【目指せ400PV】RPGっぽい世界に飛ばされて魔物と戦う話 改定版
とりま一話目
春爛漫。路上一面に満開の桜が咲き、暖かい風が吹き、桜が散り、毛虫が舞い、俺のバッグにぺとりとくっつく。
「ほぎゃらあっ!?」
あらぬ悲鳴を上げた俺―――立儀 ユウは、ビクッとして毛虫を振り払おうとした。
だが、何を思ったのかなかなか離れない。ひしっ、としがみついている。
あろうことか、そのまま俺の腕の方にうねうね進撃を始めた。
もうだめだ死ぬしかないと思った瞬間、
「毛虫?w そんなのにじゅーりんされてんの?おもろw」
俺の幼馴染みのハルカがひょいと毛虫をつまみ上げ、桜の木の幹にくっつけてしまった。
名前でわかると思うがハルカは女で、いつもどんなときもさばさばボーイッシュだ。
運動部の女子と仲がよく、男子が女子と揉めた時は大体ハルカが仲裁に入っている。
だから、女子の味方としてはかなり人気が高い。
いつも、帰り道は後ろから追いついてきて、ブラックジョークや強引な買い物で振り回されるのだが、最近は何かと振り回す力が弱くなった気がする。
「虫嫌い、直しなよw」
ちょっと先に歩いてくるりと後ろを振り返り、あどけなさと小悪魔みたいな意地悪さが混じった表情ではにかんだ。
「うっせぇ!お前こそ何で女なのに毛虫さわれんだよ!」
「ふっふー、舐めんなよ?」
チッチッチッ、と人差し指を横に振りながら唇を尖らせて言うハルカ。
正直に言おう。こんなに大雑把なハルカに、恋愛感情を抱いたことのない訳ではない。
だが、小6の時に告白して成功したのが最後ぐらいで、高校生になった今では回りを気にしてお互いに顔を会わせなくなった。クラス替えもあったりしたしねぇ。
まあ、フツーだろ?回りを気にすんのは。
あれやこれや雑談している内に、とある交差点についた。
ここは交通量―――特にトラックが多くて、チャリで通う奴らに恐れられている。
さらに、正面に急カーブがあるから曲がりきれないトラックがガードレールに激突する哀れな事故が多発していた。
信号を調節すればなんとかなる気がするのだが、こんなとこにわざわざ来るほど業者は暇じゃないか。
そう考えた矢先だった。
曲がりきれない大型乗用車が、タイヤから煙を上げながらドリフトで突撃してくるのが正面に見えた。
「!!」
瞬間的にハルカを両腕で歩道の奥に突き飛ばした。
「ユウーーーーーっ!」
ハルカの叫ぶ声が耳のバックグラウンドに響く。
車はドリフトでガードレールに激突し、そのままのスピードで突っ走ってきた。
ガードレールの破片が俺の脇腹や腕に突き刺さって、血飛沫を上げた。
本来なら死んでもおかしくなかったが、不思議と痛みはない。きっとアドレナリンってやつが出てるんだろう。
やがて、俺の体と乗用車の車体が激突し、木の葉のように俺の体を突き上げた。
あー。カッコつけすぎたかな?
ごめんなハルカ。今日は奢ってやれん。
視界がブラックアウトして、手足の感覚がなくなった。
このまま俺は、どうなるの?
「ほぎゃらあっ!?」
あらぬ悲鳴を上げた俺―――立儀 ユウは、ビクッとして毛虫を振り払おうとした。
だが、何を思ったのかなかなか離れない。ひしっ、としがみついている。
あろうことか、そのまま俺の腕の方にうねうね進撃を始めた。
もうだめだ死ぬしかないと思った瞬間、
「毛虫?w そんなのにじゅーりんされてんの?おもろw」
俺の幼馴染みのハルカがひょいと毛虫をつまみ上げ、桜の木の幹にくっつけてしまった。
名前でわかると思うがハルカは女で、いつもどんなときもさばさばボーイッシュだ。
運動部の女子と仲がよく、男子が女子と揉めた時は大体ハルカが仲裁に入っている。
だから、女子の味方としてはかなり人気が高い。
いつも、帰り道は後ろから追いついてきて、ブラックジョークや強引な買い物で振り回されるのだが、最近は何かと振り回す力が弱くなった気がする。
「虫嫌い、直しなよw」
ちょっと先に歩いてくるりと後ろを振り返り、あどけなさと小悪魔みたいな意地悪さが混じった表情ではにかんだ。
「うっせぇ!お前こそ何で女なのに毛虫さわれんだよ!」
「ふっふー、舐めんなよ?」
チッチッチッ、と人差し指を横に振りながら唇を尖らせて言うハルカ。
正直に言おう。こんなに大雑把なハルカに、恋愛感情を抱いたことのない訳ではない。
だが、小6の時に告白して成功したのが最後ぐらいで、高校生になった今では回りを気にしてお互いに顔を会わせなくなった。クラス替えもあったりしたしねぇ。
まあ、フツーだろ?回りを気にすんのは。
あれやこれや雑談している内に、とある交差点についた。
ここは交通量―――特にトラックが多くて、チャリで通う奴らに恐れられている。
さらに、正面に急カーブがあるから曲がりきれないトラックがガードレールに激突する哀れな事故が多発していた。
信号を調節すればなんとかなる気がするのだが、こんなとこにわざわざ来るほど業者は暇じゃないか。
そう考えた矢先だった。
曲がりきれない大型乗用車が、タイヤから煙を上げながらドリフトで突撃してくるのが正面に見えた。
「!!」
瞬間的にハルカを両腕で歩道の奥に突き飛ばした。
「ユウーーーーーっ!」
ハルカの叫ぶ声が耳のバックグラウンドに響く。
車はドリフトでガードレールに激突し、そのままのスピードで突っ走ってきた。
ガードレールの破片が俺の脇腹や腕に突き刺さって、血飛沫を上げた。
本来なら死んでもおかしくなかったが、不思議と痛みはない。きっとアドレナリンってやつが出てるんだろう。
やがて、俺の体と乗用車の車体が激突し、木の葉のように俺の体を突き上げた。
あー。カッコつけすぎたかな?
ごめんなハルカ。今日は奢ってやれん。
視界がブラックアウトして、手足の感覚がなくなった。
このまま俺は、どうなるの?
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