【書籍化作品】無名の最強魔法師
襲撃! 海の港町カレイドスコープを救え!(前編)
クルド公爵邸の炎上を隠れ蓑に万を超える軍勢から逃げおおせた俺達は、帆馬車を使い4日程で海の港町カレイドスコープに到着した。
何故、それほど時間が掛ったかというと、馬の構造を俺は知らず回復魔法をかける事が出来なかったから。
まぁリネラス達には呆れられたが、俺の回復魔法は万能ではないと説明し事なきを得た。
そして――。
「ようやく帰ってきましたね!」
リネラスは元気よく俺達に笑いかけてくるが、それは空元気と言う事くらい分かる。
この4日間、俺がセイレスの体を数回に分けて【肉体修復】の魔法で回復を行ったが話せるようにはならなかったからだ。
おかげで、リネラスがギルドマスターであってもセイレスは魔法が使えない状態の為、遠距離通信の魔法が使えなくなっている。
リネラスとしては、ユゼウ王国の問題をギルド本部に報告する事が出来なくなり、さらには国から冒険者ギルドは完全に敵視されている事もあって困っているのだろう。
まぁ問題は、クルド公爵邸の炎上を見て貴族達や国王がどういった対応を取ってくるかだな。
ここまで来れば完全に、エルンペイア王と俺達は敵対関係になったと言って間違いないからな。
だが、逆に考えれば襲ってくる敵は全て倒しても良いって事にもなるから楽と言えば楽かも知れない。
「おかえりなさい!?」
俺達は、帆馬車を移動式冒険者ギルド宿屋の中庭に停めてから下りる。
するとイノンが帆馬車の音に気がついたのか宿屋から出てきて挨拶をしたと同時に固まった。
「えっと……ユウマさん、リネラスさん。そちらの方がセイレスさんですよね? それでもう一人の女の子は?」
「イノン! この子はセイレスの妹セレンって言うの!」
「そうですか! えっと6歳か7歳くらいなのかな?」
イノンの質問にリネラスが答えたあと、答えを聞いたイノンはセレンに近づくと頭を撫で始めた。
「えっと皆さん、お風呂に入って来られたらどうですか?」
イノンは俺達を見まわしたあと、そう問いかけてきた。
たしかにイノンの言うとおり俺達は4日間、風呂に入っていない。
そう考えると風呂に入ってきた方がいいかもしれないな。
俺は風呂に入る順番を決めようとリネラス達の方へ視線を向けると、すでにそこには誰もいなかった。
「ユウマさん。リネラスさん達は、お風呂にと私が言った途端に走ってお風呂場に向かってしまいましたよ?」
「そ、そうか……」
アライ村の女性陣も、俺が作った露天風呂に毎日のように入りにきていたからな。
やはりどこの国でも、変わらないのだろう。
3時間後。
風呂から出た俺は、冒険者ギルドというか宿屋のホール右側の談話室に入るとソファーに座った。
すでにイノン、リネラスはソファーで俺を待っていた。
ただ、セイレスとセレンの姿だけは無かった。
「2人は?」
「セイレスとセレンは疲れているようだから休ませるわ」
俺の質問にリネラスが答えてきた。
「そうか……」
まぁ仕方無いだろうな。
4日もずっと帆馬車に乗り続けたのだ。
肉体的には修復は出来たとしても精神的には回復は出来ないからな。
「――で、今後の俺達の方針だがどうする?」
「難しいわね」
リネラスが迷っている。
まぁ現状では特に問題は残っていないからな。
どうにも出来ないというのが今の心境だろう。
セイレスとセレンの問題もあるしうかつに動くのも危険だからな。
「ユウマさん、リネラスさん。とりあえずは、地盤を固めると言うのはどうでしょうか?」
「地盤か……」
イノンの言葉に俺は頷きつつ考える。
現状、地盤を固めると言っても特にする事がないのだ。
「町の人間から依頼を受けて遂行して、冒険者ギルドは、まだ負けてない! というのを内外に知らせるのもいいわね!」
「それは駄目だろ、冒険者ギルドマスターが生きているなんて知られたら国軍が動く可能性もあるぞ? 解放軍がいるんだからお互いに潰し合わせて置いた楽でいいだろ、それに冒険者ギルドマスターが居ると知られたら、海の港町カレイドスコープに迷惑がかかるからな」
軍は大量の食糧を消費する。
まともな政治すら行わないエルンペイア王の軍隊だと、近くの町から無理矢理徴収する可能性もあり、そうなれば結果的に市民が犠牲になる。
