【書籍化作品】無名の最強魔法師
花屋ユリカさん、ギルドメンバーに加わる(後編)
「そ、そうなのか……そういえばユウマは……」
エルスが思いつめた視線で俺を見てくるが……。
「悪いな、何度も言っているが俺はお前達の仲間になるつもりはない。あとな、他人の力を宛てにしてると足元をすくわれるぞ?」
「……わかったよ。ユウマ、アンタはもう勧誘しないさ」
エルスの言葉に俺は頷く。
誰か一人の力、強い力を持つ一人だけの――英雄の力を借りて国を救ったとしても、それは本当の意味で国を救ったことにはならない。
また、いつか必ず問題に突き当たる。
その時、また一人の英雄に頼れるのか? と言えばそうではない。
そう都合よく英雄なんて居る訳がない。
だから、自分達で国を救わないと意味がない。
それは俺の中にある知識がそう導き出してるし答えも出ている。
だから――。
「ああ、がんばれよ」
――と、しか俺はエルスにかける言葉はない。
俺の言葉に、エルスは頷き足を止めると。
「そういえばユウマ、ギルドマスターが現れたと聞いたけど知らないか?」
「知らないな」
俺は、即答する。
ユリーシャが何のためにギルドマスターを探してるかは知らないが、どうせ碌な事にならないだろうし教える必要もない。
どうしても必要ならリネラスの方からユリーシャに接触すると思うし。
まぁどちらにせよ、海の港町カレイドスコープの代表を務めてるアレフはリネラスの背格好を知っている。
捜査網を敷かれて問題に巻き込まれる前に、海の港町カレイドスコープから撤退した方がいいかも知れないな。
「……そうか、分かった。ありがとう」
エルスは落胆したような表情をした後、去っていった。
その後ろ姿を見ながら俺はため息をついた。
「ユウマ!用意できたけど……どうしたの?何か辛い事とかあったの?」
リネラスが俺を見上げてくる。
「いや、何でもない。話は終わったのか?」
「うん、終わったよ。用意も出来たから早く帰ろう!」
用意が出来た?
俺は店の中を見ると先ほどまで所狭しと店内に置いてあった花などが全て消えていた。
「このリュックサックすごいね。お店の物から洋服から全部入ったよ? ユウマってもしかしてかなり早めに階層主とか倒したの?」
「倒す速度で違うのか?」
「うん、瞬殺するとすごいレアなアイテムが出るんだよ?ユウマはどのくらいで倒したの?」
ふむ。俺が倒した時間か……。
「1秒くらいか?」
「……あー……うん。ユウマって規格外だと思ってたけど本当に規格外なんだね。この入れ物って倒した魔物の形が反映されるんだけど、ユウマはこんなに可愛らしい魔物を見て攻撃を躊躇ったりしなかったの?」
「躊躇?俺は自分の敵には情けをかける気はないからな。敵・即・殺が俺のモットーだな」
「……そう、よかったわ。最近のユウマは、妙に私達以外にもやさしいから心配してたんだけど安心したわ」
敵を瞬殺したことを褒めるとは……。
リネラスは俺に何を求めてるのだろうか?
「リネラスさん、お待たせしました。閉店に関してのお手紙を出していて遅くなってしまいました」
リネラスに話しかけている元花屋の主人ユリカさんは淡い青色のワンピースを着ていた。
「大丈夫よ。それじゃユウマ、急ぎましょう」
「そうだな……」
俺はリネラスに、自分が被っていたフードを被せる。
「ユウマ、これは?」
「ユリーシャの解放軍が町に戻ってきてる。見られるとマズイからすぐに撤退するぞ」
「やっかいね……」
「ああ、ちょっとした事があったな……」
さすがに解放軍と通じてるエルスの事を口に出すのは引けるからな。
俺とリネラスにユリカさんは、町の中を歩きながら、時折見かける兵士を無視しながら町の門前まで到着すると30人近い兵士達が門前で待機している。
「まだ、冒険者ギルドマスターは町からは出ていないようだ! かならず確保しろ!」
俺は目の前の兵士達の顔を様子を見て、溜息をついた。
見知った顔ばかり――どう見ても、カークスやエルスと一緒にいた時に村で会ったやつらだ。
「リネラス、ちょっと行ってくる」
俺は門の方へ歩いていく。
すると男達は、俺を興味なさそうに見た後に目を見開く。
「ユ……」
最後まで俺の名前を言う前に男が膝から地面に崩れ落ちた。
「すまないが、急いでるんだが退いてくれないか? 退いてくれないならこちらも力で通らせてもらおう」
俺の言葉に20人以上の兵士達が道を開ける。
どうやら指揮官はいないようだな、
まぁいたら襲ってくるだろうしな。
そして、俺とリネラス、ユリカさんは無事に港町カレイドスコープを脱出することに成功した。
