プロローグ

　今この状況がわからない。え？いったいどんな状況って?
　羽の生えた女の子が俺の前でひざまずいてるっていう状態だ。しかもこんなこと言うのだ。

『あなたはこの世界唯一の神です』

　俺の名前は神薙帝斗かんなぎていと１８歳高校を卒業したばかりのごくごく普通の一般人のはずだった。
　俺は卒業式が終わった後、学校の屋上で昼寝をしていた。別に友達がいないとかそういうわけでもなく、ただいつも使っていた場所そこに最後に立ち寄りたかったのだ。けど俺はいつの間にか眠ってしまっていたらしい。横になったのがいけなかったのだろう。

　眠っていた俺だがふと眠っている俺の顔を覗き込まれているような気がしたのだ。そう思い目を開けるとそこには本当に俺の顔を覗き込んでいる女の子がいた。そうここまでなら問題ない、ただここからがおかしい。
　見慣れない顔だったが俺が目を開けると一歩下がった。俺はとりあえず上半身を起こし周りを見渡す。俺の後ろにはなぜか神殿があった。しかも俺がいま座っている場所は雲の上らしい。上を見上げても見えるのは雲一つない青い空。さっきまで屋上にいたはずが何でこんなことになっているのか。とりあえず知ってそうな人物に声をかけることにした。

「えっとここはどこ？」

　そう簡単に聞いてみた。俺は上半身を起こしただけの状態。彼女は立ち上がっていたがすぐにひざまずく。

「ここは天界ヘイクタルです」

　天界?どこ、ヘイクタルってどこ

「じゃあ君は？」
「私は帝斗様に使える熾天使ラピスです」

　え？　天使？　まぁ羽生えてるけど。しかも雲の上にいるしなんで俺がここにいるのか不思議に思ったのでもう率直で聞いてみることにする

「俺は何でここにいるの？」
「あなたはこの世界の唯一の神だからです」

「ファンタジー」の人気作品

コメントを書く