TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―

夕月かなで

お姉ちゃんVR ―千佳ちゃんに甘えよう!―

「……て、起きて。あ、やっと起きた」

 目を開けるとそこには、視界一杯に広がる綺麗な顔。
 重力に従ってサラリと落ちる白い髪がベッドに広がり、長い天然の睫毛が切れ長の瞳を華やかに彩る。

「おはよう。今日も可愛い寝顔ご馳走様でした」

 ニコリと笑うお姉ちゃん、千佳はベッドの上であなたの顔を覗き込んでいます。
 鼻が触れ合いそうな距離の中で朝の挨拶を交わし、千佳に一頻り撫でられた後は二人でリビングへ向かいます。

「それじゃあいただきます」

 千佳の隣に座って朝食を取ろうとすると、横から出てきた手に阻まれます。

「お姉ちゃんが食べさせてあげるね。はい、あーん」

 雛鳥のように口を開ければ千佳のお箸で摘まれた卵焼きが入ってきます。
 そして千佳はそのままのお箸で自分も卵焼きを食べました。
 あなたの視線に気が付いたのか千佳は箸を舐めるように口から引き抜き、ニヤリとした笑みでこちらを見ます。
 そして口をあなたの耳に近付けて囁く声で一言。

「間接キス、だね?」



「いってきまーす!」

 母に見送られながら学校へと出発すると、直ぐ様千佳から手が差し出されます。

「ほら、行くよ?」

 その手を取って、二人仲良く学校へ。
 毎日歩いている道を千佳と手を繋いで歩く、それだけでも心が浮かび上がるようです。

「どうしたの? 機嫌良さそうだね」

 ポカンとしている千佳を横目に、繋いでいる手をいつもより大振りで学校へと向かいます。

「ふふっ、可愛いなぁ」



 学校に辿り着いてしまうと、そこで一旦お別れになってしまいます。
 昇降口で靴を履き替えてまた手を繋、廊下を歩いていくと階段に突き当たります。
 一つ上の階で授業を受ける千佳とはここで離れ離れです。

「それじゃあまた後で。ってどうしたの?」

 千佳と離れたくないあなたはその手を強く握って離しません。
 すると微笑んだ千佳はあなたの頭を撫でてから、ぎゅっと抱き締めます。

「お姉ちゃんも寂しいけど、授業はちゃんと受けないとね?」

 ポンポンと背中を優しく叩かれたあなたは、コクリと頷いて手を離します。
 それを見た千佳ちゃんは満足そうに頷いてから階段を上がって行きます。
 そして踊り場で振り返って。

「寂しくなったら休み時間に来てもいいからね!」

 授業が終わったら直ぐに行こうと決意するあなたでした。



「わわっ、どうしたの抱き付いてきて」

 全ての授業が終わった後、あなたは千佳の教室へと飛び込みました。
 休み時間毎に来ようとしていたあなたは、千佳に友達と仲良くしなさいと言われてお昼休みしか会いに行くことが出来ませんでした。
 その寂しさを拭うように、千佳の薄い……成長途中の胸に飛び込んで抱き締めています。

「全く、甘えたがりなんだから」

 そう言う千佳も嬉しそうにあなたの頭を撫でます。

「もっと一杯甘えて欲しいなぁ。でも、あんまり甘やかしすぎるのも……」

 何やら困っている千佳を見上げていると、こちらの目線に気付きました。

「あっ、何でもないよ! ほら一緒に帰ろ」

 そしてまた手を繋いで、二人で肩を並べて帰路につきます。
 しかしそれだけでは足りなかったあなたが千佳ちゃんの腕に抱き付くのには、そうそう時間は掛かりませんでした。



「よし、それじゃあ電気消すね」

 夜の部屋、千佳と二人で抱き合うようにして布団に潜ります。
 お互いの顔が見えるように向き合って、他愛も無い話をしては小さな声で笑い合います。

「そろそろ寝ないと明日が辛いからね。今日はここまで」

 まだ話したいというあなたは抗議しますが、眠そうな千佳を見てその口を閉じました。
 大好きなお姉ちゃんの為です、ここは大人しく寝ることにしましょう。

「おやすみ」

 おやすみの挨拶をして互いに目を閉じます。
 しかしあなたはこっそりと目を開いて、千佳の寝顔をじっくりと堪能するのです。
 そうして瞼に千佳が映る位にジッと見詰めてから、あなたは再びゆっくり目を閉じました。
 今日の夢に、千佳が出て来ることを祈って。

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コメント

  • ノベルバユーザー320073

    意味不明すぎて笑えましたw

    0
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