剣豪幼女と十三の呪い
十/告白
その日の授業をすべて終えた放課後、クラリーネはひとり足早に寮の部屋へと戻った。
部屋にはまだ誰も帰っていなかった。クラリーネは肩の上に銀の球体をふわりと漂わせ、部屋の中をぐるぐると落ち着きなく歩き回る。
しばらくして扉が開かれた途端、クラリーネの目はそちらへと向いた。
「シャロンさん」
「あ、リーネ。もう帰っておりましたか……今日は早いでありますな!」
「ネレムさんは」
「図書館に寄ってくるそうでありますよ。ネレムになにか用でもあるのでありますか?」
シャロンはまるでいつも通りだった。昨晩自らの命を狙うものから襲撃を受けたにも関わらず、大変脳天気な顔をしていた。
昨晩の出来事についての取り調べは三人別々に行われたため、シャロンが教授らに何を話したかは定かではない。
「そういえば、昨晩はけっこう遅くまで話し込んでいたのでありますか? ちょうどあの時起きていたのでありますから――――」
シャロンは何気ない日常の話題のようにそう話しながらベッドに腰を下ろす。
クラリーネは彼女の目の前で足を止め、シャロンの肩をどんっと押した。
「――――あうえっ!?」
あらぬ声を上げて仰向けに倒れ込むシャロン。
クラリーネは彼女の両肩をしっかと抑えつけ、上から瞳を覗き込む。
「……な、なにをするでありますか!?」
「話して」
「その前に離してほしいであります」
「話して。昨日のやつのこと」
クラリーネが重ねて問いただすと、シャロンは気まずそうに目をそらす。彼女には珍しい反応。
「……巻き込んでしまって、申し訳ないと思っているであります。まさか学院の中まで――」
「あなたが申し訳なく思うことじゃない。話して」
アースワーズ家のお家騒動。明らかに思い当たる節があるような様子。呪術の産物であろう人形に命を狙われる立場。
様々な事実と類推の積み重ねが、彼女に対して最初に覚えた疑念と全く異なる像を結ぶ。
十二使徒が一門アースワーズ家の一員として、カイネ・ベルンハルトへの干渉を試みようとしている――その疑惑はすでにほぼ失せていた。
「……ですが、私の事情に巻き込んでしまったのは事実でありますから、これ以上は……」
「相手のことがわからなければ戦えない」
「ま、待ってほしいであります! リーネが戦うというのは――」
「いいから」
「……い、いつになく強引でありますな……」
シャロンはあくまでごまかすことを諦めていないようだが、クラリーネの決心はすでに堅かった。
シャロンの素性や来歴がどうであるにせよ、とにかく彼女には生きていてもらわなければならない。さもなくば大任を委ねてくれたカイネさんに会わせる顔がないではないか。他に守れるものがいないのなら、私が矢面に立つまでだ。
シャロンが目をそらそうとする。クラリーネは彼女の頬に手を添えて無理やり目を見合わせる。
「……り、リーネ……それは、すこし、恥ずかしいでありますよ」
「どうして」
「口がつきそうであります……」
気づかないうちにクラリーネはずいぶん顔を近づけていた。シャロンの頬がほのかに染まっている。
少しだけ離れた間合いからシャロンの顔を見つめ続けると、彼女はついに根負けしたようにゆっくりと両手を上げた。
「……わ、わかったであります。話すから、手を離してほしいでありますよ……」
「このまま」
「まじでありますか」
「まじ」
そのまま逃げられないとも限らない。カイネの部屋で二人で過ごした夜、話を聞き出せそうなところでするりと逃げられたことは記憶に新しい。
「……うー。リーネは意地が悪いでありますな……」
「あなたは私を気にかけてくれたのに、私があなたを気にかけるのはいやなのか」
「…………そ、そういうつもりでは、決してないのでありますが……それはその、友達として当然のことであるからして……」
