こんなふざけた裁判に弁護士なんていらない!
第一章 第1話 【夢の超特急 オストパラーク急行】
日が沈み、街灯の明かりだけで照らされている道を一人の少年が駅に向かって歩いている。彼の名前は鎌岸椿。普段はとある高校で生徒として学業に励んでいる。でも、今は帰宅中。
いつもならさびれた無人駅で一人寂しく電車を待つのだが、今回は違うようだ。ホームで待つこと数分後に電車がきたが、明らかに自分が利用している電車ではない。煙突から煙をはきながらこちらに向かっているからだ。車体は黒く、車窓からは光り輝いてるシャンデリアが見える。まるで豪華列車だ。客車の扉が俺の目の前に停車すると扉が開き、車両から正装に身を包まれた男が彼を見つめて
「このオストパラーク急行の車掌をしております。早速ですが、お客様。切符を拝見したいのですが」と丁寧に伝えた。
彼は車掌の言っていることがわからなかった。彼はいつも電子マネーを使って通学しているからだ。だから、切符なんて持っているはずがなかった。彼は車掌に切符を持っていないと答えたが、
車掌はその答えに「ご冗談を、切符ならお客様の右ポケットにおありじゃないですか」とややにやけながら答えた。
車掌の言われた通りに右ポケットを探ったら、一枚の細長い紙を掴んだ。その紙をみると現在の切符のような硬い紙ではなく、薄く柔らかい紙だった。その紙には行き先が刻印され、その周りの模様は金泊、銀箔で施されたような豪華な装飾だ。その切符に見とれると
「どうかなされましたか。時間が押しているので、早く拝見したいのですが。」と車掌が持っている改札鋏をカチカチいわせながらせかした。彼は切符を渡し車掌は改札鋏でその切符に穴を空けた。その切符を返すと車掌は彼の手を優しく引っ張り上げ、その列車に乗車させた。
乗車後は車掌に個室まで案内され、彼はその個室でふかふかなソファーに座ってくつろいだ。少しして車掌がこの個室に訪ねてきた。彼は車掌に「どうしました?」と尋ねたら、車掌は「夕食の時間なので、食堂車へご案内しにきました。」と答えた。
彼は車掌の案内で食堂車に向かった。食堂車に着くと大きなシャンデリアで食堂車全体を煌びやかに照らされ、装飾品や家具たちはより豪華に引き立たせている。その中で彼は車掌に指定された席に座った。少し経ってから給仕によって食事が配膳された。食事はオードブル、スープ、魚料理...とフルコースのように一品ずつ順番に出された。彼は今までコース料理を食べたことがなく、どのように食べればいいのか困惑していた。彼の様子に気づいた給仕は彼にマナーを手短に教えた。彼は給仕の言われた通りに慣れない場の食事を楽しんだ。
食事を終えてから彼は車窓から外の景色を見ていた。外の景色はほとんど真っ暗だったが、彼はもの思いにふけりながらその景色をずっと見ていた。車掌が彼に声をかけると彼は抱いていた疑問を車掌にぶつけた。
「お客様どうされましたか?」
「ちょっと気になったことがあるんですけど、聞いてもらってもいいですか?」
「えぇ構いませんよ。」
「車掌さんこの列車はいったいどこに向かっているにですか。」と彼が問うと
「行き先でしたら、チケットに書いてありますよ」と彼の問いに疑問を持ちながら、答えた。
確かに彼が持っている切符には行き先が刻印されているが、今まで見たことがない文字で書かれているので、行き先を知ることが出来なかった。
そこで、彼は車掌に「これって何と読むんですか?」と質問した。
車掌は「お客様この文字読めないのですか」と驚いた表情で聞き返した
彼は車掌の問いに「はい」と答えた。
車掌はしばらく彼を見つめ「行き先はローネリアンというところです。心当たりはありませんか?」と言った。
ろーねりあん...?その言葉を耳にした瞬間、動揺した。彼の抱いていた疑問が不安に変わったからだ。
一刻も早くこの不安を取り除きたかった彼は「すみません。家に帰りたいので、途中の駅で降ろしてください。出来れば、元の駅に戻ってくれるとありがたいのですが。」と声を震わせて車掌に頼んだが、「急にどうなさりましたか、お客様。この列車は終着駅まで途中下車はできませんし、元の駅に戻ることもできません。」と慌てて説明した。今の話を聴いた時、彼が抱いていた不安が絶望や焦燥感に変わり、
・・・もう二度と元の場所に戻れない・・・
・・・そもそもどうしてこうなったのか・・・
