TUTORIAL-世界滅亡までの七日間-
第4話-覚醒-
「<虚なる勇者が命じる。汝、その身に纏う実を脱ぎ去り虚を衆目に晒せ。>"虚像解除"」
私の放った魔族の擬態を見破る魔法は人間である他の者を透過し、例のメイドだけを押し出した。
押し出された反動で尻餅をつくメイドと私たち勇者の間に居る人は左右に割れ、モーゼの十戒の如き光景が出来上がっていた。
「真帆ちゃん?今のって魔法なん?」
「いや、そんなはずは。嘉多無さんは勇者では無いはずです。なら魔法を使うことなんて出来ないんじゃ?」
「なら今のは?不自然にあのメイドさんが倒れたけど。」
その光景を見た他の勇者たちの視界は私とメイドを行ったり来たりしていた。
「おのれ、下等な異世界人めが。」
そんな中、メイドは女性の声ではなく、獣の唸り声のような野太い声でそう言い、立ち上がる。
「ま、魔族!?」
広間に集まった誰かの声が聞こえる。
「この俺様を地に付けてただで済むと思うなよ?予定にはなかったが、この国諸とも今回は俺様が滅ぼしてやる。」
そう言うとメイドの皮膚が黒ずみ、不自然に盛り上がっていく。
「<人形遣いが命じる。我が元に集いし人形に入らざる御霊よ、その怨嗟を以て、更なる人形を作らんと欲せ。欲望に呑まれて解き放て!>"人形悲劇"」
メイドから黒い皮膚を持ち、額に角の生えた完全な魔族へと変化し、魔法を唱える。
魔族の放った魔法は私の物とは違い、魔族の周りにまとわりつくように浮遊する光の玉を作る。
モービルなスーツの周りを浮遊してそうな見た目だね。
「まずは異世界人、お前らからだ!この国を救うはずのその力でこの国を滅ぼせ!」
魔族が私たちに標的を定めると周りに浮かぶ光の玉は勇者に向かって飛んでくる。
しかし、その光の玉はそれぞれの勇者が斬り、叩き潰し、貫き、撃ち抜き、弾き尽く消し去る。
ついでに私に飛んできた玉は聡介君によって消し去られてる。
「ありがとう。聡介君。」
「ぼさっとしとるな。あいつ弱そうやけど真帆ちゃんは神器貰って無いんやから気い抜いたらアウトやろ?」
「何故だっ!?何故お前ら程度に俺様の魔法が効かないっ!何をした!」
私たちに自分の魔法が防がれると思わなかったのか、魔族は次の詠唱に入ることもせずただ狼狽える。
「お前が、お前が拳成を嵌めたのか。お前のせいで拳成はっ!」
そんな魔族を阿樟君は睨み付け、手に持つ斧の柄を強く握りしめる。
「あんな間抜けのことはどうでもいい!今のは何かの間違いだ!俺様の魔法はお前ら程度に防ぐことは出来ないはずなんだ!
