太陽王の剣〜命を懸けて、君と世界を守り抜く!〜
第一章あらすじ
0~1
王太子レオニスは、9歳の誕生日を迎えた日、授剣の儀という儀式の最中、何者かに身体を操られ、母親を殺してしまう。
その騒ぎを収めるために、異母兄ノクティスに背中を斬られて地下牢に捕らえられる。
瀕死の状態で捕らえられたレオニスは、太陽神レクスを祀る神官長メイガスに、地下牢から助け出され、たまたま同じ地下牢に捕まっていた山賊団リベルタス団長アルサスに身柄を預けられる。
実はアルサスは、メイガスと取引し、レオニスを救う代わりに牢の鍵を開けてもらっていたのだ。おかげで二人はなんとか首都を脱出することに成功する。
事件のせいで国に追われることとなったレオニスは、山賊団のアジトであるカースピット山で幼少期を過ごすことを余儀なくされる。
6年後、レオニスはアルサスに呼び出され、首都グラディウムへの行商について来るように言い渡される。団員でレオニスと同じ歳の親友デンテも一緒だ。
かつて自分が事件を起こした謎がレオニスを苦しめ、不安にさせるが、仲間に入れてくれた皆のために、「立派なリベルタスの男になりたい」と首都行きを決意するレオニス。
2~4
首都についたレオニス、デンテ、アルサスの三人は、富豪の開く晩餐会に招待される。
そこでレオニスは、連続怪死事件の噂を耳にする。
何でも、レクス神を信仰する信心深い貴族達がその使用人や侍女に殺されたというのだ。
犯人達は一様に、「私は無実だ。身体が勝手に動いた」と供述しているという。
これは、レオニスが操られた6年前の事件と何か繋がりがあるのか?
あるならば、犯人を探す、もしくは、操られる魔法を無効にする手段を探すことができる。
それをするべきだとアルサスに諭されるレオニス。
しかし、兄に背中を斬られたレオニスは、神から授かった御印――次の王位継承者である証であり、魔力の加護――を失ってしまっていた。
そのことで魔法を使えなくなってしまったレオニスは、自信をなくし、事件に関わることで再び大事な人を亡くすことを恐れ、アルサスに反発する。
5~6
その夜、レオニスは月の女神ルナのお告げの夢を見る。
「ノクティス様を止めて下さい。聖剣サンクトルーメをノクティス様に渡してはなりません」
意味がわからず戸惑うレオニスだが、お告げの途中でデンテに起こされて目覚めてしまう。
デンテに文句をいうと、富豪の屋敷に侵入者が入り、屋敷中騒ぎになっていると教えられる。
気になったレオニス達が現場に向かうと、そこには金髪碧眼で左目の下に涙ボクロのある小柄な少女がいた。少女はステラと名乗る。
女の子だということに驚くレオニス。しかし、翌朝起きると、もっと驚くことになる。
なんと、レオニス以外の全員がステラのことを忘れてしまっていたのだ。
おまけに、ステラは富豪の屋敷から宝飾品やドレスを盗んでいったため、その窃盗の濡れ衣をレオニス達リベルタスメンバーが被ることになってしまう。
憤慨したレオニスは、ステラが犯人だと訴えるが、レオニス達を犯人と決めつけた屋敷の主人には信じてもらえない。
しかし、なんとかアルサスを人質にすることで街に探しに出ることを許されると、レオニスはデンテと、監視役につけられた使用人のホークと一緒に屋敷を飛び出した。
7~8
レオニス達は、中央広場の噴水の泉で南西の都市オームに伝わる伝統舞踊カルミナを踊っているステラを発見する。盗品を売りもせず、全て身につけて踊るステラはとても美しかった。
逃げ出すかと思われたステラだが、事情を話すと大人しく屋敷について来てくれる。
一件落着したが、まだ落ち着いてはいられない。
女神のお告げがあるからだ。
レオニス達は、お告げで言われた通り、ノクティスに聖剣を渡さないように、聖剣の保管されているグラディウム城へ向かうこととする。
9~10
城へ向かう途中、レオニス達は再びステラに出会う。
しかし、またしても、ステラのことを覚えているのはレオニスだけだった。
不思議に思って問い詰めようとするも、ステラはレオニスに抱きつき泣き出した。
落ち着いたステラから話を聞いてみると、6年前、首都グラディウムにいた身寄りのないステラは、ある路地裏で謎の男に会い、その男に呪いをかけられてしまったという。
以来、ステラは出会う人出会う人全てに忘れ去られるようになってしまった。
驚くレオニス一行だが、ステラは自分を覚えていられる人間に出会い、感極まってレオニスに甘える。 照れたレオニスは、怒ってそれどころではない、とつい口を滑らせてしまう。
