっちの世界に戻ってきた後に向こうの世界の記憶が入ってくるものだが...。
現実と言うのはどうしてこうも人を苦しめるのだろうか。
それとも単に僕が阿呆なだけか。
コミュニケーションを取ろうとしたのは間違いだったのだろうか?
いや、間違いではない。
仮に間違いだったとしてもハッキリと【進展】したのだ。
成果に繋がったのであればそれは【正解】だろう。
なら、ならばだ。
次に必要になるのは【演技力】だろう。
シュンヤの記憶は確かにあるが、人の名前やシュンヤが日頃やっている事。更にはその世界の事などがものすごく断片的にしか入っていない。
更に言うなら、その気味悪さ故にシュンヤの記憶に関しては出来るだけ深入りしないようにしていた。
記憶が入っていても思い出そうとはせずに、ただ無視していた。
しかしこうなれば話は別だ。
コミュニケーションを取る必要があり、向こうが僕の記憶を熟知している事が分かった今。出来ることはただ一つ。
彼が僕と共有している記憶をすべて【読む】
断片的にしか記憶していないという事もあってそう簡単な事ではない。
でもノイズが掛かっている記憶の中にはものすごく重要な【情報】がぎっしり詰まっているのだ。
気味悪い、気色悪い。で片付けられる時代はもう終わった。
【闘士】が湧いてきた。
このタイミングで僕が向こうの世界に飛ばされるようになったのには何かしらの理由があるのだろう。
これから先どうなるかはさっぱり分からないが、目的だけはハッキリしている。
シュンヤへの【憑依】の理由を突き止めて、向こうの世界との因縁を【断ち切る】!
こればっかりはマジでマズイ。
着地地点をさらえる程の知能がこいつらに備わってると思っていなかった。
慢心とは本当に恐ろしいもので、自業自得の死がそこに待っている気分がここまで辛いモノだとは想像すらしていなかった。
恐ろしい程の苦痛と共に、圧倒的な絶望感が僕を包み込む。
不快感と恐怖に挟まれ意識や感覚が薄れていく...。
【レラロイド】
誰かの声だった。
誰かがそう唱えた。
眩しい光に包まれて、僕を喰わんとしていた化物がすべて消えた。
宙吊りにされていた僕は地面に叩きつけられる形になったのだが、助かったと理解しても足が動いてくれなかった。
立てなかったのだ。
足がすくんだ。
力が入らなかった。
突然の出来事に意識もだんだんと薄らいで...。
==========================
気付くと昼食時間になっていた。
視線を落とすとそこには弁当があった。
一体誰がこれを用意したのだろうか?
自分だ。
自分で用意した。
恐怖を通り越した気色悪さは、シュンヤや異世界の存在を認めても尚続く。
これ以上ないほどの気色悪さに精神が蝕まれそうになるが、なんとかこらえている。
「なぁ冬弥、この弁当誰が用意した?」
帰ってくる答えは目に見えていたが聞かずにはいれなかった。
「いや、自分で用意してたじゃん....今日のお前本当に変だよ?大丈夫?」
だろうな。
記憶にないがあるのだから。
僕がやった記憶は無い。でも用意した記憶がある。
僕があの世界でモンスターに喰われそうになっている間、こっちではシュンヤが僕を演じているという事か?
本当に気色悪い。
記憶の中に別の人間の記憶が入っているだけに留まらず、自分の無意識下で別の【誰か】が自分を演じるのだ。
精神が壊れそうになってきている。
よくもまぁ耐えれてるなぁ...と自分でも思っている。
これで耐えれる方が異常だ。
昼食の弁当を食べる気になれなかった。
気色悪さのせいで食べたくなくなった。
自分の偽物が用意した弁当が怖くて食べられなかった。
シュンヤの目的も分からない。
僕が向こうの世界に行くとあれほどまでに困惑するというのに....。
何故シュンヤはこちらの世界にこうもあっさり馴染めるのだ。
それも【演技】か?
馴染めてるように思わせる為の【演技】なのか?
畜生。
だったらなんでこうも違和感なく【演じる】事が出来るんだ。
不可能に近い。
仮に僕の記憶がシュンヤにも【共有】されてるとして、その断片的な記憶のみでどうして違和感なく演じられるのだ。
謎でしかない。
一応これでもここは学校だ。
こちらの学問が向こうの世界と完全一致しているとは思えない。
似ているかもしれないが、どこかでずれるだろう。
なにせ向こうには【魔法】という概念がある。
だったらその狂気的なまでの【演技力】は魔法によるものか?
シュンヤは魔法使いで、それこそホログラムの上位互換の様なもので過去の僕を再現したのか?
いや、それこそありえない。
そんなことしたら絶対浮く。
圧倒的な違和感が生まれる。
向こうの世界のその後の記憶がものすごく曖昧になっている。
僕が何者かに助けられた後の記憶が無い。
普段ならこっちの世界に戻ってきた後に向こうの世界の記憶が入ってくるものだが...。
現実と言うのはどうしてこうも人を苦しめるのだろうか。
それとも単に僕が阿呆なだけか。
コミュニケーションを取ろうとしたのは間違いだったのだろうか?
いや、間違いではない。
仮に間違いだったとしてもハッキリと【進展】したのだ。
成果に繋がったのであればそれは【正解】だろう。
なら、ならばだ。
次に必要になるのは【演技力】だろう。
シュンヤの記憶は確かにあるが、人の名前やシュンヤが日頃やっている事。更にはその世界の事などがものすごく断片的にしか入っていない。
更に言うなら、その気味悪さ故にシュンヤの記憶に関しては出来るだけ深入りしないようにしていた。
記憶が入っていても思い出そうとはせずに、ただ無視していた。
しかしこうなれば話は別だ。
コミュニケーションを取る必要があり、向こうが僕の記憶を熟知している事が分かった今。出来ることはただ一つ。
彼が僕と共有している記憶をすべて【読む】
断片的にしか記憶していないという事もあってそう簡単な事ではない。
でもノイズが掛かっている記憶の中にはものすごく重要な【情報】がぎっしり詰まっているのだ。
気味悪い、気色悪い。で片付けられる時代はもう終わった。
【闘士】が湧いてきた。
このタイミングで僕が向こうの世界に飛ばされるようになったのには何かしらの理由があるのだろう。
これから先どうなるかはさっぱり分からないが、目的だけはハッキリしている。
シュンヤへの【憑依】の理由を突き止めて、向こうの世界との因縁を【断ち切る】!
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