お兄ちゃんがお母さんで、妹が甘えん坊なお話

ただのものかき

む~!わたし、そんなちっちゃい子じゃないもん!

「えへへ~♪りょうてんてー♪」
「もっとなでなでちて~♪」
「りょうせんせー、らっこ~」

週明けの月曜日も放課後となり…
もはやルーチンワークとなり始めた、秋月保育園のアルバイト。
いつも通りに園児達と非常に仲良く触れ合っている涼羽の姿が、その場に見られる。

今日は、真っ白な無地のトレーナーに、紺色のオーバーオール…
その幼さを強調する服装に、またしてもフリフリのついた可愛らしいエプロン…
さらには、ピンクのリボンで留められた、活動的で可愛らしさが強調されるポニーテール…
結局のところ、どこからどう見ても美少女にしか見えない姿で、園児達のお相手をしている状態だ。

相変わらず、珠江がとことん涼羽を美少女保母さんとして扱おうとしているため…
どこまでも、涼羽がこの保育園で男子としての格好をすることを許してくれない。

「ふふ…はいはい」

しかし、最初の方はそんな珠江に対して儚げな抵抗をするものの…
いざ、この園児達のいる場に来てしまえば…
もうそんなことなどなかったかのように、嬉しそうな、優しげな笑顔で…
目一杯の慈愛と母性で、幼い子供達を包み込み…
優しく扱うこととなるのだ。

いつ見ても可愛らしく、それでいて非常に優しい涼羽に、園児達もどんどん懐いていくこととなり…
美少女保母さんとしての涼羽の評判もじょじょにながら広まっていることもあり…
園児の数そのものが、少しずつではあるものの、増えている状況。

そして、新しく入ってきた園児達も、どこからどう見ても美少女な保母さんである涼羽に…
その涼羽の慈愛と母性に満ち溢れた包容力に…
もう、本当にころっと落ちてしまい、懐いてしまう、という…
常に、そんな状態が続いている。

「りょうちぇんちぇー、らあ~いしゅき!」
「りょうせんせー、もっとぎゅうってちて~!」
「りょうてんてー、かわいい~!」

涼羽に抱っこされて、頭を優しくなでなでされるのが本当に心地よくて…
もう、とにかく園児達が涼羽に対して甘えてくる。

そんな風に甘えてきてくれる園児達が本当に可愛くてたまらず…

「はいはい、い~っぱいしてあげるね」

十人いれば十人全員の目を…
それも、老若男女問わず惹いてしまうであろうその笑顔を…
自分に甘えてきてくれる園児達に惜しげもなく向けて…

まるで本当の母親がそうするかのように、目一杯の愛情で園児達を包み込んでしまう。

そのおかげで、ますます園児達が涼羽のことを大好きになってしまう。

そして、そのおかげでますます秋月保育園のいい評判が広まることとなり…
以前から、秋月保育園に子供をお願いしたいと思っている親御さん達がより、その思いが強くなってしまい…
そんな風に、秋月保育園に子供をお願いしたくなる親御さん達がさらに増えることと、なってしまうのだった。



――――



「涼羽ちゃん、お疲れ様」
「珠江さん、お疲れ様です」

この日も保育園の業務時間が終了を迎え…
きっちりと清掃、後片付けを終えると…
きびきびと、そしててきぱきと働いていた涼羽に対し…
珠江が、少しでれっとした感じの笑顔で、ねぎらいの言葉を贈る。

日に日に涼羽のことが可愛い娘のように思えてしまっている珠江。
最近では、職場に涼羽が来てくれるだけで、途端に元気になってしまうほどとなっている。

そして、そんな珠江に対し、涼羽も笑顔でねぎらいの言葉を贈る。

自分に女の子の服装を着せたり、女の子の格好をさせたりしてくる珠江だが…
それでも、職場の先輩として、きっちりと指導してくれることもあり…
加えて、自分のことを可愛がってくれるから、決して悪い感情を持つことはなく…
むしろ、先輩として尊敬している。

