異世界転移!~俺は金(マネー)で強くなる!~
十一話:マネー男と図書館①
翌朝、俺とラフェエニルはギルドに入ってうろちょろしていた。フィナとレーキスと会うためなのもあるがもうひとつ、もう少し闇剣士と暗黒騎士の情報を摂取できないかと思っている。
ちなみに早朝からメリアの側近からメリアが呼んでいると言われて起こされ、フィナ、レーキスと戦ったことをめちゃくちゃ叱られた。
今は閉じているが未だ痛む傷を半ば強制的にメリアが見た。
そして「うええ……マジなのか」と言ってフィナとレーキスも叱っておくと言っていた。
いい気味かと言ったらそうではない。
あの二人は色々と訳アリなので軽めにとお願いしておいた。
「で、さあ。メリアが「叱っておく」と言ったんだから来るんだろ? あいつら」
「……絶対メリアさんが仕組んだわね」
「あーその可能性あるわ、メリアならマジあり得るわ」
どや顔&キメ顔をしながら「マジあり得るわ」と言った俺にラフェエニルはドン引きしていた。椅子に足をかけてウィンク……さすがにイタいな。
そそくさと足を降ろしてラフェエニルに謝罪する。
でも俺の言っていることだけは間違いではない、メリアならこんなことも仕組む。
「もう、メリアさんは。怒るためだけに私達を呼ぶなんて久しぶりですよね」
「あーいや、ちょっと待てフィナ。これはメリアが何か仕組んでんじゃねえか?」
……どうやら向こうから歩いてきたフィナとレーキスも何やら気付いたようだ。メリアが説教をするのではなく、きっとされるのだろう。
いや、メリアはその覚悟をしてこんなことを仕組んだのかもしれない。
どちらにしろ会えずにすれ違うよりはいいのでとりあえず声をかける。
さっきから俺とラフェエニルが目立っているが、二人が入ってくると余計に目立った。
これも功績のおかげだと思えば気にならない。
そして金パワーを使えばもっと気にならない! それが俺だ!
「やっぱりメリアさんが仕組んだんですね。逆に怒らなければです」
「フィナが怒るとマジで怖いからな」
「それは俺が身をもって体感したからよくわかるわ」
あの時のフィナは今俺の目の前に座っている穏やかで礼儀正しい彼女とは違って狂っている、戦うことしか考えていない狂戦士だった。
勿論それで軽蔑とかはする気がないのだが、やはりフィナの姿を見ると一瞬びくっとなってしまうのは無理ないだろう。
これを「トラウマ」というのである。
レーキスは俺の言葉に苦笑い、フィナは軽く謝罪をした。SSランクのプライドもあるのだろうか、本気で土下座とかして謝る様子はない。
これが地球とかだったら一発でアウトな気がする。
「それで、今から図書館へ行くのですか?」
「えぇ、そのつもりよ。私達は時間が余っているけれど、貴方達はSSランク……時間が空いている時でいいわよ、それとも今も空いているのかしら?」
「あぁ、空いてるぜ、メリアに空けとけって言われてたからな」
「完全に仕組まれたな、俺ら」
フィナの問いに若干イラつく口調でラフェエニルが答える。そこはさすがSSランクなのか、気を悪くしたような事は全くなかった。
レーキスの答えに俺は苦笑いで言う。
「お仕置き決定ですね」
ニコリと女神のように微笑んだフィナだが、目だけが笑っていない。
「メリアさんが大変そうね、とりあえず図書館に行くのかしら?」
「あぁ、フィナとレーキスが空いてるならそうするよ」
「おう、アタシたちなら最近受けたい依頼がねえからな、空いてんだよ」
聞けばSSランクが依頼を受けるためには相当高いランクの依頼ではないと受けた感覚がしなくてつまらないのだという。
弱すぎて遊びにもならない、ということだろう。
まあ、俺達ももう低辺の依頼は受けられないな、弱すぎて。
「金があれば、何とかなる!」
「ふふ、噂通りですね。本当にマネーが好きなようで」
