女神の加護を持つ死神

つうばく

キラとソラの半日

 俺は今、何故か服屋に来ていた。
 それも、買いにきたのは俺の服では無くソラの服だ。

 そして、ソラが選んだ服を着てそれが似合ってるかを俺が評価するという事になっていた。

「キラリ様、この服は似合ってますか?」
「おお、似合ってるぞ」

 ソラが着ていた服は、赤色のドレスだった。
 透き通った水色の髪に赤色のドレスは似合わないのではと始めは思っていた。
 しかし、意外にも着ている姿を見ると、とても似合っていた。

 ソラは顔を赤く染めると「他のを着てきます!!」と言って、個室へと入っていった。

「キラリ様、次はこれです。その……似合ってますか?」
「これはまた大胆な服だなぁ。けど、似合ってるし大人っぽく見えるぞ」
「有り難うございます。そう言って頂けて嬉しいです」

 次に着て来たのは、ワンピースなのだが、良くビーチで着てそうなやつだった。
 色は秋色みたいなので、胸元が少し開けており、名付けるならセクシーワンピースとかだろう。
 ……自分で考えてなんだがネーミングセンス無いな、俺。

 ソラは先程よりも顔を赤らめ「あと数着ですのでもう暫く付き合ってください」と言いまた個室へと入っていった。

 女子の数着ってどれくらいだ? こういう場合で結構長くなると考えた方が良いのだろうか?
 分からん、そもそも女子と買い物なんてあんましたことないからな。
 うん? 恋人の女神さんはって?
 あの人、買い物のレベル高いから。好きな物を全て買うタイプだから。
 買い物なんて速攻で終わってた。
 なので、あれは悪い見本だ。 

「キラリ様〜、これはどうですか?」
「おお〜、今度はチュニックか。結構似合うなぁ。……それより、何であるんだ、これが?」
「えーと……戦いに参加していない、勇者の方々が広めた様ですよ」
「そうなんか」

 ソラは【世界の真理】を使って、俺のの疑問に応えてくれた。
 食べ物だけでは無く衣服にまで手をだしていたのか……凄いな。
 ここまでいくと車とかまで作ってそう。

「車なら一応ありますよ」
「えっ? マジか」

 車はもうあるそうです。
 ……もうなんでもありだな。
 てか、ここほとんど異世界じゃなくて地球だろ。







 そんなこんなで、ソラが着た服を評価する事、約一時間ソラが買う服を決めた。
 買う事にしたのは、結局全部だった。

 訳は、俺がもう感想が考えつかなかったからだ。
 なので、どうせなら「この店の服を全て買っちゃえ」そう俺は思った。

 そして、ソラに相談すると「分かりました。……実はどれも気に入り過ぎて選べなかったんですよ」と言って、簡単にオーケーをしてくれた。

 服の値段は合計で、値段は三千万程だった。

 三千万を程度って言う俺……。
 結構異世界の文化に染まってるなぁー。
 地球じゃ考えられない。

 まぁ、なんとしろ、俺はデータのお金から三千万を取り出した。
 出てきたのは白金貨三枚だった。

「これ、便利だよなぁ。マジで」
「そうですね。この技術をつくるのには大変苦労された様ですから」
「ん? ……っていう事は、この技術流奈がつくったのか?」
「そうですよ。ステータス事態がそもそもルナ様がつくられましたので」

 やっぱり、見かけによらず凄いよなそう俺は流奈の事を思った。
 ……けど少し思ってしまう。
 この異世界にステータスという物がなかったから、つまんないと思ってやった気がすると。
 考えれば考えるほどそんな気がしてきた。

 そんな疑問を胸に抱きながら、お金を払い店を後にした。

「次はどこ行く、行きたいところとかあるか?」
「そうですね〜……あの、言いにくいのですが……装備を買って貰えないでしょうか......」
「そうか、ソラの分の武器が無かったな。悪いなぁ、気が付かなくて……」
「いえっ、やっぱり大丈夫です。その……要らぬことを申し出てしまいすみません」
「そんな事を言わなくて良いって。武器は買わないけど、良いのがあるから」
「良いのですか?」
「ああ、ちょっとここじゃ出来ないから、一旦部屋に戻るぞ」

