絶対守護者の学園生活記
閑話 リリィとクーのおつかい 前編
「ほら朝よ。さっさと起きないと朝御飯冷めるわよ」
ゆっさゆっさと体を揺らされる感覚で、眠りから目を覚ます。
今日は合宿前日。鍛錬も無しにしたので一度は四時に起きてしまったが、二度寝したのでたっぷりと眠れた。
朝飯が出来たようで、カレンが起こしに来てくれたみたいだ。
しかしあれだな……ゆっくりしていいと思うとまた寝たくなる。
「もう……さっさと起きなさいよね」
呆れたように言いつつも、カレンは俺の額、頬、唇の順番にキスをしていく。
……そんなことされると違うところが起きてしまうんだが。
「………朝からそんなにしてるんじゃないわよ」 
ジトーっとした目で俺を見てくる。しょうがないでしょ男の子なんだもの……
でもなんだかこれって
「懐かしいな」
「なにが?」
「カレンと初めてした後も、こんな会話したなと」
「レオンが獣化した時ね。懐かしいって言ってもまだ一ヶ月くらいじゃない」
「あの時は本当にカレンの気持ちが嬉しかったからな。こんな俺を好きになってくれた人に嫌な思いをさせないように、精一杯頑張ったもんだ」
「レオン……」
カレンの正直な想いを聞いて、しっかりと向き合えるようになった。
今となっては良い思い出である。
「私だって幸せだったわよ。……ねぇ、思い出したらその……そういう気分になってきちゃった。だから……」
カレンの女の子らしい、柔らかな手が俺の下腹部へと伸びてきて
「この前みたいに、また私が手伝ってあげる」
……これはまた昼起きコースかなぁ。
※※※
案の定、昼に起きることになってしまった。
カレンと二人でリビングに入ると、皆(クーとリリィ以外)が一斉にこちらを向いて、ゆうべはお楽しみでしたねと言わんばかりにニヤニヤしている。
ゆうべじゃなくて今朝だけどな。
「それはそうとレオン君。実は問題が起きて……」
「問題?」
ニヤニヤ顔をやめ、ミーナがそんなことを言ってきた。
詳しく聞いてみたところ、食材を切らしてしまい晩御飯が作れないとのこと。
「別に外食でもよくないか?」
「流石にこのメンバーで行くのはね……」
ミーナが俺達を見渡してそう言った。第一王女様に第二王女様、そして他は学園では二大美少女と呼ばれる人達に俺とソフィ先輩のことをパパとママと呼ぶ幼女。
………うん、超目立つ。
よくよく考えてみたら今まで皆で外食したことは無かったな。
行くとしても二人とか三人とかでだし、料理が得意な人が率先して手料理を振舞ってくれてたから外食する必要がなかった。
水着を買った時は仕方ない。個人個人の買い物に付き合わされたら俺が恥ずかしさと疲労で死んでしまう。
「さらにまだ問題があってだな……」
ソフィ先輩がミーナに続いて説明を始めた。
今度の問題、それはクーが買い物に行く!と名乗り出たことらしい。流石に一人では無理だろうと止めようとしたらしいが、クーが名乗り出た理由が
「パパとママに褒めてもらうの!」
というものだったそうだ。
やばい、感動のあまり泣きそうだ。パパはクーがいい子に育ってくれて嬉しいよ……!
しかしそれでも一人で行かせるのは危ないとのことで、誰か一人だけ付き添いをつけようということになったらしい。
「私とお姉様は外せない用事がある。ミーナは今日は冒険者ギルドで依頼を受けるつもりだったらしいし、ソフィとレオンはクーの為にも行かない方がいいだろう。さらにカレンは家事が残っているらしい。そうすると残りは……」
アリス曰く、王女コンビはお仕事、ミーナはギルドの依頼、俺とソフィ先輩に褒めてもらうために行くのだからパパママも無理。
カレンは意外にも家事スキルが高く、炊事洗濯何でもござれ状態で、何かまだやることが残っているのだろう。
「リリィか。……大丈夫か?」
俺はアリスの言葉に続くようにして話す。
リリィとクーの組み合わせなんて珍しすぎる。大人しすぎるリリィと割とお転婆なクーがどんな化学反応を示すのだろうと興味が湧いてくる。
だがそれよりも気になるのは
「お兄ちゃんとしても、パパとしても、とても不安なんだが……二人ともほんっっっとうに可愛いから」
「……大丈夫、変な人に絡まれたら焼き尽くす」
「きりきざむの~」
物騒すぎませんかね二人共……
というか誰だ!クーに斬り刻むなんて言葉を教えた人!
