イケメン被りの青春オタク野郎と絶対利益主義お嬢様
11
「おい、起きろよ。咲、朝だぞ」
ピンクの水玉模様のパジャマで気持ち良さそうに寝ている咲に声を掛ける。ベットの下には毛布などが落ちており、脚でベシベシと夜にでも蹴ったのだろう。本当に寝相の悪い奴だ。
「うぅ〜ん……わかってる。わかってるから」
朝の気だるさを残しながら生意気な声を出し、身体を揺らす咲。
しかし大体こんなことを言う奴は分かってはいない。それは自分も同じタイプだから分かる。
「って、お前のベットにゴキブリがいるじゃん!」
勿論、居るわけは無い。
だが咲を起こすには十分だ。
「ぐわぁぁぁぁーー!! マジ無理マジ無理。マジ無理。マジ無理。ぎやぁぁぁぁぁーー!!
お兄ちゃんーーー助けてぇぇでで」
スペースシャトルが宇宙に飛び立つぐらいの速さで咲が飛び起きた。
このネタで何回も起こしているのに寝起きというのはやはり騙されるものなのである。
だから俺は思う。
自分が好きな人に朝早くから電話掛け、告白したら成功率がアップするのでは無いだろうかと。もしかしたら文化祭や体育祭といったイベント行事よりも成功率があるのでは無いのだろうかと。俺はそんな事を日々常に思っている。
それも授業中に。こんな事を言うと頭が甘くて淡いオカシイ奴だと言われるかもしれないけれど、俺は結構真面目でこの議題について深く考えている。しかし、最近気づいてしまった。
自分の過ちに。自分の間違いに。
元々電話番号を知らない人はどうするの?
話と女子とまともに喋れるんですか?
第一、女子が電話を取ってくれるとは限らないという訳だ。正にこんな事に気づかないなんて、不覚だった。
それによくよく考えてみれば、これは一種の詐欺なのでは無いかとも考えた。
だって酔っ払っている相手に無理矢理高額な物を買わせる悪徳商法みたいなものだからだ。
「あ、あぁ……」
俺の言った事が嘘だったと分かったよう咲はストンとベットに倒れ込んだ。
勢い良く起きたから頭がクラクラするのだろう。
「もう……お兄ちゃん。嘘つきは嫌われるよ。だから友達がいないんだよ?」
「友達がいないは余計だ! それに俺にも友達はいるぞ」
「友達ってだれ? どうせユカさんとか言うんでしょ?」
「あぁ、まぁ〜な。それに最近俺にはかぁ、……」
いやいやいかんいかん。
咲に彼女ができたら色々と茶化されるに決まっている。だからやめておこう。
「ん? 最近俺にはどうしたの?」
しかし俺を逃げさせてはくれない。
「いや、何でもねぇ〜よ」
わざとらしく嘘をつく。
「そっか……」
咲は小さな声で呟いた。
でも納得はしていないみたいだ。
いつかは彼女ができたという事を説明するべき時があるかもしれないし、しないかもしれない。でもそれは今じゃない。
だから何も言わなかった。
その代わりに「ほら、下に降りようぜ」とだけ咲に伝えた。
ピンクの水玉模様のパジャマで気持ち良さそうに寝ている咲に声を掛ける。ベットの下には毛布などが落ちており、脚でベシベシと夜にでも蹴ったのだろう。本当に寝相の悪い奴だ。
「うぅ〜ん……わかってる。わかってるから」
朝の気だるさを残しながら生意気な声を出し、身体を揺らす咲。
しかし大体こんなことを言う奴は分かってはいない。それは自分も同じタイプだから分かる。
「って、お前のベットにゴキブリがいるじゃん!」
勿論、居るわけは無い。
だが咲を起こすには十分だ。
「ぐわぁぁぁぁーー!! マジ無理マジ無理。マジ無理。マジ無理。ぎやぁぁぁぁぁーー!!
お兄ちゃんーーー助けてぇぇでで」
スペースシャトルが宇宙に飛び立つぐらいの速さで咲が飛び起きた。
このネタで何回も起こしているのに寝起きというのはやはり騙されるものなのである。
だから俺は思う。
自分が好きな人に朝早くから電話掛け、告白したら成功率がアップするのでは無いだろうかと。もしかしたら文化祭や体育祭といったイベント行事よりも成功率があるのでは無いのだろうかと。俺はそんな事を日々常に思っている。
それも授業中に。こんな事を言うと頭が甘くて淡いオカシイ奴だと言われるかもしれないけれど、俺は結構真面目でこの議題について深く考えている。しかし、最近気づいてしまった。
自分の過ちに。自分の間違いに。
元々電話番号を知らない人はどうするの?
話と女子とまともに喋れるんですか?
第一、女子が電話を取ってくれるとは限らないという訳だ。正にこんな事に気づかないなんて、不覚だった。
それによくよく考えてみれば、これは一種の詐欺なのでは無いかとも考えた。
だって酔っ払っている相手に無理矢理高額な物を買わせる悪徳商法みたいなものだからだ。
「あ、あぁ……」
俺の言った事が嘘だったと分かったよう咲はストンとベットに倒れ込んだ。
勢い良く起きたから頭がクラクラするのだろう。
「もう……お兄ちゃん。嘘つきは嫌われるよ。だから友達がいないんだよ?」
「友達がいないは余計だ! それに俺にも友達はいるぞ」
「友達ってだれ? どうせユカさんとか言うんでしょ?」
「あぁ、まぁ〜な。それに最近俺にはかぁ、……」
いやいやいかんいかん。
咲に彼女ができたら色々と茶化されるに決まっている。だからやめておこう。
「ん? 最近俺にはどうしたの?」
しかし俺を逃げさせてはくれない。
「いや、何でもねぇ〜よ」
わざとらしく嘘をつく。
「そっか……」
咲は小さな声で呟いた。
でも納得はしていないみたいだ。
いつかは彼女ができたという事を説明するべき時があるかもしれないし、しないかもしれない。でもそれは今じゃない。
だから何も言わなかった。
その代わりに「ほら、下に降りようぜ」とだけ咲に伝えた。
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