外道魔術師転生から始まる異世界動物のお医者さん
59話 修羅場
目の前でフィーが変身したらしい女の子とユキミが言い合いをしている。
まるで現実感がない。
「ネズラース知ってたの?」
「いや、すまないが全く知らなかった」
「クックック、色男だなぁダイゴローは、ほれ、これ食うか?」
マジさんがからかいながら腸詰めをよこしてくれた。
もう、よくわかんないけど、取り敢えずお腹を満たそう。
「ダイゴロー、俺が我慢してやったのに他に女、しかも、お前ロリコンか?」
「なに言ってんだキンドゥ! フィーが人間になれるなんて今知ったんだ!」
「え~~ダイゴローちゃんはもうあの巨乳の虜になってるんじゃないの~?
ほんと、無駄にでかいわね。若いみたいだし」
ルペルさん、後半声が怖いです……
「ダイゴローは わ た し の !! 彼氏です!
ずっと探していたんです!」
「過去の女性も私は気にしませんよ? やっぱり若いほうがいいんじゃないかなぁ……?」
ビシッ!
フィー君、危険な発言はやめよう。今オレのとなりにはルペルさんとマジさんが居るんだ。
「胸だってぇ、私のほうが……それに、肌だってぴっちぴちなんですよー?」
パリン!
「おっと、なんだこのコップヒビでも入っていたのかなぁ……」
止めるんだそれ以上はいけない。止めるんだ。
「あの、キンドゥ様。そろそろ本題に入りませんと追手もいつまで撒けるかわかりません」
ナイスだ! ナイスですムラマサさん!
「あー、そうだな。ユキミ嬢、あとフィー君だったか?
真面目な話をしたい。それくらいにしてくれ。マサムネ」
キンドゥーの指示でマサムネさんが地図を開く。
帝国領の詳細な地図のようだ。
「俺はだいぶ前から帝国内を探っている。
お前からの手紙を受け取ってそれなりにスムーズに帝国に入れたのも俺の手腕だ」
「もう来る途中その話はたくさん聞いたニャ……」
「話を戻すと、ダイゴローがどれくらい帝国内の状態を知っているか知らないが、この国は皇帝による絶対君主制を取っている。皇帝の命令一つで国全体が動いてしまう。
まぁ、いい点も有るだろうが、この国ではそれが悪い方に働いている。
今までは、言ってしまえば国内だけの治世が乱れているだけで住んでいたんだが、ちょうどダイゴローが落下してしばらくしてから風向きが変わってきた。
どうにもきな臭い匂いが漂ってきているんだ。
また、世界相手に戦争を仕掛けるんじゃないかってな……」
「俺も多少は聞いているけど、また同じようになるんじゃないのか過去の戦争と?
壁は有るらしいが、攻め込む兵力が集中すれば別のところから突破は容易だろ……」
「俺もそう考えたが、マサムネ話してやれ」
「我々は草として、まぁスパイとしてこの国に人員を配しています。
最近東の国境付近で小競り合いが起きているのです。
まぁそれ自体は珍しくないのですが……
今回、魔物、魔獣が帝国軍と呼応するように東の軍に衝突してきたのです。
しかも、帝国軍内部に魔人の存在も疑われています。
正確な情報を聞く前に息絶えてしまったので真義は不明ですが、事実として東側の戦線が後退しています。流石に本隊が合流してきて後退は一時的なものなのですが……
もし、魔物を使役できたりするなら、実質無限に戦力を湧き出せる事になりますし、魔人が多数いるなら、戦力差は当てになりません……」
「さらに、今フェリカ王国に謎の病気が広がり始めている。
あまりにタイミングが良すぎるんだ……」
「病気?」
「そうニャ、通称狂い人病……突然凶暴になって人を襲い、そして襲われた人間も同じ症状を発症するニャ! 動物にもかかるニャ!」
「だ、大丈夫なのか!?」
「ああ、ダイゴローが残した感染症マニュアルに則って、隔離を徹底した結果、人の害はすぐに落ち着いた……ただ、問題は野生動物だ……こちらは限界がある。
