異世界転移!~俺は金(マネー)で強くなる!~
十八話:マネー男と国王様
国王と早速謁見することなった。日はまだ明るく、国王の側近から連絡が来たのだがそこまで時間はかけないそうだ。
そして俺達は馬車から降りて客専用の部屋に向かっている。何処もかしこも飾られており、床には赤いカーペットが敷かれている。
初心者の俺でも一目でわかるくらいに高級なものだった。
下が膨れていて上が丁度よく細い花瓶とそれを乗せた特別な刻印のある机。典型的なメイド服を着た存在感を極限まで薄くしたメイドたちと広いなんて言葉じゃ満たせないくらい広い部屋。
見るもののどれもが新鮮的で俺達は目を絶え間なく動かしては感嘆の声を漏らしていた。
今騎士たちに連れられて俺、ラフェエニル、ルーフェ、レージストは最上級の客専用の部屋にて柔らかいソファーに座って待機していた。
さすがに王族はそんなに簡単に会えるものではないのだろう。
今日のためにスケジュールを細かく変えて俺達に不都合の無いようにしたとも考えられる。
こぽこぽといい音を立てて入れられる紅茶。入れられた後顔もはっきりしないくらい存在感を薄くしたメイドがそれの入ったコップを机の上に置いた。
その際音がしなくて思わず「おお」と声を上げてしまった。
しばらくするとドアが開くと共に凄まじい存在感と威圧感が俺達を襲い、入って来たのは六七十代くらいの男性だった。
息をのんで彼が俺の前に座るのを待つ。その隣には美しい女性がいる。
「わたくしアーシア・リンスタントと申します、この国の第一王女です。失礼ながら父上様と同席させていただいております」
やはり王族のプライドもあるのだろうか、第一王女は頭を下げたりわざわざ理由を述べたりはしなかった。
二人の凄まじい存在感に飲まれて俺は頷くことしかできなかった。
「我はスメン・リンスタントと申す。この度は急に出された指名依頼に応えてくれたことに感謝申し上げよう、ケンキ殿」
「あ……だいじょぶ、です、ぁ……」
「―――ありがとうございますスメン様。私たちこそスメン様がスケジュールを調整されるまでしていただいて感謝申し上げるべきです」
返事がままならない俺をフォローするようにラフェエニルが頭を下げた。どうやら存在感や威圧感については慣れているようだ。さすが女神。
ルーフェとレージストは相変わらずどうってことはないようだ。
俺は金パワーをかけて金の事を思い出して金から胆力を借りて思い切ってスメンに話そうという決心をする。
「楽にしてくれても良い。早速だが明日に宮廷魔術師長、騎士団長、兵士団長の三人との作戦会議がある。何か言いたいことは無いかな?」
「ぁの、その三人に訓練してもらうということは可能ですか?」
「もちろんだ」
「それと、仲間がもう一人いるんです。子供のように見えますが能力は上です。魔族の力を持ってはいますが、よろしいでしょうか?」
「魔族、か。……良い。元々は我がミファレレス様の信仰をしたわけではない。我はミストレン神様を信仰しているのだ。魔族であることを隠してくれるのならば問題は無い」
「はい」
あの女の子―――リエイスが仲間に加わる前提で俺は問いをぶつけた。そこで聞いた、いや聞いてしまったのは驚きの内容だった。
スメンがミファレレスを信じているわけではないのなら、誰が。
国王を超える権力を持つ者がほかにもいるということなのか? とにかく疑問はあるが俺が触れていいものではないだろう。所詮手伝いだ。
俺は任務を成功させて金を貰っていればいいのだ。
「それでは部屋は準備してある。専属メイドも用意した。彼女に付いて行くといい。……失礼ながらもう遅い、我は行く」
「忙しいところ時間を頂いてしまい申し訳ございませんでした、それでは」
優しい顔をして微笑み、スメンとアーシアは騎士に囲まれながら部屋から出ていった。俺達を案内するのは専属メイドらしき少女。
彼女はレイカと名のり、俺達をこれから住むだろう部屋に案内してくれた。
「リンスタント城の中でも一段と豪華であると声明できる部屋です。縛られずくつろいでくださいね」
「おう」
「凄いわね。私もこんな部屋……あまり見たことがないわね」
やはり神や女神と言った存在は思った空間を自由に作り出すことができる能力を持っているせいかラフェエニルにとっては特別珍しい大きさではなかったらしい。
レイカに案内された部屋は思わず感嘆の声を漏らしてしまうほどだった。
此処にきて何回感嘆の声を漏らしたかもう覚えていないのだが。
ルーフェもレージストも目を輝かせているのがその証拠だ。
地球に居た頃の俺の部屋の何十倍もあるだろう。もう少し具体的に例えると三人家族が一般的に住む家の何十倍くらいの大きさだ。
「良ければこの国やこの城の説明を致しましょうか?」
「――お、おう」
これは、長くなりそうだ、と俺達は覚悟した。
途中からは知識が必要な俺だけが聞いていて他の者は殆ど上の空。ラフェエニルはまだまだ聞いていた方だがルーフェとレージストに至っては部屋が気になるようできょろきょろ辺りを見回していた。
レイカは話に夢中でそれには気付かない。
彼女がこの国の事がどれだけ好きなのか身をもって知った時間であった。
「で、ですね」
「そうか」
途中からは俺も興味を持ち始めて約一時間は経っただろうか、満足したレイカはやっと俺達を解放してくれた。
レイカが扉を開けて出ていく。
彼女は専属に指名されただけあって自分のメイド部屋を持っている。
「そろそろか」
俺はそうつぶやいてマネーを握った。
ルーフェとレージストは早速ベッドで寝息を立ててしまっているので俺とラフェエニルで窓を飛び降りる。
門番に気付かれないように裏口から城を出て―――。
