男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!

片山樹

6話 合コンって難しい!?

「ねぇねぇ、N。僕ね、さっきからちょっと怖いよぉ〜」
 Dが俺の耳元で囁いた。
声変わりをしたのかしていないのか良く分からないけど女の子の声みたいなDの声にはやはり興奮してしまった。
あぁーDが女の子だったらどれだけ良かったことだろうか。

「怖いってどういうことだよ?」

「あ、あのね。笑わないで聞いてほしいんだ。あの……眼鏡掛けた長髪の人いるでしょ?」

「う、うん……」

「ぼ、僕、さっきからチラチラと見られてるんだ」

Dに言われてみて、F(長髪黒髪眼鏡)を見てみるとやはりこちらを見ていた。
おいおい……これは狙われてるな。

「ぼ、僕……怖いよぉ〜」

「大丈夫だ! D! 俺が守ってやる!」

 おいおい……企画倒れじゃないか。
俺は今回、Dを守る為に来たんじゃない。
彼女を作るために来たんだ。
だけど、いいさ。
友達の方が大事だからな。

「あ、ありがとう! N、僕頑張るよ!」

えっ? 頑張る?
どういうこと?
こいつ、サポートに回るんじゃなかったのかよ。

 その後、Dの行動は凄かった。
オドオドしながらもFの近くに行って会話をしている。AやBはEとGと楽しく会話をしている。流石、見た目リア充コンビは違うぜ。
Cは一人でスマホをしていて、興味が無さそうだった。こいつ、協力するとか言いながら自分のしたいことをしやがって……。

俺も喋りかけてみよう。
そう決心して、俺はHに近づいた。
Hは俺を不審そうな目で見てきた。
その目はとても悲しそうな目だった。
何かに怯えてるみたいに。

「よ、横いいかな?」
 まともに女子に喋りかけたのは中学生以来だ。心臓の鼓動が早くなる。

「……いいよ」
 彼女は戸惑いつつもそう言ってくれた。

「お、俺さ。あんまり人と会話するの上手くないから面白い話はできないかもしれないけど……」

 とりあえず自分で前置きをしといた。
そうしておけば、後からつまらない男だと思われないかもしれないと思ったからだ。
自分の評価をわざと下げて、後々アップさせる。これに越したことはない。

「わ、私も……そんなに人と会話するの上手くない」
 彼女は声を震わせながら言った。

「そ、そっか。あ、あのさ……学校はどんな感じ? やっぱり、女子高って大変?」
 当たり障りないことを尋ねてみる。
だって共通点とか無いし。

「ふ、普通だよ。色々と規則が厳しいし」
 規則が厳しい?
普通に金髪とか居るけど……それは大丈夫なのかよ。

「へぇ〜。そうなんだ」

 会話が尽きた。
何も言うことが無い。

俺の中でのイメージでは「学校どう?」
「う〜ん。色々とあるけどやっぱり楽しいよ。N君は?」みたいな感じだと思ってたんだけど。そんな風に話が続くと思っていたんだけど。全くそんなこと無いのかよ。
合コンって難しいな。おい!

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