Creation World Online
101話
『テき、増エた?処理?処分?殺戮!』
『最後だけすごい物騒だね〜』
相変わらずの素早さで殴りかかってきたゴーレムの一撃、しかしその一撃はフラジールをその場から動かすことすらできなかった。
『次はこっちの番かな〜。よいしょ〜!』
可愛らしい掛け声とは裏腹に鋭い角度で放たれた蹴りで、ゴーレムが吹き飛ぶと天井に激突し、落下する。
轟音が鳴り、土煙が舞う。
『危険?脅威!排除!』
地面に倒れていたゴーレムは一瞬何が起こったのかわからない様子だったが、どうやらフラジールを脅威とみなしたらしい。だが所詮はゴーレム、出来ることなど愚直に突進することのみだ。
『めんどくさいな〜。【魂環術】』
フラジールがそう呟くと、突進していたゴーレムとフラジールを遮るように地面から何かが飛び出し、ゴーレムを捕まえ止める。
それは無数の手が生えた苦悶の表情を浮かべる女性だった。
『【ロットレディ】そのまま捕まえておいてね〜』
フラジールがそう言うと、ロットレディと呼ばれた女性はゴーレムを逃さないように全ての腕でゴーレムを拘束する。
『ゴーレムの魂って美味しくないんだよね〜、なんか薄い』
あまり気乗りしないような声色でフラジールがそう言うと、紫色のオーラを纏わせた右腕で殴りつける。
金属同士が打ち合う音がして、ゴーレムのHPが少し減少する。
『んふふ〜、治らないでしょ?』
ゴーレムのステータスを確認してみると、どうやら呪いにかかっているようだった。
『修復不可、危険!危険!危険!』
ゴーレムがそう言うと、その背中から1対の岩の腕が飛び出し、ロットレディの腹部を貫き、真っ二つに引き裂く。
そのまま背中から生えた腕をフラジールめがけて無数の拳撃を放つ。
フラジールはそれらの拳をいなしながら見事に回避していく。
『んもう!危ないな〜!』
拳をバックステップでかわしたフラジールは、そのままふわりと後方に着地する。
『ご主人〜、30秒時間稼げる?』
「30秒か、任せろ」
流れるようにフラジールと交代した俺は、アイテムボックスから刃の無い柄だけの剣を取り出す。
これは剣聖の六魔剣という俺の作品の傑作、SSの中の1つで、事前に登録しておいた剣を3分間限定で6割程度の威力で使用できる。登録できるのは最大6種、今回俺は82界層の南の大森林の深層で発見したアイテムである『魔蟲剣ククルカン』を選択した
剣の柄から光が放出されると、暗紫色の蟲の羽のような形状をした薄い刃を形作る。刀身に走る赤色の紋様が脈動するように、ゆっくりと明滅する。
剣を軽く振った俺はゴーレム目掛けて疾走しスキルによる跳躍を行い、勢いを乗せて下から斬りあげる。
ゴーレムが刃を腕で受け止めると、剣とゴーレムの腕から火花が散る。だが、魔蟲剣ククルカンの能力はこのような時に1番輝くのだ。
グッと剣の柄を握り込むと刀身の赤い紋様が剥がれ落ち俺の腕に突き刺さり、少しずつHPが削られていく。それに反応するように刃が高速で振動を始めた。
ブゥンとまるで蟲の羽音のような低い音を立てながら刃が振れると、ゴーレムの腕に刀身が少し抉りこむ。
ゴーレムのスキルである『物理攻撃超耐性』が発生させた魔法陣のエフェクトを破壊しながら刀身は抉り込んでいく。
剣の柄から手を離し身体を反転させ、スキル『スラッシュ』を発動するとゴーレムの腕が中程から綺麗に切断される。
着地した俺は振り返る動作に合わせ暗殺スキル『椎閃《ついせん》』を発動。
紫に輝く剣を振るうと、前と後ろからゴーレムの胴体に2本の紫の閃光が走る。ズンと、音を立ててゴーレムが上体を傾ける。
椎閃とは前と後ろ両方から素早い動きで椎骨だけを切るという暗殺スキルだ。
このゴーレムは人型なので効果があるかもしれないと思ったが、その通りだったようだ。
『ご主人良いよ〜』
フラジールからそう言われた俺がゴーレムの側から地面を蹴って撤退し、フラジールの横に着地する。
フラジールのだらりと下げた両腕には、彼女の背丈くらいはあるであろう大剣が握られていた。
フラジールは、大剣を持った姿から想像もつかないような速さでゴーレムに迫る。