ドン、と立ち上がりガッツポーズをしながら語るとフィナに笑われた。いい意味で。それから少し休憩もかねて俺が金の良さを語り続けていた。
ラフェエニルは飽きと慣れが混ざって聞かずに黙ってコーヒーを飲んでいた。
フィナはそれを興味深そうに聞いていた。どうやら彼女は俺に同意する気があるようだ。
レーキスは珍しいものを見る目で俺のことを見ながら話を聞いていた。
「俺の話を真面目に聞いてくれた奴は久しぶりに見たわ。んじゃ、図書館行くか? てか図書館行くのに権限的なのいらないのか?」
「要るわよ、そりゃ。本当はチケットを発行する必要があるのだけれど、冒険者ギルドカードがその代わりになるわ」
「良く知っているんですね、じゃあちょっと驚かしてみましょう。……転移!」
言ってどうするんだ、と言った瞬間に転移魔術。
どういうふうに驚かされるかまでは分からなかった俺は本気に驚いてしまった。ラフェエニルも表情こそ冷静だが心臓の音がここまで聞こえてくる。
目を開けると、茶色が主色の比較的大きい建物の扉の前に居た。
「すげえな、SSランクって転移魔術とかまで持ってんのか」
「最初はべつに持っていなかったんですよ。とあるダンジョンで手に入れたんです、私にとってスキルを自分の手で手に入れるのが気持ちよかったので、あちこちでスキル狩りをしてましたね、おかげで称号にスキルハンターなんてついてしまいましたよ」
「ステータスを見せてもらいてえ気分だが、自分のスキルは自分でしか見れねえからな」
「諦めるのよ、それと早く入らないと」
本を借りられるのは午後三時まで。今は午後一時だ。いくら図書館を知り尽くした者がいても欲しい本を見つけるまでには時間がかかる。
そのために二時間前から来る者が多い。
ちなみに、時間関係については地球と変わらない。そして今は百二十五年十二月十五日だそうだ。
「そうだな、早く入ろう」
「つーかアタシはもう寒いぜ。まあこの格好なんだから仕方ねえがな」
レーキスは上にもこもこの小さな上着を着ていて中はまた小さなシャツで腹も見えている。それに下はショートパンツで保温は全くできない格好だ。
風邪などを引かないためにも早く俺達は図書館に急いだ。
ちなみに早朝からメリアの側近からメリアが呼んでいると言われて起こされ、フィナ、レーキスと戦ったことをめちゃくちゃ叱られた。
今は閉じているが未だ痛む傷を半ば強制的にメリアが見た。
そして「うええ……マジなのか」と言ってフィナとレーキスも叱っておくと言っていた。
いい気味かと言ったらそうではない。
あの二人は色々と訳アリなので軽めにとお願いしておいた。
「で、さあ。メリアが「叱っておく」と言ったんだから来るんだろ? あいつら」
「……絶対メリアさんが仕組んだわね」
「あーその可能性あるわ、メリアならマジあり得るわ」
どや顔&キメ顔をしながら「マジあり得るわ」と言った俺にラフェエニルはドン引きしていた。椅子に足をかけてウィンク……さすがにイタいな。
そそくさと足を降ろしてラフェエニルに謝罪する。
でも俺の言っていることだけは間違いではない、メリアならこんなことも仕組む。
「もう、メリアさんは。怒るためだけに私達を呼ぶなんて久しぶりですよね」
「あーいや、ちょっと待てフィナ。これはメリアが何か仕組んでんじゃねえか?」
……どうやら向こうから歩いてきたフィナとレーキスも何やら気付いたようだ。メリアが説教をするのではなく、きっとされるのだろう。
いや、メリアはその覚悟をしてこんなことを仕組んだのかもしれない。
どちらにしろ会えずにすれ違うよりはいいのでとりあえず声をかける。
さっきから俺とラフェエニルが目立っているが、二人が入ってくると余計に目立った。
これも功績のおかげだと思えば気にならない。
そして金パワーを使えばもっと気にならない! それが俺だ!