「もう最近は、涼羽ちゃんみたいな可愛い保母さんがいるっていう評判が、じょじょに広まっているみたいだよ」
「!保母さんって…僕、男なんですけど…」
「まあ、いいじゃないか。で、その可愛い保母さんが、非常に子供好きで、どんなに人見知りな子供でもすぐに懐いてしまう、なんて評判まで出てるくらいなんだって」
「!そ、そうなんですか?」
「そうそう。で、ここに子供を預けたいっていう声が今、じょじょに増えていってるんだよ」
「!そうなんですか…それで、最近新しい子が増えてきているんですね」

自分がこの保育園の、美少女保母さんとしての評判が広まっていることに非常に複雑な思いを抱く涼羽。
そんな涼羽に構わず、その評判のおかげで、ここに子供を預けたい、という新しい声も増えている、ということを嬉しそうな顔で伝えてくる珠江。

「実際、涼羽ちゃんが相手してる子供達が、家の中で本当にいい子にしてくれてるって…迎えに来る保護者の人達が言ってるのを、最近よく聞いたりするんだよ」
「!そ、それは僕じゃなくて、珠江さんの方じゃ、ないんですか?」
「いやいや、その保護者さんに聞いてみたらね…『涼羽先生が本当に優しく、お手伝いすることの大切さを教えてくれる、って、うちの子供が言ってるんですよ~』ってさ…」
「!そ、そんな大したことを教えてるつもりは…」

涼羽が普段から面倒を見ている子供達は、よく涼羽に家でお手伝いをしたり、人に優しくしたりすることの大切さを、優しく、そして分かりやすく教えられている。

涼羽自身、自分がそう思っていることを、少しでも自分に懐いてくれる園児達に伝えていきたい、と思っているからだ。

だが、それが本人が思っているよりも子供達にとって分かりやすく…
純粋な子供達の心に響くものとなっていることに、肝心の本人が無自覚であるという…

子供達からしてみれば、あの優しくて可愛い涼羽先生が言ってることだから、絶対に間違いない、と…
さらには、涼羽先生が言ってることだから、やってみようと…
本当にそれだけの思いで、実際に自宅に帰ったら…
本当に純粋に、言われたことに取り組んでみているのだ。

すると、自分の家のお父さん、お母さんが喜んでくれる。
褒めてくれる。
兄弟姉妹がいる子供は、他の子供達から頼られたりする。

それが嬉しくて、楽しくて、もっともっとしたくなる。
すると、もっともっと周りが喜んでくれる。
もっともっと自分のことを褒めてくれる。

こうした良循環が繰り返されていくうちに、それが当然となってくる。
自分のすることで他の人が喜んでくれるのが、嬉しくなってくる。

だからこそ、親御さん達にとっては手のかからない…
むしろ、自分達を手伝ってくれる本当にいい子として、ものすごく可愛がりたくなってくる。

それが、家庭の円満をも導き出している。

ゆえに、我が子に対し、そうしたことをしっかりと教えてくれる高宮 涼羽という美少女保母さんは本当に素敵で素晴らしい保母さんだと…
そうした評判が、じょじょに口コミで広まっていくこととなり…
それが、まわりまわってこの秋月保育園に届くようになっているのだ。

「涼羽ちゃんのおかげで、『うちの子もぜひ、あの可愛らしい保母さんに!』なんて声も、今じゃ結構多くなってきてるんだよ?涼羽ちゃん?」
「そ、それは…」
「いや~、本当に涼羽ちゃんサマサマだよ。涼羽ちゃんのおかげで、あたしは楽させてもらえてるし…それだけじゃなくて、この保育園の評判ももっとよくしてもらえてるしさ」
「そ、そんな大したことは…」
「本当に可愛くていい子だね~、涼羽ちゃんは」