・・・このままどうなってしまうのか・・・
・・・これから何が起こるのか・・・
とそのような言葉が次々と浮かび、頭の中で堂々巡りしていた。
尋常でない彼の様子を見ていた車掌は「とりあえず深呼吸して落ち着いてください。今お水持ってこさせますから」と言った。その後、車掌は給仕に水を持ってこさせ、その水を彼に飲ませた。
それから落ち着きを取り戻した彼は車掌に疑問に思ったことを憤りを抑えながら質問した。
「ろーねりあんってところはどこにあるんですか?」
「そうですね。ここから順調に列車が走行すれば後約3時間ぐらいで到着します。」
「そんなに近いところにあるんですか?」
「いえ、この近くに近道があるんですよ。その近道を使えば、通常より速くローネリアンに到着します。」
「へぇ~、そうなんですか。ではその近道はどこにあるんですか?」
「列車の進む先にある車止めです。そこからローネリアンに向かいます。」と当たり前のように答えた。
その答えに「えっ!?車止めでローネリアンに行くんですか?」と車掌に聞き返した。
「そうですよ。何か問題でもありましたか?」
「問題ですよ。車止めに突っ込んだら大事故になりますよ!!」と彼は声を荒げて反論した。
「えっ、お客様。どうしてそのようなことになるのですか?」と彼を不思議そうに見つめた。
「車止めって列車を停車させるためにあるのに、それに突っ込むとしたら間違いなく脱線しますよ!!」
車掌は少しこの状況を頭の中で整理してから「成程...。そういうことでしたか、どうやらお互いに誤解をしていたようです。」
「誤解ですって?」と車掌の態度に腹を立てながら、反論した。
「私の説明が足りなかったですね。申し訳ございません。そこにある車止めにはある魔法がかけられていて、その魔法によってローネリアンに行けるのです。」
「魔法だって?そんな馬鹿な」と鳩が豆鉄砲を食ったように驚いた。
「信じられないかもしれませんが、事実です。」
彼は今までの車掌との対話を元にある仮説を立てた。
「まさか、ローネリアンって異世界にあるのか?」その仮説を口にすると
「お客様のおっしゃる通りにローネリアンはこの世界とは別世界となっております。今までお気付きになりませんでしたか?」
・・・気づいていたらとっくにパニックになっているよ・・・と心の中で思った。
「そこに行くと二度とこの世界には戻れないのか?」
「おそらく」
「今から戻ることも」
「不可能だと思います。」
「じゃあ なぜこの列車はあの駅で停車したんだ?」と怒りをあらわに言った。
「お客様があの駅に停車するように承ったからです。」
「そいつは俺じゃない。別のやつだ!」
「では、なぜその切符をお客様が所持しているのですか?」
「知らないよ。気づいたらポケットに入っていたんだ!」
「これでは埒がありませんね。」
「...確かにな」
「じゃあ他に元の世界に戻る方法はないのか?」
「私の知る限りではありません。ただ」
「ただ?」
「ローネリアンには大図書館があるので、そこならあるかもしれませんね。」
「本当にそこにあるのか 元の世界に戻る方法は?」
「わかりません。あくまで可能性の話なのであまり期待しない方がよろしいかと。」
彼は冷静になって「わかりました。着いたら図書館で帰る方法を調べてみます。情報ありがとうございました。」と言った
「いえいえこちらもあまりお役に立てなくて申し訳ありません。」
「いいえ俺もあんな態度とってしまってすみませんでした。」
「構いませんよ。」と優しく微笑んだ。
「そうと決まれば、ローネリアンについて色々知っておかないと」
「その前にお客様一度仮眠とってはいかがですか。お疲れでしょう?」
・・・確かに疲れた、当然だ。聞きなれないことや自分の身に起こっていることを理解するのに精一杯だったからだ。・・・
「そうですね。少し休みます。」
「では到着する一時間前にお呼びしますね。」
「わかりました。」
車掌と別れて、自分の個室に戻った彼はすぐにベッドに倒れ込んだ。
・・・今日は疲れた。異世界の地・ローネリアン.魔法の車止め...見たことも聞いたこともない言葉によって今でも頭と心がこの出来事に混乱している。どうやら自分が思っていたよりも頭と心がかなり疲弊しているようだ。さらに、車内で行動している時には感じられなかった疲労感と睡魔が今になって襲ってきた。・・・
