男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!

片山樹

7話 趣味

「あのさ……Hちゃんは好きなこ……その、趣味とかある?」
 俺は決死の覚悟でHちゃんに喋りかけていた。この時ぐらいから徐々に本来の目的を忘れ、彼女を少しでも喜ばせたいと思っていた。
俺って意外とチキリな野郎だ。
他のメンバーは他のメンバーでC以外は女子とイチャいちゃしていたわけだ。
DはFに「可愛いーー!」とか言われて抱きつかれていた。まじで羨ましかった。

「あ、ある……」

「えっ? 何?」
 少しプライベートが無い奴と思われるかもと思ったが、そうしないと話が進まない。

「ど、読書……」
 彼女の返答は言われてみれば彼女らしかった。他の女子メンバーとは明らかにタイプが違うからだ。言い方は悪いけど、彼女は陰キャラの部類に入りそうな女の子である。
だけど合コンに来た。
もしかしたら無理矢理、人数合わせに付き合ったのかもしれない。
それはそれで女子のグループってのは怖い。
それもお嬢様学校だし。

「読書かぁ〜。俺も読書、好きだよ!」

「そうなんですかぁー。一緒ですね」
 彼女の口が少し微笑んだ。
俺はそれが嬉しかった。
心の底から嬉しかった。

 その後、互いに好きな作家や好きな本の紹介などをしている間に仲は少しずつ良くなっていった。皆も皆で楽しく過ごしていた。
まぁーCを除いて。
合コンはあっという間に終わり、女子全員とラインを交換して今回はお開きとなった。

 女子達の代金はCが全部払ってくれた。
流石、ぼっちゃまである。
それにしても本当にCはこれで良かったのだろうか。俺は疑問に思っていたが、別にいいだろうと割り切った。

って、あれ?
お持ち帰りなんか全然できないぞ!
おい! どういうことだよ!

そんなに人生は甘くない!

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