どこまでも謙遜の姿勢を崩さない涼羽がよほど可愛らしく見えたのか…
とうとう、涼羽の小柄で華奢な身体をぎゅうっと抱きしめて、よしよしと頭をなで始める珠江。

もうそれだけで、幸せに満たされています、という顔になってしまっている。

「た、珠江さん…僕、そんな小さい子じゃないです…」
「何いってんだい。高校三年生の男子だなんて思えないくらい、幼げで可愛らしいのに…」
「!そ、そんなことないです…」
「そんなことあるんだよ、涼羽ちゃん。あんた、本当に自分がどんだけ可愛いのか、自覚がないんだねえ…」
「か、可愛くなんか…」
「どの口がそんなこと言ってんだい全く!涼羽ちゃんみたいな可愛い子、あたしの子供にしたいくらいなんだからね!」

どこまでも自分の容姿に対する自覚がない涼羽に対し…
とことんまで可愛がってやろうとする珠江。

まるで自分の娘のように、自分を可愛がってくる珠江に抵抗らしい抵抗もできず…
涼羽は、しばらくの間、そこから動けずに可愛がられることとなってしまうのであった。



――――



「ただいま~」

帰り際にさんざん珠江に可愛がられてしまい…
帰るのが、いつもよりも少し遅くなってしまった涼羽。

早く夕飯の準備をしなければ、と…
急ぎ足で、自宅に入ってくる。

「お兄ちゃん、おかえりなさ~い!」

最愛の兄の帰宅に、真っ先に飛び出してくるのは、妹の羽月。
これも、もはやこの高宮家のお決まりの光景となっている。

そして、帰ってきた兄にべったりと抱きついて…
その胸に顔を埋めて、思いっきり甘えてくるのも、もはや日常の光景となっている。

「ただいま、羽月」
「えへへ~♪お兄ちゃんが帰ってきた~♪」

その小柄な身体を自分の身体にべったりとくっつけて、思いっきり甘えてくる妹の姿。
そんな姿が、先ほどまで自分が一生懸命にお世話していた園児達の姿と重なってしまう。

来年で高校生になる自分の妹が、保育園の園児達と同じように思えてしまう涼羽。
そのことに、思わずくすりと、笑いが漏れてしまう。

「?お兄ちゃん、何か面白いことでもあったの?」

そんな兄の含み笑いに気づいた羽月。
その笑いについて、聞き出そうとする。

「え?ああ…今の羽月見てたらね…」
「?わたしが、なあに?」
「なんだか…保育園の子供達と同じように見えてね」

そんな妹の問いかけに対し、バカ正直に答える涼羽。
素直に思ったことを、そのまま伝えてしまう。

「!む~!わたし、そんなに小さい子じゃないもん!」

三つや四つの幼子と同じように思われたりすれば、当然いい気分になるはずもなく…
そのことに対して思いっきり抗議の声を上げてくる羽月。

「え~…でも、保育園の子達も、俺にすっごく懐いて、今の羽月みたいにべったりと甘えてくるからさ」
「!お兄ちゃん、その子達にも、こんな風に甘えさせたりしてるの?」
「え?そりゃそうだよ。だって、あんなに可愛らしく甘えてきてくれるんだから」

自分に可愛らしく、目一杯甘えてきてくれる子供達のことを思い出して…
ついつい、嬉しそうな表情になってしまう涼羽。

もともと、非常に母性的で慈愛に満ち溢れており…
甘えられることに本当に幸福感を感じてしまう。

ましてや、自分からすれば本当に可愛いと思える幼子達なら、なおさら。

しかし、実の妹であり、兄である涼羽のことをとことんまで独り占めしたいと思っている羽月からすれば、これは非常に面白くない話であり…
そんな幼子達と一緒にされてしまったことで斜めになっていた機嫌が、さらに斜めになってしまう。

