とある英雄達の最終兵器
閑話 続・ガリ勉モヤシ君一号 ~アンフィスside~
~アンフィスside~
は? なぜこの女はいきなり殴りかかってくるんだ???
パシッ。疑問は尽きないがとりあえず殴りかかってきたリーシャの拳を掴み取る。
「あんた誰? なんで邪魔したの? ナンパ野郎の仲間?」
なるほど……そういうことか。……けど、この状況でナンパ野郎の仲間って発想が出て来るあたりこいつとんでもねぇ女だな。
「んなわけねぇだろ。善良な一生徒だ。うちの生徒が外部の人を消し去ろうとしたからな。助けに入っただけだ」
「ふーん。ナンパ野郎を助けたのね? じゃあやっぱり仲間ね! 半殺し決定よ!」
……あぁ分かったぜ? こいつは人の話しを聞かない、気が短い、アホっていう三拍子揃った人間なんだ。厄介なのに遭遇しちまったな……
「ふぅ。……助けたのはナンパ野郎もだがお前もだからな? あいつらを蹴ってたらお前だってタダじゃ済まねぇだろ。つーわけで俺はお前の仲間でもあるわけ」
「そ、そうだよ! リーシャ! この人が止めてくれなかったら大変なことになってたんだから! 殴るんじゃなくてお礼言わなきゃ! すみませんリーシャが失礼しました! おかげで助かりました、ありがとうございます!」
ほぅ、こっちの女は目の前のキリングマシーンと違って常識があるみたいだ。
「いや~たいしたことはしてないから気にしないで~」
そしてヴァナル。なぜお前が返事をする。まぁそんな些事はどうでもいい、とにかく去ろう。
「んじゃ」
シュタっと手を上げて、振り向――ガシッ
……おい、ものすごい握力だな。肩に指食い込んでるぞ? なんだよ、もう行かせてくれよ。
「待ちなさい。……そうね。マリが言うことも一理あるわ! でもこの私の非常に不愉快な気分はどうすればいいの? やり場のない怒りはどこにぶつければいいの? というわけで――ッシ!!」
パシッ。ほうどうやら――
「ラッ!!」
パシッ。常識人の子はマリと――
「ドララララララ!!!!」
パシパシパシパシパシッ。言うらしい。で――
「気は済んだか? つーか完全にただの八つ当たりじゃねぇか。初対面の人間に対して正気か?」
「ハァハァ……。す、済むわけないでしょ! 正気よ! 正気だから一発くらい殴られなさいよ!」
あ、これキチ○イさんですわ。
「だが断る」
「むきーっ!!」
そこからはまたしばらく攻防……と言っても俺は攻撃しないで捌くだけだけどなー。どうやら一発殴れば気は済むようだが、タダで殴られるような慈愛心はない。
「す、すごいですね。あの人リーシャの攻撃を全部捌いてる……。うちのクラスでもリーシャの攻撃を捌ききれる人なんていないのに……。何者ですか……?」
「えー? ただの負けず嫌い君だよ。一発くらい殴られてあげればいいのにね~」
「多分一発じゃ収まらないので……捌き続けてもらった方が……。って、何を言ってるんでしょうか! 止めないといけないのについ見入ってしまいました!」
「あぁーいいのいいのー。体を動かせば多少気が晴れるでしょー。ウチのはそれに付き合ってあげるみたいだから大丈夫よー。ね~?」
……まぁ、そうだが、なんとなくそう言われると釈然としないな。つーかいい加減うんざりしてきた。
「おい、もういいだろ。いい加減にしろよ」
「ぐぬぬぬぬ!! あんたここの生徒って言ったわね? 三年じゃないでしょ! 後輩なら先輩の言うことを聞きなさい!」
「俺はまぁ確かに一年だ、が断る」
「キーーッ!! 可愛くない可愛くないっ!! 何よあんた!! 生意気すぎ!! 先輩指導よ!!」
「おいおい、ヒス起こすなよ。これ以上続けるなら俺も反撃するぞ?」
「いいぞ~もっとやれー! ほらマリさんも応援しなきゃ」
「え? は、はい! 頑張れリーシャー! って、あれ? え? 何やってるんだろう私……」
うわー、あのマリって子天然だなー。うちの腹黒イタズラ小僧のいいカモだな。ご愁傷様。
「やれるもんならやってみなさいよ!! 先輩の偉大さを見せてあげ――」
「ほいっ」
パシッパシッ
まだまだ元気が有り余っているリーシャを黙らすために両手を掴み取りバンザイの格好でぶら下げる。
「まだ、セリフの途中よ!! 卑怯者! このっこのっ!!」
両手は拘束され浮いている状態から足をジタバタ動かし蹴ろうとしてくる。おいやめろ、パンツ見えるぞ? まぁ今までも散々見えてたけど。
「いいもの見れてよかったね~!」
おいヴァナル、余計な茶々入れるな……。そういうこと聞くとこの女は――
「――っ!! み、みたの? ……見たんだ? ……そう、見たのね? っ天誅!! もがもがもが!!」
「いてぇいてぇ! おい、噛むなバカ女!」
パンツ見たかの質問に動揺したらまさかのか噛みつき攻撃だ。どうしてこうなった。もう勘弁しれくれ。
「アハハ~二人とも楽しそうだね~」
間違いなく煽りながら傍観しているお前が一番楽しんでるけどな。
「はわわ! リーシャやりすぎだよー!」
マリは常識人だな。目の前の狂犬と比べるからだろうからだけど聖母に見えるぜ。まぁあとは聖母に任せてとんずらだ。
「ていっ」
「キャッ」
リーシャを無理やり引き剥がし、聖母へと投げ渡す。
「はわわわわ!! えいっ」
ガシッ
うん、聖母ナイスキャッチだ。そいつのことは任せた!
