【書籍化作品】無名の最強魔法師
エルフガーデン(17)
宴が進むにつれ、アルコールが彼女らエルフの体内に入り少しずつ理性という名の壁を溶かしていく。
「やはり――」
俺は緑色の青汁アルコールに一口だけ口をつける。
味としては、青汁にアルコールを足したような味でお酒飲みなら誰もが大激怒する味と言って過言ではないだろう。
「マズイな……」
「聖人しゃまー……何かマズイ事でもあったんですか?」
俺に近づいて頬ずりしてくるサマラが横にはいるが……サマラだけではなくエルフの女性たちは全員が、執拗に体を触ってきようとする。
まったく……これはあれだな。
お酒を飲んだら人には絡まずには居られなくなる酒飲み特有の病気。
アルコール病とでも名付けるとしよう。
「いや……これだけ魅力的な美人に囲まれると俺も自制するのが大変だなと思っただけだ」
実際、エルフの女性は見た目もキレイだし装いもおしとやかで料理以外は特に不満はない。
そう、料理以外には不満はない――。
料理以外はな!
大事な事だから2度、俺は心の中で突っ込みを入れていた。
「そういえば聖人様は、もう族長に会われたのですか?」
頬を薄らと赤らめたエイフィルが、サマラを押しのけて横にすわってくると葉の天ぷらのようなモノを箸でつかむと差し出してくる。
「あー……、俺もうお腹いっぱ……いや、なんでもない――頂こうか」
話の途中で、言葉を撤回する。
エイフィルが端正な眉をひそめて、大きな瞳を涙で潤ませていたから。
さすがにそんな捨てられた子犬のような表情を見せられて食べられないとは言えない。
「それにしても」
俺は、エイフィルに差し出された葉を咀嚼しながら、とても素材の味を生かした料理だなと食べながら内心溜息をつく。
すると――。「そういえば、聖人様は多くの従者を連れていると、他の人達からお聞きいたしまた」と、メルンが話かけてきた。
「従者? リネラスたちの事か? あいつらは――」
俺は、そこで一度言葉を区切り――。
これまでの道を思い出す。
フィンデイカ村での出来事、カレイドスコープでの出来事、そして花の都ローランでの出来事と。
「そうだな、大切な――」
「大切な?」
「いや……何でもない。ところで、どうしてそんな事を聞いてくるんだ?」
メルンは、俺の問いかけに「え! そ、そんなこと――」と、呟くと顔を伏せた後に、指先をせわしなく動かしている。
まったく何を聞きたいのか分からないな。
「そういえば、ユウマさん。族長は、何か言っていましたか? 私達で手伝えるような事があれば手伝いますが?」
「いや、特に手伝ってもらうような事は、今は特にないなが――」
サマラは、肩を落としながら「そ、そうですか……」と、呟いてしまっているが、エルフの問題を何とかしてほしいようにエリンフィートから頼まれていると言っても、現状では解決案が有る訳でもないし、悪戯に不安を煽る必要性もないからな。
余計な事は言わないほうがいいだろう。
「一応、俺たちは、エリンフィートから滞在許可はもらったぞ?」
「ユウマさんは、問題ありませんけど、他の従者――お仲間の方もですか?」
エイフィルは信じられないと言った表情で俺に訪ねてくる。
「エイフィル、族長がユウマさんと、その他の方々を客人とみなしたのでしたら、私達の客人でもあります」
「サマラ様……わかりました」
エイフィルは、しぶしぶサマラの言葉に頷いている。
「ユウマさん、申し訳ありません。殿方は異種族の方でも受け入れているのですが、女性となると――」
「お前たちにも事情があるのは理解しているつもりだが、リネラスの事をリネラスの事を出来そこないのエルフと言っていた事にかんしては、今後、そういう事はやめてほしい」
俺の言葉にサマラが顔を上げて「それは――」と、途中で言葉を止めると。
エルフの民族衣装である、緑色の染め上げられたスカートの裾を握りしめ「それは、エルフの秩序に関わる重大な問題です。こちらから接触する事は控えますけど、止めることは難しいです」とはっきりと告げてきた。
「あの――ユウマさん……どうしてリネラス達、ハーフエルフが嫌われているかですけど彼女達は男性と床を共にすることを拒むんです。ですので、エルフの種族繁栄に影を落しかねないので――」
「――え?」
今、何か重大な言葉が聞こえたような……。
「そ、それって……つまり魔力を見る精霊眼が無いから出来損ないと言ってるのでなくて男女のつき合いに対して大らかではないから、ダメだと?」
「はい!」
俺の言葉に、エイフィルが自信ありげに答えてくる。
周りのエルフ達を見渡しても全員が頷いているところを見ると、それは事実なのだろう。
「ユウマさん、私達が魔法を使えないだけで、同族の人間をそこまで差別するわけがありません。ハーフエルフは貞操観念が高すぎて困るんです。リネラスは、幼馴染でしたから何人も男性の奴隷を連れていったんですけど――リネラスは、彼女は好きな人以外とは、嫌だと――」
「ま、まるで――サキュバスみたいなエルフだな……」
「やはり――」
俺は緑色の青汁アルコールに一口だけ口をつける。
味としては、青汁にアルコールを足したような味でお酒飲みなら誰もが大激怒する味と言って過言ではないだろう。
「マズイな……」
「聖人しゃまー……何かマズイ事でもあったんですか?」
俺に近づいて頬ずりしてくるサマラが横にはいるが……サマラだけではなくエルフの女性たちは全員が、執拗に体を触ってきようとする。
まったく……これはあれだな。
お酒を飲んだら人には絡まずには居られなくなる酒飲み特有の病気。
アルコール病とでも名付けるとしよう。
「いや……これだけ魅力的な美人に囲まれると俺も自制するのが大変だなと思っただけだ」
実際、エルフの女性は見た目もキレイだし装いもおしとやかで料理以外は特に不満はない。
そう、料理以外には不満はない――。
料理以外はな!
