異世界転移!~俺は金(マネー)で強くなる!~
九話:マネー男とSSランク冒険者①
街をぶらぶらする、というのは俺もラフェエニルもしたことがない。
俺は金集めに夢中で、ラフェエニルはまず女神なので人間界の街をぶらぶらすることはできない。ということで今俺はさっき買った串カツを食べながら歩いている。
何故金があるかというと。
先程依頼を受けてきて、ステータスに割り振らずに今使っているのだ!
こうしているうちに闇剣士やらと会うかもしれないので割と好都合。
「つーかさ、異世界の料理ってこんなレベルなのかよ」
「まあそうね。変えたければ変えればいいのよ、異世界人なんだし」
「いいよそんなん。俺は金があれば十分だし、ラノベのキャラクターみてえにかっこいいことはしたかねえよ……似合わねえだろ?」
「それはそうね」
「そこは否定するところじゃねえか」
真顔で肯定するラフェエニルに俺は少しだけ傷ついたかもしれない。
今は昼。
ご飯はぶらぶらしながらちまちまと食べている。
疲れてきたらギルドで休憩してまた依頼を受けるつもりだ。闇剣士に会わなかったらだが。
というか、この世界の料理は地球での料理とは少し劣る。
別に支障はないしこだわりもないのだが、まあ多少比べたくはなる。
「でさぁ……闇剣士と暗黒騎士ってどこにいるんだ?」
「そうね。図書館に行って調べてみたら分かるんじゃないかしら。この二人の歴史は何十年もあるのだからひとつは文献があってもおかしくはないわ」
「うん、その図書館、目の前にあるんだけどな?」
「え゛」
ラフェエニルは目線を遥か向こうに移しているのだが図書館は俺の真正面にあった。真顔でそう言った俺に対してラフェエニルは素っ頓狂な声を出した。
恐らくもっと向こうにあるのかと思ったらしい。
とりあえず入ろう、と図書館の門を開けようとしたが。
「ちょっといいですか? ケンキさんですよね。言いたいことがあるんです」
「こっち来い。あぁ、てめえは来なくてもいいが、来てもいいぞ」
白と黄色が混ざった色の髪を束ねた絶世の美女が俺の手を引いて人気のない通りに向かっている。金命な俺じゃなかったら惚れてたな。
どうなるかわからないが、とりあえず金に祈っておく。
ついでに金パワーもかけておいてポケットの中にある少量のマネーを手で転がす。
「あのー、なんだ?」
遅いのだろうがラフェエニルもついてきているのが気配で分かる。
「私はSSランク冒険者パーティのリーダーフィナです」
「アタシは同じくフィナと同じパーティのレーキスだ。よろしくはしねえぞ」
はは、と俺は苦笑いで応じる。
二人の、フィナとレーキスのオーラが真っ黒で戦う気満々なのが目に見えている。
SSランクと挑みたいだなんて俺は一言も言っていない。
「一騎打ちがしたいので、レーキスは少しだけ離れていてください」
ちぇ、とでもいうかのようにしかし無言でレーキスは俺が見えないところまで下がっていく。「少しだけ」と言われているのに何故そこまで離れる。
さすがに俺のハートが傷つく、金パワーで即修復。
銅貨一枚は百マネー。
今俺のポケットには銅貨が二枚ある、丁度いい、戦えそうだ。
「一発クリアか。まあいいや、で、何がしたいの?」
「私が貴方なんかに負けないことを証明したいのです」
俺「なんか」かよ。
地味に傷つく言葉が俺のハートにクリーンヒット!!
金パワーで防いだ!!
