TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―

夕月かなで

運動会!妹ラブ!

「さぁて気を取り直して次のプログラムやで!」
「うぅ……」
「千佳ちゃんも照れとらんで、実況してや~」

 全校生徒どころか運動会を見に来た保護者たちにも放送事故、もとい失態を晒してしまった私は顔を両手で覆って俯いていました。
 が。脇を小突いてくる湖月ちゃんに、マイクが入ったまま怒られてしまったので頑張って復活します。

「ごふっ、それでは、プログラム二番。ぐ、ごばぁっ、一年生女子による五十メートル走ですぅ」
「めっちゃダメージ食らっとるな~。ほら、しっかせい! メグちゃん達の出番やで!」
「はっ!? そうだ、こんなところで倒れている場合じゃない!」
「いや、倒れとらんけどな」
「さぁ可愛い可愛い一年生女子達! 頑張って! 私の妹たち!」
「職権乱用や! 皆を応援してや!?」

 いいんです。
 だって私は実況担当である前にメグちゃん、花ちゃん、桃ちゃんのお姉ちゃんなんだから!

「……桃は私の」
「うわぁ!? いつの間に莉里ちゃん来とったんや!?」

 も、桃ちゃんだって私の妹みたいなものだもん!
 共通財産だよ!

「わ、私は物じゃないですからね!」
「桃ちゃん、急にどうしたの?」
「桃ー。壊れた?」



 そして本部のテントで二人の姉のバトルが終わった頃、一人増えた放送席から実況が再開されます。
 小学校に入ってから初めての運動会、是非とも頑張ってほしい!
 あとお父さん! カメラは任せたよ!

「さぁ始まりました! おっと一組が頭一つ抜けた! 四組と五組がその後を追っていく!」
「二組の子もまだ抜き返せるでー!」
「……ファイト」
「さぁ次の走者たちがスタート位置へと着きました! あ、皆こちらへと手を振ってくれています! 超可愛い! 抱きしめたい!」
「はいはいどうどう。ほら、スタートしたで! お、今回は皆横並びやな!」
「……気の抜けないバトル」

「いい走りでした! 次はっ!? 桃ちゃーん! 見て莉里ちゃん! 桃ちゃんだよ!」
「……桃、ファイト」
「贔屓はやめてや! 他の子達も頑張って!」
「おっと、そうだった。皆さんも応援してあげてください!」
「……桃、残念」
「まぁ、体育系じゃないからね……。さて次の走者です!」

 そうしてハイテンションで実況をしていると、花ちゃんの出番が回ってきました。
 実況席に向かって腕をブンブンと振っています。
 実況を投げ出して、席を立って手を振ろうとしましたが、湖月ちゃんに座らされました。

「頑張れ花ちゃん! そして一緒に走る女の子たちも頑張って! お姉ちゃんが見てるからねー!」
「シスコンここに極まれり、やな。これ、メグちゃんの出番来たらどないなるんや……」

 そして湖月ちゃんの危惧する事態がやってきました。
 自信満々の表情でスタートラインへと立ったメグちゃん。
 まさに、既に勝負は決まっていると顔が語っています!

「うおおおお! メグちゃん頑張れええええ!」
「ちょ、音割れとるから!声でかいから! 身内贔屓しすぎやねんてぇ!」
「お父さん! お父さん! ちゃんとカメラ準備できてる!? できてるよねぇ!?」
「待って千佳ちゃん! これ、実況やから! 個人の連絡するやつちゃうから!」
「お父さんからの両手で大きく丸を頂いた所で、皆準備が整ったようですね! さぁ皆頑張って!」
「いきなり普通に戻るんやな……ちょっとツッコミしすぎて喉痛なってきたわ……」

 因みにメグちゃんは一位を獲得しました。
 花ちゃんは三位、桃ちゃんは残念ながら最下位となってしまいました。
 さぁ妹たちが頑張ったんだ、次はお姉ちゃんがいい所見せるからね!

「……桃は、私の妹だよ?」

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