異世界転移!~俺は金(マネー)で強くなる!~

なぁ~やん♡

十二話:マネー男と図書館②

 すっと目についた本を手あたり次第手に取る。勿論ジャンルは「人物」というジャンルで調べている。そこから「魔の森」に絞っている。
 勿論ジャンルを絞ったのはフィナとレーキスだ。

 図書館の役員達は管理という名のただの伴観者だ。日本のように探してもらえたりするのは期待できないのだ。まあここにはその代わりのフィナとレーキスがいるのだが。
 こういうふうに図書館に詳しい者に頼んだり、或いはギルドで依頼を作ったりして冒険者を雇うなどする者もいる。
 何故冒険者なのかというと、冒険者は駆け出しの場合魔物の種類などを調べたり、ベテランでも新しい魔術を開発しようとしたりで詳しい者はわんさかいる。
 自分の知識で、しかも報酬ももらえるとなると冒険者は皆はかどるのだ。

「やっぱりすくねえな」

 さっきから探していても、闇剣士と暗黒騎士に関しての文献が「詳しく」載っているものがないのだ。フィナとレーキスもこの種目は初めて調べるようで、彼女らも悩んでいた。
 ラフェエニルに至っては文字を見て目を回しているので問題外。

 今最低限分かっているのは二人が昼の人が微妙に多いのか少ないのか分からない時間によく出現する、ということのみだ。
 それはそれで助かるのだが、能力とか名前とかが載っていたら良いと思う。
 この図書館は様々な有名人と大賢者が創ったもの、何でもあると言っても過言ではない。

「いや、絶対にあるはずなんだよな、ねえはずがない」

「金パワーならぬ金レーダーで探してみてはどうですか? どうやら私達もジャンルを紹介できたくらいで、詳しく何が何処にあるか鮮明には分からないんですよね、大体ここら辺、くらいしか」

「まあ仕方ねえよ、マナーの悪い奴らが勝手にどっかにほかったりするし、役員もどうにもしてくれんからな、確かにアタシもあるとは思うぜ?」

 フィナは「ここら辺」と思う場所の辺りの本を全て引き出し、一冊ずつ確認している。レーキスもため息をつきながら高速で本をチェックしていく。
 俺はというと、一冊ずつ小さなことでも一文字ずつ読み、懸命に探し求めていた。

 探し方は様々だが、皆此処に詳しく書かれている本があることを信じていた。

「金レーダーっつってもなぁ。やってみるわ、えーと、闇って文字があれば当たるはず……ん? お、これって何か凄くねえか?」

「どうしたんですか? あぁ!! これってまさか、ねえレーキス!?」

「そう、だな。ま、まさかと、図書館、に……」

「あらあら、どうしたの? それは……今回は金レーダーが役に立ったわね」

 闇、という文字を探していたらひとつ、目立つタイトルの書いてある本が目についた。もしかしたらこれならと思って引き出すと、フィナとレーキスが驚くよりも感動していた。
 これにはさすがのラフェエニルも惹きつけられ、おおと声を上げていた。金レーダーを認められて俺も嬉しかった。

 「大賢者が作った! どんな願いでも叶えましょう(^_-)」

 地味にタイトルがむかついたが、これならいけるかもと思った。開いてみると、こう書いてあった。
「貴方はボクに選ばれました~! これは運命です、貴方にはこの本を使う権利がありまーす!」
 うん、やっぱりむかつく。

「これならさ、この本に闇剣士と暗黒騎士について詳しく載せてもらえばいいんじゃないか? てか何をそんなに感動してるんだよ」

「いいえ、何でもありません。そうしましょう!」

「それ、珍しいというより大賢者様に認められた者しか見つけられない本だから、凄いって言葉じゃ表せないわよ……まあ、そうしましょ」

 ラフェエニルが呆れた声を出しているが、俺は探している間ずっと探してるのかしてないのか分からないラフェエニルだったのに今になって突然食いついてきている方が呆れてくる。
 ぺらり、とページをめくる。

 さっきの俺の言葉がすでに反映されているようで、闇剣士と暗黒騎士についてとても詳しく書かれていた。

「うわ、これってさ、ノートに写していいのか?」

「もちろんよ、さっきも言ったけれど役員はただ居るだけの存在なのよ、問題ないわ。たまに起きる問題行動を抑えるだけの仕事なのよ」

「給料は結構なもんだけどな、ハッ」

 ラフェエニルの言葉にレーキスが鼻で笑う。
 それなりの給料をもらっている理由は、彼らが来ると共に問題行動をする者達が大きく減ったのだ。今ではとても重要な存在になっている。
 仕事を殆どしなくなった原因は分かっていないが、給料はそのままなのだ。

「ふう。……なあ、羊皮紙持ってねえか? 俺ペンも羊皮紙も持って来てねえんだよな。何せ転移できちまったし」

「す、すみません。私羊皮紙ならもっています。レーキスはペンマニアなのできっと今日も持っていると思いますので」

「おう、しっかり持ってるぜ!」

 レーキスが何処からともなくしゅぽ、と出したのはこの世界にとって色鮮やかなペンだった。先にはほんのり黒いインクが色づいている。
 字が、書ける。
 ラフェエニルが何かしら細工しているのだろうか、知らない字がスラスラ書けてしまうというのはなんだか気持ち悪い。
 日本語を書こうとしても手が勝手に動いてみたこともない字に変わる。

「よし、今日は世話んなった。次はいつどこで会えるかわかんねえが、会えたら今度は―――また戦おうぜ?」

「えぇ、あの戦いは久しぶりの楽しい戦いでした。ぜひまた戦いましょう、また手伝えることがありましたら言ってくださいね、それでは!」

「結構調べれたようだな。今度はアタシの家に招待して色んなペンを紹介してやる、んじゃ、ラフェエニルもじゃあな!」

「またいつか会いましょう、いつでも待っているわ」

 しばらくして書いてあるものをすべてまとめたノートをラフェエニルに預け、図書館の扉をくぐり、またいつか会うかわからないフィナとレーキスに手を振った。
 一人ずつ挨拶を交わし、フィナとレーキスは右に、俺とラフェエニルは左の道に進んでいく。

「はあ……現れるとしたら―――――――――」









――――――――――明日だな。

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