<人形遣いが命じる。我が元に集いし人形に入らざる御霊よ、その怨嗟を以て、」
魔族は先ほどとは比べ物になら無いほど大きな魔力を纏いながら再び詠唱に入る。
それと同時に阿樟君が飛び出す。
「更なる人形を作らんと欲せ。欲望に呑まれて解き放て!>」
「拳成は間抜けなんかじゃないっ!"火精斧"」
魔族の目の前まで距離を詰めた阿樟君の振り上げる斧が阿樟君の怒りに呼応するかのように炎を纏い、刃で蜥蜴のような形を作る。
「おぉぉぉぉ!」
「"人形・・"」 
ギャオォッ
魔族が魔法を完成させる前に阿樟君の攻撃が魔族に届き、斧から飛び出した蜥蜴形の炎によって魔族の左肩にまとわり付き、体に沿って延焼していく。
「ぐぁぁぁ!あづっ!!ま、"人形悲劇"!」
ボッ
ドサッ
そのまま燃え尽きるかと思われた魔族は最後の力を振り絞り、あろうことか自分の左の肩から先を完成した魔法で炎もろとも吹き飛ばす。
「はぁ、はぁ、くそがっ!てめぇらは殺す!確実に、大袈裟に、惨たらしく殺す!今は退くが精々後数日の命。存分に楽しむがいい!」
左肩を失った魔族は私たちに向けて恨み言を放つとスゥっと姿を薄れさせ、反応するより先に消えていった。
「逃げた!?」
「まてっ、拳成の居場所はどこだ!」
裕美さんと阿樟君の声が重なる。
広間に集まった人たちは今の一連の流!に着いてこれずに思考停止している。
「逃げられた・・・。いや、まだ間に合う。」
私は魔族が逃げたことを認識するとすぐに床に落ちた魔族の腕が燃え尽きていないことを確認する。
「よし、いける。<虚なる勇者が命じる。汝を標とし、主への道を指し示す虚ろなる光となれ。>"玉標"」
私の魔法は燃え尽きる寸前の魔族の腕を包み込み、ピンポン玉程度の大きさになる。
「真帆ちゃん、次は何したん?」
私の魔法を見ていた聡介君が代表して質問してくる。
「これは追跡魔法だよ。本当は対象自身に当てなくちゃいけないんだけど、運良く体の一部を残していってくれたからね。燃え尽きる前に魔法が当たってよかったよ、ほんと。」
「真帆ちゃんはあれを体の一部を残していったと捉えるんか。何か倒れてから性格変わってない?偽者?」
「失礼な!私は初めから私だよ!仕方ないでしょ。この世界は地球と違うんだから性格も変えていかなきゃいけないし。何よりも魔族を逃がしたら拳成君の行方が本当に分からなくなっちゃうからね。」
私はそう言って床に転がる玉を拾う。
その玉は闇を閉じ込めたビー玉のように、黒い靄が透明の玉の中で蠢いていた。
靄は僅かに玉の端に寄っている。
「で?それで何が分かんの?」
「この靄が対象の位置に向かって集まってくれるんだ。端に寄るほと遠く離れた場所に居て、中心に近かったら近くに居るってわかるの。」
私は玉を覗き込む。
それに釣られて他の勇者も寄ってくる。
「そんで、どーなん?」
私の手に乗る玉の中の靄の位置は明らかに玉の端に寄っている。
「相当離れられたみたいだね。これは今日中には厳しいかな。」
「そんなっ!その間に拳成が殺されるかもしれないんだぞ!」
すぐの追跡を諦めた私に阿樟君は声を荒げるが、そこに裕美さんが入ってくる。
「落ち着け、阿樟君。奴等が勇者の一人という大きな駒をそんな簡単に手放すはず無いだろう。今日で私たちに対する憎悪が増大したんだ。私が魔族なら拳成君を餌に私たちを誘きだそうとするだろう。」
裕美さんの言葉に阿樟君は不承不承引き下がる。
「でも可能なん?確かに阿樟の技は魔族に当たったし効果もあったけど、今回はあいつ油断しとったやろ?次は確実に本気で来るで?」
聡介君の指摘に皆黙り込む。
まぁこの世界に来て三日目で命を狙う者が出てきたんだし、高校生にはキツいかな。
「そんなの、また俺の技を当てれば、」
「だーかーらー、どうやって当てんのや?って話や。阿樟の技は思っきり接近戦用やろ?魔族が近づいて来んかったらどうすんのや?当てれるんか?」
「じ、じゃあ氷村さんの弓で、」
「無理だろうな。私は弓道の心得はあるが生き物に向けて射った事はない。何発か外した後に警戒されるのがオチだ。」
阿樟君の作戦とも呼べない言葉に聡介君と裕美さんがダメ出しを続ける。
「せめて遠距離から攻撃できる技があれば。」
「あれ?そういえば真帆ちゃんって魔法使えたよな?あれ何なん?」
「そ、そうだ!嘉多無さんの魔法なら、」