「なら、友達として当然のことをさせて。今度は私に」
「……やっぱりリーネは意地が悪いであります……」
なんと言われても譲るつもりはなかった。
シャロンはクラリーネに押さえ付けられた姿勢のまま、ぽつりぽつりと零れるように話し出す。
まず、シャロンの命を狙っているのは彼女の叔母――母の妹に当たる人物であること。
彼女は昔から人形制作を得意としていて、屋敷にはまるで生きているのではないかと思えるほど精巧な人形がずらりと並んでいたこと。
当主の座はシャロンの母にあったが、彼女の早逝とともに入婿の父親も心労で亡くなったこと。
当時まだ幼い少女だったシャロンに代わり、叔母が当主代行の地位についたこと。
シャロンが当主の座につける年齢に達すると、叔母は彼女の命を狙い始めたこと――
「例の人形を操っているのは、その女だと」
「……はっきりとはわからないのであります。操っているというよりは、作られた時に埋め込まれた命令を壊れるまでこなす……といった感じでありましょうか……」
「そう」
クラリーネはシャロンの告白を咀嚼しつつ、一点だけ引っ掛かりを覚える。
彼女の話には、一度も〝十二使徒〟や〝呪術〟に関わる言葉が出てこなかった。叔母が人形制作に精通していることは知っていても、それが呪術の産物とは理解していないかのようだった。
この期に及んでも、否、このような状況だからこそクラリーネはシャロンの一言一言に注意を傾けていたが――事ここに至っては次の可能性が浮上してくる。
シャロン・アースワーズには呪術に関する知識は全くない。
自らの出自が〝十二使徒〟に連なる一門であることさえ知らない。
神秘と権力をほしいままにした叔母に命を狙われるだけの、一介の見習い魔術師でしかない――とでも言うのだろうか。
「人形とはなに。情報が足りなさすぎる」
「……それは、私の推測になるでありますが……」
「それでいい。言って」
クラリーネがうながすと、シャロンはまたおずおずと話し出す。
「あれは……偽物。必ず〝誰か〟に似せたつくりをしているのであります。……私を殺しにきた、人形、も……」
口ごもるシャロンに、クラリーネはいやな予感がした。
掘り返すべきではない記憶のにおいがした。
「いい。思い出さなくても」
「……あれは。父上と、母上の……どうして……あぐ、う……」
「いい。もういいの」
シャロンが急に苦しげなうめきを漏らす。クラリーネは彼女の頭をぎゅうっと胸のうちに抱きすくめる。
断片的なつぶやきからでも、彼女の心に刻まれた傷は察せられた。さっきのなんでもないように脳天気な顔も、記憶にふたをするための振る舞いに過ぎなかったのか。
シャロンはおそらく、彼女の父と母の形をした人形に命を奪われかけたのだろう。
生きているかのように動く、生前と瓜二つの人形がふたりぶん。すでに死んだ人間と頭では理解できても、『似ているものは同じもの』だ。認識の誤動作とでも言うべきものが、呪術という神秘の根幹近くにある。
シャロンはしばし、クラリーネの平坦な胸に顔をうずめたままぷるぷると震えていた。
この時ばかりは長身のシャロンがやけにちいさく見えた。
やがて震えが落ち着いたころ、シャロンは目許を赤らめた顔をゆっくりと覗かせる。
「……すまないであります……少々取り乱したであります」
「ううん。ありがとう、話はわかった」
「……そう率直に言われると、逆に困るでありますな……」
クラリーネは羞恥と困惑が入り交じったような表情のシャロンをじっと見下ろす。
いつも明るい彼女には珍しい顔だった。それこそ今のクラリーネがいつになく強引であるように、シャロンはいつになく大人しい。
クラリーネがまた彼女の瞳をじーっと覗き込むと、シャロンはさすがに戸惑いがちに口を開いた。
「……も、もういいでありますか。そろそろ、離れてもよいと思うのでありますが」
「だめ」
「なんででありますか!?」
