異世界転移!~俺は金(マネー)で強くなる!~
十九話:マネー男とやはり幼女
トン。
近くに居ても聞こえるか聞こえないかくらいの音で着地する。魔族なんかに時間をかけたくないのか、リエイスのまわりには誰もいない。
守備もいないのだから、これを計画した者はかけてある結界に余程の自信があるのだろう。
しかし、俺の前にはひれ伏すしかない!
「聖光」
「えぇえちょいラフェニ!?」
俺が拳ですべてを解決しちゃおうというのに、ラフェエニルが聖光で全部解決してしまった。光がキィンと言って静かに結界を容易く破壊する。
俺は呆れながらも200マネーで「変装」スキルを手に入れる。
直感的に必要だと思ったからだ。
「いつも私活躍してないでしょう?? だから今こそ活躍しないとって思って。ほら、誰かが来ないうちにさっさと助け出すわよ」
「え? そんな急ぐのか?」
「発動した魔術を強制的にキャンセルしたのよ。術を発動したままにすると魔力が垂れ流しになるからそれがぴたりと止まったら違和感するでしょう?」
「あー、そういうことか。俺の魔術は止められたこと……あるわ」
フィナ&レーキスを思い出してしまった。
フィナは天才なのに努力を積み重ねているのが良く分かって、レーキスは何をするにもものすごくタイミングが良い。
はっきり言って今二人と対決して連携されても勝てるかわからない。
フィナやレーキスの単体VS俺で戦うのなら、勝率はぐんと上がるが。
「フィナとレーキスの強さは本物よ。私が三人いても単体に勝てる可能性すらないわ。健樹君なら一人くらいいけるかもしれないけど……」
「敵になったらって話だろ? 特になにも起きなかったら頼れる味方だよ」
そう。特になにも起きなかったら、だ。
前みたいなのは俺の説得があってさらにレーキスからの保証が重なったからの奇跡で、フィナがまた何かに騙されたら今度は何もできない気がする。
でも二人はSランク冒険者だ。
そうそう何かに騙される可能性は低いだろう。彼女らの過去に関する事ではなければ。
未だ気絶しているリエイスが縛られている紐を外し、倒れてくる彼女の体を支える。するとリエイスの瞼が開く。
「わたくし……処刑されるの? あなた、誰なの?」
ああ、伝説幼女「語尾に「の」を付けるタイプ」か。
まああいにく俺は金キャラなのでロリコンに目覚めたりはないがな。
「いや、俺達は君を助けに来たんだ。俺は健樹。君の名前はリエイスだね? 魔術キャンセルを嗅ぎつけて奴らが来る前に逃げよう」
「安心しなさい、私達はリエイスちゃんの味方よ」
「そう、なの?」
「ああ」
まだリエイスは疑っているだろうが、どうやら疲れの方が勝って俺の腕の中で眠ってしまった。俺はそれをラフェエニルに預ける。
遠くから足音が聞こえる。
ラフェエニルもろとも抱えて屋根に飛び乗り、目に移らない速さで高速移動する。
これが俺の出せる全力だ。
魔力が急速に減っていく。
追いかけられるのが先か、俺の魔力が尽きるのが先か。答えは決まっている。
「よし」
俺達に割り当てられた部屋の窓に手をかけて、ラフェエニルをベッドの上に放り投げる。勿論優しく柔らかくレディを扱うように。
「い、いきなりそんなことしてこないで欲しいわね。次やる時は断りを入れなさいよ」
「おう」
「ここ、何処なの……?」
振動で起きたらしいリエイスが俺達に問う。
俺とラフェエニルは現在状況を一通り話し、リエイスに驚かれた。
「わたくしなんかが国の神聖な場で……だ、だめなの……」
「そんなのねえよ。魔族だろうと人間だろうと一緒じゃねえか。俺はそう言う差別とかする奴らが大っ嫌いなんだよ」
ふつふつと怒りが沸き上がってくる。
生前というか地球に居たとき俺が一番嫌いだった性格は差別をする奴だった。見ていて怒りしか湧きあがらないし、何よりその楽しそうな表情が嫌いだ。
リエイスとラフェエニルが俺の怒りを察知したようで慌てて話題を変える。
「それでリエイスの姿は結構広く知られちまってる。下手に外に出るとまずい。だから俺の変装スキルで人の居る所だけでは変装してもらうぞ」
「いいの、閉じ込められるよりは……ましなの」
ふ、とリエイスはその顔を逸らす。
きっと壮絶な過去を経験してきたのだろう、俺はため息をついてリエイスに掌を向ける。リエイスは目を瞑って俺が術を行使するのを待った。
今の彼女は腰までの黒髪ロングヘアで大人っぽい目をしている。なのでイメージは黄色の腰までの髪の毛を全体的にロールに巻いて元気なぱちぱち目だ。
典型的な人形系ロリだな。そんなつもりはないけどな。
「可愛いの! ありがとうなの!」
「おう、そうか。気に入ってもらえてよかった」
ハンスにはもう一人仲間が来ると言ってあるのでベッドは当然五つある。五人に別れてベッドに滑り込んで布団をかける。
金もいいけど、やはり布団も最高だ。
「やっぱ現実と変わらねえな、俺。はよ儲けたい」
やっぱり変わらないのだった。
布団は俺の唯一の居場所、金は唯一の俺の味方……そういう計算だった。もう唯一じゃないけどやぱりこの二つが第一だ。
情がないと言われても仕方ないな。
俺はそう自嘲して瞼を閉じて(安らかに)眠るのだった。
近くに居ても聞こえるか聞こえないかくらいの音で着地する。魔族なんかに時間をかけたくないのか、リエイスのまわりには誰もいない。
守備もいないのだから、これを計画した者はかけてある結界に余程の自信があるのだろう。
しかし、俺の前にはひれ伏すしかない!