「私の魔法じゃ厳しいかな。基本的に補助系ばかりで攻撃系がないし。」
「なら、俺たちにも魔法を教えてくれよ!」
「おい、阿樟君。流石にそれは虫が良すぎる。嘉多無さんだってきっと苦労して、」
「え、いいよ?」
阿樟君の自分本位な言葉に剣慈君がついに注意しようとするが、私はあっけらかんと答える。
「元々皆にも覚えてもらうつもりだったしね。・・・誰かこの城で一日締め切っても構わない場所に心当たりはありませんか?」
私は次にこれから行うことに支障が出ない場所を探す。
「それなら会議室がよろしいかと。案内の後、誰にも近付かないよう取り計らいましょう。」
私の質問に答えるのはやはり執事さん。
もおね、本当に異世界の執事さんって有能すぎて怖いわ。
広間に集まってもらった人たちを解放した後、私たち勇者組は執事さんの案内で会議室へと向かう。
「こちらでございます。この部屋は内から鍵をかけられ、外から鍵を開けることはできません。防音もしっかりとしていますので話が外に漏れることもありません。御用の際は室内にあるベルを鳴らしてください。こちらのベルを鳴らすと執事室の別のベルが連動して鳴り、私に伝わる様になっていますので。では、私はこれで。」
執事さんはこの部屋の使い方をザッと説明すると頭を下げて立ち去っていく。
彼の言った通り扉の外側には鍵穴らしき物はなくノブがあるだけだ。
「「「「「「本当パないわー。」」」」」」
私たちは立ち去る執事さんのいや、執事様の背中を見送り声を揃える。
「さ、時間もないし部屋に入ろうか。」
私の言葉でみんなはゾロゾロと部屋に入っていく。
「そんで、何の説明もなしに俺たちを会議室に集めた理由は?」
会議室の鍵を閉め、みんなが席に着いた後、聡介君がみんなの気持ちを代弁して質問する。
「そうだね。簡単に言うとみんなにもレベルアップして貰おうと思って。」
私はそう言うと日記とセットで持ってきた6つになったキーホルダーを取り出す。
私の放った魔族の擬態を見破る魔法は人間である他の者を透過し、例のメイドだけを押し出した。
押し出された反動で尻餅をつくメイドと私たち勇者の間に居る人は左右に割れ、モーゼの十戒の如き光景が出来上がっていた。
「真帆ちゃん?今のって魔法なん?」
「いや、そんなはずは。嘉多無さんは勇者では無いはずです。なら魔法を使うことなんて出来ないんじゃ?」
「なら今のは?不自然にあのメイドさんが倒れたけど。」
その光景を見た他の勇者たちの視界は私とメイドを行ったり来たりしていた。
「おのれ、下等な異世界人めが。」
そんな中、メイドは女性の声ではなく、獣の唸り声のような野太い声でそう言い、立ち上がる。
「ま、魔族!?」
広間に集まった誰かの声が聞こえる。
「この俺様を地に付けてただで済むと思うなよ?予定にはなかったが、この国諸とも今回は俺様が滅ぼしてやる。」
そう言うとメイドの皮膚が黒ずみ、不自然に盛り上がっていく。
「<人形遣いが命じる。我が元に集いし人形に入らざる御霊よ、その怨嗟を以て、更なる人形を作らんと欲せ。欲望に呑まれて解き放て!>"人形悲劇"」
メイドから黒い皮膚を持ち、額に角の生えた完全な魔族へと変化し、魔法を唱える。
魔族の放った魔法は私の物とは違い、魔族の周りにまとわりつくように浮遊する光の玉を作る。
モービルなスーツの周りを浮遊してそうな見た目だね。
「まずは異世界人、お前らからだ!この国を救うはずのその力でこの国を滅ぼせ!」
魔族が私たちに標的を定めると周りに浮かぶ光の玉は勇者に向かって飛んでくる。
しかし、その光の玉はそれぞれの勇者が斬り、叩き潰し、貫き、撃ち抜き、弾き尽く消し去る。
ついでに私に飛んできた玉は聡介君によって消し去られてる。
「ありがとう。聡介君。」
「ぼさっとしとるな。あいつ弱そうやけど真帆ちゃんは神器貰って無いんやから気い抜いたらアウトやろ?」
「何故だっ!?何故お前ら程度に俺様の魔法が効かないっ!何をした!」
私たちに自分の魔法が防がれると思わなかったのか、魔族は次の詠唱に入ることもせずただ狼狽える。
「お前が、お前が拳成を嵌めたのか。お前のせいで拳成はっ!」
そんな魔族を阿樟君は睨み付け、手に持つ斧の柄を強く握りしめる。
「あんな間抜けのことはどうでもいい!今のは何かの間違いだ!俺様の魔法はお前ら程度に防ぐことは出来ないはずなんだ!