そのまま彼はベッドに倒れ込むと同時に疲労感と睡魔にしたがって、眠りに落ちた。
いつもならさびれた無人駅で一人寂しく電車を待つのだが、今回は違うようだ。ホームで待つこと数分後に電車がきたが、明らかに自分が利用している電車ではない。煙突から煙をはきながらこちらに向かっているからだ。車体は黒く、車窓からは光り輝いてるシャンデリアが見える。まるで豪華列車だ。客車の扉が俺の目の前に停車すると扉が開き、車両から正装に身を包まれた男が彼を見つめて
「このオストパラーク急行の車掌をしております。早速ですが、お客様。切符を拝見したいのですが」と丁寧に伝えた。
彼は車掌の言っていることがわからなかった。彼はいつも電子マネーを使って通学しているからだ。だから、切符なんて持っているはずがなかった。彼は車掌に切符を持っていないと答えたが、
車掌はその答えに「ご冗談を、切符ならお客様の右ポケットにおありじゃないですか」とややにやけながら答えた。
車掌の言われた通りに右ポケットを探ったら、一枚の細長い紙を掴んだ。その紙をみると現在の切符のような硬い紙ではなく、薄く柔らかい紙だった。その紙には行き先が刻印され、その周りの模様は金泊、銀箔で施されたような豪華な装飾だ。その切符に見とれると
「どうかなされましたか。時間が押しているので、早く拝見したいのですが。」と車掌が持っている改札鋏をカチカチいわせながらせかした。彼は切符を渡し車掌は改札鋏でその切符に穴を空けた。その切符を返すと車掌は彼の手を優しく引っ張り上げ、その列車に乗車させた。
乗車後は車掌に個室まで案内され、彼はその個室でふかふかなソファーに座ってくつろいだ。少しして車掌がこの個室に訪ねてきた。彼は車掌に「どうしました?」と尋ねたら、車掌は「夕食の時間なので、食堂車へご案内しにきました。」と答えた。
彼は車掌の案内で食堂車に向かった。食堂車に着くと大きなシャンデリアで食堂車全体を煌びやかに照らされ、装飾品や家具たちはより豪華に引き立たせている。その中で彼は車掌に指定された席に座った。少し経ってから給仕によって食事が配膳された。食事はオードブル、スープ、魚料理...とフルコースのように一品ずつ順番に出された。彼は今までコース料理を食べたことがなく、どのように食べればいいのか困惑していた。彼の様子に気づいた給仕は彼にマナーを手短に教えた。彼は給仕の言われた通りに慣れない場の食事を楽しんだ。
食事を終えてから彼は車窓から外の景色を見ていた。外の景色はほとんど真っ暗だったが、彼はもの思いにふけりながらその景色をずっと見ていた。車掌が彼に声をかけると彼は抱いていた疑問を車掌にぶつけた。
「お客様どうされましたか?」
「ちょっと気になったことがあるんですけど、聞いてもらってもいいですか?」
「えぇ構いませんよ。」
「車掌さんこの列車はいったいどこに向かっているにですか。」と彼が問うと
「行き先でしたら、チケットに書いてありますよ」と彼の問いに疑問を持ちながら、答えた。
確かに彼が持っている切符には行き先が刻印されているが、今まで見たことがない文字で書かれているので、行き先を知ることが出来なかった。
そこで、彼は車掌に「これって何と読むんですか?」と質問した。
車掌は「お客様この文字読めないのですか」と驚いた表情で聞き返した
彼は車掌の問いに「はい」と答えた。
車掌はしばらく彼を見つめ「行き先はローネリアンというところです。心当たりはありませんか?」と言った。
ろーねりあん...?その言葉を耳にした瞬間、動揺した。彼の抱いていた疑問が不安に変わったからだ。
一刻も早くこの不安を取り除きたかった彼は「すみません。家に帰りたいので、途中の駅で降ろしてください。出来れば、元の駅に戻ってくれるとありがたいのですが。」と声を震わせて車掌に頼んだが、「急にどうなさりましたか、お客様。この列車は終着駅まで途中下車はできませんし、元の駅に戻ることもできません。」と慌てて説明した。今の話を聴いた時、彼が抱いていた不安が絶望や焦燥感に変わり、
・・・もう二度と元の場所に戻れない・・・
・・・そもそもどうしてこうなったのか・・・
・・・このままどうなってしまうのか・・・
・・・これから何が起こるのか・・・
とそのような言葉が次々と浮かび、頭の中で堂々巡りしていた。
