女神の加護を持つ死神

つうばく

女神

 腕で顔を辺りを隠していた俺は、辺りから音が消えた事で、急激に不安になりゆっくりと目を開けた。

 さっきの魔方陣の光で目が見えにくくなっていたのが、その状態でもはっきりと感じた事が幾つかあった。

 まず俺が始めに感じた事は、目が見難い状態でも分かるほどの黒だった。
 周囲全て真っ暗で、言うならば図鑑で見たような宇宙のように無の世界が続いている感じ、と言えば分かりやすいのだろうか。

 他には、あの魔方陣のせいでここに来た事などだろう。

 だんだんこの環境に目が慣れてきたので、周りを見回すと、流奈がいた。

 服装はさっきまで着ていたのとは、違う格好をしていた。
 それに身体全体をよく見ると髪の色や背が違ったりもしていた。

 何かの演出なのだろうか? そう思いながらも黙って俺は流奈の事を見続けた。

 俺の視線に気付いたのか、こっちを流奈は見ると安堵のような感じでホッとしたような胸に手を当てる動作をしてから、俺の前まで来た。

 俺の前に来ると、俺が知っている流奈とは何か、違う雰囲気で俺に話しかけてきた。

「ちゃんとワープ出来て良かったわ。それよりも脅かせてしまってごめんなさい。私は吉井 流奈ではなく……まぁ吉井流奈でも間違ってないんだけど……ちゃんとした本名があって、その本名がルナ・へーラーと言います。それと私、地球人ではなく違う世界の人だったの。それもそこの世界での女神です」

「………………………………………………………………………………………………へ?」

 理解出来なさすぎて、変な声が出てしまった。

「私がキラリ君を此処に連れて来たのは、私が貴方の事を大好きだからです」

 俺は全くと言っても良いほど流奈の言葉の意味が分からなかった。

 いや、この説明で分かる奴はいるのだろうか?
 いないだろう。絶対にいないだろう。

 まあそうやって、俺が混乱しているのを感じたのか、流奈が申し訳なさそうそうな顔をして話し始めた。

「すみません。言葉が足りなかったですよね」

 言葉が足りなかったぐらいじゃないからね!?
 言葉があっても分からない程に、結構飛躍してたからね!?

 その言葉は思い浮かんだものの言えず、結果的には心で言っておいた。
 多分、流奈にはなんと無く伝わっているだろう。

「......では、改めて簡単にですがキラリ君を連れて来るまでの経緯を言わせてもらいます。そのためにですが、少し昔話から始めたいと思います……」

 いったい、どんな経緯があって俺が連れられてきたのだろうか。

 凄い気になる。

「──私は地球とは違う世界の者です。この世界の事は後から話すので置いといて、その世界でしていた女神の仕事が済み、暇になったので、その暇潰しに昔、創造神様が創れれた他の世界に行く事にしたのです。

 そしてその他の世界と言うのが──地球です。

 ……その世界では、私が見たこともないような色んな不思議で溢れかえっていました。私は直ぐに、これを調べたいと思ってしまいました。調べたいと言う気持ちは多分、女神の本領でしょうね。女神は知識を蓄える者でもありますから。

 そこで、一番この世界を学ぶのに適した場所。というのを私は探していたところ、学校という存在を知りました。ここでは、この世界の事を詳しく学べると聞き、私は即決で学校に行く事にしました。神界に許可を取り、私は遂に学校に転校という形で入れることになりました。

 ですが、正直余り良い期待はしてはいませんでした。まあそれにも色々と訳があるのですが、そいうのはキラリ君は嫌いでしょうし、省いときましょう。

 で、そんな感じの気持ちで学校に行ったのですが、そこにはそれが全て覆されると言ってでも良いと言えるほどのとて心を惹かれる人がいました」


もしかしてそれって……


「予想されたかもしれませんが、それが……キラリ君です。
 ですが、その運命の人とも呼べる人には病気がありました。それも重い病気が。そして、その病気は地球で出来たものではありませんでした。調べたところ、神に起こる病気、それも私のような上級の位の神に起こりやすい病気だったのです。
 病気の症状は......後で確認するとして、その時鑑定するともってあと三年と言うところまで酷かったのです」