<人形遣いが命じる。我が元に集いし人形に入らざる御霊よ、その怨嗟を以て、」
魔族は先ほどとは比べ物になら無いほど大きな魔力を纏いながら再び詠唱に入る。
それと同時に阿樟君が飛び出す。
「更なる人形を作らんと欲せ。欲望に呑まれて解き放て!>」
「拳成は間抜けなんかじゃないっ!"火精斧"」
魔族の目の前まで距離を詰めた阿樟君の振り上げる斧が阿樟君の怒りに呼応するかのように炎を纏い、刃で蜥蜴のような形を作る。
「おぉぉぉぉ!」
「"人形・・"」 
ギャオォッ
魔族が魔法を完成させる前に阿樟君の攻撃が魔族に届き、斧から飛び出した蜥蜴形の炎によって魔族の左肩にまとわり付き、体に沿って延焼していく。
「ぐぁぁぁ!あづっ!!ま、"人形悲劇"!」
ボッ
ドサッ
そのまま燃え尽きるかと思われた魔族は最後の力を振り絞り、あろうことか自分の左の肩から先を完成した魔法で炎もろとも吹き飛ばす。
「はぁ、はぁ、くそがっ!てめぇらは殺す!確実に、大袈裟に、惨たらしく殺す!今は退くが精々後数日の命。存分に楽しむがいい!」
左肩を失った魔族は私たちに向けて恨み言を放つとスゥっと姿を薄れさせ、反応するより先に消えていった。
「逃げた!?」
「まてっ、拳成の居場所はどこだ!」
裕美さんと阿樟君の声が重なる。
広間に集まった人たちは今の一連の流!に着いてこれずに思考停止している。
「逃げられた・・・。いや、まだ間に合う。」
私は魔族が逃げたことを認識するとすぐに床に落ちた魔族の腕が燃え尽きていないことを確認する。
「よし、いける。<虚なる勇者が命じる。汝を標とし、主への道を指し示す虚ろなる光となれ。>"玉標"」
私の魔法は燃え尽きる寸前の魔族の腕を包み込み、ピンポン玉程度の大きさになる。
「真帆ちゃん、次は何したん?」
私の魔法を見ていた聡介君が代表して質問してくる。
「これは追跡魔法だよ。本当は対象自身に当てなくちゃいけないんだけど、運良く体の一部を残していってくれたからね。燃え尽きる前に魔法が当たってよかったよ、ほんと。」
「真帆ちゃんはあれを体の一部を残していったと捉えるんか。何か倒れてから性格変わってない?偽者?」
「失礼な!私は初めから私だよ!仕方ないでしょ。この世界は地球と違うんだから性格も変えていかなきゃいけないし。何よりも魔族を逃がしたら拳成君の行方が本当に分からなくなっちゃうからね。」
私はそう言って床に転がる玉を拾う。
その玉は闇を閉じ込めたビー玉のように、黒い靄が透明の玉の中で蠢いていた。
靄は僅かに玉の端に寄っている。
「で?それで何が分かんの?」
「この靄が対象の位置に向かって集まってくれるんだ。端に寄るほと遠く離れた場所に居て、中心に近かったら近くに居るってわかるの。」
私は玉を覗き込む。
それに釣られて他の勇者も寄ってくる。
「そんで、どーなん?」
私の手に乗る玉の中の靄の位置は明らかに玉の端に寄っている。
「相当離れられたみたいだね。これは今日中には厳しいかな。」
「そんなっ!その間に拳成が殺されるかもしれないんだぞ!」
すぐの追跡を諦めた私に阿樟君は声を荒げるが、そこに裕美さんが入ってくる。
