【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版

ノベルバユーザー203195

十一話目

悩んでいても仕方ないな、と思った。
蟹の挽き肉を見た。スプラッタな事には変わりがないが、蟹は蟹である。


「み、ミカゲさん・・・。腹、減らない?」


「お、おい・・・。ま、まさかじゃないが、その蟹を取って喰おうって訳じゃないだろうな・・・・?!」


「だっ、大丈夫・・!俺、料理は得意な方だから!」


一瞬訝いぶかしむような表情を見せるミカゲさんだったが、


「な、何か手伝うことはあるか?一応、調理器具は持ってきたぞ・・?」


彼女が首から提げていたバッグからは、銀色のミニ鍋と水筒(一リットル)、竹っぽい何かで出来た調味料入れ(醤油っぽい何か、塩、胡椒が入っていた。調味料とは、なかなか用意周到だな)、フライパン返しが出できた。


「これさえあれば何とかなる・・・と思う・・・」


あとはそこら辺から火をもらって薪をすれば簡単に蟹料理が出来るだろう。何か沢山燃えてるしな。


「ミカゲさん、火を頼める?そこら辺にあるやつでいいから」


俺は、一応家庭科は毎年成績がトップだった記憶がある・・・。まあ、今頃学校がどうなってるかなんて、わかんないんだけどな。


―――――――――――――――。


『料理は得意な方だから!』


料理・・・?


ミカゲは悶々と考えていた。燃え盛る巨大樹から、枝に火を移しながら。


記憶が無いのに、ユウは断言した。


自分は料理が出来る人間である、と断言して見せた。
記憶が本当に無いのなら料理なぞした記憶も無いはずである。


ということは、最初あったときのくだり・・・・。記憶が無い、というのを否定してしまった、ということになる。


(ふっ。そんなことだろうとは思ったよ・・。)


恐らく、記憶が無いと嘘を吐いたのは、こちらの世界での便宜を図る為であろう。


でも、私は構わない。そういうことなら、私は彼を助け続けることにしようか。


「ユウ!火を持ってきたぞ~?」


「うん!ありがとう!」

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