絶対守護者の学園生活記
謎の戦い
旅行に行くと決まったからには色々とやらなければいけないことがある。
まずは宿の確保。こちらの世界でも魔法が使えることは確認済みなので転移魔法を使えばすぐに家へと帰れる。だが俺は宿も旅行の一つの楽しみだと思っているのでそれは無しだ。
そんなわけでインターネットで宿探しを始めたが、もうすぐ夏休みが始まろうかという時期なので直近の予約は一杯のはずだ。
でも空いてた。
何か月も待たされるのもなぁと良さげな宿の予約表を見たら見事にこれから先一週間の予約が空いていた。これも恐らくは神様効果、ご都合主義万歳。
どうやら神様効果は物凄いようで移動の新幹線の座席も全員が固まるようにして取れた。更に神様に用意してもらった家には全員分のキャリーバッグも用意されていた。
そんなこんなで準備はすぐに終わってしまった。
※※※
ついに新婚旅行の異世界旅行の大阪旅行の日を迎えた。
………頭がこんがらがりそうだ。
「パパ! クーが押す! クーが押すの!」
バスの停車ボタンに必死になってるうちの娘めちゃくちゃ可愛い。こんなに可愛いのにいつかは反抗期を迎えて、さらに嫁入りして離れていくんだと考えると時を止める魔法の開発をガチで進めるまである。
そんな親バカを発揮している間に駅へと到着し駅弁を購入、新幹線へと乗り込んだ。早速弁当を食べたが、ワクワク感の影響か見た目以上に美味しく感じた。
「凄いわね、この乗り物」
「是非我が国にも欲しいところですね」
「ほら、デザートのプリンだぞ。あーん」
「あーむっ! むふー」
ソフィの膝の上でプリンを食べ幸せそうに頬が緩んでいるクー可愛い。食べさせてあげてるソフィもその姿を微笑ましそうに見ていた。良い親子だなぁ
「……ん?」
俺の視線に気付いたのかソフィがこちらを向く。そしてくすっと笑った後、目を閉じ顔を近付けてきて……
「ストーップ! なに自然にキスしようとしてるのよ!」
唇同士が触れ合う寸前でカレンに止められてしまった。残念そうに微笑むソフィさんがこれまた色っぽい。カレン、許すまじ……
「寝るのももったいないですしトランプでもしましょうか」
シャルの一言でババ抜きが始まった。ちなみにメンバーは俺、カレン、シャル、ソフィだ。この前のボーリングの勝者の権利で俺の近くに座れるようにしたそうだ。
二人席で俺の隣にはソフィとクー、前はシャルとカレンだ。残りのメンバーは通路を挟んで隣にある三人席を前後で使っている。あっちはあっちで楽しんでいるみたいだ。
席を向かい合わせた状態でいざ勝負。配られた手札を確認、ババは無し。少し眉が動いていたカレンが持っているのだろう。幾多もの修羅場を潜り抜けてきた俺にしてみれば相手の動揺を見逃すことは無い。
カードを引く順番は時計周りでシャル→俺→ソフィ→カレンだ。つまり俺の元にババが来るにはソフィがカレンからババを引かなければいけない。つまりはソフィを観察していればいいわけだ。引いたらきっと少なからず動揺するはず。
「ほれ」
シャルに俺の手札から引かせる。揃ったようだ。
俺はソフィの手札から一枚引く。序盤なので簡単に揃う。
ソフィがカレンの手札から一枚引く。揃う。
カレンがシャルの手札から一枚引く。揃う。
こんな感じで進めていき、戦いは終盤へ。ソフィの一挙手一投足、主に表情に気を配っていたがババを引いた様子はなかった。まだカレンの手元にあるようだ。
シャルが残り一枚で俺が一枚、ソフィが二枚でカレンが一枚。今は俺の番なのでソフィから一枚引いた。揃うか……?
「……へ?」
俺が引いたのはババだった。なぜソフィが持って……
「ふふふふふ」
「カレン? まさかお前……」
「上手くひっかかってくれたわね」
あの反応はブラフだったのか!でもなんで俺は最後の方までソフィさんが持ってたババを引かずに済んでいたんだ?