 そう言って、俺はソラを連れ、宿の部屋へと戻った。





「おかえり……あれっ、昨日はあんたとお嬢さん二人の三人だったのに、もう別の女かい。そいう事は止めといた方が良いぞ」
「そいうのじゃねーよ。パーティーメンバーだ。元からこいつは。昨日いなかっただけで」
「そうなのかい。早とちりしてしまってすまないね」
「いや、別に気にしてないから良いぞ」
「ありがとね。では、ごゆっくり」

 昨日まで堅苦しい敬語を使っていたサティーとなんでこんなに打ち解けているかというと、あの馬鹿ロリっ子さんが「敬語などいらんのじゃ」などという適当な事を言ったからである。
 まぁ、俺としても敬語で話されるのはどこかこそばゆい感じだったので丁度良かったが。
 それで、こんな感じになったのだ。
 というか、この方が異世界の宿屋っぽくて良い。

 サティーとの会話を終え、俺はソラを連れ自分の部屋へと向かった。

「では、言うぞ。武器を買わずに手に入れる方法」
「その……私はキラリ様の考えが伝わってくるので、その……答えが分かるんですが……」
「ーーあっ!? そうだった。完全に忘れてたわ」
「その、もうこんなの無しで、進めれば良いかと思いますが……」
「そうだなぁ。じゃあ、分かってるとは思うけど、俺は、ガチャでソラの武器と出来れば防具も揃える。いやか?」
「いえ、断る理由などございません。むしろ、喜んでさせてもらいます」

 ソラは俺の提案を、全く断わらず、それどころか喜んでくれた。
 こんなに嬉しい気持ちにしてくれるソラは本当に凄い。
 心から、そう思える。

「ありがとな、ソラ。質問なんだけど……俺の能力はソラ使えるよなぁ」
「はい。キラリ様の能力は全て使えます。逆に、私の能力をキラリ様が使う事も出来ますよ」
「えっ!? 何その能力!? 俺、今、初めて知ったんだけど」
「そうでしたか。……それより、何故、こんな質問を?」
「フッフッフッ……それはだなぁーー俺の能力、ガチャをソラが使って、引くのだ!」
「そいう事でしたか。しかし、私はキラリ様が引いてくれたら嬉しいのですが……」
「いや、こいう時は自分で引きそれを着けるのが良いんだぞ。その方が愛着が湧くだろうしな」

 俺は、ガチャ能力をソラが使えるのかを確認した。
 ソラは俺の能力を使える様だった。

 そして、俺が、ソラに引いてほしい理由を言うと、二つ返事でオーケーをしてくれた。

「では、行きますね」

 そう言って、ソラはガチャ画面を開けた。


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 ガチャ
 〜説明欄〜
 ノーマルガチャは一回1000P
 10連は10000P

 レアガチャは一回10000P
 10連は100000PでSR確定

 ランクは高いのから言うと、
 ???,UR,SSR,SR,R,N(NはA,B,C,D評価されている)

 〜イベント〜

 地上へ転移
(アイテムガチャから珍しい便利グッズが出易くなる)
 武器大排出
(武器ガチャから珍しい槍が出易くなる)

 〜レアガチャ〜
 R~SRだけのガチャ(SSRが稀に出現)


 レアスキルガチャ(このガチャは引けません)

 レア魔法ガチャ(このガチャは引けません)

 レアアイテムガチャ(プラス値アイテム無し)

 レア武器ガチャ(プラス値武器無し)

 レア防具ガチャ(プラス値防具無し)

 レア異能力ガチャ(このガチャは引けません)

 レアガチャ(?)(UR以上確定)


 〜ノーマルガチャ〜
 C~Aだけのガチャ(Rが稀に出現)
(このガチャは全て引けません)

 スキルガチャ(このガチャは引けません)

 魔法ガチャ(このガチャは引けません)

 アイテムガチャ(このガチャは引けません)

 武器ガチャ(このガチャは引けません)

 防具ガチャ(このガチャは引けません)

 異能力ガチャ(このガチャは引けません)



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「何だこの理不尽なガチャは? 何で、レアアイテムガチャとレア武器ガチャ、レア防具ガチャ以外は引けないんだよ」
「それはですね……私はキラリ様の力しか使えないので、私自身で力を得る事は出来ない様です」
「ガチで理不尽だなぁ、けど仕方ないか。まぁ、今回は武器ガチャをする予定だったから良かったけれども……」
「そうですね」