「じゃあそいつのことは任せた! じゃあな! よし、ヴァナル逃げるぞ!」
「はいはいー。じゃあマリさん、リーシャさんまたね~」
「あ、はい、また~」
おい、呑気に手を振って挨拶している場合か! つーかマリもマイペースだなっ! ヴァナルほれダッシュダッシュ! 急いで遠ざかるぞ! 早くしないと――
「ったーい……。こらぁーーー!!! ちょ! なに逃げてんのよ!! あんたの顔覚えたからね!! 名を名乗りなさい!!」
「ほら? あぁ言ってるよ~? 名前くらい教えてあげればー?」
「テ……テップだ!!」
「テップね!!! 絶対探し出してリベンジするから首を洗って待ってなさい!!!」
その言葉を最後にリーシャとマリの姿が見えなくなる。それから少し距離を開けるため走っていると――
「……だ、そうだよ~テップ?」
「……テップならきっと女の子と知り合えて喜ぶはずだ。俺はもう知らん。関わりたくねぇ」
「でも顔覚えたって言ってたけど?」
「……大丈夫だ。あいつはアホだから一晩寝れば忘れるはずだ」
「そうかなぁ~? あぁいうタイプは執念深そうだけどなぁ~」
「……おい、怖いこと言うなよ。ほら屋台でなんか美味いもんでも食って忘れようぜ?」
「はいはいー、ちなみにそれはテップの奢り?」
「……ッチ。あぁテップの奢りだ。メシ食い終わったら忘れろよ?」
「はいはーいっ」
はぁ、人助けをしたはずが、変な女に絡まれ、噛まれ、サイフまで軽くなるとは、踏んだり蹴ったりだな……。
ため息をついて歩くアンフィスの背中はいつもよりほんの少しだけ小さく見えたとさ。
は? なぜこの女はいきなり殴りかかってくるんだ???
パシッ。疑問は尽きないがとりあえず殴りかかってきたリーシャの拳を掴み取る。
「あんた誰? なんで邪魔したの? ナンパ野郎の仲間?」
なるほど……そういうことか。……けど、この状況でナンパ野郎の仲間って発想が出て来るあたりこいつとんでもねぇ女だな。
「んなわけねぇだろ。善良な一生徒だ。うちの生徒が外部の人を消し去ろうとしたからな。助けに入っただけだ」
「ふーん。ナンパ野郎を助けたのね? じゃあやっぱり仲間ね! 半殺し決定よ!」
……あぁ分かったぜ? こいつは人の話しを聞かない、気が短い、アホっていう三拍子揃った人間なんだ。厄介なのに遭遇しちまったな……
「ふぅ。……助けたのはナンパ野郎もだがお前もだからな? あいつらを蹴ってたらお前だってタダじゃ済まねぇだろ。つーわけで俺はお前の仲間でもあるわけ」
「そ、そうだよ! リーシャ! この人が止めてくれなかったら大変なことになってたんだから! 殴るんじゃなくてお礼言わなきゃ! すみませんリーシャが失礼しました! おかげで助かりました、ありがとうございます!」
ほぅ、こっちの女は目の前のキリングマシーンと違って常識があるみたいだ。
「いや~たいしたことはしてないから気にしないで~」
そしてヴァナル。なぜお前が返事をする。まぁそんな些事はどうでもいい、とにかく去ろう。
「んじゃ」
シュタっと手を上げて、振り向――ガシッ
……おい、ものすごい握力だな。肩に指食い込んでるぞ? なんだよ、もう行かせてくれよ。
「待ちなさい。……そうね。マリが言うことも一理あるわ! でもこの私の非常に不愉快な気分はどうすればいいの? やり場のない怒りはどこにぶつければいいの? というわけで――ッシ!!」
パシッ。ほうどうやら――
「ラッ!!」
パシッ。常識人の子はマリと――
「ドララララララ!!!!」
パシパシパシパシパシッ。言うらしい。で――
「気は済んだか? つーか完全にただの八つ当たりじゃねぇか。初対面の人間に対して正気か?」
「ハァハァ……。す、済むわけないでしょ! 正気よ! 正気だから一発くらい殴られなさいよ!」
あ、これキチ○イさんですわ。
「だが断る」
「むきーっ!!」
そこからはまたしばらく攻防……と言っても俺は攻撃しないで捌くだけだけどなー。どうやら一発殴れば気は済むようだが、タダで殴られるような慈愛心はない。
「す、すごいですね。あの人リーシャの攻撃を全部捌いてる……。うちのクラスでもリーシャの攻撃を捌ききれる人なんていないのに……。何者ですか……?」