「その顔、もうすこし見てたい」
「どういう意味であります!?!」
「おもしろい顔だから」
クラリーネの細腕くらい押し退けるのは簡単だろうが、シャロンは驚きに気を取られてしまっている様子。
クラリーネは彼女の声を聞き流しつつ、別の声を耳に聞いた。
「……もうそろそろ入っていいかな」
「ぁうえっ」
シャロンの口からすっとんきょうな声が飛び出した。
きぃっと音を立てて扉が開き、クラリーネはその時ベッドから飛び退いている。
悠然と部屋に入ってきたネレムの顔はいつもと変わらず眠たげだが、にまにまとした笑みが口元に浮かんでいた。
「……ごめんね、だいぶ聞いちゃった。盗み聞きする気はあったけど」
「『そのつもりは無かった』って言うところだと思うのでありますが!?」
「いつから」
うかつだった。意識をシャロンに傾けていたせいで周囲の警戒が怠っていた。
もし襲撃があったらきちんと対応できていたかどうか。クラリーネは海よりも深く猛省する。
「『口がつきそうであります』のところから」
「なんでよりにもよってそこでありますか!?」
「ごめん、うそ。本当はもっと前からだよ」
「ほぼ最初からでありますね……!?」
シャロンはベッドの上でごろんと転がって顔を枕に埋める。
ネレムは「私も一寝入りしなきゃ……」と若干ふらついた足取りでベッドに上がり、布団を抱いてごろりと丸くなる。
「……大丈夫だよ」
「なにが」
「私とシャロンは友達だから。ふたりの仲がいいのは喜ばしいこと」
「私とリーネも友達でありますよ!?」
「……冗談だよ」
くすりと笑い、かと思えばすぐにすぅすぅと寝息を立て始めるネレム。
クラリーネは床に尻餅をついたまま、ベッドの上のシャロンと視線を見合わせた。
一瞬の気まずい間。
シャロンはゆっくりと身を起こし、拳をぐっと握って言った。
「その、私のあこがれの方は、カイネ殿でありますから……!」
「聞いてない」
部屋にはまだ誰も帰っていなかった。クラリーネは肩の上に銀の球体をふわりと漂わせ、部屋の中をぐるぐると落ち着きなく歩き回る。
しばらくして扉が開かれた途端、クラリーネの目はそちらへと向いた。
「シャロンさん」
「あ、リーネ。もう帰っておりましたか……今日は早いでありますな!」
「ネレムさんは」
「図書館に寄ってくるそうでありますよ。ネレムになにか用でもあるのでありますか?」
シャロンはまるでいつも通りだった。昨晩自らの命を狙うものから襲撃を受けたにも関わらず、大変脳天気な顔をしていた。
昨晩の出来事についての取り調べは三人別々に行われたため、シャロンが教授らに何を話したかは定かではない。
「そういえば、昨晩はけっこう遅くまで話し込んでいたのでありますか? ちょうどあの時起きていたのでありますから――――」
シャロンは何気ない日常の話題のようにそう話しながらベッドに腰を下ろす。
クラリーネは彼女の目の前で足を止め、シャロンの肩をどんっと押した。
「――――あうえっ!?」
あらぬ声を上げて仰向けに倒れ込むシャロン。
クラリーネは彼女の両肩をしっかと抑えつけ、上から瞳を覗き込む。
「……な、なにをするでありますか!?」
「話して」
「その前に離してほしいであります」
「話して。昨日のやつのこと」
クラリーネが重ねて問いただすと、シャロンは気まずそうに目をそらす。彼女には珍しい反応。
「……巻き込んでしまって、申し訳ないと思っているであります。まさか学院の中まで――」
「あなたが申し訳なく思うことじゃない。話して」
アースワーズ家のお家騒動。明らかに思い当たる節があるような様子。呪術の産物であろう人形に命を狙われる立場。
様々な事実と類推の積み重ねが、彼女に対して最初に覚えた疑念と全く異なる像を結ぶ。
十二使徒が一門アースワーズ家の一員として、カイネ・ベルンハルトへの干渉を試みようとしている――その疑惑はすでにほぼ失せていた。
