【書籍化作品】無名の最強魔法師
エルフガーデン(11)
「そ、そうですか……」 エリンフィートは、一瞬だけ苦虫を潰した表情をすると俺に見られていたことに気が付いたのか、すぐに表情に笑みを浮かべて俺を見てきた。「それではお話だけでも……」「まぁ、受けるかどうかは別でいいなら話くらいは聞いてもいいが――」「ありがとうございます。実は、エルフ特有の病についてなのですが――その病から村を救っては頂けませんか?」 ふむ、病か……。俺も病だけは、どうにもできないからな。 ――っていうか、俺が病にかかったら大変だな。 さっさと、エルフの村を見捨てて別の町に向かってもいいかもしれないな。
「エリンフィート、悪いが俺には病を治すような知識はないから助けることはできない」
まぁ、適当な事を言ってお茶を濁しておけばいいだろう。
それに、あながちウソでもないしな。
俺に医学的知識はないし、そもそも俺の回復魔法は細胞増殖、テロメアの追加、細胞分裂で成り立ってる訳だから、医学的見地からの回復魔法ではなく物理的見地からのゴリ押し回復まどうだからな。
医学の医の知識すら無い俺には病を治すのはちょっと――難易度が高すぎるな。
「そうですか。ですが――」
エリンフィートは、微笑むと俺を見ながら「きっと、これから話す内容を聞いて頂ければ、受けて頂けると信じています」と、告げてきた。
その言葉は、先ほどまでと大差が無い声色のようであったが、威圧感が含まれているように感じられる。
さらに言えば、エリンフィートの表情も先ほどまでとは――。
表情は、微笑んではいるものの目が笑っていないように感じられる。
「ですが?」
「私が知る限り海の港町カレイドスコープにて、海神リヴァイアサンを呼び寄せて町を半壊させていますね?」
俺は思わず「おい、何故それを知っている?」と、問いかけそうになったが思いとどまる。
ウミゾー襲来事件は、俺以外は誰も知らないはずなのだ。
それを目の前のエルフの族長は知っている。
問題は、エルフガーデンの森に囲まれている集落にいるエリンフィートがどうして外部の情報を知っているかだ。
それにエルフガーデンの周囲には険しい山がそびえ立っており唯一、行き来が出来るのがエルブンケイブのみ。
その限定された状態で、俺の情報を集められるか?
しかも俺がエルフの森に向かうかどうかを決める前の出来事だぞ?
答えは否だ。
「それと、海の港町カレイドスコープでエターナルフィーリングを魔物化させた影響で経済と男女の中に大変な事を起こしていますよね?」
「……」
エターナルフィーリングについては、俺の責任ではないんだが――。
主に、リネラスに責任の所在があるわけであって俺は悪くない。
それよりも――。
やはり俺の事を以前から監視していたのか?
「なるほどなるほど――花の都ローランに立ち寄られたあとにエルブンガストの木々を破壊したと――」
「前の2つについてはまったく知らないが――エルブンガストについては、俺に手を出してきたから殲滅しただけだ。それは俺の落ち度ではないな」
「…………そ、そうですか」
第一、全部不可抗力によるものだ。
気が付いたらそうなってたみたいな?
意図的にやったわけではないし、そもそもウミゾー問題とか俺がいただけで起きるとかどう考えても俺が被害者の立場だろうに。
それを迅速かつ安全に処理したのだから、もう――あれだ! 世界が悪いみたいな? もう、そんな感じでいいんじゃないのか?
文句があるなら、証拠を提出して裁判にかけろと言いたくなるが、まあ司法機関とかないんだろうし、物的証拠も出せる訳がないだろうし。
つまり、ノーカウントってやつだな。
「……ふむ。エリンフィート、悪いが考えれば考えるほど俺に落ち度はないように思えてならないな。俺は、町の皆から慕われるユウマさんだぞ? 物的証拠も無いのに人を脅してくる手法はあまり関心しないな」
「そうですか……ユウマ様の長馴染みのリリナさんならすぐ信じてくれると思いますが?」
「……」
たしかに、すぐに信じそうであるが、どうしてエリンフィートが隣国であるアルネ王国のアライ村に住んでいるリリナの事を知っているのか不思議でならない。
そういった魔法が存在するのだろうか?
