最弱能力者の英雄譚 ~二丁拳銃使いのFランカー~

緒賀 実弦

時空逆行翻転編 第一+一章 不死身の少年 45話

 なにかが、俺が大切にしていたものが、二つに、どうしようもなく、そして狂ってしまいそうなそんな現実を俺は、いいやこれは夢だ。
 俺はそんなとんでもないような夢を見ていた。

「いかないでくれ…イ。なんで、なんでこうなったんだ」

「大丈夫、私は大丈夫なの。だからあなたはあなたの現実を歩んで。どんなに辛くても大丈夫だよ、タスクはね、私のタスクは強いんだから」

 彼女はまるで聖母のように太陽のような無償の愛を、俺という全てを覆い包むようにして俺にそういってきた。ボロ雑巾のような俺に。
 俺の存在自体なんて…… どうなってもいい、どんな辛いことがあっても、彼女が生きていられるなら、どんな地獄でも俺は…… 生きていける。
 だからッ…… だからこそ。

「俺は、それでもそれでもぉお!!」

 彼女に抱きしめながら、守ると心で決心しながら、俺は彼女の中で泣きじゃくっていた。
 こんな結末が、彼女が望んでいたのか?
 なあだれか教えてくれ、誰か俺を目覚めさせてくれ。
 なあ、こんなことがあって……

「私はね、幸せだったの。例えこの世界がまた一から始まってもね」

 それって、マ…の存在がいなくなるって……
 しかし彼女はそんな俺の考えを知っていたようにいいやわかっていたように、こう答えた。

「私が私じゃなくなっても、タスクがね、絶対に私を見つけてくれるよ」

 彼女はそういった。
 まるで全てを知っているかのように、俺の知らないようなものを見ていたかのように。
 なにを言っているんだよ。

「俺は、マ…が何を、何を言っているのかわからないよ」

 鼻水が、彼女のふとももへと流れた。
 本当にだっさい俺だった。

「いずれわかるときが来るよ」

 安心してと、彼女は泣きじゃくる俺の背中を暖かい手でなんどもなんどもなんどもなんども摩っていた。
 俺には寒すぎるような現実から、凍えている体を温めているかのように。
 こんな結末。
 ありなのかよ。

 ◇ ◇ ◇

 俺は田舎町のにわとりの鳴き声を間近でいいや、すぐ近くで聞いているような大きな音で目覚ましが鳴った。
 とんでもないような音に、機能の設定を間違えてしまったかという、とんでもないような最悪の目ざめだったのだ。

 ッてぇ、うおッ!!

「いって…… 悪夢の次は、床がお目覚めのチューですかこの野朗」

 その頭が痛くなるような目ざめと共に、俺は床チューをされたのだった。
 顔面にフライパンをぶつけてしまったように、顔全体がくっそ痛かった。
 くそったれがと、一言を添えて、腕立て伏せのように置きあがる。
 起きた直後に、顔の形状を確認しながら、床に転がって天井を見た。
 ベットを変えるべきであると考える。
 何度、この染み付いた天井を見ただろうか。数え切れないくらいか?
 いいやそんなものは俺にはわからないほどに、俺はこのトタンハウスにすんでいたのだ。だからだろう。
 この夢も何度も同じような事柄をデジャブのように追体験をしているのは……

 まあいいかと、いつものような思考に戻り、洗面台に向かったのだった。
 まるであれだ。
 俺はループ物語の主人公のようだな。
 こうてきとうな考察をしてマジでループ主人公だったら、笑っちまうわ。
 というよりか俺にも予知能力が目覚めてしまったのか?
 歯磨きを磨きながら、リモコンで21インチ型のブラウン管テレビを付けた。
 朝早くの5時からやっていたのは、ニュースだった。

