勝手知りたる神々の権能

創伽夢勾

弐:魔王の娘

 目の前に広がる草原、そこに群がる人々。

 え?ここはどこだって?それは勿論、空中ですよ、空中!
 どこに向かってるか?それはあの人だかりの中……

「やばくね?」

 やばい、それは当然俺があの中に突っ込むという意味で……

 ドコーーン

「いっててて」

 えーなんかすごい見られてる。すごい目線が、やめて!

「えーっといらないならこの子貰ってっていい?」




「お前ごとき小娘が魔王になるなどだれが認めるか」
「私は魔王グランス・イーヴァの娘。リリアナ・イーヴァです。私は魔王の意志を、、、」
「貴様ごとき半端物が魔王になどなるものか、さっさといなくなれぇ!!!」

 魔族の貴族であるそいつが斧を振り下ろした。
 その時、真横で凄まじい音と共に土煙が立った。その中から出てきたのは、銀髪の少女?だった。

 その子は私の横に立つとこんなことを言うのです。

「えーっといらないならこの子貰ってっていい?」



「き、貴様何者だ!」
「え?俺?俺の名前はテト、よろしく。」

 俺が手を差し出したのは勿論。俺に質問した奴にではなく横にいた女の子にだ。

「えっと私はリリアナです」
「うん聞こえてたよ」
「貴様ぁ私を愚弄するかぁ!!」

 振り下ろされる斧そんなものには当たらない。

「で、さこの子貰ってっていい?」
「私を倒してから行ってみろ!」
「いや、なんでお前の許可なんかがいるんだよ」

 なんど振られても斧なんか当たらない。
 振り下ろす、横に薙ぐ、切り上げる、どれも当たらない。

 えーっと再使用まで2分ってとこか。

「リリアナ、お前はどうする?」
「え?私ですか?」

 あーこいつ、この斧振ってくるやつ鬱陶しい。
 んでこの子も……

「だってお前魔王になる気ないだろ?」
「え?なんで……」
「ほら、早く。来るか来ないか、来ないなら俺は行くよ」

 まぁ助けないとは言ってないけど。これで言うこと聞いてくれたら楽かなぁ

「い、行きます!」
「よし、よく言った」
「貴様ぁ私を忘れるな!、このままいけると思うなよ!」

 え?けどこの状況でどうするんだろう。とか思ってるんだろうな、

「リリアナ。お前今この状況でどうやってとか思ったろ」
「い、いちいち私の心読まないでください!」
「はいはい、、見とけよ」

 おっちょうど2分

『我は神々の意志を継ぎし者。我、汝に求は神の権能。時間と空間を司る神よ。汝の名は【クロノス】』

時空移動クロノレーション

 その時貴族の前から二人の姿が消えた

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