「やっぱりメリアさんが仕組んだんですね。逆に怒らなければです」
「フィナが怒るとマジで怖いからな」
「それは俺が身をもって体感したからよくわかるわ」
あの時のフィナは今俺の目の前に座っている穏やかで礼儀正しい彼女とは違って狂っている、戦うことしか考えていない狂戦士だった。
勿論それで軽蔑とかはする気がないのだが、やはりフィナの姿を見ると一瞬びくっとなってしまうのは無理ないだろう。
これを「トラウマ」というのである。
レーキスは俺の言葉に苦笑い、フィナは軽く謝罪をした。SSランクのプライドもあるのだろうか、本気で土下座とかして謝る様子はない。
これが地球とかだったら一発でアウトな気がする。
「それで、今から図書館へ行くのですか?」
「えぇ、そのつもりよ。私達は時間が余っているけれど、貴方達はSSランク……時間が空いている時でいいわよ、それとも今も空いているのかしら?」
「あぁ、空いてるぜ、メリアに空けとけって言われてたからな」
「完全に仕組まれたな、俺ら」
フィナの問いに若干イラつく口調でラフェエニルが答える。そこはさすがSSランクなのか、気を悪くしたような事は全くなかった。
レーキスの答えに俺は苦笑いで言う。
「お仕置き決定ですね」
ニコリと女神のように微笑んだフィナだが、目だけが笑っていない。
「メリアさんが大変そうね、とりあえず図書館に行くのかしら?」
「あぁ、フィナとレーキスが空いてるならそうするよ」
「おう、アタシたちなら最近受けたい依頼がねえからな、空いてんだよ」
聞けばSSランクが依頼を受けるためには相当高いランクの依頼ではないと受けた感覚がしなくてつまらないのだという。
弱すぎて遊びにもならない、ということだろう。
まあ、俺達ももう低辺の依頼は受けられないな、弱すぎて。
「金があれば、何とかなる!」
「ふふ、噂通りですね。本当にマネーが好きなようで」
ドン、と立ち上がりガッツポーズをしながら語るとフィナに笑われた。いい意味で。それから少し休憩もかねて俺が金の良さを語り続けていた。
ラフェエニルは飽きと慣れが混ざって聞かずに黙ってコーヒーを飲んでいた。
フィナはそれを興味深そうに聞いていた。どうやら彼女は俺に同意する気があるようだ。
レーキスは珍しいものを見る目で俺のことを見ながら話を聞いていた。
「俺の話を真面目に聞いてくれた奴は久しぶりに見たわ。んじゃ、図書館行くか? てか図書館行くのに権限的なのいらないのか?」
「要るわよ、そりゃ。本当はチケットを発行する必要があるのだけれど、冒険者ギルドカードがその代わりになるわ」
「良く知っているんですね、じゃあちょっと驚かしてみましょう。……転移!」
言ってどうするんだ、と言った瞬間に転移魔術。
どういうふうに驚かされるかまでは分からなかった俺は本気に驚いてしまった。ラフェエニルも表情こそ冷静だが心臓の音がここまで聞こえてくる。
目を開けると、茶色が主色の比較的大きい建物の扉の前に居た。
「すげえな、SSランクって転移魔術とかまで持ってんのか」
「最初はべつに持っていなかったんですよ。とあるダンジョンで手に入れたんです、私にとってスキルを自分の手で手に入れるのが気持ちよかったので、あちこちでスキル狩りをしてましたね、おかげで称号にスキルハンターなんてついてしまいましたよ」
「ステータスを見せてもらいてえ気分だが、自分のスキルは自分でしか見れねえからな」
「諦めるのよ、それと早く入らないと」
本を借りられるのは午後三時まで。今は午後一時だ。いくら図書館を知り尽くした者がいても欲しい本を見つけるまでには時間がかかる。
そのために二時間前から来る者が多い。
ちなみに、時間関係については地球と変わらない。そして今は百二十五年十二月十五日だそうだ。
「そうだな、早く入ろう」
「つーかアタシはもう寒いぜ。まあこの格好なんだから仕方ねえがな」
レーキスは上にもこもこの小さな上着を着ていて中はまた小さなシャツで腹も見えている。それに下はショートパンツで保温は全くできない格好だ。
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