俺、そんな重い珍しい病気持ってたの。

知らなかったわ。

「まあ、普通なら気付きませんから。……というか軽いですね。……まぁ、キラリ君だからとでも思っておきましょう。
 それで、私はその病気を治したあげたいと思い、まずはキラリ君と仲良くなることと思いながら、猛烈にキラリ君に近づきました。そしてある程度の月日で付き合うこととなり、今に至ると言う訳です」

 何か分からないことはある? なんでも聞いて良いよ……むしろ聞いてくれ! 
 その様な気持ちだろうと感じるような、視線で見られた。

 しかし、今ので何となくだが俺が連れられてきた理由が分かった。
 要するに、流奈が俺を病気から救う為に頑張ろうとしてくれている、と言う訳なのだろう。

「んん〜……だいぶ私の考えとかが省かれてますけど……まぁ、良いですか。だいたいは、キラリ君に伝わったんですから」

 こわっ!? 
 何で流奈が俺の考えていたことが分かったんだ。

 それを聞こうとしたのだが「ふふふっ、秘密ですよ」と何故か意味ありげに言われた。
 これが女の隠し事というやつなのだろう。

 なので、気にはなるがもう無視の方向で行こう。

「あぁ、無視しないでください。秘密と言っても後で教えますから」

「それならそうと初めから言えよ」

 ……全く。
 そう、不貞腐れた感じをしてみた。
 すると何かを流奈は感じたのか、また喋り始めた。

「うぅっ……そんな顔は無しですぅ」

何故か、俺が怒られた。
流奈はぷくっと膨れた頬が少し赤らめさせた。

……その姿に少しドキッとしてしまったのは、言わないでおこう。

そう、思っていると「ありがとうございます」と言われた。

こいつ、マジで何で人の考えが読めるんだ?
女神だからか? 女神だから人の考えを読むのか!?

「ふふふ、キラリ君はそんな単純なことも分からないのですか?」

そこまで単純なことなのだろうか?

「まぁ、それは良いとして、こんなことよりも連れてきた理由である病気の状態の確認です。今、思い出せる範囲で昔のこと・・・・を思い出してください」

「昔のこと? 何で──」

「良いから! 確認中に口を挟まないこと。さっさと私が言ったことをしてよ」

「あぁ、分かったから、分かったから。昔のことだな。昔の............…あれっ? なんか記憶が全然、思い出せない。もしくは……記憶が無い? 」

 どんだけ思い出そうとしてでも、全くもって思い出せなかった。

 しかし、いくつかの大切な記憶は残っていた。
 どいう事だ?  何で大切な記憶だけが。

「キラリ君、記憶が思い出せましたか。……その顔はやっぱり思い出せなかったのですか。……まぁ、簡単に言えばそれが病気の症状です。症状の詳しい内容は、どんどん過去の記憶が燃える様に無くなっていき、全て無くなった時、存在も消えてしまうんです。多分ですがもう、キラリ君の記憶は1年分も残っていませんでしょう」

「1年も無いのか俺の記憶は。という事は……俺はもうすぐ死ぬの──」

 チョップ!

頭の上に流奈が手刀を落としてきた。

「はぁー……そんな暗い顔をしないでください。貴方を助ける為に私が居るんですよ」

 私がいるでしょうが、と流奈が言いながら胸を張った。

 頑張ってるな。
 何にって? 少ししかない胸を頑張って張っていることにだよ。

「──ちょっ、痛い! 痛い! 足踏むな! …………はぁ、痛かった」

「キラリ君が悪いんでしょうが! プンプン!!」

 口調が崩れてきている。
 まぁこちらの方が流奈らしい。

「けど……そんなことを言ったて……どうすれば、良いんだよ」

 もう俺は、自分が助かるとは全く思っていなかった。
 もう終わってもいいかなぁー、なんてことさえ思っていた。

 しかし、流奈の目はまだ全く諦めていなかった。

「はぁー、もう何回言えば分かるんですか。……私は貴方を救う為に居るんです!! 病気の症状は言いましたが、気になることがあるんじゃ無いんですか? ……何故大切な記憶だけが残っていたのか、とか。分かりますか! 大切な記憶は簡単には消えないんです!」

「えっ? それって」

「はい、キラリ君の考えた通りです。大切な記憶を沢山つくれば貴方は病気で死にません。だから、私は貴方を此処に連れてきたり願いを叶えたりして、大切な記憶をつくったあげようとしたんです」