 このガチャに愚痴を言いつつ、ソラは武器ガチャを十連引いた。
 因みにこのガチャのポイントは俺のから引かれるそうだ。
 酷いよなぁ、ガチャは三種類しか引けず、しかもポイントは俺のから。

「……これ作ったやつを見てみたいね。どんな嫌がらせだろうか」
「連絡しときましょうか?」
「冗談だから、やめてください」

 そんな会話をしつつ俺は画面を見る。
 画面では、青い鳥が十羽袋を落とすと飛び去って行き、俺はハズレかと心の中で思った。
 しかし、その次の瞬間にその思いは消えた。

 ーー金色の鳥が一羽飛んで来たのだ。

 これは???の確定演出だ。
 俺は咄嗟にそう判断し、画面を食いつくように見た。


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 レア武器ガチャ


 ・SR《エルフの剣》
 ・SR《発射ナイフ》
 ・SR《手裏剣》
 ・SR《モーニングスター》
 ・SR《仕込み杖》
 ・SR《仕込み杖》
 ・SSR《ピコピコハンマー》
 ・UR《ラブリュス》
 ・UR《ダーインスレイブ》
 ・UR《トライデント》


 アタリ

 ・???《希望の大剣アウロラ



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 説明欄


 ・SR《エルフの剣》
 エルフがつくった剣
 通常の剣に比べ耐久性がある
 通常の剣に比べ攻撃力がある

 ・SR《発射ナイフ》
 バネを使って、遠くに飛ばす
 飛距離は百メートル
 飛ばすと当たったら、ブーメランの様に戻ってくる
 外すと、発射ナイフは消える
 合成可能

 ・SR《手裏剣》
 忍者の武器
 投げると、最高時速百キロ
 これ以上行くと、壊れる
 投げると当たったら、ブーメランの様に戻ってくる
 外すと、手裏剣は消える
 合成可能

 ・SR《モーニングスター》
 鬼の武器
 重さは一トン
 MPを使う事で、重さを軽くできる
 合成可能

 ・SR《仕込み杖》
 隠し武器の一種
 暗殺者の職業専用の武器
 合成可能

 ・SR《仕込み杖》
 隠し武器の一種
 暗殺者の職業専用の武器
 合成可能

 ・SSR《ピコピコハンマー》
 十三歳以下専用の武器
 重さは使用者の年齢によって変わる
 相手への攻撃力は、使用者のHP分の威力

 ・UR《ラブリュス》
 儀式専用の武器
 これを儀式に使う事で、力を得れる
 それ以外の使用をすると、使用者が呪われる

 ・UR《ダーインスレイブ》
 妖刀
 使用者は魔力をコントロールすることができる
 一度抜くと、血を吸うまでは鞘に戻らない
 または、誰かを殺すまで鞘に戻らない
 血を吸うと、攻撃の威力がアップ

 ・UR《トライデント》
 S字に曲がった槍
 とても軽い
 三つまでは分身が出来る
 合成可能

 アタリ

 ・???《希望の大剣アウロラ
 希望の大剣
 青く光り輝く希望が詰まっている
 使い手が剣に認められないと剣を持つことさえできない
 勢いよく振ると斬撃が出る
 希望の力によってパーティーメンバー全てに全ステータスプラス10000(HP、MP含む)
 希望の力によって、斬れないものはない
 希望の力によって絶対に折れない
 希望の力によって全属性の魔法を付与可能
 合成不可能


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「なんか凄いなぁ、今回のガチャ」
「そうですね。私ごときがこんなのを使って良いのか」
「良いんだよ。ほら、希望の大剣アウロラを出してみろ」
「はい」

 そう言って、ソラはステータスを開き、希望の大剣を出した。

「綺麗だなぁ〜」
「はい。そうですね」

 俺は思わず感動を口に出した。

 希望の大剣は、とても長く綺麗な白色をしており、持ち手が多分何かの鉄鉱石で作られているのだが、この部分はとても硬く、それに、刃の部分も持ち手に劣らずむしろ倍以上硬かった。