エルスが思いつめた視線で俺を見てくるが……。
「悪いな、何度も言っているが俺はお前達の仲間になるつもりはない。あとな、他人の力を宛てにしてると足元をすくわれるぞ?」
「……わかったよ。ユウマ、アンタはもう勧誘しないさ」
エルスの言葉に俺は頷く。
誰か一人の力、強い力を持つ一人だけの――英雄の力を借りて国を救ったとしても、それは本当の意味で国を救ったことにはならない。
また、いつか必ず問題に突き当たる。
その時、また一人の英雄に頼れるのか? と言えばそうではない。
そう都合よく英雄なんて居る訳がない。
だから、自分達で国を救わないと意味がない。
それは俺の中にある知識がそう導き出してるし答えも出ている。
だから――。
「ああ、がんばれよ」
――と、しか俺はエルスにかける言葉はない。
俺の言葉に、エルスは頷き足を止めると。
「そういえばユウマ、ギルドマスターが現れたと聞いたけど知らないか?」
「知らないな」
俺は、即答する。
ユリーシャが何のためにギルドマスターを探してるかは知らないが、どうせ碌な事にならないだろうし教える必要もない。
どうしても必要ならリネラスの方からユリーシャに接触すると思うし。
まぁどちらにせよ、海の港町カレイドスコープの代表を務めてるアレフはリネラスの背格好を知っている。
捜査網を敷かれて問題に巻き込まれる前に、海の港町カレイドスコープから撤退した方がいいかも知れないな。
「……そうか、分かった。ありがとう」
エルスは落胆したような表情をした後、去っていった。
その後ろ姿を見ながら俺はため息をついた。
「ユウマ!用意できたけど……どうしたの?何か辛い事とかあったの?」
リネラスが俺を見上げてくる。
「いや、何でもない。話は終わったのか?」
「うん、終わったよ。用意も出来たから早く帰ろう!」
用意が出来た?
俺は店の中を見ると先ほどまで所狭しと店内に置いてあった花などが全て消えていた。
「このリュックサックすごいね。お店の物から洋服から全部入ったよ? ユウマってもしかしてかなり早めに階層主とか倒したの?」
「倒す速度で違うのか?」
「うん、瞬殺するとすごいレアなアイテムが出るんだよ?ユウマはどのくらいで倒したの?」
ふむ。俺が倒した時間か……。
「1秒くらいか?」
「……あー……うん。ユウマって規格外だと思ってたけど本当に規格外なんだね。この入れ物って倒した魔物の形が反映されるんだけど、ユウマはこんなに可愛らしい魔物を見て攻撃を躊躇ったりしなかったの?」
「躊躇?俺は自分の敵には情けをかける気はないからな。敵・即・殺が俺のモットーだな」
「……そう、よかったわ。最近のユウマは、妙に私達以外にもやさしいから心配してたんだけど安心したわ」
敵を瞬殺したことを褒めるとは……。
リネラスは俺に何を求めてるのだろうか?
「リネラスさん、お待たせしました。閉店に関してのお手紙を出していて遅くなってしまいました」
リネラスに話しかけている元花屋の主人ユリカさんは淡い青色のワンピースを着ていた。
「大丈夫よ。それじゃユウマ、急ぎましょう」
「そうだな……」
俺はリネラスに、自分が被っていたフードを被せる。
「ユウマ、これは?」
「ユリーシャの解放軍が町に戻ってきてる。見られるとマズイからすぐに撤退するぞ」
「やっかいね……」
「ああ、ちょっとした事があったな……」
さすがに解放軍と通じてるエルスの事を口に出すのは引けるからな。
俺とリネラスにユリカさんは、町の中を歩きながら、時折見かける兵士を無視しながら町の門前まで到着すると30人近い兵士達が門前で待機している。
「まだ、冒険者ギルドマスターは町からは出ていないようだ! かならず確保しろ!」
俺は目の前の兵士達の顔を様子を見て、溜息をついた。
見知った顔ばかり――どう見ても、カークスやエルスと一緒にいた時に村で会ったやつらだ。
「リネラス、ちょっと行ってくる」
俺は門の方へ歩いていく。
すると男達は、俺を興味なさそうに見た後に目を見開く。
「ユ……」
最後まで俺の名前を言う前に男が膝から地面に崩れ落ちた。
「すまないが、急いでるんだが退いてくれないか? 退いてくれないならこちらも力で通らせてもらおう」
俺の言葉に20人以上の兵士達が道を開ける。
どうやら指揮官はいないようだな、
まぁいたら襲ってくるだろうしな。
そして、俺とリネラス、ユリカさんは無事に港町カレイドスコープを脱出することに成功した。
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