TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
雨のち涙のち晴れ
「……雨降ってきた」
「そうだねぇ」
「……千佳、止まして?」
「可愛く首を傾げても、無理なものは無理だよ?」
「……そうなの?」
莉里ちゃんの中で、私は一体なんなんだい?
休日のある日。
曇り空の下、天気予報士さんを信じて持ってきた傘と共に、朝から莉里ちゃん、桃ちゃんの家へとやってきました。
二人と共に遊びお昼ご飯も莉里ちゃんママに作って戴いて、気付くと外には小降りの雨が。
午後からはお出掛けしようかと話をしていたけれど、まだ降り続きそうな天気に莉里ちゃんはしょんぼりしています。
「姉さん、あんまり無理言っては駄目ですよ」
「……冗談」
「知ってます」
「寧ろ冗談じゃなかったらびっくりだよ」
それに莉里ちゃんは言葉数が少なくても、表情が物語るからね。
嘘を吐けば顔はニヤリと笑ってしまうので、冗談やドッキリを仕掛けようとすると直ぐに皆にばれてしまいます。
まぁその時は空気を読んで、分かってない振りやノリに乗っていくのですが。
「さて、外に行けないとなったら何をしようか」
「……桃は何がしたい?」
「私が決めていいんですか?」
「いいよ」
「えっと、それじゃあこの前お父さんが買ってきたパズルをやりませんか?」
「おお! それはいいね!」
「……確か二階の部屋に置いてるはず」
そう言った莉里ちゃんはタッタッと走ってリビングを出て、足音が二階へと上がっていきます。
提案した桃ちゃんよりも楽しそうに走っていく姿を見て、私と桃ちゃんは笑い合います。
私の方の姉妹はメグちゃんの方が元気で、姉である私が振り回されることが多いのですが、こちらは桃ちゃんが莉里ちゃんに振り回されるみたい。
そうして莉里ちゃんが持ってきた『わんにゃんジグソーバズル!百二十六ピース』に、三人で挑戦します。
額縁が無いので最終的には崩すことになりますが、箱に描かれたプリティな子犬と子猫たちを完成させるために頑張ります!
「千佳先輩と恵って、仲が良いですよね」
「ん? 桃ちゃんだって莉里ちゃんと仲良いよね」
「……桃と私の絆は、永遠」
「確かに姉さんと仲が良いんですけど、千佳先輩たちとは何か違うなと思いまして」
「うーん、別に私とメグちゃんの仲の良さと一緒じゃなきゃいけないって訳じゃないと思うよ。二人には二人の仲があるんだから」
「はい」
「……桃、不安? 私じゃ駄目だった?」
「そんなことはないです! ただ、千佳先輩たちを見てると、私ももっと妹らしく振舞うべきなのかと」
「……桃は桃。このままでいて」
「姉さん……」
「あれ? 私置いてかれてない? おーい」
二人の世界が形成されたので、寂しくもジグソーパズルを進めていきます。
尚、二人の手は止まったままです。
「いいもん、帰ったらメグちゃんに一杯甘えるもん」
「姉さん……」
「……桃」
「あ、でも甘えるならリンファ先輩がいいなぁ。今度家に呼ぼうかなぁ」
「姉さん……」
「……桃」
「あの、こっちの角完成したんだけど」
「あ、すみません千佳先輩! 聞いてませんでした」
「……どうしたの、千佳?」
「いや、うん、いいよ。うん、大丈夫だから」
私もメグちゃんと花ちゃんと居るときは、周りの音が聞こえなくなるときもあるからね。
だから別に、寂しくなんかないもん。
ないもん。
「わわ、千佳先輩泣かないでください!!」
「……ごめん、千佳」
雨が降り注ぐ中、パズルが完成する頃には涙も雨も上がっていました。
達成感に皆でハイタッチを交わし、喜びを分かち合いました。
……リンファ先輩の登場で、最近私の精神年齢が下がっている気がします。
気のせいだよね?