事情を聞いたステラは、自分が城に侵入し、その聖剣を盗み出してみせると提案する。
11~13
ステラは見事城内に潜入し、聖剣を盗み出すことに成功する。
その報酬として、ステラは山賊団に入れてくれと要求するが、アルサスにこれを拒否される。
山のセキュリティの問題や食事の用意忘れ等障害がつきまとうからだ。
悲しむステラに、アルサスは言う。
「ステラの寂しさは、呪いを解くことでしか解消されない」と。
レオニスは、呪いを解くためなら何でもすると必死なステラを見て、触れたくなかった過去に近づくことを決意する。
しかし、時を同じくして、ノクティスは聖剣が城から盗み出されたことに気づいていた。
14~15
呪いを解く方法は知らないレオニスだが、呪いや魔法を調べるには、神官長メイガスを頼る他ないということは知っていた。
善は急げということで、レオニス一行は神官長のいる大神殿へ急ぐ。
しかし、再会した神官長メイガスは、様子がおかしい。
禁書アポカリプスという未知の魔法を発動して、レオニス達に攻撃を仕掛けてきた。
なんと、メイガスこそが、ステラに呪いをかけた謎の男の正体だったのだ。
なんとか攻撃を躱すも、キリがないので逃げ出そうとするレオニス達。
しかし、大聖堂の出口には、ノクティスと闇の女神モアが立ち塞がっていた。
闇の女神を初めて見るレオニス達。だが、闇の女神モアこそが、6年前、レオニスを操り母を殺し、また何の罪もない貴族達を殺した真犯人だった。
その動機は、ノクティスが地上の王になるために邪魔な人間だったから。
「そんなことのために、罪のない人の命、母の命を奪ったのか」と、激昂するレオニス。
16~17
しかし、レオニスは闇の女神モアの影傀儡の力に操られ、仲間に攻撃を仕掛けてしまう。
アルサスと対戦するレオニス。
その間、密かに捕まっていたホークを助けるデンテ。ホークは、レオニス達を見かけて、気になって後をついて来たところを巻き込まれたという。
助けられたホークも戦線に加わって、デンテとともに傀儡の神兵達の数を減らしていく。
一方、メイガスが放った魔法を避けたアルサス。しかし、それが偶然レオニスに直撃してしまう。
あばらを折るほどの重症を負ったレオニスは、ようやくモアの傀儡の力から解放される。
しかし、モアが次にターゲットにしたのはアルサスだった。
操られ、デンテに攻撃を仕掛けるアルサス。
そんなピンチに、聖なる光が辺りに満ちる。
月の女神ルナと、レオニスとノクティスの父、国王アクイラが降臨したのだ。
闇の女神モアと、月の女神ルナの二人の女神は出会い頭に空中戦を繰り広げ始める。
父王アクイラは、太陽神レクスの御印の力で難なくメイガスを倒すと、ノクティスと向き合った。
そして、父アクイラと第一王子ノクティスの決闘の幕が上がる。
追い詰められたアクイラは、聖剣を手にし、その力を行使せんとする。
しかし、聖剣サンクトルーメの本来の力は発動せず、攻撃はノクティスに吸収されてしまう。
兄ノクティスには、月の神ルナの御印の加護がついており、月の魔力は太陽の力を受けてより輝く性質を持っているためだ。
ノクティスは、残忍な笑みを浮かべると実の父であるアクイラをあっけなく殺してしまう。
駆け寄るレオニスに、アクイラは最後の力を振り絞って言葉を紡ぐ。
「失われた聖剣の力を探せ。千年前、悪しき神々を封印した太陽王、建国の始祖エイウス
のように。国を頼む」と。
レオニスの慟哭が大聖堂内に響く。
18~19
「――僕は、僕はあなたを許さない!」
激昂するレオニスは、ノクティスとの一騎打ちに応じる。
しかし、辛くも惨敗。満身創痍の今のレオニスでは手も足も出ない。
そんな時、二人の女神の勝敗も決する。勝ったのは闇の女神モアだった。
月の女神ルナは闇に飲まれて消失し、残ったモアが呪文を叫ぶと、首都グラディウムに夜気が満ちる。月のない闇夜の到来だ。
毒の瘴気が含まれた夜気を吸い込み、苦しむレオニス達。
準備は整ったとばかり、ノクティスが呪文を唱えるが、何も起きない。
「聖具と御印を持つ者の血が揃っているのに、なんで封印が解けないの!?」
地団駄を踏んで悔しがるモア。
「捧げる血が足りない、か? もう少し切り刻んでみるとするか」
ノクティスが言うと、レオニスの前にステラが飛び出してくる。
「やっと見つけたステラを覚えていてくれる人! 絶対殺させたりなんかしない! レオニスはステラが守る! かかって来なさい!
