TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
マリーを見守る会(会員一名)
「あ、マリーちゃんこんにちは!」
「こんにちはデス!」
「マリーお姉さん、何してるの?」
「先生のお手伝いデス!」
「あー、マリーちゃんだー」
「リンファ先輩、こんにちはデス!」
擦れ違う女の子たちから沢山の声が掛かり、私の視線の先でマリーは朗らかに課題らしきプリントを運んでいます。
そしてマリーの従姉妹である私、諸弓千佳は廊下の角から頭を出してその様子を観察中。
「ねぇ千佳ちゃん。マリーちゃんを見守るのはいいと思うけど、これじゃストーカーみたいだよ?」
「愛ちゃん、これは従姉妹として当然のことなんだよ。分かっておくれ!」
「いや、まぁ……私も千佳ちゃんに似たようなことしてるけど」
「ん? 何か言った?」
「なっ、何も言ってないよ! ほらマリーちゃん行っちゃうよ!」
「おっと! 次の角にダッシュだ!」
ボソボソと何か言っていた愛ちゃんを置き去りにして、私はマリーが消えた角へと走ります。
「こら千佳ちゃん! 廊下は走っちゃ、めっ! ですよ」
「柚梨ちゃん、ごめんなさい」
……競歩で角へと向かいます!
「あー! マリーお姉ちゃんだ!」
「本当ですね。こんにちは、マリー先輩」
「マリーねぇ、こんにちはっ!」
再び角から頭だけ出して観察していると、マリーはメグちゃんを筆頭に一年生ズと遭遇しました。
「こんにちはデス! 皆は何処に向かっているのデスカ?」
「私たちは図書室だよーっ!」
「今日は姉さんが当番ですので、様子を見に行くことになりまして」
「なるほど! リリが仕事してるんデスネ!」
「そういうマリーお姉ちゃんもお仕事中?」
「ハイ! 柚梨先生に頼まれマシタ!」
非常に小柄なマリーが一年生ズと並び、全く違和感の無い状況が広がっています。
あそこに飛び入って全員を抱き締めたい欲に駆られますが、角の壁を握り締めて何とか耐えました。
「千佳ちゃん、そんなにマリーの所に行きたいなら行けばいいよ?」
「駄目だよ愛ちゃん。今日は見守るって決めたんだ」
「えっと、どうして?」
「もうすぐマリーの短期留学が終わっちゃうでしょ? これまでは学校でもずっと私が一緒だったけど、それじゃあ成長しないからね!」
「……千佳ちゃんって意外と考えてるんだね」
「意外なの!? 私カリスマだよ!?」
「でも考え無しのときの方が多いよね?」
「……ひゅひゅひゅーひゅー」
「口笛吹けてないよ、千佳ちゃん」
何だか厳しい愛ちゃんから逃れるように目を離して、再び角から顔を出す。
目の前には、マリーの顔が。
「うぇっ!?」
「チカ、さっきから何してるんデスカ?」
「いいいいいいいや、何も、何もしてないよ?」
「……じゃあどうして隠れてるデスカ?」
「えっと、それは、その」
「そんな所に隠れてないで、一緒に行きマショウ!」
焦る私を知ってか知らずかマリーはプリントを片手で抱え、余った手で私の手を掴みました。
そして一緒に並んで、廊下を歩き出します。
「やっぱり一緒がいいデスネ!」
「……うん、そうだね!」
そう言って嬉しそうに笑うマリーを見てしまっては、もう見守ってなんていられません。
私はマリーにギュッと抱き付きました。
「ワワッ!? チカ、歩きにくいデス!」
「えへへ、ごめんねマリー。お詫びにプリント半分持つよ」
「ハイ、ありがとうございマス!」
プリントを抱え、もう片方の手で互いを握り合って。
生徒たちに暖かい眼差しで見守られながら、私とマリーは教室へと歩いていくのでした。
「千佳ちゃん、やっぱ考え無しだよ……」
「こんにちはデス!」
「マリーお姉さん、何してるの?」
「先生のお手伝いデス!」
「あー、マリーちゃんだー」
「リンファ先輩、こんにちはデス!」
擦れ違う女の子たちから沢山の声が掛かり、私の視線の先でマリーは朗らかに課題らしきプリントを運んでいます。
そしてマリーの従姉妹である私、諸弓千佳は廊下の角から頭を出してその様子を観察中。
「ねぇ千佳ちゃん。マリーちゃんを見守るのはいいと思うけど、これじゃストーカーみたいだよ?」
「愛ちゃん、これは従姉妹として当然のことなんだよ。分かっておくれ!」
「いや、まぁ……私も千佳ちゃんに似たようなことしてるけど」
「ん? 何か言った?」
「なっ、何も言ってないよ! ほらマリーちゃん行っちゃうよ!」
「おっと! 次の角にダッシュだ!」
ボソボソと何か言っていた愛ちゃんを置き去りにして、私はマリーが消えた角へと走ります。
「こら千佳ちゃん! 廊下は走っちゃ、めっ! ですよ」
「柚梨ちゃん、ごめんなさい」
……競歩で角へと向かいます!
「あー! マリーお姉ちゃんだ!」
「本当ですね。こんにちは、マリー先輩」
「マリーねぇ、こんにちはっ!」
再び角から頭だけ出して観察していると、マリーはメグちゃんを筆頭に一年生ズと遭遇しました。
「こんにちはデス! 皆は何処に向かっているのデスカ?」
「私たちは図書室だよーっ!」
「今日は姉さんが当番ですので、様子を見に行くことになりまして」
「なるほど! リリが仕事してるんデスネ!」
「そういうマリーお姉ちゃんもお仕事中?」
「ハイ! 柚梨先生に頼まれマシタ!」
非常に小柄なマリーが一年生ズと並び、全く違和感の無い状況が広がっています。
あそこに飛び入って全員を抱き締めたい欲に駆られますが、角の壁を握り締めて何とか耐えました。
「千佳ちゃん、そんなにマリーの所に行きたいなら行けばいいよ?」
「駄目だよ愛ちゃん。今日は見守るって決めたんだ」
「えっと、どうして?」
「もうすぐマリーの短期留学が終わっちゃうでしょ? これまでは学校でもずっと私が一緒だったけど、それじゃあ成長しないからね!」
「……千佳ちゃんって意外と考えてるんだね」
「意外なの!? 私カリスマだよ!?」
「でも考え無しのときの方が多いよね?」
「……ひゅひゅひゅーひゅー」
「口笛吹けてないよ、千佳ちゃん」
何だか厳しい愛ちゃんから逃れるように目を離して、再び角から顔を出す。
目の前には、マリーの顔が。
「うぇっ!?」
「チカ、さっきから何してるんデスカ?」
「いいいいいいいや、何も、何もしてないよ?」
「……じゃあどうして隠れてるデスカ?」
「えっと、それは、その」
「そんな所に隠れてないで、一緒に行きマショウ!」
焦る私を知ってか知らずかマリーはプリントを片手で抱え、余った手で私の手を掴みました。
そして一緒に並んで、廊下を歩き出します。
「やっぱり一緒がいいデスネ!」
「……うん、そうだね!」
そう言って嬉しそうに笑うマリーを見てしまっては、もう見守ってなんていられません。
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「ワワッ!? チカ、歩きにくいデス!」
「えへへ、ごめんねマリー。お詫びにプリント半分持つよ」
「ハイ、ありがとうございマス!」
プリントを抱え、もう片方の手で互いを握り合って。
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