「そうだねぇ」
「……千佳、止まして?」
「可愛く首を傾げても、無理なものは無理だよ?」
「……そうなの?」
莉里ちゃんの中で、私は一体なんなんだい?
休日のある日。
曇り空の下、天気予報士さんを信じて持ってきた傘と共に、朝から莉里ちゃん、桃ちゃんの家へとやってきました。
二人と共に遊びお昼ご飯も莉里ちゃんママに作って戴いて、気付くと外には小降りの雨が。
午後からはお出掛けしようかと話をしていたけれど、まだ降り続きそうな天気に莉里ちゃんはしょんぼりしています。
「姉さん、あんまり無理言っては駄目ですよ」
「……冗談」
「知ってます」
「寧ろ冗談じゃなかったらびっくりだよ」
それに莉里ちゃんは言葉数が少なくても、表情が物語るからね。
嘘を吐けば顔はニヤリと笑ってしまうので、冗談やドッキリを仕掛けようとすると直ぐに皆にばれてしまいます。
まぁその時は空気を読んで、分かってない振りやノリに乗っていくのですが。
「さて、外に行けないとなったら何をしようか」
「……桃は何がしたい?」
「私が決めていいんですか?」
「いいよ」
「えっと、それじゃあこの前お父さんが買ってきたパズルをやりませんか?」
「おお! それはいいね!」
「……確か二階の部屋に置いてるはず」
そう言った莉里ちゃんはタッタッと走ってリビングを出て、足音が二階へと上がっていきます。
提案した桃ちゃんよりも楽しそうに走っていく姿を見て、私と桃ちゃんは笑い合います。
私の方の姉妹はメグちゃんの方が元気で、姉である私が振り回されることが多いのですが、こちらは桃ちゃんが莉里ちゃんに振り回されるみたい。
そうして莉里ちゃんが持ってきた『わんにゃんジグソーバズル!百二十六ピース』に、三人で挑戦します。
額縁が無いので最終的には崩すことになりますが、箱に描かれたプリティな子犬と子猫たちを完成させるために頑張ります!
「千佳先輩と恵って、仲が良いですよね」
「ん? 桃ちゃんだって莉里ちゃんと仲良いよね」
「……桃と私の絆は、永遠」
「確かに姉さんと仲が良いんですけど、千佳先輩たちとは何か違うなと思いまして」
「うーん、別に私とメグちゃんの仲の良さと一緒じゃなきゃいけないって訳じゃないと思うよ。二人には二人の仲があるんだから」
「はい」
「……桃、不安? 私じゃ駄目だった?」
「そんなことはないです! ただ、千佳先輩たちを見てると、私ももっと妹らしく振舞うべきなのかと」
「……桃は桃。このままでいて」
「姉さん……」
「あれ? 私置いてかれてない? おーい」
二人の世界が形成されたので、寂しくもジグソーパズルを進めていきます。
尚、二人の手は止まったままです。
「いいもん、帰ったらメグちゃんに一杯甘えるもん」
「姉さん……」
「……桃」
「あ、でも甘えるならリンファ先輩がいいなぁ。今度家に呼ぼうかなぁ」
「姉さん……」
「……桃」
「あの、こっちの角完成したんだけど」
「あ、すみません千佳先輩! 聞いてませんでした」
「……どうしたの、千佳?」
「いや、うん、いいよ。うん、大丈夫だから」
私もメグちゃんと花ちゃんと居るときは、周りの音が聞こえなくなるときもあるからね。
だから別に、寂しくなんかないもん。
ないもん。
「わわ、千佳先輩泣かないでください!!」
「……ごめん、千佳」
雨が降り注ぐ中、パズルが完成する頃には涙も雨も上がっていました。
達成感に皆でハイタッチを交わし、喜びを分かち合いました。
……リンファ先輩の登場で、最近私の精神年齢が下がっている気がします。
気のせいだよね?
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