Suicide Life 《スイサイド・ライフ》
■第0話:始まりの物語■
何もかもが嫌いだ…
人間が嫌いだ…
親が嫌いだ…
兄弟が嫌いだ…
姉妹が嫌いだ…
親戚が嫌いだ…
草が嫌いだ…
木が嫌いだ…
自然が嫌いだ…
友達なんかいやしない…
友達がいる奴が嫌いだ…
好かれる奴が嫌いだ…
好かれるのが嫌いだ…
家が嫌いだ…
国が嫌いだ…
世界が嫌いだ…
何もかもが嫌いだ…
目に入るもの全てが嫌いだ…
この世に存在する全てのものが嫌いだ…
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い■■■■■■■■■■■■嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い■■■■■■■■■■■■嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い■■■■■■■■■■■■嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い■■■■■■■■■■■■嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い■■嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い■■嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い■■嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い■■■い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い■■嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い■■嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■■嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い■■嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い■■■い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌■■い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌いだ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
何より…こんな自分が嫌いだ…‼︎
そして、俺は…
そして、私は…
暗い部屋で天井から吊るされたロープで首をきつく絞め…
人気の少ない橋の手すりの上に登り、荒れ狂う川に身投げをし…
今日…
俺は…
私は…
…………………死んだ…………………………はずだった…
……………………………………………………ニカカカカ☆…
■ ■ ■
ここは…何処だ…?
俺は死んだはずじゃあ…
俺は、目を覚ますと真っ暗な部屋の中で横になっていた…
俺は今日、自分の部屋で首を吊って自殺したはずだ…
なのに、なんで生きている…?
周りを見渡すが、暗過ぎて何も見えない…
ただ、言えることが一つある…
ここは、病院のベットの上ではない…
先程から自分が寝ている場所は固く、床のようだ
おかげで、体が痛い…
とりあえず、体を起こし、何か明かりをつけるものはないかと、手をブンブンと振り回してみる…
……………………………………………ムニュッ…
「ヒャッ…‼︎⁉︎」
「は?」
何か暖かく、柔らかいものに触れたと思ったら、そこから、可愛わいらしい声が聞こえた…
「………………。」
もう一度手をブンブンと振り回してみる…
…………………………………バシッッン‼︎‼︎
「い、痛い⁉︎な、なんだ今の⁉︎」
何かが指先に触れたが、強い衝撃を受け思わず声を上げる…
「………え?」
ふとそんな声が聞こえた…
少女のような声が…
「そこに…誰かいるの…?」
再び誰かの声が聞こえる…
「あ、ああ。い、いるぞ?」
その声に答えるように返答した。
あ、そうだ、自殺した時、ポケットの中に携帯が入れっぱなしだったような…
ズボンのポケットに手をっこみ、携帯を探す…
あ、あった…
そして、手探りで、携帯の電源を入れた…
画面がピコンっと光、今まで暗かった部屋が光で照らされる…
「ま、眩しっ⁉︎」
「あ、す、すみません…
お、俺が全部悪いんです。す、すぐに済みますので…‼︎」
携帯の光が強くチカチカするが、目を細めながら操作し、携帯をライトモードに変え、上から蛍光灯のように照らす…
すると、今まで暗くて見えなかった、声の主の姿が見えた…
照らされた顔は、美が付くほどの少女だった…
少女は自分の胸を守るように腕で抱え、顔を赤らめて睨みつけていたが、俺の姿を見るとギョッとした様に、目を見開いた…
少女の体は何故か濡れており、蒼い髪がしっとりとしている。
瞳は青く、サファイアを連想させた…
誰がどう見ようと美少女だと思う…
だが、俺は今、少女に恐怖を覚えていた…
一見少女には恐怖を感じさせる様なものは何もない様に思える…
だが、少女が少女であることが俺にとっては恐怖の原因でしかない…
人間が怖い…
そう…俺は“人間恐怖症”だ…
できれば、近づきたくない…ここから逃げ出したい…話なんかしたくない…
だが、この状況を理解するために少しでも情報が欲しい…
何故俺は死んでいないのか…
何故俺が生きているのか…
平常心をギリギリ保ちながら、勇気を振り絞り、少女に話しかける…
「え、ええっと…あ、貴女…だ、誰?」
「え…?」
な、何かおかしな事を聞いてしまったんだろうか…?
何故か少女の顔が曇った気がした…
そして、次の瞬間…
バッ‼︎と上から丸い光で姿を照らされ、お互いの姿がはっきりと見えるようになる…
それに驚き、俺と少女は思わず立ち上がった…
「レディースアンドジェントルマン‼︎‼︎
ウェルカム‼︎ようこそ‼︎‼︎ボーイ、アンド、ガール‼︎」
何処からか声が聞こえる
まるで、今からサーカスでも始まるかのような男の声が聞こえる…
い、一体何処から聞こえるんだ?
だ、誰の声なんだ?
