桜伝説

ノベルバユーザー173744

薄墨桜と呼ばれたり

昔、あるみかどの世のお話にございます。



いつの頃のことの話でしょうか。

みかどとお后がある地に静養のために訪れたところ、お后さまが重病にお倒れになられたのでございます。

みかども、共に静養に参られたお供も、女官も狼狽え、医師に必死にお后さまを診て貰うものの、起き上がることもままならぬ有り様。
そして次第にお食事も口にできず、御体を動かせぬようになられていったのでございます。

その事を伝え聞いたご滞在の宮城みやのそばのお寺さんが、お寺をあげて、お后さまの平癒へいゆを祈祷したところ、お后さまが目を覚まし、日増しに回復していったのでありました。

喜ばれたみかどは、そのお寺に綸旨りんじと呼ばれる文書と共に桜の苗木を下賜かしされたのでした。



賜った桜はお寺に大切に植えられ、山桜系の八重桜を咲かせるようになったそうでございます。
その淡い桃色の桜の樹を、綸旨の紙の色だった薄墨色うすずみいろから薄墨桜と地域のものは呼ぶようになったとのことにございます。

ある桜のお話にございます。

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コメント

  • ノベルバユーザー233283

    続き、気になります!

    0
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