あっという間にゴーレムの目の前に移動すると、反応できずにいるゴーレムの横っ腹に大剣を叩き込む。
何層にも張り巡らされた『物理攻撃超耐性』の魔法陣が砕け散り、その身体に刃が埋まる。
『発動!』
フラジールがそう叫ぶと、大剣が輝き始める。
フラジールが大剣から手を離し、後ろに跳んだと同時に大剣が爆発した。
パラパラと小さな石片が降り、粉塵が舞う。
粉塵が収まったそこには、多少欠損が見られるものの、ほぼ無傷なままで立っているゴーレムの姿があった。
だが、どうもゴーレムの動きがおかしい。右肘を上に挙げたと思えば、左足を後ろに蹴り上げ、そのまま転倒するなど、明らかに妙な動きだ。
すると突然ゴーレムが全身をピンと伸ばし、仰向けに倒れ、関節が外れていく。
そしてついには、胸部パーツが外れ、心臓部である核が丸出しとなった。
「フラジール…何したんだ?」
『んーとね、魔力回路を逆流するように魔力を流し込んで〜、ついでに操作系の部分を魔力の糸でめちゃくちゃに繋いだ〜。あ、トドメ刺しちゃうね〜』
ズルリとオリハルコンゴーレムからフラジールが抜け出すと、また最初と同じようにオリハルコンゴーレムは項垂れる。
フラジールは音も立てずにボロボロになったゴーレムの前に立つと、その剥き出しになった核を持ち上げる。
フラジールは、その薄ピンクの唇を核に近づけると、何かを吸うように口を窄める。
ウネウネと核から出てきた半透明の波打つ物体を口で咥えると、まるで麺をすするように一気に啜る。
フラジールは口をまるでリスのように膨らませながら咀嚼する。
『んぐっ、あー!薄い〜!』
喉の形を変えながら嚥下したフラジールは、「薄味は身体にいいからね〜」と言いながらお腹を摩る。
フラジールから魂の抜けた核を受け取ると、親指と人差し指で挟み潰す。
するとようやくリザルト画面が現れ、そこそこの金といくつかのドロップアイテムを手に入れる。
その後、ゴーレムの後ろにあった階段を降りたが、大きな部屋に小さな祭壇があるだけで、他に階段なども見当たらなかったため最深部だったんだろうな。
『最後だけすごい物騒だね〜』
相変わらずの素早さで殴りかかってきたゴーレムの一撃、しかしその一撃はフラジールをその場から動かすことすらできなかった。
『次はこっちの番かな〜。よいしょ〜!』
可愛らしい掛け声とは裏腹に鋭い角度で放たれた蹴りで、ゴーレムが吹き飛ぶと天井に激突し、落下する。
轟音が鳴り、土煙が舞う。
『危険?脅威!排除!』
地面に倒れていたゴーレムは一瞬何が起こったのかわからない様子だったが、どうやらフラジールを脅威とみなしたらしい。だが所詮はゴーレム、出来ることなど愚直に突進することのみだ。
『めんどくさいな〜。【魂環術】』
フラジールがそう呟くと、突進していたゴーレムとフラジールを遮るように地面から何かが飛び出し、ゴーレムを捕まえ止める。
それは無数の手が生えた苦悶の表情を浮かべる女性だった。
『【ロットレディ】そのまま捕まえておいてね〜』
フラジールがそう言うと、ロットレディと呼ばれた女性はゴーレムを逃さないように全ての腕でゴーレムを拘束する。
『ゴーレムの魂って美味しくないんだよね〜、なんか薄い』
あまり気乗りしないような声色でフラジールがそう言うと、紫色のオーラを纏わせた右腕で殴りつける。
金属同士が打ち合う音がして、ゴーレムのHPが少し減少する。
『んふふ〜、治らないでしょ?』
ゴーレムのステータスを確認してみると、どうやら呪いにかかっているようだった。
『修復不可、危険!危険!危険!』
ゴーレムがそう言うと、その背中から1対の岩の腕が飛び出し、ロットレディの腹部を貫き、真っ二つに引き裂く。
そのまま背中から生えた腕をフラジールめがけて無数の拳撃を放つ。
フラジールはそれらの拳をいなしながら見事に回避していく。
『んもう!危ないな〜!』
拳をバックステップでかわしたフラジールは、そのままふわりと後方に着地する。
『ご主人〜、30秒時間稼げる?』
「30秒か、任せろ」
流れるようにフラジールと交代した俺は、アイテムボックスから刃の無い柄だけの剣を取り出す。
