戦うということ

シロ紅葉

戦うということ

 もう死んでしまいたい。でも生きたい。
 憂鬱さが抜けきらない。知らない。
 朝日が昇り始めて、また昨日を繰り返す。
 時々、なんで生きているのかと疑問に思うんだ。
 そのたび酒に溺れて、現実からずらかった。
 あの日、描いた理想にしがみ付く気力がわかない。
 出来ないわけないと信じていた才能。下方修正。

 期待はしてないし希望は持てない。
 それ以前に未来は死んでいる。殺したのは未来を恐れる自分自身。
 終わりたい、無力さに苛まれる時間のループ。
 搾りかすとなった気力で今日も戦う。


 もうやめてしまいたい。でも続けたい。
 壊してしまいたい夢。壊せない。
 何度も粉々に砕かれた心を、その都度ガムテープで貼り付ける毎日。
 愛に飢えて、未来に飢えて、擦り切れそうな魂。
 神様に祈ったって知らんふり。仕事しろよと苛つく。
 結局残るのは弱さと自己嫌悪。愛想尽かされたみたい。
 えらく長持ちするガラクタみたいな心。修復作業。

 失望は出来ないし絶望は持てない。
 やり遂げたいと思っているから、前を向くしかないんだよ。
 進みたい、足を引きずってでも構わないよな。
 なけなしの力を振り絞って今日も戦う。


 薄汚い現実には不公平ばかりが目に付く。
 そんな風に見えるのは醜い証拠だからなのか。
 泥水すすってもがく人。段ボールに包まれた人。
 みじめに思えても、生きることは諦めていない。
 そのうち、死ななくても良かったと思える日が来ると信じて。


 逃げ出せずただ後悔は残せない。
 必死になって頑張っている、ならそのままでいればいい。
 嘲笑い、指さされて馬鹿にされたって構わない。
 僅かだけ残っている勇気で今日も戦う。

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