だから、リネラスが冒険者ギルドマスターだと言う事は伏せておいた方がいいな。
何故、それほど時間が掛ったかというと、馬の構造を俺は知らず回復魔法をかける事が出来なかったから。
まぁリネラス達には呆れられたが、俺の回復魔法は万能ではないと説明し事なきを得た。
そして――。
「ようやく帰ってきましたね!」
リネラスは元気よく俺達に笑いかけてくるが、それは空元気と言う事くらい分かる。
この4日間、俺がセイレスの体を数回に分けて【肉体修復】の魔法で回復を行ったが話せるようにはならなかったからだ。
おかげで、リネラスがギルドマスターであってもセイレスは魔法が使えない状態の為、遠距離通信の魔法が使えなくなっている。
リネラスとしては、ユゼウ王国の問題をギルド本部に報告する事が出来なくなり、さらには国から冒険者ギルドは完全に敵視されている事もあって困っているのだろう。
まぁ問題は、クルド公爵邸の炎上を見て貴族達や国王がどういった対応を取ってくるかだな。
ここまで来れば完全に、エルンペイア王と俺達は敵対関係になったと言って間違いないからな。
だが、逆に考えれば襲ってくる敵は全て倒しても良いって事にもなるから楽と言えば楽かも知れない。
「おかえりなさい!?」
俺達は、帆馬車を移動式冒険者ギルド宿屋の中庭に停めてから下りる。
するとイノンが帆馬車の音に気がついたのか宿屋から出てきて挨拶をしたと同時に固まった。
「えっと……ユウマさん、リネラスさん。そちらの方がセイレスさんですよね? それでもう一人の女の子は?」
「イノン! この子はセイレスの妹セレンって言うの!」
「そうですか! えっと6歳か7歳くらいなのかな?」
イノンの質問にリネラスが答えたあと、答えを聞いたイノンはセレンに近づくと頭を撫で始めた。
「えっと皆さん、お風呂に入って来られたらどうですか?」
イノンは俺達を見まわしたあと、そう問いかけてきた。
たしかにイノンの言うとおり俺達は4日間、風呂に入っていない。
そう考えると風呂に入ってきた方がいいかもしれないな。
俺は風呂に入る順番を決めようとリネラス達の方へ視線を向けると、すでにそこには誰もいなかった。
「ユウマさん。リネラスさん達は、お風呂にと私が言った途端に走ってお風呂場に向かってしまいましたよ?」
「そ、そうか……」
アライ村の女性陣も、俺が作った露天風呂に毎日のように入りにきていたからな。
やはりどこの国でも、変わらないのだろう。
3時間後。
風呂から出た俺は、冒険者ギルドというか宿屋のホール右側の談話室に入るとソファーに座った。
すでにイノン、リネラスはソファーで俺を待っていた。
ただ、セイレスとセレンの姿だけは無かった。
「2人は?」
「セイレスとセレンは疲れているようだから休ませるわ」
俺の質問にリネラスが答えてきた。
「そうか……」
まぁ仕方無いだろうな。
4日もずっと帆馬車に乗り続けたのだ。
肉体的には修復は出来たとしても精神的には回復は出来ないからな。
「――で、今後の俺達の方針だがどうする?」
「難しいわね」
リネラスが迷っている。
まぁ現状では特に問題は残っていないからな。
どうにも出来ないというのが今の心境だろう。
セイレスとセレンの問題もあるしうかつに動くのも危険だからな。
「ユウマさん、リネラスさん。とりあえずは、地盤を固めると言うのはどうでしょうか?」
「地盤か……」
イノンの言葉に俺は頷きつつ考える。
現状、地盤を固めると言っても特にする事がないのだ。
「町の人間から依頼を受けて遂行して、冒険者ギルドは、まだ負けてない! というのを内外に知らせるのもいいわね!」
「それは駄目だろ、冒険者ギルドマスターが生きているなんて知られたら国軍が動く可能性もあるぞ? 解放軍がいるんだからお互いに潰し合わせて置いた楽でいいだろ、それに冒険者ギルドマスターが居ると知られたら、海の港町カレイドスコープに迷惑がかかるからな」
軍は大量の食糧を消費する。
まともな政治すら行わないエルンペイア王の軍隊だと、近くの町から無理矢理徴収する可能性もあり、そうなれば結果的に市民が犠牲になる。
だから、リネラスが冒険者ギルドマスターだと言う事は伏せておいた方がいいな。
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