向こうが俺の後ろに回り込んだようだがなんとなぁく見える。
「うおっ」
「……良く避けましたね。次は避けさせませんよ! 風炎!!」
「ぎゃあっ……殺す気で来るなよ! 金パぅワ―――!!」
風と炎が混ざり合って高速で向かってくる。当たったら致命傷だろう、その相手が俺じゃなかったら。魔力をポケットからとり出したマネーにすべて注ぐ。
素材になるものすべてを、力も全てをマネーに、マネーだけに。
金に人生をささげた男はそう簡単にめげたりはしないのだ。そう、俺は。
「それよお!」
「何なんですか……この技。って、威力高い!?」
魔力で糸をマネーに付けてからそのマネーに速度を全て犠牲にしてフィナに向かって投げる。勿論ステップを踏んだりの予備動作もしっかりしている。
腰を捻じ曲げ膝を降ろし、ついでにフィナの頭の上から水の槍を落とす。
魔術の使い方は依頼をこなしているうちにいつの間にか覚えた。
《称号『金の操り師』、スキル『金操師』を獲得しました》
金を使わずに獲得するスキルとか称号とかっていいよね。
「何だこの技と言ったな? これはなぁ……俺がマネーに対する愛情をこめてマネーを愛しマネーに愛されるかのようにぐふうっ!?」
「戯言です!! 私に勝てる者は誰一人としていません!!」
「――――フィナ、あいつ、やっぱり」
後ろで見ていたレーキスはぽつりとつぶやいた。
俺は知っている。
このパーティにはもう一人いて、フィナのミスにより魔物に殺された男性。
彼はフィナの思い人で、しかしフィナに殺された―――――――――。
文献にはそう書いてあるが、実際には違う。
レーキスが逃げたのだ。
レーキスがフィナと彼の腕を引いていたのだが爆発と共に手が離れてしまったのだ。
以来、フィナは一人でどこまでも強くなろうとし、自分を責め続けている。レーキスはそんな姿を見て何も言えずに我慢をしている。
で、俺の脇腹に魔力込めてカウンターするのかよ。
「はあっ! 闇炎」
「混ぜてくんなよ!! 金操師!」
マネーを手裏剣のように投げる。俺の意志の通りに切り裂く刃のように動く。
やはり金に愛され金を愛した俺はひとあじちが……え。
「炎操師!!」
俺と似た称号を持っていたとは。
炎の渦がくねくね変形をして俺の方向へ向かう。避けられはしない。避けたとしても俺を追いかけ続けるのだから。
俺の放ったマネーはちゃんとフィナの腹辺りを切り裂いている。
……やべえ、マジで動けねえ。
俺、死ぬ!?
俺は金集めに夢中で、ラフェエニルはまず女神なので人間界の街をぶらぶらすることはできない。ということで今俺はさっき買った串カツを食べながら歩いている。
何故金があるかというと。
先程依頼を受けてきて、ステータスに割り振らずに今使っているのだ!
こうしているうちに闇剣士やらと会うかもしれないので割と好都合。
「つーかさ、異世界の料理ってこんなレベルなのかよ」
「まあそうね。変えたければ変えればいいのよ、異世界人なんだし」
「いいよそんなん。俺は金があれば十分だし、ラノベのキャラクターみてえにかっこいいことはしたかねえよ……似合わねえだろ?」
「それはそうね」
「そこは否定するところじゃねえか」
真顔で肯定するラフェエニルに俺は少しだけ傷ついたかもしれない。
今は昼。
ご飯はぶらぶらしながらちまちまと食べている。
疲れてきたらギルドで休憩してまた依頼を受けるつもりだ。闇剣士に会わなかったらだが。
というか、この世界の料理は地球での料理とは少し劣る。
別に支障はないしこだわりもないのだが、まあ多少比べたくはなる。
「でさぁ……闇剣士と暗黒騎士ってどこにいるんだ?」
「そうね。図書館に行って調べてみたら分かるんじゃないかしら。この二人の歴史は何十年もあるのだからひとつは文献があってもおかしくはないわ」
「うん、その図書館、目の前にあるんだけどな?」
「え゛」
ラフェエニルは目線を遥か向こうに移しているのだが図書館は俺の真正面にあった。真顔でそう言った俺に対してラフェエニルは素っ頓狂な声を出した。
恐らくもっと向こうにあるのかと思ったらしい。
とりあえず入ろう、と図書館の門を開けようとしたが。