いや、ソフィさんが持っていたという前提がおかしいんだ。俺がカレンが持っていると勘違いし、ソフィさんを注意深く見ていたことで自由に動けた奴がいる。
「シャルか!」
「ご名答です」
何をしたのか説明してもらった。最初にババを持っていたのはシャルだったがすぐにカレンとアイコンタクトを交わし、カレンが持っているかのように反応する。後は最後に俺がババを引くように女子達が密かに協力し最後の方でソフィがババを持つようにした。ソフィの表情を主に見ていたので引く時の手元への注意が足りていなかったのが原因のようだ。俺が二択でババを引いたのはそういう時に左側を引く癖があったそうな。
ソフィがカレンから引き、揃ったようで同時に上がる。俺とシャルが残った。
「む、ババ抜きか」
「クライマックスだ」
「一番面白いところだな」
通路を挟んで隣に座っているアリスが身を乗り出して観戦し始めた。俺の手札を見ているようだが、きっとシャルがどちらを引くかの迷う姿を見て楽しむのだろう。見るのは見るので楽しいよな。
だがしかし迷いなんてものは存在しなかった。
「これですね」
なんの迷いもなく数字のカードを引き、シャルが上がる。
「ありがとうございますね、アリス」
「お姉様の力になれて嬉しいです」
呆気に取られている俺を尻目に仲良く話す姉妹。……っておいおいおい。
「一度騙されたっていうのに急に見始めたアリスを疑わないのがいけないんですよ?」
「シャル様のおっしゃる通りです……」
時には協力し、時に裏切り、騙し合いの末に勝利をもぎ取る。ババ抜きって奥が深いんだな……
その後は特に何事もなく楽しい時間は過ぎていった。
まずは宿の確保。こちらの世界でも魔法が使えることは確認済みなので転移魔法を使えばすぐに家へと帰れる。だが俺は宿も旅行の一つの楽しみだと思っているのでそれは無しだ。
そんなわけでインターネットで宿探しを始めたが、もうすぐ夏休みが始まろうかという時期なので直近の予約は一杯のはずだ。
でも空いてた。
何か月も待たされるのもなぁと良さげな宿の予約表を見たら見事にこれから先一週間の予約が空いていた。これも恐らくは神様効果、ご都合主義万歳。
どうやら神様効果は物凄いようで移動の新幹線の座席も全員が固まるようにして取れた。更に神様に用意してもらった家には全員分のキャリーバッグも用意されていた。
そんなこんなで準備はすぐに終わってしまった。
※※※
ついに新婚旅行の異世界旅行の大阪旅行の日を迎えた。
………頭がこんがらがりそうだ。
「パパ! クーが押す! クーが押すの!」
バスの停車ボタンに必死になってるうちの娘めちゃくちゃ可愛い。こんなに可愛いのにいつかは反抗期を迎えて、さらに嫁入りして離れていくんだと考えると時を止める魔法の開発をガチで進めるまである。
そんな親バカを発揮している間に駅へと到着し駅弁を購入、新幹線へと乗り込んだ。早速弁当を食べたが、ワクワク感の影響か見た目以上に美味しく感じた。
「凄いわね、この乗り物」
「是非我が国にも欲しいところですね」
「ほら、デザートのプリンだぞ。あーん」
「あーむっ! むふー」
ソフィの膝の上でプリンを食べ幸せそうに頬が緩んでいるクー可愛い。食べさせてあげてるソフィもその姿を微笑ましそうに見ていた。良い親子だなぁ
「……ん?」
俺の視線に気付いたのかソフィがこちらを向く。そしてくすっと笑った後、目を閉じ顔を近付けてきて……
「ストーップ! なに自然にキスしようとしてるのよ!」
唇同士が触れ合う寸前でカレンに止められてしまった。残念そうに微笑むソフィさんがこれまた色っぽい。カレン、許すまじ……
「寝るのももったいないですしトランプでもしましょうか」
シャルの一言でババ抜きが始まった。ちなみにメンバーは俺、カレン、シャル、ソフィだ。この前のボーリングの勝者の権利で俺の近くに座れるようにしたそうだ。
二人席で俺の隣にはソフィとクー、前はシャルとカレンだ。残りのメンバーは通路を挟んで隣にある三人席を前後で使っている。あっちはあっちで楽しんでいるみたいだ。
席を向かい合わせた状態でいざ勝負。配られた手札を確認、ババは無し。少し眉が動いていたカレンが持っているのだろう。幾多もの修羅場を潜り抜けてきた俺にしてみれば相手の動揺を見逃すことは無い。
カードを引く順番は時計周りでシャル→俺→ソフィ→カレンだ。つまり俺の元にババが来るにはソフィがカレンからババを引かなければいけない。つまりはソフィを観察していればいいわけだ。引いたらきっと少なからず動揺するはず。
「ほれ」
シャルに俺の手札から引かせる。揃ったようだ。
俺はソフィの手札から一枚引く。序盤なので簡単に揃う。
ソフィがカレンの手札から一枚引く。揃う。
カレンがシャルの手札から一枚引く。揃う。
こんな感じで進めていき、戦いは終盤へ。ソフィの一挙手一投足、主に表情に気を配っていたがババを引いた様子はなかった。まだカレンの手元にあるようだ。
シャルが残り一枚で俺が一枚、ソフィが二枚でカレンが一枚。今は俺の番なのでソフィから一枚引いた。揃うか……?
「……へ?」
俺が引いたのはババだった。なぜソフィが持って……
「ふふふふふ」
「カレン? まさかお前……」
「上手くひっかかってくれたわね」
あの反応はブラフだったのか!でもなんで俺は最後の方までソフィさんが持ってたババを引かずに済んでいたんだ?
いや、ソフィさんが持っていたという前提がおかしいんだ。俺がカレンが持っていると勘違いし、ソフィさんを注意深く見ていたことで自由に動けた奴がいる。
「シャルか!」
「ご名答です」
何をしたのか説明してもらった。最初にババを持っていたのはシャルだったがすぐにカレンとアイコンタクトを交わし、カレンが持っているかのように反応する。後は最後に俺がババを引くように女子達が密かに協力し最後の方でソフィがババを持つようにした。ソフィの表情を主に見ていたので引く時の手元への注意が足りていなかったのが原因のようだ。俺が二択でババを引いたのはそういう時に左側を引く癖があったそうな。
ソフィがカレンから引き、揃ったようで同時に上がる。俺とシャルが残った。
「む、ババ抜きか」
「クライマックスだ」
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だがしかし迷いなんてものは存在しなかった。
「これですね」
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