「希望はまだあるんです!」と最後に力強く流奈が俺に向かって言った。

 やっと、俺が連れて来られた理由の、病気の事がよく知れた。
 それに俺の為に流奈がしようとしてくれたことには、本当に感謝しなきゃな。

「そう思っているなら、私の為にも大切な記憶を沢山つくって、長生きしてください」

「あぁ、そうだなぁ! 新しい世界で記憶が沢山、大切なもので埋め尽くされるぐらいまで、存分に暴れまわってやらぁー!」

「その意気です。キラリ君がやる気を出したなら、神を殺してしまうほどの病気なんてイチコロですよ!」

 ……神を殺してしまうほどの病気?

 俺が患ってる病気ってそこまで大きい病気なの!?

「まあ、記憶が消えていくんですから。最高ランクの禁術などの倍、危険度が高い病気ですね。まぁ、それでも大丈夫ですよ。なんだってキラリ君ですから」

「その信用はいったいどこから、湧いてくるんだ? ……でも、お陰で気持ちが楽になったよ。ありがとな」

「いえいえ。キラリ君のためなら。それと、私がどれほどキラリ君を信用しているのか語りましょうか? キラリ君も私の信用という名の愛を知りたいでしょうし」

「大丈夫。大丈夫だから」

 結構強めに言って止めておいた。
 信用という名の愛とか、ある意味怖いから。
 そして、それを流奈はやりかねないから。

「それでは、ここからはキラリ君が行く世界の事をいちから順番にご説明しましょう」

 おっ、やっと異世界転移ぽくなってきた。

「ゲームで例えるならチュートリアル前の世界観についての説明ですね」

「現実に戻すなや! もう少しファンタジー感出して!」

「善処しますね」

 やらないパターンだ。

 ……そういえば。

「少し聞いてもいいか?」

「はい。なんでも聞いてください♡」

「……その世界に行った後の、地球での俺の扱いはどうなるんだ?」

 違う世界に行った後、俺の存在がどうなるのかは物凄く気になることだ。
 ……これによって結構考え方が変わってくるからな

「心配されなくとも、大丈夫です。キラリ君が違う世界に行ってからはキラリ君の存在は無かった事になりますが、キラリ君が戻りたいと願った時は今日の転移した所にあの時間のまま帰しますので」

「それなら安心だな。あんま友達とかいなかったしそれは大丈夫だけど、あの両親には心配掛けさせたくなかったし」

「やっぱり、キラリ君は優しいですね」

「……そんなんじゃねーよ」

「ふふふ……そういう所も大好きですよ。……それでは少し私について来てください」

 そう言って流奈は、背中の方にある壁の方に向かって歩き出したので、俺はその後を追うようにして付いて行った。
 流奈の言葉にドキッとしたのは、このまま言わないでおこう。


◇◆◇◆◇◆




 今、俺は流奈のゲート? のようなものを通って広い空間に場所を移った。

 そこには、ソファーのようなイスが二つ向かい合わせになるように置かれていた。
 流奈が上に手をかざすと、空から真っ白い紙が落ちてきた。

 それを手に取ると俺の前のイスに座った。

 これを見て俺はおもわず「これは魔法なのか」そう馬鹿みたいな事をつい言葉に出してしまった。

 流奈はクスクスと笑いながら、俺を前のイスに誘導し、俺が座ったのを確認したのか、流奈が俺が転移する異世界についてを話し始めた。

 そんな感じで流奈が話し始めた内容は、実に俺の心が躍る内容だった。








 流奈の話を要約するとこうだ。

 まず、この世界は〝アース・ゼロ〟と呼ばれている。
 この世界には、大きく分けて四つの種族が住んでいるそうだ。
 人間族、魔人族、亜人族、妖精族の四種族である。

 この世界の地形は地球の地形と全く同じで、大まかにいうと、ユーラシア大陸とアフリカ大陸は人間族が、南アメリカ大陸は魔人族が、北アメリカ大陸は亜人族が、オーストラリア大陸は妖精族が支配しているらしい。