「……ですが、私の事情に巻き込んでしまったのは事実でありますから、これ以上は……」
「相手のことがわからなければ戦えない」
「ま、待ってほしいであります! リーネが戦うというのは――」
「いいから」
「……い、いつになく強引でありますな……」
シャロンはあくまでごまかすことを諦めていないようだが、クラリーネの決心はすでに堅かった。
シャロンの素性や来歴がどうであるにせよ、とにかく彼女には生きていてもらわなければならない。さもなくば大任を委ねてくれたカイネさんに会わせる顔がないではないか。他に守れるものがいないのなら、私が矢面に立つまでだ。
シャロンが目をそらそうとする。クラリーネは彼女の頬に手を添えて無理やり目を見合わせる。
「……り、リーネ……それは、すこし、恥ずかしいでありますよ」
「どうして」
「口がつきそうであります……」
気づかないうちにクラリーネはずいぶん顔を近づけていた。シャロンの頬がほのかに染まっている。
少しだけ離れた間合いからシャロンの顔を見つめ続けると、彼女はついに根負けしたようにゆっくりと両手を上げた。
「……わ、わかったであります。話すから、手を離してほしいでありますよ……」
「このまま」
「まじでありますか」
「まじ」
そのまま逃げられないとも限らない。カイネの部屋で二人で過ごした夜、話を聞き出せそうなところでするりと逃げられたことは記憶に新しい。
「……うー。リーネは意地が悪いでありますな……」
「あなたは私を気にかけてくれたのに、私があなたを気にかけるのはいやなのか」
「…………そ、そういうつもりでは、決してないのでありますが……それはその、友達として当然のことであるからして……」
「なら、友達として当然のことをさせて。今度は私に」
「……やっぱりリーネは意地が悪いであります……」
なんと言われても譲るつもりはなかった。
シャロンはクラリーネに押さえ付けられた姿勢のまま、ぽつりぽつりと零れるように話し出す。
まず、シャロンの命を狙っているのは彼女の叔母――母の妹に当たる人物であること。
彼女は昔から人形制作を得意としていて、屋敷にはまるで生きているのではないかと思えるほど精巧な人形がずらりと並んでいたこと。
当主の座はシャロンの母にあったが、彼女の早逝とともに入婿の父親も心労で亡くなったこと。
当時まだ幼い少女だったシャロンに代わり、叔母が当主代行の地位についたこと。
シャロンが当主の座につける年齢に達すると、叔母は彼女の命を狙い始めたこと――
「例の人形を操っているのは、その女だと」
「……はっきりとはわからないのであります。操っているというよりは、作られた時に埋め込まれた命令を壊れるまでこなす……といった感じでありましょうか……」
「そう」
クラリーネはシャロンの告白を咀嚼しつつ、一点だけ引っ掛かりを覚える。
彼女の話には、一度も〝十二使徒〟や〝呪術〟に関わる言葉が出てこなかった。叔母が人形制作に精通していることは知っていても、それが呪術の産物とは理解していないかのようだった。
この期に及んでも、否、このような状況だからこそクラリーネはシャロンの一言一言に注意を傾けていたが――事ここに至っては次の可能性が浮上してくる。
シャロン・アースワーズには呪術に関する知識は全くない。
自らの出自が〝十二使徒〟に連なる一門であることさえ知らない。
神秘と権力をほしいままにした叔母に命を狙われるだけの、一介の見習い魔術師でしかない――とでも言うのだろうか。
「人形とはなに。情報が足りなさすぎる」
「……それは、私の推測になるでありますが……」
「それでいい。言って」
クラリーネがうながすと、シャロンはまたおずおずと話し出す。
「あれは……偽物。必ず〝誰か〟に似せたつくりをしているのであります。……私を殺しにきた、人形、も……」