「おはようございます、今朝のニュースは、まずこちらから」

 と一人の女性が、後ろのボードを横へと移動させて貼り付けれていた紙をはがした。

「昭和の大預言者、山田王仁四郎さんの新しい預言書解釈が昨日に発表されました」

 だいたい外ればかりなオカルトで世界なんて救えるのかと、俺のような能力者はそう思っているだろう。
 この世界は、能力者という存在があった。
 科学の力によって適正のある人間は能力を開発されている。
 世界は強さによって、その全てを決定付けられている。
 俺が、所属しているのは、ヤングサンクションズという国際連盟能力者連合組織に所属している。
 国々が、能力者の育成を1978年から、一斉に初めた。
 初めて能力者が実戦に投入されたのは、イラク開戦だった。
 通常の兵器を軸にした、能力者部隊による、戦争が今では主流となっている。
 ここでは、強さによってランク付けがされている。
 AからFまであり、俺は一番なのだ。
 下からな。

 話は戻り、別にオカルトは嫌いなわけではない。
 たしかに、身にもならないようなとんでもない無責任な予言ばかりが、彼らが生前に発信したことによって、世界は何度かのざわめきが起こる。
 まあそれはある程度平和があるような温もりに満ちた世界ならば、ちょっとの刺激を与えるというのならば、それはそれでありだとは思う。
 しかしだな、戦闘が確かにちょっとだけ少なくなったこの世界では、とんでもないような効果を発揮するということを今生きているのならば、直接にして教えてやりたい。
 無責任すぎると。
 実はここだけの話、少しだけ興味があった。

「ちょうど来週になる、八月十五日に、十二支族の一つが目覚めるということです」

 だだんッ!! とまるで得意げに発表したので、馬鹿らしくなった俺は、さすがに局を変えた。
 たかが、数回あたっただけで、本物の予知能力者と比べると、そんなものはたいしたことではないだろうと、能力者をしらないようなテレビのアナウンサーの顔に嫌気がさしながら、俺はチャンネルを変える。
 っていうかなんだ十二支族って。
 お前はついに、ミ○ターフル○イングを過去に透視しちまったのかとなつかしの漫画を思い出した。
 十年経った、この2015年でも朽ちない名作ですよ。
 破竹破竹ってバット振り回していたあの子供時代に戻りたいぜ。
 まあ日本ではまだ成人をしていない17歳の子供だけどな。
 っていうか俺って、そんな漫画を知っている時点で何歳だったのだろうかと考えたが、どう考えても17歳の若造だった。
 なんで7歳のころに連載されていたものを知っていたんだ……

 まあいいや。

 さすがに、テレビを見すぎていたのか。、口の中に入っていたミントの歯磨き粉のあれらが、ミントの味をしなくなっていたので、口をゆすぎに洗面台へと向かっていた。
 鏡をみると髪と髭もそろそろそってしまったほうがいいのかと、考える。今度にでも、床屋にでも向かって髭剃りをやってもらうかと財布の中を思い出していた。
 たしか今月は、86ドルの配給があったのでとりあえず、大丈夫だろうと、財布の中身を計算していた。
 いままでの日常品の金額から、財布の中身は、12ドルしかなかった。
 現在の日は、8日。
 今月これで乗り切れるのか?……

