【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版

ノベルバユーザー203195

魔王狩り編 四話目

「あー、これ俺たちが仕事する必要あんのかね?」


民達がばったりと深い眠りに落ちた夜。


男は、クレハ、紅い騎士と愉快な土塊達とともに、ユウ達のいる街に到達していた。だが、
彼らの眼前には、合わせて八人分の死体が重なるようにして何者かに殺害された跡があった。


「結論から言うと、あくまで仕事が一つ減ったまでよ。全く、誰が殺ったのかしら」


クレハはしゃがみながら答えた。優しく死体に近づき、まるで我が子を撫でるが如き手付きで死因を弄り始めた。


「うっげぇー、無理無理・・」


手を顔の前でヒラヒラさせ、無理だ、とジェスチャーする男。しかし、優しい手付きながら死体を弄るクレハは無表情だった。


「これはヒドいわね。葬り去るって事を全く考慮してない殺し方・・・。苦しまない訳がないわ」


クレハは死体の首元を指した。暗闇のなか、男は松明でクレハの指し示す位置を松明で照らした。


「うぉっ・・・」


「少なくとも刃物で切り裂いたような跡ではないわね。形状としては、パイプとか硬い棒とか・・・、そういうやつで抉られたかのような」


「よく見るとよぉ、焼け焦げたような跡もあるぜ・・・。ウプッ、気持ち悪ぃ」


「さすがプロ。私そっちには詳しくないから」


「ケッ。別に詳しくなろうと思って詳しくなったワケじゃねぇよ」


「フフッ」


彼女にしては珍しく仕事中に笑みを浮かべた。彼女はもともと仕事に私情を挟まないタイプだったが、長年コンビを務めてきた男も珍しいと感じていた。


(俺もやっとこいつに認められて来たっつーこったか?)


そんな事を内心思う男であったが、仕事にはそんな私情は必要無いと切り替え緩みかけた心を引き締めた。


「紅の騎士」


『・・・・』


暗闇の中でも視認できるくらい明るい紅の鎧は、その前に尖ったヘルメットであるべき彼女の女性的なパーツを著しく消失してしまっている。スカート型の腰部装甲によって辛うじて女性的なシルエットが出ている。


「あなたは例の包囲網を展開して待機。一応確認したまでよ」


彼女は了解、と言わんばかりに一瞥し、そのまま背後の愉快な土塊達を引き連れて暗闇に消えた。
土塊達には武装してあり構える武器こそ違えど近接武器、中距離武器、遠距離武器の三部隊が存在しており、彼女が引き連れていたのは遠距離武器部隊である。


「バルバトス、例の『魔道装置』の設置を」


「了解了解」


バルバトス、と呼ばれた男は、松明を足で潰し消し、高さ十メートルの壁をひょいと飛び越え、土塊達もぞろぞろとそれに続いた。そして壁に等間隔に並び始めた。


「夜が明けたら・・・行動開始だ。民には罪はないだろうが、悪いが全員人質になってもらう」

          

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