7's War(セブンズ ウォー) 7つの物語

ノベルバユーザー177222

第1幕(4)「雪辱の策略」

 指令室に着いたイザークはすぐに中に入っていった。

 「兄上!!」

 急いでいたせいか怒声をあげるかの様にグザンを呼んだ。

 「うるさいぞ、イザーク」

 グザンは片耳を抑えながらそう言った。そしてそのままグザンは話を続ける。

 「だかようやく来てくれたな。状況はもう聞いているな?」

 「ああ。…すまない兄上。奴らを深追いしなければ被害を少しでも抑えられたのに…」

 イザークは自分を責めた。自分が判断を見誤ったせいで…

 「それを言うなら責任は全て私にある。私こそすまない。ここまで失態を犯してしまった。この戦いが終わったら全ての罰を受けよう。」

 グザンも自分を責めた。指示を誤ったせいで多くの民を危険な目にあわせ多くの兵士を死なせてしまった。

 「兄上…」

 イザークはグザンに対してこれ以上何も言うことが出来なかった。決してグザンの事を責めようとした訳ではない。むしろ励ましてあげたいくらいだ。

 だがどう言えばいいのか分からない。確かにあの時自分が残っていたらまだ被害を抑えられたと思う。しかし自分が深追いし過ぎたのも原因である。そう思ったら自分が何か言える立場だろうか?

 重い空気の中、グザンが口を開いた。

 「…すまない。今は反省会を開いている場合では無いな。まずは最悪の現状を打破しなくてはな。」

 そうだ、まだ戦いは終わってはいない。第2波に備えなければならない。だがグザンは先程の失態で精神的にダメージを負っている。その状態でまともな判断を下せるのか?

 「兄上、俺か、策があるのだが…」

 「………聞こう。」

 イザークはこれ以上兄上に負担をかけさせまいと自ら策を提案する。グザンもイザークの策を黙って聞いていた。

 ーーーそして、ハンターが信号弾を撃って数時間後、ビースト達の第2波に備え民達を避難させ本拠点には500人の兵を集め東西南北の門にそれぞれ300人の兵士を配置した。

 配置が完了して間もなくしてビーストがおよそ100人程の兵を引き連れてブレイズへ向かって来ていた。

 数では圧倒的にこちらが有利だがビーストは少数で連携をとる戦いを得意としている。その上優れた身体能力を持っている為、個々の力は侮れない。ブレイズ兵団1000人以上に以上に対して100人で来ているのはその自信が理由の1つだろう。

 そしてもう1つ少数で勝てる理由があるとグザンは言っていた。

 ---ビーストは他の種族と手を組んでいると。



 

 




 

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