イケメン被りの青春オタク野郎と絶対利益主義お嬢様

片山樹

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「無理よ。部活動は最低でも5人は必要なの。だから後2人は連れてこないと。それに部室が無いわよ」
 秋里実里の部活動入ってください宣言があった放課後俺達は部活動交渉の為、職員室へと足を運んでいた。先生の中で一番話が通りやすいと思った梅雨桜先生に話を持ちかけたのだが、状況はやはり絶望的。それよりも先生の机の上にテストの解答用紙が1枚も乗っていないのが不思議だ。

「あの……先生? テストが大量にあったんじゃ?」

「あ、秋月……あ、あれはもう終わったんだ」
先生は遠い目をしながら言った。

「終わった? それなら俺はもう行かなくていいですか?」

「いや……嘘だ。ここだけの話。あのテストは全部、牧野まきの先生に頼んだ」
 牧野先生ーー通称、牧ちゃん。
ドジで間抜けな先生だ。仕草仕草が小動物みたいで可愛い。年は先生よりも2歳年下。
新米教師である。牧ちゃんの方をチラリと見たけど、めっちゃテストの解答用紙が机に置かれてるじゃん! これは絶対に1日じゃ終わらないぞ。

「って、先生……それってパシリなんじゃ?」

「言い方が悪いわ。あれはパシリじゃなくて、指導よ。指導。新米教師はあれぐらいやらないとダメなのよ」
 梅雨桜先生こいつはクズだ。
それもトコトンクズだ。
やはり俺の認識は正しかったみたいだ。

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