―――向かう場所は、ただひとつ。
そして俺達は馬車から降りて客専用の部屋に向かっている。何処もかしこも飾られており、床には赤いカーペットが敷かれている。
初心者の俺でも一目でわかるくらいに高級なものだった。
下が膨れていて上が丁度よく細い花瓶とそれを乗せた特別な刻印のある机。典型的なメイド服を着た存在感を極限まで薄くしたメイドたちと広いなんて言葉じゃ満たせないくらい広い部屋。
見るもののどれもが新鮮的で俺達は目を絶え間なく動かしては感嘆の声を漏らしていた。
今騎士たちに連れられて俺、ラフェエニル、ルーフェ、レージストは最上級の客専用の部屋にて柔らかいソファーに座って待機していた。
さすがに王族はそんなに簡単に会えるものではないのだろう。
今日のためにスケジュールを細かく変えて俺達に不都合の無いようにしたとも考えられる。
こぽこぽといい音を立てて入れられる紅茶。入れられた後顔もはっきりしないくらい存在感を薄くしたメイドがそれの入ったコップを机の上に置いた。
その際音がしなくて思わず「おお」と声を上げてしまった。
しばらくするとドアが開くと共に凄まじい存在感と威圧感が俺達を襲い、入って来たのは六七十代くらいの男性だった。
息をのんで彼が俺の前に座るのを待つ。その隣には美しい女性がいる。
「わたくしアーシア・リンスタントと申します、この国の第一王女です。失礼ながら父上様と同席させていただいております」
やはり王族のプライドもあるのだろうか、第一王女は頭を下げたりわざわざ理由を述べたりはしなかった。
二人の凄まじい存在感に飲まれて俺は頷くことしかできなかった。
「我はスメン・リンスタントと申す。この度は急に出された指名依頼に応えてくれたことに感謝申し上げよう、ケンキ殿」
「あ……だいじょぶ、です、ぁ……」
「―――ありがとうございますスメン様。私たちこそスメン様がスケジュールを調整されるまでしていただいて感謝申し上げるべきです」
返事がままならない俺をフォローするようにラフェエニルが頭を下げた。どうやら存在感や威圧感については慣れているようだ。さすが女神。
ルーフェとレージストは相変わらずどうってことはないようだ。
俺は金パワーをかけて金の事を思い出して金から胆力を借りて思い切ってスメンに話そうという決心をする。
「楽にしてくれても良い。早速だが明日に宮廷魔術師長、騎士団長、兵士団長の三人との作戦会議がある。何か言いたいことは無いかな?」
「ぁの、その三人に訓練してもらうということは可能ですか?」
「もちろんだ」
「それと、仲間がもう一人いるんです。子供のように見えますが能力は上です。魔族の力を持ってはいますが、よろしいでしょうか?」
「魔族、か。……良い。元々は我がミファレレス様の信仰をしたわけではない。我はミストレン神様を信仰しているのだ。魔族であることを隠してくれるのならば問題は無い」
「はい」
あの女の子―――リエイスが仲間に加わる前提で俺は問いをぶつけた。そこで聞いた、いや聞いてしまったのは驚きの内容だった。
スメンがミファレレスを信じているわけではないのなら、誰が。
国王を超える権力を持つ者がほかにもいるということなのか? とにかく疑問はあるが俺が触れていいものではないだろう。所詮手伝いだ。
俺は任務を成功させて金を貰っていればいいのだ。
「それでは部屋は準備してある。専属メイドも用意した。彼女に付いて行くといい。……失礼ながらもう遅い、我は行く」
「忙しいところ時間を頂いてしまい申し訳ございませんでした、それでは」
優しい顔をして微笑み、スメンとアーシアは騎士に囲まれながら部屋から出ていった。俺達を案内するのは専属メイドらしき少女。
彼女はレイカと名のり、俺達をこれから住むだろう部屋に案内してくれた。
「リンスタント城の中でも一段と豪華であると声明できる部屋です。縛られずくつろいでくださいね」
「おう」
「凄いわね。私もこんな部屋……あまり見たことがないわね」
やはり神や女神と言った存在は思った空間を自由に作り出すことができる能力を持っているせいかラフェエニルにとっては特別珍しい大きさではなかったらしい。
レイカに案内された部屋は思わず感嘆の声を漏らしてしまうほどだった。
此処にきて何回感嘆の声を漏らしたかもう覚えていないのだが。
ルーフェもレージストも目を輝かせているのがその証拠だ。
地球に居た頃の俺の部屋の何十倍もあるだろう。もう少し具体的に例えると三人家族が一般的に住む家の何十倍くらいの大きさだ。
「良ければこの国やこの城の説明を致しましょうか?」
「――お、おう」
これは、長くなりそうだ、と俺達は覚悟した。
途中からは知識が必要な俺だけが聞いていて他の者は殆ど上の空。ラフェエニルはまだまだ聞いていた方だがルーフェとレージストに至っては部屋が気になるようできょろきょろ辺りを見回していた。
レイカは話に夢中でそれには気付かない。
彼女がこの国の事がどれだけ好きなのか身をもって知った時間であった。
「で、ですね」
「そうか」
途中からは俺も興味を持ち始めて約一時間は経っただろうか、満足したレイカはやっと俺達を解放してくれた。
レイカが扉を開けて出ていく。
彼女は専属に指名されただけあって自分のメイド部屋を持っている。
「そろそろか」
俺はそうつぶやいてマネーを握った。
ルーフェとレージストは早速ベッドで寝息を立ててしまっているので俺とラフェエニルで窓を飛び降りる。
門番に気付かれないように裏口から城を出て―――。
―――向かう場所は、ただひとつ。
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