これは剣聖の六魔剣という俺の作品の傑作、SSの中の1つで、事前に登録しておいた剣を3分間限定で6割程度の威力で使用できる。登録できるのは最大6種、今回俺は82界層の南の大森林の深層で発見したアイテムである『魔蟲剣ククルカン』を選択した
剣の柄から光が放出されると、暗紫色の蟲の羽のような形状をした薄い刃を形作る。刀身に走る赤色の紋様が脈動するように、ゆっくりと明滅する。
剣を軽く振った俺はゴーレム目掛けて疾走しスキルによる跳躍を行い、勢いを乗せて下から斬りあげる。
ゴーレムが刃を腕で受け止めると、剣とゴーレムの腕から火花が散る。だが、魔蟲剣ククルカンの能力はこのような時に1番輝くのだ。
グッと剣の柄を握り込むと刀身の赤い紋様が剥がれ落ち俺の腕に突き刺さり、少しずつHPが削られていく。それに反応するように刃が高速で振動を始めた。
ブゥンとまるで蟲の羽音のような低い音を立てながら刃が振れると、ゴーレムの腕に刀身が少し抉りこむ。
ゴーレムのスキルである『物理攻撃超耐性』が発生させた魔法陣のエフェクトを破壊しながら刀身は抉り込んでいく。
剣の柄から手を離し身体を反転させ、スキル『スラッシュ』を発動するとゴーレムの腕が中程から綺麗に切断される。
着地した俺は振り返る動作に合わせ暗殺スキル『椎閃《ついせん》』を発動。
紫に輝く剣を振るうと、前と後ろからゴーレムの胴体に2本の紫の閃光が走る。ズンと、音を立ててゴーレムが上体を傾ける。
椎閃とは前と後ろ両方から素早い動きで椎骨だけを切るという暗殺スキルだ。
このゴーレムは人型なので効果があるかもしれないと思ったが、その通りだったようだ。
『ご主人良いよ〜』
フラジールからそう言われた俺がゴーレムの側から地面を蹴って撤退し、フラジールの横に着地する。
フラジールのだらりと下げた両腕には、彼女の背丈くらいはあるであろう大剣が握られていた。
フラジールは、大剣を持った姿から想像もつかないような速さでゴーレムに迫る。
あっという間にゴーレムの目の前に移動すると、反応できずにいるゴーレムの横っ腹に大剣を叩き込む。
何層にも張り巡らされた『物理攻撃超耐性』の魔法陣が砕け散り、その身体に刃が埋まる。
『発動!』
フラジールがそう叫ぶと、大剣が輝き始める。
フラジールが大剣から手を離し、後ろに跳んだと同時に大剣が爆発した。
パラパラと小さな石片が降り、粉塵が舞う。
粉塵が収まったそこには、多少欠損が見られるものの、ほぼ無傷なままで立っているゴーレムの姿があった。
だが、どうもゴーレムの動きがおかしい。右肘を上に挙げたと思えば、左足を後ろに蹴り上げ、そのまま転倒するなど、明らかに妙な動きだ。
すると突然ゴーレムが全身をピンと伸ばし、仰向けに倒れ、関節が外れていく。
そしてついには、胸部パーツが外れ、心臓部である核が丸出しとなった。
「フラジール…何したんだ?」
『んーとね、魔力回路を逆流するように魔力を流し込んで〜、ついでに操作系の部分を魔力の糸でめちゃくちゃに繋いだ〜。あ、トドメ刺しちゃうね〜』
ズルリとオリハルコンゴーレムからフラジールが抜け出すと、また最初と同じようにオリハルコンゴーレムは項垂れる。
フラジールは音も立てずにボロボロになったゴーレムの前に立つと、その剥き出しになった核を持ち上げる。
フラジールは、その薄ピンクの唇を核に近づけると、何かを吸うように口を窄める。
ウネウネと核から出てきた半透明の波打つ物体を口で咥えると、まるで麺をすするように一気に啜る。
フラジールは口をまるでリスのように膨らませながら咀嚼する。
『んぐっ、あー!薄い〜!』
喉の形を変えながら嚥下したフラジールは、「薄味は身体にいいからね〜」と言いながらお腹を摩る。
フラジールから魂の抜けた核を受け取ると、親指と人差し指で挟み潰す。
するとようやくリザルト画面が現れ、そこそこの金といくつかのドロップアイテムを手に入れる。
その後、ゴーレムの後ろにあった階段を降りたが、大きな部屋に小さな祭壇があるだけで、他に階段なども見当たらなかったため最深部だったんだろうな。
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