口ごもるシャロンに、クラリーネはいやな予感がした。
掘り返すべきではない記憶のにおいがした。
「いい。思い出さなくても」
「……あれは。父上と、母上の……どうして……あぐ、う……」
「いい。もういいの」
シャロンが急に苦しげなうめきを漏らす。クラリーネは彼女の頭をぎゅうっと胸のうちに抱きすくめる。
断片的なつぶやきからでも、彼女の心に刻まれた傷は察せられた。さっきのなんでもないように脳天気な顔も、記憶にふたをするための振る舞いに過ぎなかったのか。
シャロンはおそらく、彼女の父と母の形をした人形に命を奪われかけたのだろう。
生きているかのように動く、生前と瓜二つの人形がふたりぶん。すでに死んだ人間と頭では理解できても、『似ているものは同じもの』だ。認識の誤動作とでも言うべきものが、呪術という神秘の根幹近くにある。
シャロンはしばし、クラリーネの平坦な胸に顔をうずめたままぷるぷると震えていた。
この時ばかりは長身のシャロンがやけにちいさく見えた。
やがて震えが落ち着いたころ、シャロンは目許を赤らめた顔をゆっくりと覗かせる。
「……すまないであります……少々取り乱したであります」
「ううん。ありがとう、話はわかった」
「……そう率直に言われると、逆に困るでありますな……」
クラリーネは羞恥と困惑が入り交じったような表情のシャロンをじっと見下ろす。
いつも明るい彼女には珍しい顔だった。それこそ今のクラリーネがいつになく強引であるように、シャロンはいつになく大人しい。
クラリーネがまた彼女の瞳をじーっと覗き込むと、シャロンはさすがに戸惑いがちに口を開いた。
「……も、もういいでありますか。そろそろ、離れてもよいと思うのでありますが」
「だめ」
「なんででありますか!?」
「その顔、もうすこし見てたい」
「どういう意味であります!?!」
「おもしろい顔だから」
クラリーネの細腕くらい押し退けるのは簡単だろうが、シャロンは驚きに気を取られてしまっている様子。
クラリーネは彼女の声を聞き流しつつ、別の声を耳に聞いた。
「……もうそろそろ入っていいかな」
「ぁうえっ」
シャロンの口からすっとんきょうな声が飛び出した。
きぃっと音を立てて扉が開き、クラリーネはその時ベッドから飛び退いている。
悠然と部屋に入ってきたネレムの顔はいつもと変わらず眠たげだが、にまにまとした笑みが口元に浮かんでいた。
「……ごめんね、だいぶ聞いちゃった。盗み聞きする気はあったけど」
「『そのつもりは無かった』って言うところだと思うのでありますが!?」
「いつから」
うかつだった。意識をシャロンに傾けていたせいで周囲の警戒が怠っていた。
もし襲撃があったらきちんと対応できていたかどうか。クラリーネは海よりも深く猛省する。
「『口がつきそうであります』のところから」
「なんでよりにもよってそこでありますか!?」
「ごめん、うそ。本当はもっと前からだよ」
「ほぼ最初からでありますね……!?」
シャロンはベッドの上でごろんと転がって顔を枕に埋める。
ネレムは「私も一寝入りしなきゃ……」と若干ふらついた足取りでベッドに上がり、布団を抱いてごろりと丸くなる。
「……大丈夫だよ」
「なにが」
「私とシャロンは友達だから。ふたりの仲がいいのは喜ばしいこと」
「私とリーネも友達でありますよ!?」
「……冗談だよ」
くすりと笑い、かと思えばすぐにすぅすぅと寝息を立て始めるネレム。
クラリーネは床に尻餅をついたまま、ベッドの上のシャロンと視線を見合わせた。
一瞬の気まずい間。
シャロンはゆっくりと身を起こし、拳をぐっと握って言った。
「その、私のあこがれの方は、カイネ殿でありますから……!」
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