「だめ!お兄ちゃんはわたしだけのお兄ちゃんなの!」

すっかりご機嫌斜めになってしまった羽月が、涼羽の制服の前を強引に開け始めてしまう。
手早く、ブレザーのボタンを一つずつ開け終えると、その中のブラウスも、ボタンを開け始めていく。

「!ちょ、羽月…こんなところで何して…」

突然の妹の行動に、思わず顔を赤らめながら、抗議の声を上げる涼羽。
しかし、相手が普段から可愛がっている実の妹ということもあり…
抵抗らしい抵抗ができないでいる。

結局、なすすべもなく、その上半身を覆っているブラウスも前を全部開けられてしまい…
中のインナーとして着ている、タンクトップまで、思い切りめくり上げられてしまう。

「は、羽月…恥ずかしいから、やめて…」

露になった上半身を実の妹にじろじろと見られることとなってしまい…
恥ずかしくて、儚い抵抗の声をあげる涼羽。

しかし、抵抗はその声だけで…
もともと妹に対して抵抗らしい抵抗ができないうえに…
恥ずかしさでさらに身動きが取れなくなってしまっている。

「ん!……ん~…」
「!ひ、ああっ!!」

そんな兄の露になった胸の…
真っ白な中にぽつんとある、桜に色づいた右のその飾りに…
思いっきり吸い付いてしまう。

突然そんなところに吸い付かれ…
涼羽の身体が激しく反応してしまう。

「ん~…ちゅう~…」

こんな風に、兄、涼羽にこうした授乳行為を求めること。
これだけは、あの時の美鈴を除けば、自分だけの特権であると断言できる。

初めて涼羽にこの行為を求めてから、一日たりとてこの行為を欠かしたことはなく…
常に、この行為を求めては、兄のところへと行ってしまう。

こんな風に、兄の胸に吸い付いている時…
この時は、本当の意味で兄を自分だけのものにしていると思えてしまう。

自分が吸い付くことで、びくびくと身体を震わせながら…
恥ずかしがって、自分から目を、顔を逸らしてしまう兄がものすごく可愛くて…
でも、それでも妹である自分のことを突き放すどころか、逆に優しく包み込んでくれる兄がまた可愛くて…

最近では、ただの日課としてだけではなく…
本当に、兄、涼羽が妹である自分だけの存在であることを強調したい…
そう思った時にも、こうして無理やり兄の胸に吸い付いてしまうのだ。

「!や、やっ…!ひっ!…」
「んちゅ~…」
「は、はづき…やめて…」
「ん~…」
「も…もっと…やさしく…」

自分に胸を吸われて、恥ずかしすぎて耳まで真っ赤にしている兄の姿。
それが、本当に可愛すぎてたまらず…
もっともっとそんな姿を見たくなって、より兄の胸に強く吸い付いてしまう。

大好きで大好きでたまらない兄のそんな姿…
自分だけのものにしたくてたまらない兄のそんな姿…

「(お兄ちゃん…だめなの…お兄ちゃんは、わたしだけのお兄ちゃんなんだから、他の子を甘えさせたりなんかしたら、だめなの!)」

自分と同じように甘えさせてもらっている、保育園の園児達に対し…
やきもちをやいてしまう羽月。

自分が一番、兄である涼羽を独占しているにも関わらず…
それでも、こうして嫉妬を感じてしまうあたり…

羽月の、涼羽に対する依存心はどんどん膨れ上がっていると、言ってもいい状態なのだろう。

兄の胸に吸い付きながら、さらにはそのすべすべのきめ細かい肌の感触までをも堪能している妹、羽月。
幼子が母に対し、授乳を求めるかのようなその姿。

涼羽に、保育園の子供達を同じだといわれても仕方のない姿になってしまっていることに、まるで自覚がない羽月。

そんな姿を晒しながら、ただただひたすら、涼羽を独り占めしようと…
涼羽が涙目になって、立てなくなってしまうまで、この行為は続くこととなった。

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