この病気にかかった動物は水を嫌うという特徴があるので大至急堀などで生活圏を守るよう頑張っているところだ……」
「狂犬病みたいだな……」
「知っているのか?」
「うーん、ただ、噛まれてそんなにすぐに発症するものではないけど、似たような病気は知っている」
「じゃぁ、治せるニャ!」
「……いや、治すことは出来ない。致死率は100%だ。
ワクチンも作れないだろうし、予防も不可能だ……」
「……そうか……もしかしてダイゴローならと思ったが……」
「ごめん、ただ、その病気と決まったわけじゃない。
違う点も多いから……」
「あとは、帝国がこの病気騒動に関連していた場合さらに厄介だ。
病気で国内を混乱させて、侵略を狙っている可能性がある。
そして、病気をばらまいた以上、侵略までの時間は短いと考えられる。
収束させてしまったからな、効果が薄いと感じたら魔物と魔人がなだれ込んでくるだろう。
これが王国の判断だ。
そんな時、俺のとこにダイゴローの手紙が届いて、帝国内を調べるついでにお前に会いに来たんだ」
「ついでは帝国内の調査だろ、キンドゥはダイゴローに会えるってソワソワしてまー落ち着かなくてよぉ」
「流石ですキンドゥ様」
「煩い……」
「帝国国内で魔物を使役している様子は訓練等からは伺えません、ただ、それらの動きに先立って一人の男が皇帝の側に仕えることになりました。
宮廷魔術師のアリスト。
圧倒的な魔術の能力で一気に皇帝の右腕になったと言われている。
全ての現象がその頃に集中しているのです。
これは偶然とは思えません。そして、噂ではこのアリスト……ダイゴロー殿が落ちた神殿から来たと言っているらしいのです……」
マサムネさんの発言で、あの神殿地下を思い出す。
人が住めるような環境があるとは思えない。
魔物を使役する噂や魔人の噂と合わせて考えると、ろくな人物じゃないことは想像に容易い。
「まぁ、戦争の準備はあまり行われてないようだが、兵士など必要ないかもしれないからな」
「何者なんですかねアリストって人間は……」
「探った人間は一人も戻ってきていない、経歴など全てが謎だ……」
悔しそうにムラマサさんがつぶやく。きっと部下も犠牲になっているんだろう……
「そこでな、ダイゴロー俺達はあの神殿に潜るつもりなんだ」
俺を驚かせたのはキンドゥの発言だった。
まるで現実感がない。
「ネズラース知ってたの?」
「いや、すまないが全く知らなかった」
「クックック、色男だなぁダイゴローは、ほれ、これ食うか?」
マジさんがからかいながら腸詰めをよこしてくれた。
もう、よくわかんないけど、取り敢えずお腹を満たそう。
「ダイゴロー、俺が我慢してやったのに他に女、しかも、お前ロリコンか?」
「なに言ってんだキンドゥ! フィーが人間になれるなんて今知ったんだ!」
「え~~ダイゴローちゃんはもうあの巨乳の虜になってるんじゃないの~?
ほんと、無駄にでかいわね。若いみたいだし」
ルペルさん、後半声が怖いです……
「ダイゴローは わ た し の !! 彼氏です!
ずっと探していたんです!」
「過去の女性も私は気にしませんよ? やっぱり若いほうがいいんじゃないかなぁ……?」
ビシッ!
フィー君、危険な発言はやめよう。今オレのとなりにはルペルさんとマジさんが居るんだ。
「胸だってぇ、私のほうが……それに、肌だってぴっちぴちなんですよー?」
パリン!
「おっと、なんだこのコップヒビでも入っていたのかなぁ……」
止めるんだそれ以上はいけない。止めるんだ。
「あの、キンドゥ様。そろそろ本題に入りませんと追手もいつまで撒けるかわかりません」
ナイスだ! ナイスですムラマサさん!
「あー、そうだな。ユキミ嬢、あとフィー君だったか?