震えながら叫ぶステラ。
それを殺そうとモアが傀儡兵を襲わせるが、ステラはそれを持っていたただの純金の剣から光刃を出すことで倒すことに成功する。
するとその刹那、魔法陣が明滅し、古よりの封印が解除されてしまう。
現れたのは、冥府の王、死の神オルクスだった。
オルクスが念じると、大聖堂内に亡者が溢れる。地面から生えてくるように出現する亡者達に襲われ、分が悪いと引き上げることにしたレオニス達。
しかし、ノクティスがそれを許すわけがない。
モアが命じると、メイガスが魔法を発動させる。
「お前らだけで、先に行け! 俺はここで時間を稼ぐ!」
言い放ったアルサスは、考え直すように迫るデンテとレオニスの言葉を無視して、最後の言葉を告げる。
「デンテ! 俺が帰らなかった時はリベルタスを頼んだぞ!」
「レオニス! お前なら出来る! だから、自分を信じろ!」
泣き叫ぶレオニスとデンテ。しかし、ホークの魔法でレオニス、デンテ、ホーク、ステラの四人は風に乗り宙を飛び、大神殿から脱出する。
最後にレオニスは、メイガスの魔法からレオニス達を庇って死ぬアルサスの姿を目の当たりにする。
「振り返るな! 何があっても、前だけ見てろ! リベルタスの男だろ!」
そう叫んだアルサスの言葉が、レオニスの耳には木霊して離れなかった。
王太子レオニスは、9歳の誕生日を迎えた日、授剣の儀という儀式の最中、何者かに身体を操られ、母親を殺してしまう。
その騒ぎを収めるために、異母兄ノクティスに背中を斬られて地下牢に捕らえられる。
瀕死の状態で捕らえられたレオニスは、太陽神レクスを祀る神官長メイガスに、地下牢から助け出され、たまたま同じ地下牢に捕まっていた山賊団リベルタス団長アルサスに身柄を預けられる。
実はアルサスは、メイガスと取引し、レオニスを救う代わりに牢の鍵を開けてもらっていたのだ。おかげで二人はなんとか首都を脱出することに成功する。
事件のせいで国に追われることとなったレオニスは、山賊団のアジトであるカースピット山で幼少期を過ごすことを余儀なくされる。
6年後、レオニスはアルサスに呼び出され、首都グラディウムへの行商について来るように言い渡される。団員でレオニスと同じ歳の親友デンテも一緒だ。
かつて自分が事件を起こした謎がレオニスを苦しめ、不安にさせるが、仲間に入れてくれた皆のために、「立派なリベルタスの男になりたい」と首都行きを決意するレオニス。
2~4
首都についたレオニス、デンテ、アルサスの三人は、富豪の開く晩餐会に招待される。
そこでレオニスは、連続怪死事件の噂を耳にする。
何でも、レクス神を信仰する信心深い貴族達がその使用人や侍女に殺されたというのだ。
犯人達は一様に、「私は無実だ。身体が勝手に動いた」と供述しているという。
これは、レオニスが操られた6年前の事件と何か繋がりがあるのか?