 ソラがそれを、背中に斜めに掛け装備をすると、それは戦う戦姫を思わせる姿だった。

「似合ってるぞ、物凄く」
「そんな、私には勿体無いお言葉……いえ、ここは素直に言うべきですね。ありがとうございます」
「うん。それで良い」

 けど、本当に似合ってる。
 俺はその言葉以外の似合う言葉が思い浮かばなかった。

「じゃあ、次は、防具だな」
「はい」

 ソラは、防具のガチャを引くためにガチャ画面をまた開け、そして、レア防具ガチャを引いた。








 ーーしかし、レアな防具は当たらなかった。

「もう一度だなぁ」
「いえ、そんな。キラリ様のポイントをこれ以上使うなど……」
「良いんだって。ポイントなんて、何回引いても今の量だと、無くならないのも同然だから。ほら、引いた引いた」
「キラリ様がそう仰られるなら」

 そう言って、またレア防具ガチャを引いた。



 ◇◆◇◆◇◆



 結果的には、もう後、あの会話を五回もした。
 簡単に言えば、計七回ガチャを引いた。

「やっとフル装備出来たな」
「すみません。あんなにもガチャを引いてしまって」
「気にすんな。装備を揃えるためなんだから」
「ありがとうございます」

 出来たフル装備は、オリハルコンを使った銀色の膝下を守るグリーブ、???の銀色の防具で上から下まで守る鎧の二つだ。

 鎧は、ワンピースの様な感じの物だった。
 所々露出しているのでドレスアーマーとも言えるだろう。
 そして、下半身はその鎧から伸びている……なんかで守られている。

 なんかってなんでそんな風なのかだって?
 そんなの本当は別々だったのを合成したからだ。
 鎧と服を合成したらそうなってしまった。
 服の形みたいなのだが、鎧的な感じ。

 しかし、流石は???ランクの装備という事はある。
 とりあえず、この防具の鑑定結果はこれだ。


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 ドレスアーマー(ガチャ品/合成品)
 ランク ???

 合成されたドレスアーマー。
 他アイテムと合成可能。
 着用時防御力三十倍。
 着用時俊敏力三十倍。

 固有スキル
 ・戦姫▽
 ・絶対障壁▽

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「まぁ、名前がドレスアーマーというそのまんまなのは置いておいて、これ本当に凄いよなぁ」
「そうですね。ドレスアーマーの基本は動きにくく防御力が高いですからね。その二つを兼ね備えたこの防具は本当に素晴らしいものですよ」
「そして、この固有スキルも強いよなぁ」


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 所持時以外でも持てるスキル。
 パーティーメンバーのステータスが二倍に増える。
 自身が剣での攻撃時、全てクリティカルが出て、攻撃力二倍に増える。
  
  
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 所持時以外でも持てるスキル。
 どんな攻撃であろうと、全く無視して壊れない。
 着用者以外の者に絶対障壁を付与出来る。
 絶対障壁は魔法も無視し、スキルも無視し、異能力も無視する。


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「やっぱり、この固有スキルがあることで、ちゃんとした防御力を持ってるよなぁ……いや、それ以上か」

 もしかしたら、俺のケーレス・ローブにまで届くかもしれない。
 それならばこれは神の武器とも言えるだろう。

「それに、めっちゃ似合ってるぞ。水色の腕近くまで伸びた髪にその銀色のドレスアーマー、銀色のグリーブ、白色の大剣。まさしく、さっきも思った事なんだが、戦姫を思わせる姿だぞ」
「そんな⁉︎ 私が戦姫なんて……」
「そんなに謙遜すんなって。本当に俺がそう思ってるんだから。ソラはそれらしく堂々としとけ」
「ありがとうございます。キラリ様の言う通りに今後は出来るだけしたいと思います」
「おう。そうしろ」

 本当に俺は、このソラの姿を見て、戦姫だと思った。
 だから、ソラには出来るだけ堂々としておいてほしい。

「あの、そろそろお時間では……」
「ーーッ!? マジじゃん。やばいぞ、早く下の食堂に行くぞ」
「そうですね。もう、ヘーニル様は来てらっしゃいますよ」
「じゃあ、走るぞ」

 俺は、ドアを思いっきり開け、ソラを連れて走って行った。

「すみません、私、まだ、この姿のままなんですけど〜〜!!」

 廊下には、俺に手を持って引っ張られていく、ソラの声が響いたーー


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コメント

  • 瑞樹の相棒ヤゾラっち

    おそらくほとんどの武器よりピコピコハンマーの方が強い件

    7
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