まあ、リリナに知らされた所でまったく痛くも痒くもないけどな!
どうせ、知らされて信じてもユウマ君だから仕方ないよね! で、終わるだろうし。
日頃の行いの積み重ねが、リリナの信頼を勝ちとっているな。
「ふっ――あまいな、エリンフィート! この俺を、その程度で! それだけの情報で動かせると思ったら大間違いだ!」
「エリンフィート、悪いが俺には病を治すような知識はないから助けることはできない」
まぁ、適当な事を言ってお茶を濁しておけばいいだろう。
それに、あながちウソでもないしな。
俺に医学的知識はないし、そもそも俺の回復魔法は細胞増殖、テロメアの追加、細胞分裂で成り立ってる訳だから、医学的見地からの回復魔法ではなく物理的見地からのゴリ押し回復まどうだからな。
医学の医の知識すら無い俺には病を治すのはちょっと――難易度が高すぎるな。
「そうですか。ですが――」
エリンフィートは、微笑むと俺を見ながら「きっと、これから話す内容を聞いて頂ければ、受けて頂けると信じています」と、告げてきた。
その言葉は、先ほどまでと大差が無い声色のようであったが、威圧感が含まれているように感じられる。
さらに言えば、エリンフィートの表情も先ほどまでとは――。
表情は、微笑んではいるものの目が笑っていないように感じられる。
「ですが?」
「私が知る限り海の港町カレイドスコープにて、海神リヴァイアサンを呼び寄せて町を半壊させていますね?」
俺は思わず「おい、何故それを知っている?」と、問いかけそうになったが思いとどまる。
ウミゾー襲来事件は、俺以外は誰も知らないはずなのだ。
それを目の前のエルフの族長は知っている。
問題は、エルフガーデンの森に囲まれている集落にいるエリンフィートがどうして外部の情報を知っているかだ。
それにエルフガーデンの周囲には険しい山がそびえ立っており唯一、行き来が出来るのがエルブンケイブのみ。
その限定された状態で、俺の情報を集められるか?
しかも俺がエルフの森に向かうかどうかを決める前の出来事だぞ?
答えは否だ。
「それと、海の港町カレイドスコープでエターナルフィーリングを魔物化させた影響で経済と男女の中に大変な事を起こしていますよね?」
「……」
エターナルフィーリングについては、俺の責任ではないんだが――。
主に、リネラスに責任の所在があるわけであって俺は悪くない。
それよりも――。
やはり俺の事を以前から監視していたのか?
「なるほどなるほど――花の都ローランに立ち寄られたあとにエルブンガストの木々を破壊したと――」
「前の2つについてはまったく知らないが――エルブンガストについては、俺に手を出してきたから殲滅しただけだ。それは俺の落ち度ではないな」
「…………そ、そうですか」
第一、全部不可抗力によるものだ。
気が付いたらそうなってたみたいな?
意図的にやったわけではないし、そもそもウミゾー問題とか俺がいただけで起きるとかどう考えても俺が被害者の立場だろうに。
それを迅速かつ安全に処理したのだから、もう――あれだ! 世界が悪いみたいな? もう、そんな感じでいいんじゃないのか?
文句があるなら、証拠を提出して裁判にかけろと言いたくなるが、まあ司法機関とかないんだろうし、物的証拠も出せる訳がないだろうし。
つまり、ノーカウントってやつだな。
「……ふむ。エリンフィート、悪いが考えれば考えるほど俺に落ち度はないように思えてならないな。俺は、町の皆から慕われるユウマさんだぞ? 物的証拠も無いのに人を脅してくる手法はあまり関心しないな」
「そうですか……ユウマ様の長馴染みのリリナさんならすぐ信じてくれると思いますが?」
「……」
たしかに、すぐに信じそうであるが、どうしてエリンフィートが隣国であるアルネ王国のアライ村に住んでいるリリナの事を知っているのか不思議でならない。
そういった魔法が存在するのだろうか?
まあ、リリナに知らされた所でまったく痛くも痒くもないけどな!
どうせ、知らされて信じてもユウマ君だから仕方ないよね! で、終わるだろうし。
日頃の行いの積み重ねが、リリナの信頼を勝ちとっているな。
「ふっ――あまいな、エリンフィート! この俺を、その程度で! それだけの情報で動かせると思ったら大間違いだ!」
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