 しかし、妖精族はもう四百年間、姿を現しておらず今では大陸の半分を魔人族が支配していて、もう半分も支配しようとしていると言う噂があるそうだ。

 この中でも人間族と魔人族の力が大きく、もう何百年と戦争を続けていると流奈は言った。
 俺はよくある話──テンプレだなぁと思いながら流奈の話しの続きを聞き始めた。

 流奈の言う通りならば、魔人族は固まって行動はとらないが、個人個人の力が強く、それに対して人間族は数の力と言う対抗をして、今まで戦って来たらしい。

 しかし、その状況は一年前に変わった。

 魔人族が神代魔法? と言われる特別な魔法での召喚で、魔王それに魔神を召喚したのだ。
 この召喚によって、戦いの状況は一気に不利になった。

 魔人に対抗していた人はどんどん殺されていき、今の人間族には、もう打つ手なし。
 という最悪の危機を迎える事になったようだ。

 その最悪の危機を俺が救う。

 と言うテンプレかと思ったが、流奈に聞いたところ、流奈いわくもうそろそろ対策が済むから俺は何もしなくて良いと言われてしまった。





「この世界の事をお分かり頂けたでしょうか。……今は最悪な感じですけど、さっきも言った通りその対策はもうそろそろ終わるので心配ご無用です。この世界の事で他に気になる事はありますか」

「いや、全くない。それよりも俺が考えていたのとそっくり過ぎて、物凄く嬉しいくらいだ。この世界だと物凄く大切な記憶が沢山つくれそうだ」

 そんな事を言ってると、流奈は俺を見て恍惚こうこつとした表情を顔に浮かべている。
 何故か聞いてみると、俺のやる気に満ちあふれた顔を見て恍惚な気持ちになったそうだ。

 そんなにやる気で満ち溢れているのかな、
 今の俺? 

「はい、物凄く楽しそうです」

「そうなのか……それより何で俺の心で思っている事が分かるか教えてくれるんだろ」

「ああー、それはですね、さっきの紙が降ってきた時にキラリ君が呟いた〝魔法〟ですよ」

「本当に魔法なんてのが使えるのか? ……いや、魔王とかが居るような異世界だから驚くことでもないか」

 俺は驚き過ぎるのを止めるため、強引に頭の中でまとめることにしといた。
 てか、魔法があるなら適正属性とかもあるんだろうな。全て適正が良いな。

「キラリ君。あることを忘れていませんか?」

「あること? ん……んんぅ、あっ!! 来る前に聞かれた二個目の質問の事か」

「そうです。あの時、キラリ君はチート能力が欲しいと答えましたよね。なのであの後、あなたが望むような最強の能力を私なりに考えましたが、何も思い浮かびませんでした。……なので、私は貴方の望むことを可能な範囲ならば全て叶える事にします。本当に叶えられる範囲ならば何でも良いです。遠慮などは要りませんよ」

「んん〜、そうだな」

 この発言を聞き、俺が思い描くようなチートを考えてみた。

 例えばだが、ワープとか身体能力倍増とか、無詠唱魔法とかなど。
 しかし、色々思いついたのだが流奈が叶えられる可能な範囲が分からないのでまずそれを聞くことにした。

「例えばで良いんだが、どれぐらいの範囲ならばいけるんだ?」

 流奈は、俺の言葉で再度、考え直しているのか下を向き黙り込んでしまった。
 それから数十秒間が過ぎると考えがまとまったのか顔の向きを上に上げた。

「まぁ、そうですね、今の私ならば、地球の物などを持って行ったり、最強のスキルを身につけさせることや、不死身にすることなどができますね」

「……そうか。ならもう少し考えさせてくれ」

「はぁー、予想はしてましたけど……余り長くならないようにしてくださいね」

 流奈の例えの例から、俺の予想を遥かに超えるものが出てしまい、俺はもう一度どうするかを考えた。

 あれも良いなぁ、これも良いなぁと考えていたのだが、ふと流奈を見ると、俺に向かって苦笑いをしていた。

 何故だ、そう考えていると──少し前にした話を思い出した。

 流奈が俺が何かを考えているときは、自分では気づいていず無意識で、小さな声でぶつぶつと言っているらしい。
 その事を思い出したので、念の為、一人で喋っていたかを聞いたら「はい、完全に喋っていました」そう元気な声で返された。

