絶対守護者の学園生活記
英雄
目が覚めた俺はダルクさんとユフィさんに、何回もお礼を言われた。
どうやら成功したようだ。よかった……。
さて、旅立つ準備をしなきゃな。
そしてついに、旅立つ時が来た。旅立つって言っても、王都に行くだけだし、空間魔法の応用である転移を使えばすぐにでも戻ってこられるんだけどな。
ダルクさんとユフィさんが見送りに来てくれた。
「いいか? 力を隠す必要なんてないからな? 見せつけてやったほうが牽制になる。力こそ正義だ」
「………脳筋」
「ははは……」
普段、三人で話すときと同じような会話をする。とても安心する時間だ。
「っと、そうだ。馬鹿息子よ。これをやろう」
そういって俺に何かを投げてくる。
って危なっ! 剣じゃねえか!見た感じ、普通のロングソードなんだが……。
「それは前にこの前のドワーフに打ってもらったやつでな。相当頑丈だし切れ味もいい。俺の相棒だったけど、お前にやるよ。餞別だ」
「なら、ありがたく」
腰のベルトにさす。
「会おうと思えばすぐに会えるし、挨拶はこれくらいでいいだろ。たまには顔を出しに来いよ?」
「分かってるよ。今度会う時には、家族が増えてるといいんだけどな」
「……頑張る」
小さくガッツポーズをし、気合を入れているユフィさん。見た目に反して、結構そういうのが好きなタイプなのだろうか。
……すごくいいと思います。
「まあ期待して待ってろ。俺的には孫の姿も見たいんだけどな?」
「期待しないでくれ。俺は前世の頃からモテたことは無い」
言ってて悲しくなってきた。彼女、欲しいなぁ……。
「顔は整ってるし、モテるんじゃないか?」
「……自信持っていいと思う」
マジ? 俺期待しちゃうよ。
いや、やめておこう。
ナルシストになんかなりたくないし、期待したところで、落とされるだけって前世で学びましたから。あの子、俺に気があるんじゃね?って思った子が、実は彼氏持ちだったとかな。だったら最初から期待しなきゃいいんだ、うん。
なんか、泣きたくなってきた。
「そういや、村があった場所に寄ってから王都に向かうんだっけか」
「ああそうだよ」
俺が入る(予定)の魔法学園の入学試験まではまだ一カ月ほど余裕がある。これは、俺が村の跡地に行って、皆に報告をしたいと思ったからだ。
俺が元気でやっていること、必ず、カレンとリリィを守ってみせるといったことや、報告したいことはいっぱいある。
今更だが、二人はまだ俺のことを覚えているだろうか?実は忘れていたりして、会った時に、お前誰? とか言われたりして。
……不安になってきた。
いや、ポジティブシンキングだ、俺。
とにかく、村を訪れたあとは王都へ自分の足で向かう。転移は一度行ったことある場所じゃないと駄目だからだ。俺が本気で走れば馬車で一カ月の距離でも一日かからず行けるだろう。そんなに急ぐ必要はないし、ゆっくり向かって、間に合いそうになかったら走ればいいか。
「そんじゃ、行ってくるわ」
「おう、行ってこい」
「……行ってらっしゃい」
すごく軽い感じで別れの挨拶を済ます。悲しい空気なんて、必要ない。
空間魔法を発動し、俺は村へ転移する。
ふと思う。
絶望を味わい、皮肉にもそれが俺の非力さを教えてくれた。そして、まだ残っている、大事な人達を守るための力を得ることができた。
そう、そしてここからが本番なのだ。
つまり――
俺の戦いはこれからだ!
※※※
「行った、か」
最初に会った頃は、頼りない感じだった。だが、今では独特のオーラを感じるというか、頼もしくなったもんだ。
それはまるで、かつての英雄と言われた者のような頼もしさで。
まあ俺なんだが。
ともかく――
「この世界を頼んだぞ、レオン」
どうやら成功したようだ。よかった……。
さて、旅立つ準備をしなきゃな。
そしてついに、旅立つ時が来た。旅立つって言っても、王都に行くだけだし、空間魔法の応用である転移を使えばすぐにでも戻ってこられるんだけどな。
ダルクさんとユフィさんが見送りに来てくれた。
「いいか? 力を隠す必要なんてないからな? 見せつけてやったほうが牽制になる。力こそ正義だ」
「………脳筋」
「ははは……」
普段、三人で話すときと同じような会話をする。とても安心する時間だ。
「っと、そうだ。馬鹿息子よ。これをやろう」
そういって俺に何かを投げてくる。
って危なっ! 剣じゃねえか!見た感じ、普通のロングソードなんだが……。
「それは前にこの前のドワーフに打ってもらったやつでな。相当頑丈だし切れ味もいい。俺の相棒だったけど、お前にやるよ。餞別だ」
「なら、ありがたく」
腰のベルトにさす。
「会おうと思えばすぐに会えるし、挨拶はこれくらいでいいだろ。たまには顔を出しに来いよ?」
「分かってるよ。今度会う時には、家族が増えてるといいんだけどな」
「……頑張る」
小さくガッツポーズをし、気合を入れているユフィさん。見た目に反して、結構そういうのが好きなタイプなのだろうか。
……すごくいいと思います。
「まあ期待して待ってろ。俺的には孫の姿も見たいんだけどな?」
「期待しないでくれ。俺は前世の頃からモテたことは無い」
言ってて悲しくなってきた。彼女、欲しいなぁ……。
「顔は整ってるし、モテるんじゃないか?」
「……自信持っていいと思う」
マジ? 俺期待しちゃうよ。
いや、やめておこう。
ナルシストになんかなりたくないし、期待したところで、落とされるだけって前世で学びましたから。あの子、俺に気があるんじゃね?って思った子が、実は彼氏持ちだったとかな。だったら最初から期待しなきゃいいんだ、うん。
なんか、泣きたくなってきた。
「そういや、村があった場所に寄ってから王都に向かうんだっけか」
「ああそうだよ」
俺が入る(予定)の魔法学園の入学試験まではまだ一カ月ほど余裕がある。これは、俺が村の跡地に行って、皆に報告をしたいと思ったからだ。
俺が元気でやっていること、必ず、カレンとリリィを守ってみせるといったことや、報告したいことはいっぱいある。
今更だが、二人はまだ俺のことを覚えているだろうか?実は忘れていたりして、会った時に、お前誰? とか言われたりして。
……不安になってきた。
いや、ポジティブシンキングだ、俺。
とにかく、村を訪れたあとは王都へ自分の足で向かう。転移は一度行ったことある場所じゃないと駄目だからだ。俺が本気で走れば馬車で一カ月の距離でも一日かからず行けるだろう。そんなに急ぐ必要はないし、ゆっくり向かって、間に合いそうになかったら走ればいいか。
「そんじゃ、行ってくるわ」
「おう、行ってこい」
「……行ってらっしゃい」
すごく軽い感じで別れの挨拶を済ます。悲しい空気なんて、必要ない。
空間魔法を発動し、俺は村へ転移する。
ふと思う。
絶望を味わい、皮肉にもそれが俺の非力さを教えてくれた。そして、まだ残っている、大事な人達を守るための力を得ることができた。
そう、そしてここからが本番なのだ。
つまり――
俺の戦いはこれからだ!
※※※
「行った、か」
最初に会った頃は、頼りない感じだった。だが、今では独特のオーラを感じるというか、頼もしくなったもんだ。
それはまるで、かつての英雄と言われた者のような頼もしさで。
まあ俺なんだが。
ともかく――
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