「ちょっといいですか? ケンキさんですよね。言いたいことがあるんです」
「こっち来い。あぁ、てめえは来なくてもいいが、来てもいいぞ」
白と黄色が混ざった色の髪を束ねた絶世の美女が俺の手を引いて人気のない通りに向かっている。金命な俺じゃなかったら惚れてたな。
どうなるかわからないが、とりあえず金に祈っておく。
ついでに金パワーもかけておいてポケットの中にある少量のマネーを手で転がす。
「あのー、なんだ?」
遅いのだろうがラフェエニルもついてきているのが気配で分かる。
「私はSSランク冒険者パーティのリーダーフィナです」
「アタシは同じくフィナと同じパーティのレーキスだ。よろしくはしねえぞ」
はは、と俺は苦笑いで応じる。
二人の、フィナとレーキスのオーラが真っ黒で戦う気満々なのが目に見えている。
SSランクと挑みたいだなんて俺は一言も言っていない。
「一騎打ちがしたいので、レーキスは少しだけ離れていてください」
ちぇ、とでもいうかのようにしかし無言でレーキスは俺が見えないところまで下がっていく。「少しだけ」と言われているのに何故そこまで離れる。
さすがに俺のハートが傷つく、金パワーで即修復。
銅貨一枚は百マネー。
今俺のポケットには銅貨が二枚ある、丁度いい、戦えそうだ。
「一発クリアか。まあいいや、で、何がしたいの?」
「私が貴方なんかに負けないことを証明したいのです」
俺「なんか」かよ。
地味に傷つく言葉が俺のハートにクリーンヒット!!
金パワーで防いだ!!
向こうが俺の後ろに回り込んだようだがなんとなぁく見える。
「うおっ」
「……良く避けましたね。次は避けさせませんよ! 風炎!!」
「ぎゃあっ……殺す気で来るなよ! 金パぅワ―――!!」
風と炎が混ざり合って高速で向かってくる。当たったら致命傷だろう、その相手が俺じゃなかったら。魔力をポケットからとり出したマネーにすべて注ぐ。
素材になるものすべてを、力も全てをマネーに、マネーだけに。
金に人生をささげた男はそう簡単にめげたりはしないのだ。そう、俺は。
「それよお!」
「何なんですか……この技。って、威力高い!?」
魔力で糸をマネーに付けてからそのマネーに速度を全て犠牲にしてフィナに向かって投げる。勿論ステップを踏んだりの予備動作もしっかりしている。
腰を捻じ曲げ膝を降ろし、ついでにフィナの頭の上から水の槍を落とす。
魔術の使い方は依頼をこなしているうちにいつの間にか覚えた。
《称号『金の操り師』、スキル『金操師』を獲得しました》
金を使わずに獲得するスキルとか称号とかっていいよね。
「何だこの技と言ったな? これはなぁ……俺がマネーに対する愛情をこめてマネーを愛しマネーに愛されるかのようにぐふうっ!?」
「戯言です!! 私に勝てる者は誰一人としていません!!」
「――――フィナ、あいつ、やっぱり」
後ろで見ていたレーキスはぽつりとつぶやいた。
俺は知っている。
このパーティにはもう一人いて、フィナのミスにより魔物に殺された男性。
彼はフィナの思い人で、しかしフィナに殺された―――――――――。
文献にはそう書いてあるが、実際には違う。
レーキスが逃げたのだ。
レーキスがフィナと彼の腕を引いていたのだが爆発と共に手が離れてしまったのだ。
以来、フィナは一人でどこまでも強くなろうとし、自分を責め続けている。レーキスはそんな姿を見て何も言えずに我慢をしている。
で、俺の脇腹に魔力込めてカウンターするのかよ。
「はあっ! 闇炎」
「混ぜてくんなよ!! 金操師!」
マネーを手裏剣のように投げる。俺の意志の通りに切り裂く刃のように動く。
やはり金に愛され金を愛した俺はひとあじちが……え。
「炎操師!!」
俺と似た称号を持っていたとは。
炎の渦がくねくね変形をして俺の方向へ向かう。避けられはしない。避けたとしても俺を追いかけ続けるのだから。
俺の放ったマネーはちゃんとフィナの腹辺りを切り裂いている。
……やべえ、マジで動けねえ。
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