 床屋にすらまともに、行けないのが”Fランク”の配給金額だったのだ……

「マジで、クソッタレな環境だねッ!!」

 歯磨き粉をつばをはき捨てる要領で、洗面台に出すと、勢いよく吐きすぎてしまったのか、洗面台に跳ね返って俺の顔にかかってきた。



 俺は、とぼとぼと学食エリアを歩いていた。
 いきなりと、後ろから石をぶつけられたような衝撃が後頭部を襲ってきた。

「いててえ「よう、タスク。今日も洒落にならないくらいに辛気くせえツラしてんなあ!」」

 と、後ろから飛び蹴るようにして、俺の頭をサッカーボールのようにして飛ばしたのは、スパッツ女だった。

「ようスパッツメン、今日はそのジャパニーズふんどしはちゃんと洗濯されているのか?」

 三回殴られた。
 顔を。

「エマさんと呼びな」俺の前につばを吐いて「ちっ、人がせっかく元気ださせてあげてんのによお、ありがたくおもうんだぜえ」

 立ち上がりながら、どんな口癖なんだろうかと、俺は思った。
 そして学食を買いに行く。
 彼女も目的はおなじなのか俺についてきた。
 説明しよう。
 エマ・B・ロード。
 ヤングサンクションズBランク。
 超筋力の使い手。
 始まりの能力者であり、このヤングサンクションズを作った、現理事長の爆堂 香江子〈バクドウ カエコ〉の娘である。
 こいつはかなりの美形。
 特に顔だ。
 妙にしっかりとしたイタリアとかそこらあたりの顔立ちで、母が日本人だったか絶妙にジャパンな顔をしている。(俺もジャパンな顔立ちだけど)
 目はなんでも見透かすような二重、鼻はほどよく透き通っており、口は妙に厚ぼったいがそれなりに形もよかった。
 体はまじでモデル。
 慎重は170センチある俺よりも10センチくらい大きい。
 なんでか知らないけど、たまにたかいたかいをされる。
 中身(性格)によらずナイスバディーでもある。
 おしりが大きいけどそこがいい。

「お前ってさあ、口を開いたらモテないタイプだよな、いっそのことその口を糸で縫ってみたらどうだ?」

「あーなんだって? むしろ女性に向かってそんな口の野郎こそ、ミジンコサイズの金玉をちょん切るほうがいいと思うぜ」

「訂正、お前って女じゃなかったわ」

 鉄拳が顔に襲い掛かってきた。

「ってえなあ! だからおめえはモテないんだよ」

 周りの連中が俺たちを見て、そして視界をエマのほうへと動かした。
 彼女の破天荒な態度に誰もが身をよける。

 とばっちりが飛んできそうな闘牛に似た性格は、この学園では有名であった。

「あまり、調子に乗るお前がわりいんだろうが」

 長年、いいや正確には3年こいつと同じチームだった。
 こいつがデレたところはまったくとなかった。
 たぶんこれからも。
 しかしこいつとは明日でフォーエバーだぜ。

 ふたりして購買のパン購買所へとついた。
 阿保みたいな人の数で、ごった返している。
 エマはブラウスのシャツをめくって、その見かけによらないようなすさまじい筋肉、(能力の超筋力によって、ある程度までの筋肉は成長はしないが、とんでもないような筋力を発揮する能力)を見せた。
 まあふつうの女の子のような腕をしている。
 彼女のこの学園トップクラスの超筋力のおかげで、漫画の世界のような筋力になっているが。

「さあて、今日もあばれますっかな」

「頼むからほどほどにしてくれよ」

 とにかく、彼女はシャツをまくり上げて、鼻息を超特急トーマスのように出すと、人の波へと進んでいった。
 とりあえずいつものように、それについていく。

「みんなあ、エマ様のお通りだああああああ」

 エマの近くにいた一人の男が大声を出した。

「うわあああああああああああああああああ」

 悲劇というか、なんというか、みんなゾンビパニックの大衆のように彼女から逃げていた。
 その時、一人の勇者が彼女の前に立った。
 いつものように一人の男が、結束能力を彼女に使おうと前に出ていた。
 しかし、いつものことなので、手慣れたようにエマはその男を、これまたいつものように倒した。

「こ、今度こそは……(ガクッ)」

 出オチでした。俺は目を閉じる。
 途中で自身の能力を使って彼女に対抗をしようとしていた、さきほど瞬殺された男のような人間が何人もいたが、この人並みのなかで効果もくそもなかった。
 彼女が前で薙ぎ払うかのように長蛇の列を吹き飛ばしていき、俺はいつものように、というか次、つまりは今日この行為をすると、俺たちは度重なる違反生として、いろいろとまずかった。
 しかし、それを彼女に伝えるのも、おそかった。

「どけどけどけぇええええいいいい!!」

 南無阿弥陀仏と、彼ら彼女らの無事を手を合わせ祈って彼女のあとをついていった。
 いやあ、これが頭を使うってことですよ。
(俺の後ろについてくる連中をノックアウトさせながら)
 着々と終わりが、つまりは列の頭が近づいてくる。