辺りを見渡すが、相手は見えない…
少女も挙動不審のようで、ワタワタしている…
「君達2人は‼︎
選ばれし者‼︎
誰が選んだ‼︎
私が選んだ‼︎
そして、私がここに呼んだ‼︎
そして、私の名前は…」
バッ‼︎と目の前に新たな光が照らされた
その光の円の中に、1人の少年がお辞儀をしている…
何故か少年はピエロのような姿をしており、ニカカカカ☆と笑っている
「私の名前は、ジョーカー‼︎
以後お見知り置きを…‼︎」
■ ■ ■
ピエロの少年はニカニカ☆と笑い2人を交互に見つめる…
そして、ニンマリと笑った
「うん。見事な腐りっぷりだ☆
流石私‼︎私は見る目がある‼︎
腐って腐って腐り切った者を見抜ける目がある‼︎
そして君達2人は私が見抜いた‼︎
これ以上にないほどまで腐っている‼︎
素晴らしい‼︎素晴らしい‼︎素晴らしい‼︎
ああ‼︎‼︎私は運がいい‼︎
これ程まで腐った君達に巡り会うことができるとは‼︎
ニカカ☆ニカカカカ☆
良い‼︎良い‼︎実に良い‼︎
君達こそゲームの出場者にふさわしい‼︎
ニカカカカカカカ☆
おっと、独り言が多いようだ☆
ニカカカカ☆」
何を言っているんだこいつは…?
明らかに狂っている…
腐っている?ゲーム?何のことだ?
全く頭が追いつかない…
少女の方も訳が分からず口を開いてポカーンとしている…
俺と少女がポカーンとしていると…ピエロの少年は手を大きく広げた
「では‼︎ゲームのルールを説明する‼︎
このゲームは‼︎
昨日、“同時に自殺した”君達2人だけが参加できるゲームだ‼︎」
同時に自殺…?
どういうことだ…?
まさか、この少女も俺と同じように自殺したというのか…?
「ルールは簡単‼︎
君達が見たことない“異世界”に行き“1年間”過ごすことだ‼︎」
「「………………は?」」
異世界?え?どういう事だ?
「だが、それだけじゃ終わらない‼︎
それがこのゲームの面白いところだ‼︎
君達2人はこれからその異世界の何処かにお互い違う場所に召喚される‼︎
そして、君達2人が再び巡り会い‼︎
君達2人のどちらかが“相手を思い出す”‼︎
これが、ゲームクリアの条件だ‼︎」
相手を思い出す…?
つまり、俺はこの少女のことを知っているのか…?
ますます、頭が混乱してくる…
「ただし‼︎このゲームをクリアできるのはたった1人‼︎
君達のどちらかがゲームクリアとなる‼︎
ゲームをクリアした方には何でも一つだけ‼︎“願いを叶えてあげよう”‼︎
クリア失敗した方には強制的にロスト‼︎つまり死んでもらうことになる‼︎
因みに‼︎どちらも思い出せなかった場合‼︎強制的ロストしてもらう‼︎
ニッカ☆ニカカカカ☆
君達腐った2人、どちらがクリアするか結果が楽しみで仕方がない☆
存分に私を楽しませてくれよ?
お・ふ・た・り・さ・ん☆」
願が…叶う…?
クリア失敗したら死ぬ…?
「あ、言い忘れていたけど、異世界に召喚された後、お互いの顔…忘れちゃうから注意してね☆」
「「……………え?」」
「それってどういうk…」
「それでは‼︎
ゲーーーーーーーム‼︎‼︎
スタートォオ‼︎‼︎‼︎」
少女が何か言おうとしたが、ジョーカーはそれを阻止するように声を上げ、ゲームをスタートさせた…
が…
“何も起きない”…
辺りを見ても、さっきから立っている真っ暗な部屋だ…
すると…
「何が出るかな☆何が出るかな☆何が出るかな☆」
と目隠ししたジョーカーが歌いながら二本のナイフを持ち、いつの間にか照らされた、ぐるぐる回る地図に向かってナイフを構えていた…
「って召喚される場所ダーツで決めるの⁉︎」
そんな少女のツッコミを無視し、「テイッ☆」と言ってナイフを投げた…
そして、ナイフが地図に刺さった瞬間…
バカッ‼︎と“足元にに穴が開いた”…
「「え?」」
それは少女の方も同じだったらしく、声を上げた…
そして、重力に逆らえるはずもなく、落下する…
「「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」」
「言ってらっしゃ〜い☆」
グルングルンと穴が唸り、ジェットコースターに乗ったように恐怖に襲われる…
そして、足元から光が見えたかと思うと、穴から外に出た…
が…
「え…?」
そこは、空の上だった…
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア‼︎‼︎‼︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
『結構を楽しみにしているよ☆』
落下している途中…そんな声が聞こえたような気がした…
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」
悲鳴を上げながら“神崎 裕翔”はさらに落ちていった…
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