「えー? ただの負けず嫌い君だよ。一発くらい殴られてあげればいいのにね~」
「多分一発じゃ収まらないので……捌き続けてもらった方が……。って、何を言ってるんでしょうか! 止めないといけないのについ見入ってしまいました!」
「あぁーいいのいいのー。体を動かせば多少気が晴れるでしょー。ウチのはそれに付き合ってあげるみたいだから大丈夫よー。ね~?」
……まぁ、そうだが、なんとなくそう言われると釈然としないな。つーかいい加減うんざりしてきた。
「おい、もういいだろ。いい加減にしろよ」
「ぐぬぬぬぬ!! あんたここの生徒って言ったわね? 三年じゃないでしょ! 後輩なら先輩の言うことを聞きなさい!」
「俺はまぁ確かに一年だ、が断る」
「キーーッ!! 可愛くない可愛くないっ!! 何よあんた!! 生意気すぎ!! 先輩指導よ!!」
「おいおい、ヒス起こすなよ。これ以上続けるなら俺も反撃するぞ?」
「いいぞ~もっとやれー! ほらマリさんも応援しなきゃ」
「え? は、はい! 頑張れリーシャー! って、あれ? え? 何やってるんだろう私……」
うわー、あのマリって子天然だなー。うちの腹黒イタズラ小僧のいいカモだな。ご愁傷様。
「やれるもんならやってみなさいよ!! 先輩の偉大さを見せてあげ――」
「ほいっ」
パシッパシッ
まだまだ元気が有り余っているリーシャを黙らすために両手を掴み取りバンザイの格好でぶら下げる。
「まだ、セリフの途中よ!! 卑怯者! このっこのっ!!」
両手は拘束され浮いている状態から足をジタバタ動かし蹴ろうとしてくる。おいやめろ、パンツ見えるぞ? まぁ今までも散々見えてたけど。
「いいもの見れてよかったね~!」
おいヴァナル、余計な茶々入れるな……。そういうこと聞くとこの女は――
「――っ!! み、みたの? ……見たんだ? ……そう、見たのね? っ天誅!! もがもがもが!!」
「いてぇいてぇ! おい、噛むなバカ女!」
パンツ見たかの質問に動揺したらまさかのか噛みつき攻撃だ。どうしてこうなった。もう勘弁しれくれ。
「アハハ~二人とも楽しそうだね~」
間違いなく煽りながら傍観しているお前が一番楽しんでるけどな。
「はわわ! リーシャやりすぎだよー!」
マリは常識人だな。目の前の狂犬と比べるからだろうからだけど聖母に見えるぜ。まぁあとは聖母に任せてとんずらだ。
「ていっ」
「キャッ」
リーシャを無理やり引き剥がし、聖母へと投げ渡す。
「はわわわわ!! えいっ」
ガシッ
うん、聖母ナイスキャッチだ。そいつのことは任せた!
「じゃあそいつのことは任せた! じゃあな! よし、ヴァナル逃げるぞ!」
「はいはいー。じゃあマリさん、リーシャさんまたね~」
「あ、はい、また~」
おい、呑気に手を振って挨拶している場合か! つーかマリもマイペースだなっ! ヴァナルほれダッシュダッシュ! 急いで遠ざかるぞ! 早くしないと――
「ったーい……。こらぁーーー!!! ちょ! なに逃げてんのよ!! あんたの顔覚えたからね!! 名を名乗りなさい!!」
「ほら? あぁ言ってるよ~? 名前くらい教えてあげればー?」
「テ……テップだ!!」
「テップね!!! 絶対探し出してリベンジするから首を洗って待ってなさい!!!」
その言葉を最後にリーシャとマリの姿が見えなくなる。それから少し距離を開けるため走っていると――
「……だ、そうだよ~テップ?」
「……テップならきっと女の子と知り合えて喜ぶはずだ。俺はもう知らん。関わりたくねぇ」
「でも顔覚えたって言ってたけど?」
「……大丈夫だ。あいつはアホだから一晩寝れば忘れるはずだ」
「そうかなぁ~? あぁいうタイプは執念深そうだけどなぁ~」
「……おい、怖いこと言うなよ。ほら屋台でなんか美味いもんでも食って忘れようぜ?」
「はいはいー、ちなみにそれはテップの奢り?」
「……ッチ。あぁテップの奢りだ。メシ食い終わったら忘れろよ?」
「はいはーいっ」
はぁ、人助けをしたはずが、変な女に絡まれ、噛まれ、サイフまで軽くなるとは、踏んだり蹴ったりだな……。
ため息をついて歩くアンフィスの背中はいつもよりほんの少しだけ小さく見えたとさ。
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