 次からは気をつけようとガチでそう思ってしまった。

 こんな馬鹿みたいな事を考えた後だと、何故か頭がスッキリしていて、直ぐにまとめる事が出来た。
 メモとして書いていた紙に、内容が書き終わったのでこの紙を流奈に渡した。

 その紙に俺が書いた内容は、

一 無限成長

二 不死身

三 アイテムボックス

四 言語理解(全言語)

五 感知スキル(全対応)

六 鑑定スキル

七 創造魔法

八 異能力

 この八つだ。

 書き終わって流奈に渡そうとする時に、俺は「...少し多いか?」と確認の為流奈に聞いたところ「いえ、むしろこのような願いだけで良いんですか? もう少し多くても......」と聞かれたので、この全てが叶えられるのだろう。

 もう少し多くしても良かったのだが、俺はこれだけの能力があれば、大抵のことはどうにかなると思うので、もうこれ以上はいらないと流奈に説明した。

 流奈が納得すると、紙に書いてあることの内容を詳しく教えて欲しいと言って来たので、俺はそれに答えた。
簡単に言ってなのだが。

その内容がこんな感じ。


 まず、無限成長はその名前の通り、努力などをした時その分だけ成長し、それには無限に限界がなく成長し続ける、というものだ。

 人間は努力をどんだけしたとしても成長しないことや、成長したとしても、いつかは成長に限界がくる。
 それが俺にはなく無限に成長し続ける、というものすごく便利な能力と流奈に説明した。


 次の不死身は俺は内容を知らないので、流奈に聞いた。
 本当は死なないという能力だそうだが、俺は病気の症状しょうじょうがあるせいで付けれないから、不死身の一つ下の能力の再生をつけることになった。

 これは流奈いわく、身体の部分が三分の一以上残っていないと再生しないらしく、使え無い能力と言っていたが、これでも充分チートだと思う。


 三つ目のアイテムボックスは俺が読んでいたラノベからとった。
 名前の通りアイテムなどを異空間などに入れておける能力と説明したら流奈は「《次元属性魔法》の応用でできます」と答えてくれた。
 そもそも《次元属性魔法》が何かを教えて欲しい。


 四つ目は流奈もすでにわかっていたらしく「これなら心配しなくても大丈夫ですよ」と言った。


 五つ目の感知スキルは本当に必要なので、流奈に恐る恐る聞いてみたのだが「これぐらいつけるのは、簡単だし、キラリ君だったらすぐに完璧に使いこなせるようになります」と言っていたので心配しなくても大丈夫だろう。


 鑑定スキルのことを話そうとしたら流奈がこれは「大体わかるし、付けるのも簡単だから大丈夫ですよ」と言ったので俺はその言葉を信じて次の説明に移った。


 《創造魔法》は名前の通り、俺が頭の中で考えた魔法を使えるという能力だ。
 これを流奈に説明すると「キラリ君のステータスがあれば……いけるよね」と小声でぶつぶつ言っていたので、多分心配だが俺なら大丈夫そう信じていとこう。


 最後の異能力のことを流奈に説明すると
「もしも、ランダムで良いなら一つじゃあなくていっぱい色んな異能力をつけることが出来ますしよくゲームであるガチャのようにして異能力以外にも色んなのを付ける事が出来ますよ」
 と流奈が良い提案をしてくれたので、迷わず後者のガチャ能力にしてくれと頼んだ。


 こんな感じで俺の希望の能力全てを言い終えると、流奈はたまにしかしない真剣に考えている表情を顔に浮かべた。
 それを数十秒間見ていると、考えがまとまったのかいつ もの表情に戻った。

「このぐらいの数の能力ならば、全てステータスにつけることは可能です。あと、レベルが上がりやすくなるスキルとレベルアップした時にステータスが大幅に上がるスキルも必要になるでしょうからつけておきますね」

 この言葉を流奈が言い終わった瞬間、俺の身体が一瞬光った。
 なんかさっきよりも身体が軽い気がする。そんなことを光が消えると感じた。

「今のは、キラリ君のステータスがさっきの能力を加えた合図です。身体が軽いのは能力が特殊なので体がそれに合わせる為だと思います。頭の中でステータスと考えてください。そうしたらステータスが表示されると思います」

 言われた通りに行うと、俺のステータスが出てきた。









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