ソフィ先輩あたりだろうな……文句を言っても俺が負ける未来しか見えないしやめておこう……
それはそうと、俺は一つの決心をした。
こうして、クーとリリィのおつかいが始まった。
ゆっさゆっさと体を揺らされる感覚で、眠りから目を覚ます。
今日は合宿前日。鍛錬も無しにしたので一度は四時に起きてしまったが、二度寝したのでたっぷりと眠れた。
朝飯が出来たようで、カレンが起こしに来てくれたみたいだ。
しかしあれだな……ゆっくりしていいと思うとまた寝たくなる。
「もう……さっさと起きなさいよね」
呆れたように言いつつも、カレンは俺の額、頬、唇の順番にキスをしていく。
……そんなことされると違うところが起きてしまうんだが。
「………朝からそんなにしてるんじゃないわよ」 
ジトーっとした目で俺を見てくる。しょうがないでしょ男の子なんだもの……
でもなんだかこれって
「懐かしいな」
「なにが?」
「カレンと初めてした後も、こんな会話したなと」
「レオンが獣化した時ね。懐かしいって言ってもまだ一ヶ月くらいじゃない」
「あの時は本当にカレンの気持ちが嬉しかったからな。こんな俺を好きになってくれた人に嫌な思いをさせないように、精一杯頑張ったもんだ」
「レオン……」
カレンの正直な想いを聞いて、しっかりと向き合えるようになった。
今となっては良い思い出である。
「私だって幸せだったわよ。……ねぇ、思い出したらその……そういう気分になってきちゃった。だから……」
カレンの女の子らしい、柔らかな手が俺の下腹部へと伸びてきて
「この前みたいに、また私が手伝ってあげる」
……これはまた昼起きコースかなぁ。
※※※
案の定、昼に起きることになってしまった。
カレンと二人でリビングに入ると、皆(クーとリリィ以外)が一斉にこちらを向いて、ゆうべはお楽しみでしたねと言わんばかりにニヤニヤしている。
ゆうべじゃなくて今朝だけどな。
「それはそうとレオン君。実は問題が起きて……」
「問題?」
ニヤニヤ顔をやめ、ミーナがそんなことを言ってきた。
詳しく聞いてみたところ、食材を切らしてしまい晩御飯が作れないとのこと。
「別に外食でもよくないか?」
「流石にこのメンバーで行くのはね……」
ミーナが俺達を見渡してそう言った。第一王女様に第二王女様、そして他は学園では二大美少女と呼ばれる人達に俺とソフィ先輩のことをパパとママと呼ぶ幼女。
………うん、超目立つ。
よくよく考えてみたら今まで皆で外食したことは無かったな。
行くとしても二人とか三人とかでだし、料理が得意な人が率先して手料理を振舞ってくれてたから外食する必要がなかった。
水着を買った時は仕方ない。個人個人の買い物に付き合わされたら俺が恥ずかしさと疲労で死んでしまう。
「さらにまだ問題があってだな……」
ソフィ先輩がミーナに続いて説明を始めた。
今度の問題、それはクーが買い物に行く!と名乗り出たことらしい。流石に一人では無理だろうと止めようとしたらしいが、クーが名乗り出た理由が
「パパとママに褒めてもらうの!」
というものだったそうだ。
やばい、感動のあまり泣きそうだ。パパはクーがいい子に育ってくれて嬉しいよ……!
しかしそれでも一人で行かせるのは危ないとのことで、誰か一人だけ付き添いをつけようということになったらしい。
「私とお姉様は外せない用事がある。ミーナは今日は冒険者ギルドで依頼を受けるつもりだったらしいし、ソフィとレオンはクーの為にも行かない方がいいだろう。さらにカレンは家事が残っているらしい。そうすると残りは……」
アリス曰く、王女コンビはお仕事、ミーナはギルドの依頼、俺とソフィ先輩に褒めてもらうために行くのだからパパママも無理。
カレンは意外にも家事スキルが高く、炊事洗濯何でもござれ状態で、何かまだやることが残っているのだろう。
「リリィか。……大丈夫か?」
俺はアリスの言葉に続くようにして話す。
リリィとクーの組み合わせなんて珍しすぎる。大人しすぎるリリィと割とお転婆なクーがどんな化学反応を示すのだろうと興味が湧いてくる。
だがそれよりも気になるのは
「お兄ちゃんとしても、パパとしても、とても不安なんだが……二人ともほんっっっとうに可愛いから」
「……大丈夫、変な人に絡まれたら焼き尽くす」
「きりきざむの~」
物騒すぎませんかね二人共……
というか誰だ!クーに斬り刻むなんて言葉を教えた人!
ソフィ先輩あたりだろうな……文句を言っても俺が負ける未来しか見えないしやめておこう……
それはそうと、俺は一つの決心をした。
こうして、クーとリリィのおつかいが始まった。
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