あるならば、犯人を探す、もしくは、操られる魔法を無効にする手段を探すことができる。
それをするべきだとアルサスに諭されるレオニス。
しかし、兄に背中を斬られたレオニスは、神から授かった御印――次の王位継承者である証であり、魔力の加護――を失ってしまっていた。
そのことで魔法を使えなくなってしまったレオニスは、自信をなくし、事件に関わることで再び大事な人を亡くすことを恐れ、アルサスに反発する。
5~6
その夜、レオニスは月の女神ルナのお告げの夢を見る。
「ノクティス様を止めて下さい。聖剣サンクトルーメをノクティス様に渡してはなりません」
意味がわからず戸惑うレオニスだが、お告げの途中でデンテに起こされて目覚めてしまう。
デンテに文句をいうと、富豪の屋敷に侵入者が入り、屋敷中騒ぎになっていると教えられる。
気になったレオニス達が現場に向かうと、そこには金髪碧眼で左目の下に涙ボクロのある小柄な少女がいた。少女はステラと名乗る。
女の子だということに驚くレオニス。しかし、翌朝起きると、もっと驚くことになる。
なんと、レオニス以外の全員がステラのことを忘れてしまっていたのだ。
おまけに、ステラは富豪の屋敷から宝飾品やドレスを盗んでいったため、その窃盗の濡れ衣をレオニス達リベルタスメンバーが被ることになってしまう。
憤慨したレオニスは、ステラが犯人だと訴えるが、レオニス達を犯人と決めつけた屋敷の主人には信じてもらえない。
しかし、なんとかアルサスを人質にすることで街に探しに出ることを許されると、レオニスはデンテと、監視役につけられた使用人のホークと一緒に屋敷を飛び出した。
7~8
レオニス達は、中央広場の噴水の泉で南西の都市オームに伝わる伝統舞踊カルミナを踊っているステラを発見する。盗品を売りもせず、全て身につけて踊るステラはとても美しかった。
逃げ出すかと思われたステラだが、事情を話すと大人しく屋敷について来てくれる。
一件落着したが、まだ落ち着いてはいられない。
女神のお告げがあるからだ。
レオニス達は、お告げで言われた通り、ノクティスに聖剣を渡さないように、聖剣の保管されているグラディウム城へ向かうこととする。
9~10
城へ向かう途中、レオニス達は再びステラに出会う。
しかし、またしても、ステラのことを覚えているのはレオニスだけだった。
不思議に思って問い詰めようとするも、ステラはレオニスに抱きつき泣き出した。
落ち着いたステラから話を聞いてみると、6年前、首都グラディウムにいた身寄りのないステラは、ある路地裏で謎の男に会い、その男に呪いをかけられてしまったという。
以来、ステラは出会う人出会う人全てに忘れ去られるようになってしまった。
驚くレオニス一行だが、ステラは自分を覚えていられる人間に出会い、感極まってレオニスに甘える。 照れたレオニスは、怒ってそれどころではない、とつい口を滑らせてしまう。
事情を聞いたステラは、自分が城に侵入し、その聖剣を盗み出してみせると提案する。
11~13
ステラは見事城内に潜入し、聖剣を盗み出すことに成功する。
その報酬として、ステラは山賊団に入れてくれと要求するが、アルサスにこれを拒否される。
山のセキュリティの問題や食事の用意忘れ等障害がつきまとうからだ。
悲しむステラに、アルサスは言う。
「ステラの寂しさは、呪いを解くことでしか解消されない」と。
レオニスは、呪いを解くためなら何でもすると必死なステラを見て、触れたくなかった過去に近づくことを決意する。
しかし、時を同じくして、ノクティスは聖剣が城から盗み出されたことに気づいていた。
14~15
呪いを解く方法は知らないレオニスだが、呪いや魔法を調べるには、神官長メイガスを頼る他ないということは知っていた。
善は急げということで、レオニス一行は神官長のいる大神殿へ急ぐ。
しかし、再会した神官長メイガスは、様子がおかしい。
禁書アポカリプスという未知の魔法を発動して、レオニス達に攻撃を仕掛けてきた。
なんと、メイガスこそが、ステラに呪いをかけた謎の男の正体だったのだ。
なんとか攻撃を躱すも、キリがないので逃げ出そうとするレオニス達。
しかし、大聖堂の出口には、ノクティスと闇の女神モアが立ち塞がっていた。
闇の女神を初めて見るレオニス達。だが、闇の女神モアこそが、6年前、レオニスを操り母を殺し、また何の罪もない貴族達を殺した真犯人だった。
