聞こえない僕と見えない君の空想物語
15話 過去は変えられない
「君はもう喋れるんだろう」
「喋れない?嘘をつけ、それはただ黙っているだけだ」
「君の喉は正常だ。異常の欠けらも無い」
「はやく喋れば?」
「ほら、喋ってみろよ?誰か呼んでみろよ!」
暗闇、それは僕が1番嫌いなもの。
中学時代、僕は耳が聞こえなくなった途端いじめにあった。
当時の僕の体は小さく華奢で、やり返すことの出来ない僕は同級生のいいおもちゃになった。
殴られたり、蹴られたりするのは日常茶飯事。だけど、それは耐えられる。
僕が1番嫌がったのは、目隠しをされること、掃除用のロッカーに閉じ込められること、とにかく暗い場所に置いていかれるのがとても嫌だった。
だいたい、そういうときは補聴器も外されてしまう。
何も聞こえない。何も見えない。暗闇は僕を奥底へと連れ去っていく。
両親は僕に興味がない。小さい頃からたくさんの習い事をやらされてきた。
何をやっても僕より器用にこなす2歳下の弟と僕は、ずっと比較されて生きてきた。僕自身、弟のことは尊敬していたから特に苦でもなかった。
ただ、そうなってしまうと両親は僕が元からいなかったかのように、生まれてすらいなかったかのように僕の存在をできるだけ消した。
そして、中2の夏が来た。
待ってましたとばかりに僕は除け者にされた。
弟との関係は、悪くはなかった。というか、そこらの兄弟よりは仲が良かったと思う。
だから、家族の中で弟だけが心配してくれた。
欠陥品の兄がいる限り、優秀な弟が比較されることはない。でも、バスケや塾、その他にも色々な習い事をやらされている弟は多忙だ。
僕の唯一の居場所は、なくなってしまった。
そんな両親が僕がいじめを受けているのにも気づかない。
学校の先生も、気づかない。気づいてもじゃれていると認識されてしまう。
こうして、僕は静かな暗闇の底へ身を沈めた。
「喋れない?嘘をつけ、それはただ黙っているだけだ」
「君の喉は正常だ。異常の欠けらも無い」
「はやく喋れば?」
「ほら、喋ってみろよ?誰か呼んでみろよ!」
暗闇、それは僕が1番嫌いなもの。
中学時代、僕は耳が聞こえなくなった途端いじめにあった。
当時の僕の体は小さく華奢で、やり返すことの出来ない僕は同級生のいいおもちゃになった。
殴られたり、蹴られたりするのは日常茶飯事。だけど、それは耐えられる。
僕が1番嫌がったのは、目隠しをされること、掃除用のロッカーに閉じ込められること、とにかく暗い場所に置いていかれるのがとても嫌だった。
だいたい、そういうときは補聴器も外されてしまう。
何も聞こえない。何も見えない。暗闇は僕を奥底へと連れ去っていく。
両親は僕に興味がない。小さい頃からたくさんの習い事をやらされてきた。
何をやっても僕より器用にこなす2歳下の弟と僕は、ずっと比較されて生きてきた。僕自身、弟のことは尊敬していたから特に苦でもなかった。
ただ、そうなってしまうと両親は僕が元からいなかったかのように、生まれてすらいなかったかのように僕の存在をできるだけ消した。
そして、中2の夏が来た。
待ってましたとばかりに僕は除け者にされた。
弟との関係は、悪くはなかった。というか、そこらの兄弟よりは仲が良かったと思う。
だから、家族の中で弟だけが心配してくれた。
欠陥品の兄がいる限り、優秀な弟が比較されることはない。でも、バスケや塾、その他にも色々な習い事をやらされている弟は多忙だ。
僕の唯一の居場所は、なくなってしまった。
そんな両親が僕がいじめを受けているのにも気づかない。
学校の先生も、気づかない。気づいてもじゃれていると認識されてしまう。
こうして、僕は静かな暗闇の底へ身を沈めた。
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