「聖光」
「えぇえちょいラフェニ!?」
俺が拳ですべてを解決しちゃおうというのに、ラフェエニルが聖光で全部解決してしまった。光がキィンと言って静かに結界を容易く破壊する。
俺は呆れながらも200マネーで「変装」スキルを手に入れる。
直感的に必要だと思ったからだ。
「いつも私活躍してないでしょう?? だから今こそ活躍しないとって思って。ほら、誰かが来ないうちにさっさと助け出すわよ」
「え? そんな急ぐのか?」
「発動した魔術を強制的にキャンセルしたのよ。術を発動したままにすると魔力が垂れ流しになるからそれがぴたりと止まったら違和感するでしょう?」
「あー、そういうことか。俺の魔術は止められたこと……あるわ」
フィナ&レーキスを思い出してしまった。
フィナは天才なのに努力を積み重ねているのが良く分かって、レーキスは何をするにもものすごくタイミングが良い。
はっきり言って今二人と対決して連携されても勝てるかわからない。
フィナやレーキスの単体VS俺で戦うのなら、勝率はぐんと上がるが。
「フィナとレーキスの強さは本物よ。私が三人いても単体に勝てる可能性すらないわ。健樹君なら一人くらいいけるかもしれないけど……」
「敵になったらって話だろ? 特になにも起きなかったら頼れる味方だよ」
そう。特になにも起きなかったら、だ。
前みたいなのは俺の説得があってさらにレーキスからの保証が重なったからの奇跡で、フィナがまた何かに騙されたら今度は何もできない気がする。
でも二人はSランク冒険者だ。
そうそう何かに騙される可能性は低いだろう。彼女らの過去に関する事ではなければ。
未だ気絶しているリエイスが縛られている紐を外し、倒れてくる彼女の体を支える。するとリエイスの瞼が開く。
「わたくし……処刑されるの? あなた、誰なの?」
ああ、伝説幼女「語尾に「の」を付けるタイプ」か。
まああいにく俺は金キャラなのでロリコンに目覚めたりはないがな。
「いや、俺達は君を助けに来たんだ。俺は健樹。君の名前はリエイスだね? 魔術キャンセルを嗅ぎつけて奴らが来る前に逃げよう」
「安心しなさい、私達はリエイスちゃんの味方よ」
「そう、なの?」
「ああ」
まだリエイスは疑っているだろうが、どうやら疲れの方が勝って俺の腕の中で眠ってしまった。俺はそれをラフェエニルに預ける。
遠くから足音が聞こえる。
ラフェエニルもろとも抱えて屋根に飛び乗り、目に移らない速さで高速移動する。
これが俺の出せる全力だ。
魔力が急速に減っていく。
追いかけられるのが先か、俺の魔力が尽きるのが先か。答えは決まっている。
「よし」
俺達に割り当てられた部屋の窓に手をかけて、ラフェエニルをベッドの上に放り投げる。勿論優しく柔らかくレディを扱うように。
「い、いきなりそんなことしてこないで欲しいわね。次やる時は断りを入れなさいよ」
「おう」
「ここ、何処なの……?」
振動で起きたらしいリエイスが俺達に問う。
俺とラフェエニルは現在状況を一通り話し、リエイスに驚かれた。
「わたくしなんかが国の神聖な場で……だ、だめなの……」
「そんなのねえよ。魔族だろうと人間だろうと一緒じゃねえか。俺はそう言う差別とかする奴らが大っ嫌いなんだよ」
ふつふつと怒りが沸き上がってくる。
生前というか地球に居たとき俺が一番嫌いだった性格は差別をする奴だった。見ていて怒りしか湧きあがらないし、何よりその楽しそうな表情が嫌いだ。
リエイスとラフェエニルが俺の怒りを察知したようで慌てて話題を変える。
「それでリエイスの姿は結構広く知られちまってる。下手に外に出るとまずい。だから俺の変装スキルで人の居る所だけでは変装してもらうぞ」
「いいの、閉じ込められるよりは……ましなの」
ふ、とリエイスはその顔を逸らす。
きっと壮絶な過去を経験してきたのだろう、俺はため息をついてリエイスに掌を向ける。リエイスは目を瞑って俺が術を行使するのを待った。
今の彼女は腰までの黒髪ロングヘアで大人っぽい目をしている。なのでイメージは黄色の腰までの髪の毛を全体的にロールに巻いて元気なぱちぱち目だ。
典型的な人形系ロリだな。そんなつもりはないけどな。
「可愛いの! ありがとうなの!」
「おう、そうか。気に入ってもらえてよかった」
ハンスにはもう一人仲間が来ると言ってあるのでベッドは当然五つある。五人に別れてベッドに滑り込んで布団をかける。
金もいいけど、やはり布団も最高だ。
「やっぱ現実と変わらねえな、俺。はよ儲けたい」
やっぱり変わらないのだった。
布団は俺の唯一の居場所、金は唯一の俺の味方……そういう計算だった。もう唯一じゃないけどやぱりこの二つが第一だ。
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