その動機は、ノクティスが地上の王になるために邪魔な人間だったから。
「そんなことのために、罪のない人の命、母の命を奪ったのか」と、激昂するレオニス。
16~17
しかし、レオニスは闇の女神モアの影傀儡の力に操られ、仲間に攻撃を仕掛けてしまう。
アルサスと対戦するレオニス。
その間、密かに捕まっていたホークを助けるデンテ。ホークは、レオニス達を見かけて、気になって後をついて来たところを巻き込まれたという。
助けられたホークも戦線に加わって、デンテとともに傀儡の神兵達の数を減らしていく。
一方、メイガスが放った魔法を避けたアルサス。しかし、それが偶然レオニスに直撃してしまう。
あばらを折るほどの重症を負ったレオニスは、ようやくモアの傀儡の力から解放される。
しかし、モアが次にターゲットにしたのはアルサスだった。
操られ、デンテに攻撃を仕掛けるアルサス。
そんなピンチに、聖なる光が辺りに満ちる。
月の女神ルナと、レオニスとノクティスの父、国王アクイラが降臨したのだ。
闇の女神モアと、月の女神ルナの二人の女神は出会い頭に空中戦を繰り広げ始める。
父王アクイラは、太陽神レクスの御印の力で難なくメイガスを倒すと、ノクティスと向き合った。
そして、父アクイラと第一王子ノクティスの決闘の幕が上がる。
追い詰められたアクイラは、聖剣を手にし、その力を行使せんとする。
しかし、聖剣サンクトルーメの本来の力は発動せず、攻撃はノクティスに吸収されてしまう。
兄ノクティスには、月の神ルナの御印の加護がついており、月の魔力は太陽の力を受けてより輝く性質を持っているためだ。
ノクティスは、残忍な笑みを浮かべると実の父であるアクイラをあっけなく殺してしまう。
駆け寄るレオニスに、アクイラは最後の力を振り絞って言葉を紡ぐ。
「失われた聖剣の力を探せ。千年前、悪しき神々を封印した太陽王、建国の始祖エイウス
のように。国を頼む」と。
レオニスの慟哭が大聖堂内に響く。
18~19
「――僕は、僕はあなたを許さない!」
激昂するレオニスは、ノクティスとの一騎打ちに応じる。
しかし、辛くも惨敗。満身創痍の今のレオニスでは手も足も出ない。
そんな時、二人の女神の勝敗も決する。勝ったのは闇の女神モアだった。
月の女神ルナは闇に飲まれて消失し、残ったモアが呪文を叫ぶと、首都グラディウムに夜気が満ちる。月のない闇夜の到来だ。
毒の瘴気が含まれた夜気を吸い込み、苦しむレオニス達。
準備は整ったとばかり、ノクティスが呪文を唱えるが、何も起きない。
「聖具と御印を持つ者の血が揃っているのに、なんで封印が解けないの!?」
地団駄を踏んで悔しがるモア。
「捧げる血が足りない、か? もう少し切り刻んでみるとするか」
ノクティスが言うと、レオニスの前にステラが飛び出してくる。
「やっと見つけたステラを覚えていてくれる人! 絶対殺させたりなんかしない! レオニスはステラが守る! かかって来なさい!
震えながら叫ぶステラ。
それを殺そうとモアが傀儡兵を襲わせるが、ステラはそれを持っていたただの純金の剣から光刃を出すことで倒すことに成功する。
するとその刹那、魔法陣が明滅し、古よりの封印が解除されてしまう。
現れたのは、冥府の王、死の神オルクスだった。
オルクスが念じると、大聖堂内に亡者が溢れる。地面から生えてくるように出現する亡者達に襲われ、分が悪いと引き上げることにしたレオニス達。
しかし、ノクティスがそれを許すわけがない。
モアが命じると、メイガスが魔法を発動させる。
「お前らだけで、先に行け! 俺はここで時間を稼ぐ!」
言い放ったアルサスは、考え直すように迫るデンテとレオニスの言葉を無視して、最後の言葉を告げる。
「デンテ! 俺が帰らなかった時はリベルタスを頼んだぞ!」
「レオニス! お前なら出来る! だから、自分を信じろ!」
泣き叫ぶレオニスとデンテ。しかし、ホークの魔法でレオニス、デンテ、ホーク、ステラの四人は風に乗り宙を飛び、大神殿から脱出する。
最後にレオニスは、メイガスの魔法からレオニス達を庇って死ぬアルサスの姿を目の当たりにする。
「振り返るな! 何があっても、前だけ見てろ! リベルタスの男だろ!」
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