「落ち着け、阿樟君。奴等が勇者の一人という大きな駒をそんな簡単に手放すはず無いだろう。今日で私たちに対する憎悪が増大したんだ。私が魔族なら拳成君を餌に私たちを誘きだそうとするだろう。」
裕美さんの言葉に阿樟君は不承不承引き下がる。
「でも可能なん?確かに阿樟の技は魔族に当たったし効果もあったけど、今回はあいつ油断しとったやろ?次は確実に本気で来るで?」
聡介君の指摘に皆黙り込む。
まぁこの世界に来て三日目で命を狙う者が出てきたんだし、高校生にはキツいかな。
「そんなの、また俺の技を当てれば、」
「だーかーらー、どうやって当てんのや?って話や。阿樟の技は思っきり接近戦用やろ?魔族が近づいて来んかったらどうすんのや?当てれるんか?」
「じ、じゃあ氷村さんの弓で、」
「無理だろうな。私は弓道の心得はあるが生き物に向けて射った事はない。何発か外した後に警戒されるのがオチだ。」
阿樟君の作戦とも呼べない言葉に聡介君と裕美さんがダメ出しを続ける。
「せめて遠距離から攻撃できる技があれば。」
「あれ?そういえば真帆ちゃんって魔法使えたよな?あれ何なん?」
「そ、そうだ!嘉多無さんの魔法なら、」
「私の魔法じゃ厳しいかな。基本的に補助系ばかりで攻撃系がないし。」
「なら、俺たちにも魔法を教えてくれよ!」
「おい、阿樟君。流石にそれは虫が良すぎる。嘉多無さんだってきっと苦労して、」
「え、いいよ?」
阿樟君の自分本位な言葉に剣慈君がついに注意しようとするが、私はあっけらかんと答える。
「元々皆にも覚えてもらうつもりだったしね。・・・誰かこの城で一日締め切っても構わない場所に心当たりはありませんか?」
私は次にこれから行うことに支障が出ない場所を探す。
「それなら会議室がよろしいかと。案内の後、誰にも近付かないよう取り計らいましょう。」
私の質問に答えるのはやはり執事さん。
もおね、本当に異世界の執事さんって有能すぎて怖いわ。
広間に集まってもらった人たちを解放した後、私たち勇者組は執事さんの案内で会議室へと向かう。
「こちらでございます。この部屋は内から鍵をかけられ、外から鍵を開けることはできません。防音もしっかりとしていますので話が外に漏れることもありません。御用の際は室内にあるベルを鳴らしてください。こちらのベルを鳴らすと執事室の別のベルが連動して鳴り、私に伝わる様になっていますので。では、私はこれで。」
執事さんはこの部屋の使い方をザッと説明すると頭を下げて立ち去っていく。
彼の言った通り扉の外側には鍵穴らしき物はなくノブがあるだけだ。
「「「「「「本当パないわー。」」」」」」
私たちは立ち去る執事さんのいや、執事様の背中を見送り声を揃える。
「さ、時間もないし部屋に入ろうか。」
私の言葉でみんなはゾロゾロと部屋に入っていく。
「そんで、何の説明もなしに俺たちを会議室に集めた理由は?」
会議室の鍵を閉め、みんなが席に着いた後、聡介君がみんなの気持ちを代弁して質問する。
「そうだね。簡単に言うとみんなにもレベルアップして貰おうと思って。」
私はそう言うと日記とセットで持ってきた6つになったキーホルダーを取り出す。
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