真面目な話をしたい。それくらいにしてくれ。マサムネ」
キンドゥーの指示でマサムネさんが地図を開く。
帝国領の詳細な地図のようだ。
「俺はだいぶ前から帝国内を探っている。
お前からの手紙を受け取ってそれなりにスムーズに帝国に入れたのも俺の手腕だ」
「もう来る途中その話はたくさん聞いたニャ……」
「話を戻すと、ダイゴローがどれくらい帝国内の状態を知っているか知らないが、この国は皇帝による絶対君主制を取っている。皇帝の命令一つで国全体が動いてしまう。
まぁ、いい点も有るだろうが、この国ではそれが悪い方に働いている。
今までは、言ってしまえば国内だけの治世が乱れているだけで住んでいたんだが、ちょうどダイゴローが落下してしばらくしてから風向きが変わってきた。
どうにもきな臭い匂いが漂ってきているんだ。
また、世界相手に戦争を仕掛けるんじゃないかってな……」
「俺も多少は聞いているけど、また同じようになるんじゃないのか過去の戦争と?
壁は有るらしいが、攻め込む兵力が集中すれば別のところから突破は容易だろ……」
「俺もそう考えたが、マサムネ話してやれ」
「我々は草として、まぁスパイとしてこの国に人員を配しています。
最近東の国境付近で小競り合いが起きているのです。
まぁそれ自体は珍しくないのですが……
今回、魔物、魔獣が帝国軍と呼応するように東の軍に衝突してきたのです。
しかも、帝国軍内部に魔人の存在も疑われています。
正確な情報を聞く前に息絶えてしまったので真義は不明ですが、事実として東側の戦線が後退しています。流石に本隊が合流してきて後退は一時的なものなのですが……
もし、魔物を使役できたりするなら、実質無限に戦力を湧き出せる事になりますし、魔人が多数いるなら、戦力差は当てになりません……」
「さらに、今フェリカ王国に謎の病気が広がり始めている。
あまりにタイミングが良すぎるんだ……」
「病気?」
「そうニャ、通称狂い人病……突然凶暴になって人を襲い、そして襲われた人間も同じ症状を発症するニャ! 動物にもかかるニャ!」
「だ、大丈夫なのか!?」
「ああ、ダイゴローが残した感染症マニュアルに則って、隔離を徹底した結果、人の害はすぐに落ち着いた……ただ、問題は野生動物だ……こちらは限界がある。
この病気にかかった動物は水を嫌うという特徴があるので大至急堀などで生活圏を守るよう頑張っているところだ……」
「狂犬病みたいだな……」
「知っているのか?」
「うーん、ただ、噛まれてそんなにすぐに発症するものではないけど、似たような病気は知っている」
「じゃぁ、治せるニャ!」
「……いや、治すことは出来ない。致死率は100%だ。
ワクチンも作れないだろうし、予防も不可能だ……」
「……そうか……もしかしてダイゴローならと思ったが……」
「ごめん、ただ、その病気と決まったわけじゃない。
違う点も多いから……」
「あとは、帝国がこの病気騒動に関連していた場合さらに厄介だ。
病気で国内を混乱させて、侵略を狙っている可能性がある。
そして、病気をばらまいた以上、侵略までの時間は短いと考えられる。
収束させてしまったからな、効果が薄いと感じたら魔物と魔人がなだれ込んでくるだろう。
これが王国の判断だ。
そんな時、俺のとこにダイゴローの手紙が届いて、帝国内を調べるついでにお前に会いに来たんだ」
「ついでは帝国内の調査だろ、キンドゥはダイゴローに会えるってソワソワしてまー落ち着かなくてよぉ」
「流石ですキンドゥ様」
「煩い……」
「帝国国内で魔物を使役している様子は訓練等からは伺えません、ただ、それらの動きに先立って一人の男が皇帝の側に仕えることになりました。
宮廷魔術師のアリスト。
圧倒的な魔術の能力で一気に皇帝の右腕になったと言われている。
全ての現象がその頃に集中しているのです。
これは偶然とは思えません。そして、噂ではこのアリスト……ダイゴロー殿が落ちた神殿から来たと言っているらしいのです……」
マサムネさんの発言で、あの神殿地下を思い出す。
人が住めるような環境があるとは思えない。
魔物を使役する噂や魔人の噂と合わせて考えると、ろくな人物じゃないことは想像に容易い。
「まぁ、戦争の準備はあまり行われてないようだが、兵士など必要ないかもしれないからな」
「何者なんですかねアリストって人間は……」
「探った人間は一人も戻ってきていない、経歴など全てが謎だ……」
悔しそうにムラマサさんがつぶやく。きっと部下も犠牲になっているんだろう……
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