「エマ気をつけろよ、目の前に最速のエターナルがいるぞ」

「なにが最速だ。この世で大切なものは、速さではない」

 彼女が三人を倒しながら、そういう。
 俺はこう聞いた。

「じゃあ何が大切なんだ?」

 背中合わせで後ろにいる彼女。

「誰もが防げないようなとんでもない力だ」

 その言葉とともに、どういう理屈かはしらないが、彼女の目の前で10人がおもちゃのようにふっとんだ。
 アクションに全振りをしている洋画、それが俺の日常である。

「さすがにそれを見たら異論は認めないわ」

「だろうタスク。分け前は46だ。いいな」

「いやいや55だろうが常考」

 また一人とひらりひらりと、倒していった。
 それも接近戦ならば、この学園でそれなりに強い。
 エマには瞬殺。
 もちろん俺がな。


「よしそろそろ最前列だ。ここからはBランク帯から上の連中がぞろぞろいるぞ」
 俺はエマにそう告げた。
 エマと、互いにとなりあわせで走っていた。
 俺たちの愚行に気づいたのか、腕に帯をつけた、今どきではないような、風紀委員の連中が行く手を阻もうと、ぞろぞろと両端から湧き出てくる。
「そろそろこの学園随一のお前、囮の本領を発揮してくれてもいいんだぞ」
 エマは、あまりの大量の風紀委員におされぎみであった。
 そのために、俺の能力を頼ったのだ。
 俺の能力は、不死の能力である。
 どんな攻撃を受けても即時回復する能力だ。
 しかし殺傷性が優先される能力社会のために、俺の身体強化系はどうしても優遇されない。
 エマもまた、超筋力系統の能力者であった。
 エマは、俺の力を頼った。
 まあいつもながらに、ここで俺の囮の出番でもあったということだ。
 彼らは、学園の取り締まりを主に結成されたグループだ。
 トラブルが多い学園(だいたいが俺たちの仕業)であるため、度重なる出動にイラつかせている。
 血管が頭の額に浮き出ている人たちであった。
「他人に任せられるって、いい気持ちだよな」
 俺は一息をつくようにして、彼女にそう告げた。
 彼女はこちらを見て、笑っている。
 そしてすかさず、こう告げた。
「タスク、お前。俺の盾になるんだろ?」
 俺のエマに対して言及した、恥ずかしい過去を思い出したようだった。
 エマの口は、片方がちいさく上に動いた。
 大胆不敵に笑って、まるで俺を試しているかのようだ。
 というかいつもこのような大騒動を起こしているために、これからさきの道先案内は俺の仕事というわけでもあったのだ。
「あのときのことかよ…… 恥ずかしいからわすれてほしいなあ」
 おねだりするように、一人を殴りながらそう答えた。
「忘れるもなにも、俺にこんなことを豪語したのはお前ひとりだよ、タスク」
 俺の黒歴史をえぐるようにして、エマは口を閉じたあとに笑っていた。
 そんな彼女の顔に、風紀委員の一人の鉄拳が降りかかる。
 しかし、エマの逆に素早い反応でしゃがみ、足をつかんで、野球選手のように、バットを振る要領で、人ごみを蹴散らした。
 俺は、離れないように彼女についていく。
「まあ、あれだよ。あの時は勢いで言ってしまったんだ」
 特に反論もできなかった俺は、エマにその時の真実のようなものを言った。
「勢いで言うものか? お前って、勢いで子供作っちゃうようなそんな大人になっちまうかもな」
 せせら笑うようにして、彼女は、俺の言葉を返していた。
「なーに言ってんだ、女友達なんてお前しかいない、性格残念な俺に彼女ができるのかねえ」
 俺は卑屈なことを言い放つ。
「そう卑屈になるなよ、せっかくの辛気くせえ顔が、さらに最悪になっちまうぜ」
 一人一人と、エマは人を倒しながら、そんなことを言っていた。
 彼女は、たびたび、俺のことを慰める。
 この場合、慰めているか判定に困るが。
「いつもながらに、攻撃はこの俺が、防御はタスクお前が頼むぜ」
「ああ、わかったよエマ。いつもながらにだな」
 へへっ、と俺はこれから始まる大乱闘に心をワクテカさせていたその瞬間。
 一つ、周りがシュンと、まるで何かを見てしまったかのように静まり返った。
 バサッと、なにかが、俺とエマの前に振ってきた。
 黒い物体のようなもの。
 ――――いいやこれは……

