職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~

黒水晶

閑話\u3000あなたも【鬼狐】で働きませんか?

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 貴方も【鬼狐】で働きませんか?アットホームな職場です。

 雇用条件 魔物であること。理性があること。強さはといません。
 
 主な仕事 悪魔および魔王討伐。邪神討伐。危険指定魔物の討伐および食料調達。農作業。クレア製菓工場ないでのお菓子、食品の生産。また、それら商品の販売。

 報酬 神界共通通貨か現物支給、またはその両方。

 場所 神界近くの世界【シュヴァレア】

 アクセス 神界内のゲートから、もしくは鬼狐の誰かに連れてきてもらう。

 ※鬼狐になると、好きな場所から好きな時にゲートを開けられます。
 
 代表取締 クレアシオン=ゼーレ=シュヴァーレン

 ※クレアシオン=ゼーレ=シュヴァーレン不在により、現在、副代表のシュヴァルツ、ヴァイスが指揮を取っています。

 飲み会が週に二回あり、交流を深めます。
 
 ※現在シュヴァーレン不在により、暴食の料理ショーはありません。

 よくある質問 Q&A

 Q神域の魔物じゃないのですが、大丈夫ですか?
 A大丈夫です。戦闘だけが全てではありません。

 Q今まで殺し合しかしたことがなく、壊すことしか出来ませんでした。こんな、私でも馴染めますか?
 A鬼狐のほとんどがそのような孤独に苦しめられていました。欲望のままに破壊を楽しむ方じゃなければ、大丈夫です。

 Q眷族が多いのですが、眷族も鬼狐に入っても大丈夫ですか?
 A理性があり、他者に迷惑をかけないのなら大丈夫です。眷族を従えている魔物も鬼狐には多くいます。

 
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 募集の張り紙を作り終えた、シュヴァルツとヴァイスは体を伸ばす。鎧の軋む音がなっている。二人は元々、龍でスキルで人の形をとっている。その姿は騎士のようであり、フルプレートを着込んでいるように見える。

 なぜ、【鬼狐】のツートップがこのようなことをしているかというと、鬼狐には人形の魔物が少なく、人の形になれる者もほとんどいないため、二人がやっていた。

「これで来てくれると思うか?」
「無理じゃないか」
「だよな」

 今までに、鬼狐に入りたいと自分から来たものは邪に属する魔物が多かった。負のエネルギーが魔力に混ざると生まれ、人を食い、苦しめ、神すら襲う。神界に近いから、神界に攻め込みたい魔物がやって来る事がたまにある。そして、食卓に並ぶ。……わざわざ調理台の上に登ってくれたのだ。美味しく食べてやろう。

 まともな魔物は募集のチラシを怪しむか、神域の魔物に怖れて近づいてこなかった。

 今居る鬼狐たちは、クレアシオンと戦って鬼狐に入ったか、彼が噂を聞き、スカウトしたか、鬼狐の誰かと戦って入ったかのどちらかだった。そのため、鬼狐は神域の魔物で構成されている。直接戦って悪い奴じゃなかったら、勧誘する、という感じで増えてきた。今では百体以上いる。

「でも、あいつらみたいに、苦しんでいる魔物を救うためだ」
「ああ、少しでも可能性があるのなら、やるしかあるまい」

 シュヴァルツとヴァイスは同じ世界で何千年と争い続けていたので、孤独ではなかったが、鬼狐には苦しんでいた過去を持つものもいた。

 今も一匹で世界中の人から一方的に恐れられ、攻撃され、戦うしかない者も居るかもしれない。対等に話せる者が居らず、孤独に苦しんでいる者が居るかもしれない。

 神域の魔物とは、力ゆえに孤独であり、敵が多い。

 今日もまた、鬼狐は勢力拡大を目指していた。共に笑う仲間を増やすために、理不尽に攻撃される者を減らすために、

◆◇◆◇◆

「……まだ、勢力拡大するのですか?」
「……そうみたいですね。クレアが居なくなっても、大きくなるんですね」

 アリアとイザベラは目の前の紙を見て、そう溢す。鬼狐がまた、大きくなろうとしていた。実際は、神域の魔物の数自体が少なく、鬼狐に入れるぐらい理性があり、殺戮や暴力を好まない魔物は滅多にいないため、中々増えないが、一匹でも、鬼狐に入ると大幅に戦力が上がってしまう。

「……確かに、アットホームな場所ですけど」
「職場……なのですか?」

 アリアとイザベラには、凶悪な魔物を狩にいき、集まって酒を飲み、騒いで料理を食べて笑い、なぜか、農作業を楽しんでいる魔物たちしかみていない。たまに、悪魔や邪神を殺してきているが、職場かと聞かれると首を捻りたくなる。

「まあ、楽しそうですし、いいですけど」
「そうですね」

 今日もまた、農作業に従事し、神から頼まれた魔物を優先的に食料として狩にいき、定期的に飲み会を開き、神々とも交流を深める鬼狐たちをみて、アリアとイザベラはそう思った。

 こうして、クレアシオンの知らないうちに、戦力が拡大していく。

◆◇◆◇◆

 一方その頃、クレアシオンはというと、

「酒が呑みたい。葉巻を吸いたい」
「ご主人様、子供が何言ってるんですか?大人になってからですよ。あと、葉巻は体に毒です」

 転生により、強制的に禁酒、禁煙をさせられていた。あと、喫煙はソフィアが許してくれなさそうなので、これから吸う機会は永遠に来ないのだが、それはクレアシオンが大きくなってから葉巻を吸おうとしてはじめて知らされること。

 クレアシオンはソフィアに山葡萄のある場所を聞き、山葡萄を集め、お酒が呑める年齢になったら飲もうとワインを作りはじめた。

「楽しみだな」
「そうですね」
 
 彼らは山葡萄を摘まみながら、そう話し合った。


ありがとうございました。

 【鬼狐】の主な収入源は魔物と悪魔退治、農場の野菜や畜産物、工場でのお菓子や食品です。けっこう儲かっています。ですが、そのお金の主な使い道が酒です。食料は自給自足、家はそもそも体の大きさ的に入れないので、【シュヴァレア】の中には草原、海、荒野、山、火山、氷山などの様々な生息環境があり、いらない。物欲もドラゴンや龍しかないので使い道が酒しかないのですが、酒の消費量はヤバイです。体の大きさ的に……。



 やばい、そのうち本編より閑話が増えていくかもしれない……。

「職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く