聞こえない僕と見えない君の空想物語
9話 春風猛進
「なんだ、お前ら女連れとは100年早いわ」
扉を開け、顔を見るなりしわがれた声で言ったのは喫茶店マスターのおっちゃんこと、村上茂弘さん。
「‥‥うるさいなっ!違うよ!」
口で反論する春汰と、首をブンブン振りながら否定する僕の後ろで風澄が少し縮こまった気配がした。
「ごめんね、いい人なんだけど」
四人がけの席に2人を案内し、春汰は本日2回目の謝罪を2人にした。
「高校の近くにこんなお店があったんだね」
風澄と絢香は店内を見回しながらいった。
「いい所でしょ?俺らの秘密の場所なんだよ」
二人の向かい側、僕の隣に座りながら自慢げに春汰は言ったよ。
「こんな寂れた店に来る奴らなんかお前らくらいだよ」
マスターが新聞片手に呟くと、風澄と絢香は少し笑ったあと飲み物を注文をした。
「ねぇ、このお店ってどうしてこの名前なの?」
ミルクティーを冷ましながら絢香が質問した。
この店の名前は【よりどころ】。
店内とは似つかない名前な為、僕も少し忘れてた。
僕は首をかしげながら、春汰の顔を見る。
春汰も僕と同じ反応をしていた。
マヌケな顔だな、僕も同じような顔をしているのだろうか。
「同じ顔してる、2人ってちょっと似てるよね」
風澄が、僕らの顔を見ながら言った。
『こいつと一緒だなんて、本当に嫌だな』
「ひどい」
僕が手話で返すと風澄は笑いながらそう言った。
「えっ?なに、俺わかんないんだけど」
横から聞いてくる春汰を無視して、風澄に僕は人差し指を口の前に立てた。
いわゆる、静かにのポーズだ。だが、この場合【秘密】というのがふさわしいだろう。
「わかった秘密ね」
僕と同じポーズをしながら風澄は言った。
「絢香ちゃん!なんか、俺ら仲間はずれじゃない?」
すがるように春汰は絢香に助けを求め手を伸ばすも
「え、風澄と篠原くんと私は仲間だから」
と、振り払われてしまう。
「えー、俺だけ?」
「まぁ、日頃の行いだな」
追加のケーキを持ってきたマスターにも突っ込まれる。
「みんな酷いんですけどー」
僕は春汰の肩に手をポンッと置いた。
「お前‥‥何言ったの?」
捨てられる寸前の子犬なのような顔をしていたので、少し可哀想になってきた。
なので、肩の手は変わらず微笑んだ。
「それをやめろって!!」
大人な雰囲気なこのお店に春汰の叫び声が響いた。
扉を開け、顔を見るなりしわがれた声で言ったのは喫茶店マスターのおっちゃんこと、村上茂弘さん。
「‥‥うるさいなっ!違うよ!」
口で反論する春汰と、首をブンブン振りながら否定する僕の後ろで風澄が少し縮こまった気配がした。
「ごめんね、いい人なんだけど」
四人がけの席に2人を案内し、春汰は本日2回目の謝罪を2人にした。
「高校の近くにこんなお店があったんだね」
風澄と絢香は店内を見回しながらいった。
「いい所でしょ?俺らの秘密の場所なんだよ」
二人の向かい側、僕の隣に座りながら自慢げに春汰は言ったよ。
「こんな寂れた店に来る奴らなんかお前らくらいだよ」
マスターが新聞片手に呟くと、風澄と絢香は少し笑ったあと飲み物を注文をした。
「ねぇ、このお店ってどうしてこの名前なの?」
ミルクティーを冷ましながら絢香が質問した。
この店の名前は【よりどころ】。
店内とは似つかない名前な為、僕も少し忘れてた。
僕は首をかしげながら、春汰の顔を見る。
春汰も僕と同じ反応をしていた。
マヌケな顔だな、僕も同じような顔をしているのだろうか。
「同じ顔してる、2人ってちょっと似てるよね」
風澄が、僕らの顔を見ながら言った。
『こいつと一緒だなんて、本当に嫌だな』
「ひどい」
僕が手話で返すと風澄は笑いながらそう言った。
「えっ?なに、俺わかんないんだけど」
横から聞いてくる春汰を無視して、風澄に僕は人差し指を口の前に立てた。
いわゆる、静かにのポーズだ。だが、この場合【秘密】というのがふさわしいだろう。
「わかった秘密ね」
僕と同じポーズをしながら風澄は言った。
「絢香ちゃん!なんか、俺ら仲間はずれじゃない?」
すがるように春汰は絢香に助けを求め手を伸ばすも
「え、風澄と篠原くんと私は仲間だから」
と、振り払われてしまう。
「えー、俺だけ?」
「まぁ、日頃の行いだな」
追加のケーキを持ってきたマスターにも突っ込まれる。
「みんな酷いんですけどー」
僕は春汰の肩に手をポンッと置いた。
「お前‥‥何言ったの?」
捨てられる寸前の子犬なのような顔をしていたので、少し可哀想になってきた。
なので、肩の手は変わらず微笑んだ。
「それをやめろって!!」
大人な雰囲気なこのお店に春汰の叫び声が響いた。
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