「やあ、USSOCOM〈アメリカ特殊作戦軍〉に直属しているヤングサンクションズ部隊、通称特殊兵〈スペシャルソルジャー〉と呼ばれている諸君」

 そうして二人の前に空から降ってきたのは、一人の男だった。
 男は、黒いマントを自身の顔を覆い隠すようにして、舞わせると、今度は、頭にかぶっていた、黒い帽子をまるで魔術師のように消した。
 マジシャンのショーであるかのようでもあったが、しかしそこには、自身の周りすべてを嘲笑しているかのような、狂気と、そして憎悪が混じっている顔だった。
 マントは、ひらひらと、男の体のシルエットを大まかになぞるようにして、落ちていく。
 しかしそのシルエットは、あきらかに、その男の細身の青年の顔立ちである、顔に似合わないシルエットであった。
 あきらかに、何かをサプライズなのかと俺は内心考えていたが、しかし、季節は梅雨の時期である目に、そのようなことは考えられなかった。
 顔は明らかに、疲労とストレスが蓄積された、大きなクマだ。
 まるで傷を負っているかのような、大きな熊によって、その男が、どれほどのストレスが体の中にあったのか、わからない。
 しかし、ピンときた。
 こいつは、明らかに、何かが違うような存在であると。
 いままで俺が知っているような能力者の世界の住人ではないような気がしていた。

 こいつは、別の“何か”だ。

「エマ、ここを早く逃げ出すぞ」
 俺は、誰一人が動けなくなっている中、一人だけ動いていることができた。
 しかし、みんなはあっけにとられて、動かないでいるわけではなく、体が動かなくなっているようだった。
 まるで目の前に立っている一人の男に、体の操縦権が奪われてしまっていると言っている、顔立ちとあまりにも長い、停止の時間だった。
 俺の周りの2百人弱の能力者が、一瞬にして、動けなくなってしまうような、力を持っている男。
 俺は、一足先に動くことができたことが奇跡のようであった。
 この男はいったい何をしたのか、疑問が生じる。
 迷わずに、俺とエマの目の前に立っている、舞台役の主役ような男にこう聞いた。
「お前は、いったい全体、みんなに、何をしたんだ?」
 繰り返しそうな一瞬の時間の中、俺は男にそう尋ねた。
「ちょっとばかり、対大衆用のバインド魔術を使ったまでさ。ここまで僕に興味深々だなんて、ここの娯楽情報はどうなっているんだい?」
 男は冗談を言っているかのように、意味の分からないような単語を交えて、そんなことを言っていた。
「た、タスク…… 逃げろ」
 エマは、停止していた体に無理を言って、今にかすれそうな声で、そのようなことを言っていた。
 続けてこうも。
「こんな人数を一瞬にして黙らせるとは。……こいつは、俺たちのような歳愧じもいかねえ雑魚が戦うのには、土台無理な話なんだよ。お前だけでもタスク…… 逃げろ」
 反吐を咲きそうな声でエマは言う。
 いつも自身満々な彼女はそのようなことを、言ってしまったのは、あきらかにおかしなことだった。
「ちょっとばかり簡易的で事前に準備を練りに練っていた催眠術を容赦もなくして君らにかけた、この僕をほめちぎるのはやめてほしいね」
 日本と、白人のハーフの顔立ちをしているこの男は、このようなことを口走った。
 あきらかに、勝てないような相手であるのは承知だ。
 しかし――――
「何言ってんだよエマ、俺はお前の盾だろうが」
 俺はあきらめずにして、彼女の目の前に立って、男を両目でとらえた。




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