【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版

ノベルバユーザー203195

十三話目

今、確かに爆音が聞こえた。凄まじくかすかにだが、聞こえた。


恐らくスキルの『肉体強化』のせいだろうが、爆発音の中に金属音が混じっていた。


気のせいかな?でも、まさか。


「まさか、戦闘・・・?こんな山奥に、他に誰か居るのか?キオちゃんの言っていたハンターってヤツなのかな?」


やっと火の通った蟹肉に塩をぶち込みながら、考える。


俺みたいな大火力で戦える人がいるのかも知れないが、にしては大きな音だったような気がする。


まさか、



打ち上げ花火・・・?



まさかァ!おバカな方向に思考が回りそうになったとき、


「んむう・・・・」


ミカゲさんが目を覚ました。胴着の襟を正しながら立ち上がる。なかなか艶やかな動作だ。


「わ、私はどれくらい寝ていた・・・?」


「一時間くらいだと思う」


ふわぁ~、とあくびをしつつ、眠そうな目で辺りを見渡している。


「どうする?スープ出来たけど」


「食べるぅ・・・・」


スプーンと一緒にスープを渡す。


「はむっ・・・。‼ うまっ!なんじゃこれ!?」


物静かだった彼女ががっついている。ものの数分で抱え込む様にして食ってしまった。
塩しかぶち込んでないのに、そんなにうまいか?蟹肉が旨いのかな?


「ユウは要らないのか?」


「う~ん、そうだな・・・。要らないかな」


蟹をぶちのめし、その前には大火力で大量のカテマラを焼き払っておいて、全く空腹感がない。


「・・・・どうかしたのか?」


「えっ?」


「考え事してるだろ?」


・・・読心術かな?
隠す意味も無いしいいかな。


「・・・・・実は、さっきどこかで爆発音がしたんだ。その音の中に、かすかに金属音が混じってた」


「ほう。この辺りで人が居るのは奥の村だけだと思ったが、もしかしたら、そこで何かあったのかもな」


「村・・・。可能性がない訳じゃ無さそうだ。行ってみないか?」


「ああ。さっき別れた馬車を捕まえなきゃな」


一休みしてから俺たちは、馬車を捕まえて、その『村』に行ってみる事にした。


――――そこで何があるかも知らずに。

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