大事な事だから2度、俺は心の中で突っ込みを入れていた。
「そういえば聖人様は、もう族長に会われたのですか?」
頬を薄らと赤らめたエイフィルが、サマラを押しのけて横にすわってくると葉の天ぷらのようなモノを箸でつかむと差し出してくる。
「あー……、俺もうお腹いっぱ……いや、なんでもない――頂こうか」
話の途中で、言葉を撤回する。
エイフィルが端正な眉をひそめて、大きな瞳を涙で潤ませていたから。
さすがにそんな捨てられた子犬のような表情を見せられて食べられないとは言えない。
「それにしても」
俺は、エイフィルに差し出された葉を咀嚼しながら、とても素材の味を生かした料理だなと食べながら内心溜息をつく。
すると――。「そういえば、聖人様は多くの従者を連れていると、他の人達からお聞きいたしまた」と、メルンが話かけてきた。
「従者? リネラスたちの事か? あいつらは――」
俺は、そこで一度言葉を区切り――。
これまでの道を思い出す。
フィンデイカ村での出来事、カレイドスコープでの出来事、そして花の都ローランでの出来事と。
「そうだな、大切な――」
「大切な?」
「いや……何でもない。ところで、どうしてそんな事を聞いてくるんだ?」
メルンは、俺の問いかけに「え! そ、そんなこと――」と、呟くと顔を伏せた後に、指先をせわしなく動かしている。
まったく何を聞きたいのか分からないな。
「そういえば、ユウマさん。族長は、何か言っていましたか? 私達で手伝えるような事があれば手伝いますが?」
「いや、特に手伝ってもらうような事は、今は特にないなが――」
サマラは、肩を落としながら「そ、そうですか……」と、呟いてしまっているが、エルフの問題を何とかしてほしいようにエリンフィートから頼まれていると言っても、現状では解決案が有る訳でもないし、悪戯に不安を煽る必要性もないからな。
余計な事は言わないほうがいいだろう。
「一応、俺たちは、エリンフィートから滞在許可はもらったぞ?」
「ユウマさんは、問題ありませんけど、他の従者――お仲間の方もですか?」
エイフィルは信じられないと言った表情で俺に訪ねてくる。
「エイフィル、族長がユウマさんと、その他の方々を客人とみなしたのでしたら、私達の客人でもあります」
「サマラ様……わかりました」
エイフィルは、しぶしぶサマラの言葉に頷いている。
「ユウマさん、申し訳ありません。殿方は異種族の方でも受け入れているのですが、女性となると――」
「お前たちにも事情があるのは理解しているつもりだが、リネラスの事をリネラスの事を出来そこないのエルフと言っていた事にかんしては、今後、そういう事はやめてほしい」
俺の言葉にサマラが顔を上げて「それは――」と、途中で言葉を止めると。
エルフの民族衣装である、緑色の染め上げられたスカートの裾を握りしめ「それは、エルフの秩序に関わる重大な問題です。こちらから接触する事は控えますけど、止めることは難しいです」とはっきりと告げてきた。
「あの――ユウマさん……どうしてリネラス達、ハーフエルフが嫌われているかですけど彼女達は男性と床を共にすることを拒むんです。ですので、エルフの種族繁栄に影を落しかねないので――」
「――え?」
今、何か重大な言葉が聞こえたような……。
「そ、それって……つまり魔力を見る精霊眼が無いから出来損ないと言ってるのでなくて男女のつき合いに対して大らかではないから、ダメだと?」
「はい!」
俺の言葉に、エイフィルが自信ありげに答えてくる。
周りのエルフ達を見渡しても全員が頷いているところを見ると、それは事実なのだろう。
「ユウマさん、私達が魔法を使えないだけで、同族の人間をそこまで差別するわけがありません。ハーフエルフは貞操観念が高すぎて困るんです。リネラスは、幼馴染でしたから何人も男性の奴隷を連れていったんですけど――リネラスは、彼女は好きな人以外とは、嫌だと――」
「ま、まるで――サキュバスみたいなエルフだな……」
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コメント
ノベルバユーザー322977
動物保護団体もそんなもんだろ
ノベルバユーザー37403
猟師が〜だよね?
たいていの文化圏・国でも、殺生を生業とする職業は忌み嫌われる地域や風習なんかがあります。
鯨油取る為にクジラ乱獲したり、牛豚兎食っても、イルカやクジラの漁は可哀想だとか野蛮だとか言う輩は居ますし、殺生戒を定める宗教はメジャーですから。
ノベルバユーザー38892
なぜ漁師が忌まれているのでしょうか?