尋常でない彼の様子を見ていた車掌は「とりあえず深呼吸して落ち着いてください。今お水持ってこさせますから」と言った。その後、車掌は給仕に水を持ってこさせ、その水を彼に飲ませた。
それから落ち着きを取り戻した彼は車掌に疑問に思ったことを憤りを抑えながら質問した。
「ろーねりあんってところはどこにあるんですか?」
「そうですね。ここから順調に列車が走行すれば後約3時間ぐらいで到着します。」
「そんなに近いところにあるんですか?」
「いえ、この近くに近道があるんですよ。その近道を使えば、通常より速くローネリアンに到着します。」
「へぇ~、そうなんですか。ではその近道はどこにあるんですか?」
「列車の進む先にある車止めです。そこからローネリアンに向かいます。」と当たり前のように答えた。
その答えに「えっ!?車止めでローネリアンに行くんですか?」と車掌に聞き返した。
「そうですよ。何か問題でもありましたか?」
「問題ですよ。車止めに突っ込んだら大事故になりますよ!!」と彼は声を荒げて反論した。
「えっ、お客様。どうしてそのようなことになるのですか?」と彼を不思議そうに見つめた。
「車止めって列車を停車させるためにあるのに、それに突っ込むとしたら間違いなく脱線しますよ!!」
車掌は少しこの状況を頭の中で整理してから「成程...。そういうことでしたか、どうやらお互いに誤解をしていたようです。」
「誤解ですって?」と車掌の態度に腹を立てながら、反論した。
「私の説明が足りなかったですね。申し訳ございません。そこにある車止めにはある魔法がかけられていて、その魔法によってローネリアンに行けるのです。」
「魔法だって?そんな馬鹿な」と鳩が豆鉄砲を食ったように驚いた。
「信じられないかもしれませんが、事実です。」
彼は今までの車掌との対話を元にある仮説を立てた。
「まさか、ローネリアンって異世界にあるのか?」その仮説を口にすると
「お客様のおっしゃる通りにローネリアンはこの世界とは別世界となっております。今までお気付きになりませんでしたか?」
・・・気づいていたらとっくにパニックになっているよ・・・と心の中で思った。
「そこに行くと二度とこの世界には戻れないのか?」
「おそらく」
「今から戻ることも」
「不可能だと思います。」
「じゃあ なぜこの列車はあの駅で停車したんだ?」と怒りをあらわに言った。
「お客様があの駅に停車するように承ったからです。」
「そいつは俺じゃない。別のやつだ!」
「では、なぜその切符をお客様が所持しているのですか?」
「知らないよ。気づいたらポケットに入っていたんだ!」
「これでは埒がありませんね。」
「...確かにな」
「じゃあ他に元の世界に戻る方法はないのか?」
「私の知る限りではありません。ただ」
「ただ?」
「ローネリアンには大図書館があるので、そこならあるかもしれませんね。」
「本当にそこにあるのか 元の世界に戻る方法は?」
「わかりません。あくまで可能性の話なのであまり期待しない方がよろしいかと。」
彼は冷静になって「わかりました。着いたら図書館で帰る方法を調べてみます。情報ありがとうございました。」と言った
「いえいえこちらもあまりお役に立てなくて申し訳ありません。」
「いいえ俺もあんな態度とってしまってすみませんでした。」
「構いませんよ。」と優しく微笑んだ。
「そうと決まれば、ローネリアンについて色々知っておかないと」
「その前にお客様一度仮眠とってはいかがですか。お疲れでしょう?」
・・・確かに疲れた、当然だ。聞きなれないことや自分の身に起こっていることを理解するのに精一杯だったからだ。・・・
「そうですね。少し休みます。」
「では到着する一時間前にお呼びしますね。」
「わかりました。」
車掌と別れて、自分の個室に戻った彼はすぐにベッドに倒れ込んだ。
・・・今日は疲れた。異世界の地・ローネリアン.魔法の車止め...見たことも聞いたこともない言葉によって今でも頭と心がこの出来事に混乱している。どうやら自分が思っていたよりも頭と心がかなり疲弊しているようだ。さらに、車内で行動している時には感じられなかった疲労感と睡魔が今になって襲ってきた。・・・
そのまま彼はベッドに倒れ込むと同時に疲労感と睡魔にしたがって、眠りに落ちた。
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